ダンロップフェニックストーナメント
ダンロップフェニックストーナメント(DUNLOP PHOENIX TOURNAMENT)は、日本ゴルフツアー機構(JGTO)公認による男子プロゴルフトーナメントの一つである。 概要住友ゴム工業・フェニックス・シーガイア・リゾート(旧・フェニックス国際観光)・毎日放送(MBS)[2] 主催で、宮崎市のシーガイア内にある「フェニックスカントリークラブ」にて毎年11月第3週から第4週に開催されている。もともとは、1972年に始まった「フェニックストーナメント」(翌年は全日空が冠協賛となり「全日空フェニックストーナメント」として開催)が前身だが[3]、国内ゴルフの活性化には国際化が不可欠と判断、1974年から大会名称を「インターナショナルツアー・ダンロップフェニックストーナメント(International Tour DUNLOP PHOENIX TOURNAMENT)」に改めるとともに、その年に活躍した海外の強豪を多数招待する方式に変更された。以来、現在に至るまで50回の伝統を持つ、日本が唯一世界に誇れる国際的ゴルフトーナメントである。1983年から1997年までの優勝者には、翌年8月にアメリカ・オハイオ州アクロンのファイアストーン・カントリークラブで行われる、NECワールド・シリーズ・オブ・ゴルフの出場権が与えられていた。その後、一時この制度が無くなったが、2002年大会から復活し、翌年の世界選手権シリーズ、フェデックスセントジュード招待への出場権が与えられていた。また、2020大会の優勝者には、翌年1月に開催予定のアメリカPGAツアー、ソニー・オープン・イン・ハワイの出場権が与えられた。 2021年は、賞金総額1億5000万円、優勝賞金3000万円[4]。2020年に引き続き、新型コロナの影響による渡航制限で海外選手の参戦不能、及び大幅な減収や経費の増加が見込まれたことから、賞金総額を従来の2億円から5000万円減額した[4]。ただし2020年とは異なり、各日最大5000人を上限とした上で有観客試合として開催された[5][6][7]。2022年は賞金総額を2億円に戻した(優勝賞金も4000万円に戻す)。 優勝者には、ウィナーズ・ジャケット(2002年から)、クリスタル・チャンピオン・トロフィー(ウォーターフォード社製、1998年から)[8]、MBSトロフィー(毎日放送賞)、副賞としてドイツ製高級車メルセデス・ベンツ[9] が贈られる。 大会の歴史記念すべき第1回大会は、1974年12月5日から8日までの4日間、同年の日本ツアー最終戦として開催された[10]。 帝王ジャック・ニクラスや、当時ルーキーだったベン・クレンショーなど、20人以上の海外招待選手が来日、世界レベルのプレーを披露した。その中で優勝したのは、前年の全米オープン選手権者で、この年のアメリカツアーで8勝を挙げ、自身初の賞金王に輝いたジョニー・ミラーだった。ミラーは出場選手の中で唯一人、4ラウンドとも60台で回り(69-69-69-67)、通算14アンダー、274ストロークでフィニッシュ。台湾の呂良煥に7ストロークの大差をつける圧勝で、栄えある初代王者の座に就いた。歴代優勝者には、ミラーをはじめ、ヒューバート・グリーン (1975年) 、グラハム・マーシュ (1976年) 、セベ・バレステロス (1977年、1981年) 、トム・ワトソン (1980年、1997年) 、スコット・シンプソン (1984年) 、クレイグ・スタドラー (1987年) 、ラリー・マイズ (1989年、1990年) 、ラリー・ネルソン (1991年) 、アーニー・エルス (1993年) 、リー・ウエストウッド (1998年) 、トーマス・ビヨン(1999年、2003年) 、デビッド・デュバル (2001年) 、タイガー・ウッズ (2004年、2005年) 、パドレイグ・ハリントン (2006年) 、ルーク・ドナルド (2012年、2013年) 、ブルックス・ケプカ (2016年、2017年) といった錚錚たる面々が名を連ねている。また、優勝こそ成らなかったものの、トム・カイト、ベルンハルト・ランガー、フレッド・カプルス、グレグ・ノーマン、サンディ・ライル、ピーター・トムソン、リー・トレビノ、ウェイン・グラディ、ボブ・トウェイ、イアン・ウーズナム、マイク・リード、デービス・ラブ3世、ホセ・マリア・オラサバル、ジェフ・スルーマン、ロナン・ラファティー、ニック・ファルド、スティーブ・ジョーンズ、マーク・ブルックス、ジョン・デーリー、コーリー・ペイビン、トム・レーマン、バリー・レーン、ビジェイ・シン、フィル・ミケルソン、マイケル・キャンベル、ジム・フューリク、ダーレン・クラーク、レティーフ・グーセン、セルヒオ・ガルシア、グレーム・マクドウェル、ジャスティン・ローズ、シャール・シュワーツェル、トレヴァー・イメルマン、スチュワート・シンク、アーロン・バデリー、バッバ・ワトソン、ゴンサロ・フェルナンデスカスタノ、ヘンリク・ステンソン、ブラント・スネデカー、ロベルト・カールソン、シェーン・ロウリー、ルイ・ウェストヘーゼン、マルティン・カイマー、キーガン・ブラッドリー、ウェブ・シンプソン、ジョーダン・スピース、ジミー・ウォーカー、ジャスティン・トーマス、ゲーリー・ウッドランドなど数々の世界のトッププレーヤーが参戦したトーナメントである(2012年まではアメリカPGAツアーは11月初旬にシーズンオフに入るため、他の日本国内大会に比べて有名選手を招待しやすい時期でもあった)。しかし2020年は前述の通り海外招聘ができなくなった[7]。2021年も同様に海外招聘ができなかったが、2022年、3年ぶりに海外から選手を招聘、チリのミト・ペレイラら4人が参戦した。 日本人選手では、1985年に、中嶋常幸が大会史上4人目となる完全優勝を果たし、12回目にして初めての日本人優勝者となった。その後、尾崎将司が大会史上唯一の3連覇(1994年から1996年}を達成しており、他には片山晋呉(2000年)、横尾要(2002年)、池田勇太(2010年)、武藤俊憲(2011年)、松山英樹(2014年)、宮里優作(2015年)、市原弘大(2018年)[11]、今平周吾(2019年)[1]、金谷拓実(2020年)、比嘉一貴(2022年)[12]が優勝している。 歴代優勝者
テレビ中継1972年の前身大会の時代から毎日放送と宮崎放送の共同制作によりテレビ中継を行っている[35][36]。 1974年のダンロップフェニックスの第1回大会まではNET(現:テレビ朝日)系列で放送されていたが、翌1975年の第2回大会からはTBS系列での放送に移行した。現在では、地上波放送は青森テレビ・テレビ山梨・テレビ高知・テレビ山口を除くTBS系列24局ネット。2023年の50回記念大会までは、3日目は生中継(延長対応はなし)[37]、最終日は録画中継されていた[38][39]が、2024年大会は、3日目・最終日ともに生中継された。ただ、延長対応が無かったため、優勝インタビュー及び表彰式の模様が大会公式ウェブサイト内で動画配信された。 また、CS放送のGAORAでは、初日、2日目のスタート前のドライビングレンジの様子と、12番ホールから18番ホールまで、それに3日目と最終日の前半戦(1番ホールから9番ホールまで)が生中継される[40][41]。2024年大会のコメンタリー陣を以下に記す。
<前半>
解説:田島創志
<前半>
解説:田島創志
解説:中嶋常幸
解説:田島創志
解説:中嶋常幸 フジテレビ系列の秋田テレビでも翌年正月に録画放送(遅れネット)される。テレビ中継では、住友ゴムからスポーツ事業を分割継承したダンロップスポーツが筆頭スポンサーになっている(2012年から。ただし、番組中盤は住友ゴム(ダンロップ/タイヤ事業)が60秒筆頭の形でスポンサーを継続している)。なお、2001年大会から2007年大会までは、BSデジタル放送のBS-i[43]でも放送されていた。更にCSゴルフ専門チャンネルのゴルフネットワークでも、3日目と最終日の模様をTBS系列での放映から1週間以内に後日放映される。かつては関西ローカル(毎日放送)にて最終日の模様を日曜10:00 - 11:24で放送したが、2007年以降は行っていない。 歴代実況アナウンサー
歴代解説者(放送席)
この他に、ラウンド解説(オンコース・コメンテーター)を沼沢聖一が務めていた。また、岩田禎夫(2016年没)が、大会初期から長年に渡ってリポーター、インタビューアーを務めた他、2000年代に入ってからは、GAORA中継の解説、プレスサイドリポーターを務めた。なお、1990年代までは、結城哲郎、城野昭(以上毎日放送)の他、多田護(TBS)、田口豊太郎(中部日本放送)、田中正訓、川上政行(宮崎放送)といったアナウンサーがホールリポーターを務めた。 関連大会
脚注
外部リンク |