前澤友作
前澤 友作(まえざわ ゆうさく、1975年〈昭和50年〉11月22日 - )は、日本の実業家、経営者。 有限会社スタートトゥデイ(現・株式会社ZOZO)創業者、株式会社スタートトゥデイ[3]代表取締役社長、株式会社前澤ファンド[4]代表取締役社長、公益財団法人現代芸術振興財団会長、一般財団法人ARIGATO[5]代表理事、株式会社カブ&ピース[6]代表取締役社長。 千葉県鎌ケ谷市出身[7]千葉県千葉市稲毛区在住[8]。栄典は紺綬褒章、芸術文化勲章オフィシエ章。血液型はO型[9]。 2020年のフォーブス長者番付で世界1,135位[1]、日本23位[10]。保有資産額は2020年5月時点で、20億米ドル(約2134億円)[1]。日本の民間人として国際宇宙ステーション(ISS)に滞在する宇宙旅行を行ったことでも知られる[11][12]。 来歴生い立ち早稲田大学系属早稲田実業学校高等部に進学したが、2年次からは音楽活動が中心となり、出席日数ギリギリまでほとんど通わなくなる。学校を欠席していた間、バンド練習のためのスタジオ代やアメリカへの旅費を稼ぐために、建築系のアルバイトに従事した。 1993年5月にはハードコア・パンクバンド「Switch Style」を結成し、ドラムを担当する。Switch Styleでは「YOU X SUCK」の名で活動していた[13][14]。高校卒業後は半年間アメリカへ音楽遊学し[15]、1998年にはBMG JAPANからメジャーデビューを果たした。 スタートトゥデイを設立1995年、前澤がバンド活動の傍らで始めた、輸入レコード・CDのカタログ販売をきっかけに事業が始まる。当時のカタログの発行部数は2~3万部くらいで、売上で月500万円くらい売れていたという。カタログ通販以前に、バンドのライブで輸入レコードを販売した際には、月数百万円ほどの売上になったこともあるという。 1998年5月に法人化させ、有限会社スタート・トゥデイ(現・株式会社ZOZO)として設立した。 2000年1月にはCDやレコードの輸入販売サイト「STMonline」を開設し、4月に株式会社スタートトゥデイに商号を変更。10月には、男性向けオリジナルセレクトショップのショッピングサイト「EPROZE」を開設した。その後、様々なコンセプトのネットショップを開設していく。 ZOZOTOWNの急成長2004年12月には、17のインターネット上のセレクトショップを集積した「ZOZOTOWN」を新たに開設し、ここから「ZOZO」ブランドとしては本格的なスタートとなる。前澤がこだわった「ファッションの街」をイメージした『ZOZOTOWN』のサイトデザインは目新しく、他のネットショップとの差別化となり多くのユーザー達に受け入れられ、10期連続の増収増益となった。 人気ブランドに飛び込み営業をして出店店舗を少しずつ増やしていく中で、大きな契機となったのが、ユナイテッドアローズの出店である。これをきっかけに他のブランドの出店も決まり、次第にユーザーから注目されるようになり、多くのアパレルメーカーとの取引が拡大していった。 物流拠点の構築、マザーズ上場2006年には、独自の物流システム拠点「ZOZOBASE」を開設したことで、各店舗の商品を自社の物流施設で預かり、保管・写真撮影・梱包・発送などをすべて代行することで即日配送を可能とした。ほとんどが受託販売のZOZOTOWNは、この仕組みによって高い受託手数料率を実現することが可能となり、創業から10年足らずで会社の時価総額が1兆円に達するなど大きな成長を遂げた。 2007年12月には、スタートトゥデイが東京証券取引所マザーズに上場するなど、自社が運営するZOZOTOWNを日本最大級のアパレル通販サイトとして急成長させる。2011年4月、「EPROZE」などの複数のサイトを統廃合して、ZOZOブランド内に統合した。 スタートトゥデイが東証一部に上場2012年2月、スタートトゥデイが東京証券取引所の市場第一部に市場変更した。 2013年には、ファッションコーディネートアプリ「WEAR」をリリース。一般ユーザーやショップスタッフ、さらに有名モデルや芸能人のコーディネートを見たり、年齢・身長なども公開することができるため、着用イメージを想像しやすくなった。また、着用アイテムをタップすることで商品ページに飛んで、ZOZOTOWNで購入することができ、WEAR経由での売り上げは2015年には月間10億円を突破している。 2016年、フォーブスが発表する「日本の富豪50人(Japan's 50 Richest)」で14位にランクイン。 企画失敗によりブランド離脱2017年に提供を開始した、着て写真を撮るだけで全身を採寸できるZOZOSUITは、オーダーメイド服を実現する画期的な新サービスとして話題となった。しかし送料負担のみで無料配布したため、開始10時間で23万件の注文が入るなど予想以上の反響があり、製造が遅れて入荷が半年待ちになるなど対応に追われた。また、計測精度の問題や、想定以上にフィットしない完成した服への指摘などがなされ、消費者に不信感を抱かせる結果となった。 2018年12月にサービスを開始した、有料会員に全アイテムを10%オフで購入できるサブスクリプション型サービスZOZOARIGATOでは、割引額で支援団体や購入したショップの応援をすることができた。しかし、出店ブランドにとっては、自社商品が常に値下げされる形になり、ブランド価値を大切にするアパレル業界の体質とは相容れず、退店や縮小を図るブランドが相次いだ。その結果、本サービスは開始からわずか半年ほどで終了することとなり、会社は初の減益へ転落する苦境に陥っていた[16][17]。 ZOZOがヤフー傘下となり社長退任2018年10月、株式会社スタートトゥデイが株式会社ZOZOに屋号を変更した。 2019年9月12日、ZOZOがヤフー(現・LINEヤフー株式会社)傘下に入ることを理由に社長を退任するとツイッター上の自身のアカウントで発表し、同日付けで退任した[18]。ヤフーは約4000億円を上限とした株式公開買付けにより、買い取り価格は2620円で、所有株式を50.1%まで引き上げてZOZOを連結子会社化した。これにより、ZOZO株の約36%を持っていた前澤は、約30%にあたる約9200万株の売却に応じて2400億円ほどを手にしたとみられる。 お金配り、前澤ファンドの実施2019年10月4日、ZOZO社長を退任した直後に、ZOZOの旧社名と同じ株式会社スタートトゥデイを別会社として新たに設立し、代表取締役社長に就任していたことをツイッターにて発表した[19]。 また、社長退任から前後して、ツイッター上にてお年玉プレゼントを開始して、注目を集めた。その後、同じくツイッター上でお金配りを継続してフォロワーを獲得。その他には、ベンチャー企業や起業希望者を募集して、優れた企画に対して資金を提供する前澤ファンドを始め、16の事業に対して投資を行う。 前澤ファンド16の事業
(順不同) Web3分野への進出2022年5月27日、Web3・メタバース領域に特化した投資を行うためにMZ Web3ファンドを設立。Web3の浸透を通じて、これまで注目を浴びてこなかった人物や場所に光を当て、情報格差や所得格差など現代社会の歪みを滑らかにすることを目的とする。投資先の対象はWeb3.0関連領域の事業を行う企業や団体またはVR/AR/xRなどの技術を活用したプロダクトやサービスを提供する企業[20][21]。 2022年7月30日には、DAO型のオンラインコミュニティMZDAOを立ち上げた。「前澤友作と一緒に会社を作ろう」というコンセプトで始まり、一般公募したコミュニティの初期メンバーには当初の目標1万人を大きく上回り、1日で10万人の登録があった。現在はスタートアップ企業を支援して上場に導く活動を行っている[22][23]。 新会社設立2024年2月13日、新会社を設立する計画がありすでに社名を決定し登記申請を済ませていることをX(旧Twitter)にて明らかにした[24]。 2024年11月1日、株式会社カブ&ピース始動。新事業サービス「カブアンド」開始[25]。 民間日本人として宇宙旅行へ月周回旅行→詳細は「dearMoon」を参照
2018年6月17日 スペースXは、2023年打ち上げ予定のBFR(後にスターシップに改名)による月周回飛行計画(dearMoon)で、月への旅行客として前澤と契約したと発表した[26]。実現すれば、人類の月周辺への到達は1972年のアポロ17号以来となる予定だった[26]。イーロン・マスク最高経営責任者が同席した会見では英語でスピーチし、「I choose to go to the Moon」というジョン・F・ケネディの「We choose to go to the Moon」をもじったフレーズも披露した[27]。 2022年12月、約1週間の月周回旅行に同行するアーティストや写真家など8人を発表[28]。2023年中の旅行の実現を目指していたが、スターシップの開発続行につき見送りとなり[29]、2024年6月にプロジェクト中止を発表した[30]。 国際宇宙ステーション滞在2021年5月、アメリカ合衆国のスペース・アドベンチャーズ社は、同年12月に前澤が(同じ会社の平野陽三とともに)ロシアの宇宙船ソユーズMS-20により、宇宙旅行を実施する予定であると発表した[31]。日本の民間人[注釈 1]による宇宙旅行は1990年にテレビ番組の企画でソユーズTM-11に搭乗して宇宙飛行を行った東京放送社員(当時)であった秋山豊寛以来、31年ぶりとなる[32]。 2021年3月にメディカルチェックを受けたものの不合格となり、網膜の裏に水が溜まる症状を治療した上で再検査し5月に合格。9月13日よりNASAやガガーリン宇宙飛行士訓練センターにおいて、肉体的なトレーニングやソユーズの機構や打ち上げ手順、ISSの仕組みについての座学をこなした。さらにフライトシミュレーションや、ガス漏れや低酸素など不測の事態に対応するための実践的訓練を受け、11月に宇宙飛行への最終試験に合格した[33]。2021年12月8日午後4時38分(日本時間)、カザフスタンのバイコヌール宇宙基地から国際宇宙ステーション(ISS)に向けて宇宙船は打ち上げられた。2021年12月8日午後10時41分(日本時間)にISSとのドッキングに成功[34]。日本の民間人[注釈 1]がISSに滞在するのは初めてとなる[32]。なお、自費で宇宙旅行者がISSに滞在するのは約10年ぶりのことで、宇宙旅行のために掛かった費用は不明であるが、アメリカのCNNテレビは前澤の総資産の15分の1に相当する100億円(2人分)をツアー会社に支払った可能性があると推測している[35][36]。 ISSへの滞在中には、一般から募集した「100の実験」などの様子をYouTubeで配信し、それらのいくつかはテレビ番組などでも登場して話題となった。また、国家プロジェクトによる宇宙飛行士とは異なり、自費で渡航した民間人飛行士だからこそ伝えられることがあるという思いから「NO WAR」というメッセージが刻まれたフォトパズルを組み立て、平和への願いを発信した[37]。前澤の宇宙服には「WORLD PEACE 世界平和」と書かれたワッペンが貼り付けられていた[38]。前澤はISSに12日間滞在し、日本時間の12月20日に地球へ帰還した[34]。 帰還して2か月後、宇宙飛行に同行した平野陽三の提案により、撮りためた映像の映画化が進行。前澤が過酷な検査やトレーニングを経て宇宙に飛び立つまでの道のりやISSでの12日間の滞在、帰還するまでを描いたドキュメンタリー映画『僕が宇宙に行った理由』(監督:平野陽三)として完成する。完成披露上映会が2023年11月27日に行われ[39]、12月29日公開された。 人物支援活動地元・千葉や災害地域などへの支援活動を行っている。 2011年には千葉マリンスタジアムの改装工事費を個人で寄付[40][41]。また、2016年の熊本地震の際は熊本県と大分県にそれぞれ1,000万円を寄付[42]。 2019年9月に令和元年房総半島台風(台風15号)で被災した千葉県南房総市や鋸南町などの3市1町に各1,000万円ずつ、同年12月には館山市に20億円をふるさと納税制度で寄付した[43][44]。 2020年3月、前澤から多額の災害義援金を受けた南房総市は千葉県知事の森田健作を通して、日本政府に褒章の授与を内申。同年8月1日に褒章と章記が発令され、9月10日に同市長の石井裕がスタートトゥデイを訪問した上で褒章と章記を授与された[45]。なお、褒章については南房総市とは別に館山市からも内申・授与されており、2020年12月の時点で計4回受章している[46]。 2020年4月23日、新型コロナウイルスの影響で厳しい経営状況が続く中小企業への支援として、館山市は前述のふるさと納税で同市に寄付された一部を活用して、「前澤友作館山応援基金」を設立。総額3億6千万円規模の緊急経済対策を行うと発表[47]。また、基金の一部は観光振興対策にも充てられ、同市稲に開設予定の道の駅の建設費用として活用[48][49]。2024年2月16日に「道の駅グリーンファーム館山」として、開駅した[49][50]。 2020年5月10日、新型コロナウイルスの感染拡大で自粛期間が続く中、子供の学校の休校などで仕事が出来なくなるなどして、苦境に陥ったひとり親の支援策として1万人に10万円配る「前澤ひとり親応援基金」創設を発表[51]。 お年玉プレゼント2019年2月7日、ツイッター上で「本業に集中します」と宣言し、ツイッター活動を休止すると発表した。1カ月前の1月5日に「100人にそれぞれ100万円ずつ(総額1億円)のお年玉をプレゼントする」と投稿し、2日後にリツイート数の世界新記録を作るなど[17]、ツイッターを通じた話題作りが注目を集めた。なお、約2カ月半後の4月25日にTwitter活動を再開した[52]。また、臓器移植の現状について議論を投げかけている[53]。 2020年1月1日、自身2回目となる、いわゆるお年玉キャンペーン「100万円を1,000人にプレゼントします!」をツイッターで開催。また、前澤はツイッター上で、このキャンペーンをベーシックインカムについての調査、実験を兼ねていると語っている[54]。 2020年9月29日、上述したリツイート数の世界新記録がギネス世界記録に認定された[55]。 エピソード
私生活
趣味
履歴学歴・職歴
受賞・栄誉
現職
出演テレビ
テレビドラマ
ラジオ
映画
CM関連項目脚注注釈
出典
外部リンク
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