御宿町(おんじゅくまち)は、千葉県の南部に位置し、夷隅郡に属する町。
海岸部は南房総国定公園に指定されている。日本三大海女地帯の一つ[1]。童謡「月の沙漠」発祥の地としても知られる。
地理
千葉県南東部に位置し、県庁所在地である千葉市から約50キロメートルの距離である。東京都の都心から70 - 80キロメートル圏内である。なお、東京都(特に東京国際空港(羽田空港)や神奈川県からは東京湾アクアラインもしくは東京湾フェリーを利用した場合が移動距離の短縮となる[2]。通勤率は、いすみ市へ13.8%、勝浦市へ10.8%(いずれも平成22年国勢調査)。
太平洋(外房)に面している。海岸沿いにはリゾートマンションなどが建っており、レジャー施設などもある。
今後発生が予測される南海トラフ巨大地震の際には、最大6mの津波が到達することが予想されている[3]。関東平野に含まれる。御宿駅より500mほど内陸に、南房総・御宿西武グリーンタウン(御宿台)という西武不動産によって作られたニュータウンがある。ニュータウン内には消防署があり、大通り沿いは商業用の土地があり今は二軒ほど建物が建っている。町役場が比較的近くにある。内陸部には房総丘陵の丘陵地や100メートルほどの山間部が広がる。房総半島中央部東端に位置する。
隣接する自治体
地区
- 浜(はま)
- 須賀(すか)
- 御宿台(おんじゅくだい)
- 久保(くぼ)
- 新町(しんまち)
- 六軒町(ろっけんまち)
- 岩和田(いわわだ)
- 高山田(たかやまだ)
- 下布施(しもふせ)
- 上布施(かみふせ)
- 実谷(じっこく)
- 七本(ななもと)
歴史
地名の由来
「御宿」という名称については、鎌倉時代に北条時頼が諸国行脚のおり当地を訪れ、風光明媚な景色を好み、須賀盛松に所在する最明寺に宿泊することになり、それにちなんで読んだ歌の「御宿」がそのまま地名になったと伝えられている[4][5]。
短歌の詳細については、以下を参照。
北条時頼より
- 御宿(みやど)せし そのときよりと人とはゞ 網代の海に夕影の松
- (短歌)
沿革
行政区域変遷
御宿町町域の変遷(年表)
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年
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月日
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現御宿町町域に関連する行政区域変遷
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1889年(明治22年)
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4月1日
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町村制施行に伴い、以下の村がそれぞれ発足。[6]
- 御宿村 ← 須賀村・浜村・高山田村・久保村
- 布施村 ← 上布施村・下布施村・実谷村・七本村・上布施実入会地
- 浪花村 ← 小池村・小沢村・岩船村・岩和田村
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1914年(大正3年)
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4月1日
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御宿村が町制施行し御宿町となる。
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1955年(昭和30年)
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3月31日
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御宿町・布施村の大半(下布施と上布施の一部)・浪花村の一部(岩和田)が合併し、御宿町が発足。
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御宿町町域の変遷表
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1868年 以前
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明治22年 4月1日
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明治22年 - 昭和19年
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昭和20年 - 昭和64年
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平成元年 - 現在
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現在
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須賀村
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御宿村
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大正3年4月1日 町制
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昭和30年3月31日 御宿町
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御宿町
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御宿町
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浜村
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高山田村
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久保村
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上布施村の一部
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布施村 の一部
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布施村の一部
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下布施村の一部
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岩和田村
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浪花村 の一部
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浪花村の一部
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人口
平成27年国勢調査より前回調査からの人口増減をみると、5.47%減の7,315人であり、増減率は県下54市町村中37位、60行政区域中43位。
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御宿町と全国の年齢別人口分布(2005年)
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御宿町の年齢・男女別人口分布(2005年)
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■紫色 ― 御宿町 ■緑色 ― 日本全国
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■青色 ― 男性 ■赤色 ― 女性
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御宿町(に相当する地域)の人口の推移
1970年(昭和45年)
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8,475人
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1975年(昭和50年)
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8,484人
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1980年(昭和55年)
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8,486人
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1985年(昭和60年)
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8,267人
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1990年(平成2年)
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7,939人
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1995年(平成7年)
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8,129人
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2000年(平成12年)
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8,019人
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2005年(平成17年)
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7,942人
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2010年(平成22年)
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7,738人
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2015年(平成27年)
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7,315人
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2020年(令和2年)
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6,874人
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総務省統計局 国勢調査より
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行政
町長
1955年に新設合併して以降の歴代町長を記載[7]。
立法
県政
- 千葉県議会
- 選挙区:勝浦市・夷隅郡選挙区
- 定数:1名
国政
経済
漁業
御宿の海女
御宿町は、三重県の志摩地方、石川県舳倉島とならび日本の三大海女地帯のひとつとしてあげられている。御宿の海女たちは、その昔に遭難したスペイン人たちを助けた人情味あふれる心意気を忘れず今に伝えている。
日に焼けた顔、逞しく健康美にあふれた体に、紺がすり、磯パンツ、ウケ樽など七つ道具を身につけた海女たちは、5月中旬から9月中旬までの4か月間黒潮に潜り、アワビ、サザエ、ワカメなどを採る。一回の作業(2時間)は“いっぽん”といわれ、このいっぽんを繰り返すのが“ひとっぺり”で、平均で一日にみっぺり(約6時間)ほど働いている。
姉妹都市・提携都市
国内
国外
- 1978年8月7日、メキシコ国クエルナバカで開催された第15回国際姉妹都市会議に岩井敏夫町長と岩崎栄一郎町議会議長が出席、姉妹都市協定を締結する。
- 2013年10月23日、石田義廣町長ら「メキシコ友好親善使節団」がテカマチャルコを訪問し、姉妹都市協定を締結した。テカマチャルコはロドリゴ・デ・ビベロの生誕地である[12]。
地域
教育
高等学校
中学校
小学校
(学区はいすみ市の一部にもまたがっている)
施設
宿泊施設
町内にはリゾートホテルや旅館などが点在する。
交通
鉄道路線
中心となる駅:御宿駅
バス路線
中心となるバス停留所:御宿駅
高速バス
- 御宿 ⇔ 市原鶴舞BT ⇔ バスターミナル東京八重洲(東京湾アクアライン経由)
- ◆市原鶴舞BTで羽田空港・横浜行高速バスに乗り換えができる。
路線バス
- 小湊鉄道
- 御宿駅 - 部原海岸 - 新官入口 - 塩田病院 - 勝浦駅(バイパス経由・本数少)
- 御宿駅 - 部原海岸 - 勝浦市役所 - 塩田病院 - 勝浦駅(旧道経由)
道路
名所・旧跡・観光スポット・祭事・催事
名所・旧跡
- 春日神社
- 大宮神社
- 浅間神社
- 最明寺(御宿地名の由来[13])
- 真常寺 - 虫封じのお参り
- 妙音寺
- メキシコ記念公園
観光スポット
博物館
温泉
祭事・催事
- ライフセービング大会(6月など)
- ビーチサッカー大会(7月)
- アームレスリング大会(8月)
- おんじゅく花火大会(8月上旬) - 御宿海岸で行われる花火大会。スターマイン、水中花火、キャラクターなど、個性的な形の花火が多い[15]。
文化財
千葉県指定登録文化財一覧[16]。
番号
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指定・登録
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類別
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名称
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所在地
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所有者または管理者
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指定年月日
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備考
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1
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県指定
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有形文化財(歴史資料)
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紙本著色大多喜藩陣列図
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夷隅郡御宿町久保2200
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御宿町
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平成7年3月14日
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1巻
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2
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記念物(史跡)
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ドン・ロドリゴ上陸地
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夷隅郡御宿町岩和田626
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御宿町
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昭和41年12月2日
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出身著名人
関連有名人
舞台となった作品
※発表年順
脚注
注釈
- ^ 3期目の2019年5月、町議会との対立から「町民に信を問う」として辞職。出直し選挙に出馬し、前町議を破り再選。公職選挙法の規定により、任期は選挙前本来の2020年までとなる[8]。その後、2020年12月8日に告示された町長選挙で無投票で再選した[9]。
出典
参考文献
- 御宿町史編さん委員会 編『御宿町史』御宿町、1993年3月30日。
関連項目
外部リンク
ウィキメディア・コモンズには、
御宿町に関連するカテゴリがあります。