ヘルプ!4人はアイドル
『ヘルプ!4人はアイドル』(英語: Help!)は、1965年のイギリスの冒険コメディ映画。ザ・ビートルズの第2作目の主演映画。 概要前作の『ビートルズがやって来るヤァ!ヤァ!ヤァ!』同様リチャード・レスターが監督を務める。前作が予算が56万ドル、モノクロだったのに対し予算100万ドル、そしてフルカラーで撮影された。 内容は、リンゴ・スターの持っていた指輪を巡ってメンバーたちが事件に巻き込まれるというもの。 撮影地にバハマが選ばれた背景には、当時ビートルズの財務アドバイザーだったウォルター・ストラック(Walter Strach)が、イギリスの非常に高い累進所得税率(最高で約95%)による課税を回避するため、バハマにいわゆる「タックスシェルター」(本国での課税を回避する目的に収益をプールしておく法人)の設立を計画しており、その要件の一つである「バハマに1年間以上居住していること」を満たす目的があった[2]。実際、本映画の収益はバハマに設立されたプロダクションに入り、出演料は同プロダクションからバハマの銀行にある各メンバーの口座に支払われ、高額課税の回避には成功したという[3]。 エンドロールには『セビリアの理髪師』の序曲が使用され指輪に写った共演者が自在なポーズをとり最後にビートルズが現れる。曲中には4人がふざけた会話をしジョージ・ハリスンが「アイ・ニード・ユー・バイ・ジョージ・ハリスン!」と執拗に言っている。 ザ・スパイダースやザ・タイガースやザ・ジャガーズらGS主演映画は本作のドタバタの部分を拝借し、チェッカーズの「CHECKERS IN TAN TAN たぬき」や光GENJIの「ふ・し・ぎ・なBABY」、TVアニメ「魔法の天使クリィミーマミ」の第20話「危険なおくりもの!」にも影響を与えた。 日本での公開は1965年12月13日。正月映画として、銀座にあったニュー東宝で封切られた。入替制がとられ、トイレやスクリーンの後方に隠れた入場者も全て交替させられた。前売り券は65年12月11日から発売された。 ストーリーバハマにあるカイリ教国は、人身御供の儀式直前に生け贄の指輪がないことに気がつく。その指輪がスターの指にある事を突き止めたクラング司祭は、指輪を求めて英国へと渡り、ビートルズをあらゆる手段で付け狙う。始めのうちは身の回りで何が起こっているのか分からなかったスターとビートルズ一同だったが、やがて教団に指輪を狙われていることを知り、指輪を抜こうと試みるが何をやっても抜けない。指輪の専門家や怪しい科学者・フットにも頼んだが、やはり指輪はびくともしない。それどころか最後の頼りにした科学者フットまでこの指輪で大儲けを企み、指輪を狙い始める。そんな中で、生け贄にされていたが時間切れで助かった妹を持つ美女・アーメが、ビートルズを救うべく策動する。舞台を英国からオーストリア・アルプス、再び英国を経てバハマへと移す。 ギャラリー
キャスト
収録曲イギリス盤公式オリジナル・アルバム『ヘルプ!』A面収録曲から、以下の楽曲が使われている。
関連商品映像ソフト1989年にビデオソフトで発売されたあと1998年にビデオとDVDでリリースされていたが、現在は廃盤。 2007年11月7日、ヘルプ!のタイトルで新たに再DVD化された。新たに特典映像としてメイキングや当時の予告編、監督リチャード・レスターや共演したエレノア・ブロンのインタビュー等が収録されている。 2013年6月26日にブルーレイで発売。上記再DVD化でデジタル復元されたものと同じ本編とボーナス・ディスクを収録。 書籍
脚注
外部リンク
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