シューティングゲームシューティングゲーム(和製英語: shooting game、英: shooter game)は、敵を撃つことがメインの、コンピュータゲームのジャンルのひとつ。STGやSHTと略記される場合もある。主に弾丸やレーザー光線などの飛び道具を用いて敵を撃つことがゲームの中心である。 概要広義のアクションゲームの下位概念、と分類する方法もあり、アクションゲームとは区別する分類方法もある。中にはアクション要素のあるシューティングや、シューティング要素のあるアクション、また完全に中間に位置するゲームなどがあり、両者の判別を困難にしている(それらを大別して「アクションシューティング」、あるいは「シューティングアクション」と呼ぶこともある)。 作中の時代設定および世界観設定に関しては様々であるが、未来を舞台にしたSF色の強い作品やミリタリー色の強い世界観設定の作品が多い。一方で、『1942』シリーズのように過去を舞台にした作品、『ストライカーズ1945』シリーズのように過去の時代をベースにしつつもSF色の強い世界観を描いた作品もある。 呼称言葉自体は1970年代前半の光線銃ゲームで使われているが、この頃は射撃ゲームとほぼ同じ意味だった[1]。電子ゲームでは1980年の『スペースシューティング』『スリムボーイ シューティングゲーム6』、『アスキー』1980年8月号掲載の「タンク・シューティング」がある[1]。 日本ではスペースインベーダーのヒット以来、数々の2DSTGが産まれシューティングゲームの代名詞となった。昨今(2000年以降)では2DSTGから分化した各種3DSTG(FPS、フライトシューティング、ガンシューティングなど)が増加、多様化しているため、日本国内でもシューティングゲームというとき2DSTGを指すか3DSTGを指すかで誤解が生じることがある。2DSTGと呼べば誤解は生じないが、今度は2DSTGという単語そのものの認知度が低いという問題が生じる。 一般的にシューティングゲームと呼ばれるゲームがアクションゲームとされていたことがあり『ログイン』1983年5月号で『ゼビウス』を「戦闘(アクション)ゲーム」とルビが振られ、1983年8月発売の『こんにちはマイコン』第2巻の目次にあるゲームジャンル紹介でアクションゲームを「スペースインベーダー等の、反射神経を競うゲーム」と説明していた[1]。『ログイン』では1983年3月号の『UFOパニック』の広告で「シューティングゲーム」とあるのが雑誌や広告類での使用の早い例とみられ、1983年12月号のシューティングゲーム紹介記事では『アルフォス』が「スクロールゲーム」とされていた[1]。「シューティング」の語が広まったのは1982年公開のアニメ映画『機動戦士ガンダムIII めぐりあい宇宙編』が関係しているという見方があり、予告編で「GUNDAM LAST SHOOTING」や宣伝ポスターで「Last Shooting!」とあったのが影響したという説がある[1]。 分類・種類シューティングゲームの分類はいくつもあるが、たとえば 2Dシューティング / 3Dシューティング と大別する方法がある。 2Dシューティングは、画面内に表示されるものが2次元的、つまり平面的に表示されるもの。3Dシューティングゲームは、画面内に世界が3次元的・立体的・透視図法的に表示されるもので、コンピュータのCPUの処理能力・オブジェクト指向プログラミング・ポリゴン技術などの発達により、コンピュータのデータ空間内のシミュレーション的なデータ処理やそれを視覚的に表示する技術が実現したことによって可能になったもの。なお2Dと3Dの中間的なもの、本当の3D技法ではなくそれを「疑似的に」実現しているもの、3次元的に見せようとしている表示も一部含まれているが、データ空間内での敵・自分の動きなどが3次元的に十分に再現できていないものについては「擬似3Dシューティング」と分類する方法もある。 2Dシューティングは画面スクロールの有無により、固定画面シューティング / スクロールシューティング に分類できる。スクロールシューティングはさらに 縦スクロールシューティング / 横スクロールシューティング / 縦横両スクロールシューティング / 多方向スクロールシューティングなどに分類できる。3Dシューティングのほうは、視点のとりかたによって、FPS(ファーストパーソン・シューティング) / TPS(サードパーソン・シューティング)に分類される。 射撃主体のアクションゲームである「アクションシューティング」 / 1対1で対戦する「対戦型シューティングゲーム」という分類法もある。 英語圏では、シューティングゲームのうち一騎当千方式[要出典]のものは、shoot 'em up(略して、shmup)と分類する傾向がある。これは2DSTGに限定した分類名ではなく、『スペースハリアー』、『アフターバーナー』、『サンダーブレード』、『スターフォックス』といった、一騎当千方式の3DSTGもshoot'em upの一種とされる(これに対して、格闘アクションゲームのことをbeat'em upと呼ぶことが多い)。逆に、『スペースウォー!』のような、2DSTGであっても一騎当千方式ではないものは、shoot'em upとは分類されない。なお、ある時期まではアメリカでもシューティングゲームといえば2DSTGが大部分であった。 歴史#年表を末尾に掲載したので、そちらも参照のこと。
タイトーの西角友宏によって開発され、1978年に同社から発売されたアーケードゲームの『スペースインベーダー』は、それまでの、数分という決まった時間内で行うただの「的当て(まとあて)ゲーム」とは異なって、敵からの攻撃を避けつつ敵をすべて撃墜することを目的としており、上手な人は長くプレイできるゲームシステムを採用しており、後続のシューティングゲームにさまざまな形で影響を与えており「シューティングゲームの元祖(始祖)」と評価されている。スペースインベーダーは、ただ単に「シューティングゲームの元祖」となっただけでなく、世界的な大ヒット、いまだに塗り替えられていない記録的なヒットとなり莫大な額の売上をたたき出し、それまで小規模だったゲームの世界市場の規模を一気に大きくし、このジャンルだけでなく、ゲーム業界というものをそれまでとは異なったものへと変えた。また1980年には、同ゲームは米国のホームコンピューター(ゲームコンピューター)のAtari 2600のソフトウェアとしても正式にライセンスされ、同筺体の売上増進に大貢献し、世界初の「キラーアプリケーション」となった。 スペースインベーダーの大ヒットに追随し、それのゲームシステムをほぼそのまま取り入れつつ、敵の動きに変化をつけたりカラー表現を美しくする形で、1979年11月にはナムコから『ギャラクシアン』が発売され、こちらも大ヒットした。それに続く1980年代初頭の『バルーンボンバー』、『ムーンクレスタ』、『ギャラガ』などのコンスタントなヒットにより、(『パックマン』、『ドンキーコング』などのアクションゲームとともに)シューティングゲームは当時のテレビゲーム界における主要なジャンルとして定着していった。 この時期はまだCPUのクロック周波数も低く、メモリの量もわずか数キロバイト程度と限られていて、処理能力が低かったので、この時期のシューティングゲームは全て、平面的なキャラクタを平面的に動かすタイプの「2Dシューティングゲーム」であった。
1980年代を迎えると、ビデオゲーム界の進歩の牽引役としてシューティングゲームは発展の一途をたどる。ゲームシステム、グラフィック、サウンド、難易度といった、ビデオゲームのあらゆる構成要素において、ハードウェアの技術革新に合わせ確実に進歩を加速させていくこととなった。ユーザーとしてのプレイヤーもそれにあわせて技能を磨き、「ワンコインクリア」や「ハイスコア」を目指すスタイルが定着。「敵を撃ち落とし、敵の弾を避ける」というシンプルでわかりやすいルール、パターンを解析し覚えた分だけ先の面へ進める・高い得点を取れるといった特質により、1980年代中頃にはアーケードゲーム、コンシューマーゲームの別を問わず、シューティングゲームはビデオゲームの中心ジャンルとして活況を呈するに至った。ゲーム会社はこぞってシューティングゲームを開発し、東亜プランなどのようにほぼシューティングゲーム開発専業のゲームメーカーも存在した。
1980年代が終わろうとする頃、シューティングゲームの隆盛にもかげりが見え始めてくる。ゲームアイデアの出尽くし感やマンネリ化、回転率の悪さからくるオペレータの不満などにより、シューティングは次第にゲーム市場から歓迎されなくなっていった。それ以外にも、ロールプレイングゲームや対戦型格闘ゲーム、パズルゲームなど、他の比較的新興のゲームジャンルに次々にヒット作が生まれ、そちらの方へユーザーが流れていったこと、難化の一途をたどる難易度や一部メーカー(アイレム)の情報統制による攻略情報の不足などから「シューティングは難しい・とっつきにくい」というイメージが一般に定着してしまったことなど、複数の衰退要因があげられる。 特に『ストリートファイターII』・『バーチャファイター』を開祖とする対戦格闘ゲームは、回転率、時間あたりの満足度、初心者の入り易さ、キャラクター性でシューティングゲームより圧倒的に注目を集め、アーケードゲームの主流を一気に奪い去った。シューティングゲームは上級者が1コインで長時間プレイするため回転率が悪く、メーカー側が回転率を上げるために難易度を上げたゲームを発表すると今度は初心者が寄り付かなくなり、結果としてプレイヤー全体数の減少を招いた。そのため、対戦格闘の驚異的な回転率の高さもあって次第にオペレータに敬遠され、設置台数が減少した。そしてマニア化したプレイヤーは前例に倣わない革新作を歓迎しなくなり、大差のないマニア向けゲームしか作られず初心者離れが更に加速するという悪循環を生み出してしまう。それを象徴するのが、1994年の東亜プランの倒産であった。『R-TYPE』シリーズを売り出したアイレムも同年にアーケードゲーム事業から撤退し、『グラディウス』シリーズなどを展開していたコナミも1990年代後半には『BEMANI』シリーズなどの音楽ゲームに主軸を移した。 シューティングゲームから撤退するメーカーが相次ぐ中で、タイトーなど一部老舗メーカーは製作を継続し、ケイブ、彩京、ライジングのようにシューティングゲームに新たに参入するメーカーも現れた。これらのメーカーは初心者離れに危機感をもち、キャラクター性の強化、自動難易度調整、ボムの標準装備、1面の低難易度化などの施策を講じた。しかし、根本的な解決に至ることはなく、結局は初心者を取り込みつつも上級者が納得できるようなバランス調整に各メーカーは頭を悩ませることとなる。1990年代、2000年代にかけて少数の意欲作や特にガンシューティングゲームにおけるヒット作は散見されるものの広範なユーザー層の獲得には至っておらず、マイナー化・ニッチ化が進むこととなった。
「リアルな体験」が好まれる英語圏・欧米圏では早くから3Dシューティングを求める人々が多かった。1993年にはDOS向けに『DOOM』がリリースされ評判となった。真正の3D処理をするためにはハードウェア的に高い処理能力が必要なので、1990年代の段階ではそのため(だけ)に高性能PCを購入する必要があった。英語圏ではともかく「リアルな体験」指向が強いので、それの実現のためならばたとえ価格が高くても高性能PC(ゲーム用PC)を購入するという人々の数が多く、早くから3Dシューティングゲームの普及が進んだ。その後2000年代になるとコンシューマ・ゲーム機(つまりPSやXBOXなど)の側の高性能化が進み、わざわざ高性能PCまでは購入する気が無い、という人々の間でも3Dシューティングが普及してゆくことになり、世界的に3Dシューティングの普及が進んだ。2000年代ではFPSで「SFもの」としては『HALO』も大ヒット。FPSで、かつリアルな戦場ものとしては『バトルフィールド』や『コール・オブ・デューティ』が大人気となり、続編が次々とリリースされ「シリーズもの」となっていった。バトルフィールドやコールオブデューティは、近年でもPSやXBOXなどのゲームソフト売上の上位ランクの常連であり、世界中で膨大な数が購入され、膨大な数のプレーヤーによってプレイされつづけている。 #3Dシューティングゲームの節で解説。
オンライン配信対応のものについては、アーケードゲームでは2007年、コナミがオンラインに対応したシューティングゲームとして『オトメディウス』を販売した。2Dスクロール系のものでは『Valkyrie Sky』が日本では2010年からクローズドβテストを開始している。 2Dシューティングゲームコンピュータゲームでも極めて早期に登場したゲームジャンルで、1962年の『スペースウォー!』が初出とされる。また1947年に開発された『陰極線管娯楽装置』は制限時間内に陰極線管のノブを操作して照準となる光源を航空機に合わせ撃墜するというゲームであった。 2Dとは「二次元的視点」の意味で、オブジェクトの拡大縮小でパースを付けたり3Dポリゴン処理などをしていても2D視点のゲームはこちらに含まれる。なお、攻撃できる射線が一方向なものもあれば、任意に変えられるものも存在する。 固定画面シューティング画面がスクロールしないシューティングゲーム。世界初のシューティングゲームとされる『スペースウォー!』や『陰極線管娯楽装置』はこの形式。その他の代表的なタイトルは『スペースインベーダー』、『バルーンボンバー』、『アステロイド』、『ロボトロン2084』、『グロブダー』など。 敵を全て破壊すると面クリアとなり、次の面に進むものが多い。なお、自機が全方位に移動・射撃できるものを、日本国外ではこれを闘技場になぞらえて「アリーナ・シューター」と呼んでいる(戦闘エリアが局所的な多方向スクロールシューティングもこれに含まれる)。 縦スクロールシューティング基本的に画面が主に上から下へ縦方向にスクロールするトップビューの画面構成を持つシューティングゲーム。通称「縦シュー」。『ゼビウス』、『スターフォース』、『テラクレスタ』、『ツインビー』、『究極タイガー』、『雷電』、『バトルガレッガ』、『怒首領蜂』、『東方Project』など。『シルフィード』、『レイストーム』のように3D処理をして手前を大きく、奥を小さく表示する(パース処理)ようにしたハーフトップビューの縦スクロールシューティングもある(この手法は、横スクロールシューティングでも稀に見られる)。 1990年代後半からは障害物の類はあまり出現しない代わりに「敵弾を避ける(避け)を主体とする」というものが多く、大量の弾幕を小さな当たり判定を持つ自機で潜り抜ける弾幕系シューティングというムーブメントが発生した(詳細は、弾幕系シューティングの項を参照)。ただし、それ以前のものには、『スターソルジャー』、『イメージファイト』など地形の概念などのギミックが存在するタイトルも少なくない。 最初から家庭用またはパソコン用として作成されたタイトルでは、その特性上ほとんどがモニターを横置きした画面構成となっている。従って、縦画面構成のタイトルの大多数が業務用として作成されたものであり、横画面構成のタイトル大多数が家庭用ないしパソコン用として作成されたものである。 業務用の縦スクロールシューティングは筐体のモニターを縦置き(3:4)にして使用するものがほとんどである。家庭のテレビが4:3比率だった時代、大半がブラウン管を使用しており縦置きにするのは故障の原因になるため、据え置き型家庭用ゲーム機へ移植する際はゲームを横画面に再構成した状態に移植する必要があった。画面をフルに使うか、横を多少狭めてオリジナルの雰囲気を残すかは個々のタイトルごとに対応が異なるが、いずれにせよ画面が小さくなり解像度が低くなり見にくくなるなどのデメリットが出るのは必然であり避けられない時代が長く続いた。 ただし一部では縦置き可能なモニターでプレイする事を必須とし、オリジナルそのままの縦画面モードを搭載してこれに対応する作品もあった(『ソニックウィングス2』、『レイストーム』、『レイディアントシルバーガン』、『ギガウイング』など)。このモードを実装した作品は極めて少ないが、これは縦置きが可能なモニターは入手が困難か、相応の接続知識が必要になる事から、あくまでも縦表示に拘り、安全に縦置きモニターを設置・運用出来るマニア向けの仕様として搭載されているためである。縦置きがブラウン管タイプより簡単な液晶モニターを使う手もあるが、この場合は家庭用の映像機器接続端子が付いているものや、特殊なアップコンバーター機器を使う必要があるため、やはり簡単ではない。 近年[いつ?]は家庭用のテレビも高解像度化・大画面化が進み、据え置き型ゲーム機も高解像度描画が当たり前になった事から、往年の業務用縦スクロールシューティングを(据え置き型)家庭用ソフトやPC用ゲームとして移植する場合、画面の中央にオリジナルそのまま縦画面を表示する仕様のゲームも出てきた(Xbox 360版『怒首領蜂 大復活』・『虫姫さま』など)。このような仕様になっている作品については大画面テレビを使えば往時の縦型モニターと同サイズかそれ以上の画面サイズを確保出来るのでプレイに支障無く遊べるようになっている。ただし何も対処しないとプレイ画面の両サイドが未表示状態になり寂しい画面になってしまうため、その場合は両脇にゲームに関連したイラストを表示したり、ゲームプレイに役立つ様々なガジェットを表示したりするケースもある(PS4版『バトルガレッガ』・『弾銃フィーバロン』など)。 なお、携帯ゲーム機に移植された場合、据え置き機よりも画面を縦にする事が比較的容易な場合本体を縦に持ってプレイ出来るようにして対応した作品もあった(『カプコン クラシックス コレクション』『ナムコミュージアム』収録作品の一部など)。 横スクロールシューティング基本的に画面が主に右から左横方向にスクロールするサイドビューの画面構成のシューティングゲーム。通称「横シュー」。『グラディウス』、『R-TYPE』、『ダライアス』、後期の『サンダーフォース』シリーズ、『超兄貴』など。 画面構成がサイドビューになることにより、必然的に上下と地形の概念が発生する。そのため爽快感を追求する方向性に行きやすい縦スクロールシューティングとは対照的に、戦略性を追求するタイトルが多い。ただしごくまれに、『プロギアの嵐』のように(自機が衝突する意味においての)地形が無いゲームも存在する。 横スクロールシューティングはモニターを横置きにして使用するものがほとんどであるが、かつては『スクランブル』、『ジャンプバグ』、『スティンガー』、『バスター』、『フォーメーションZ』などのモニター縦置きの横スクロールシューティングが主流であった。『スカイキッド』は常に左から右へスクロールする。『ディフェンダー』、『チョップリフター』は任意で左右方向にスクロール可能。 1990年代後期より弾幕系縦スクロールSTGに圧される形でタイトルを減少させていったが、アーケード・家庭用共にディスプレイ標準が横に長い16:9比率になった2000年代後期からは再び増加傾向を見せている。 縦横両スクロールシューティングごく少数の例外として、『ヴァンガード』、『沙羅曼蛇』、『テラフォース』、『アクスレイ』、『フィロソマ』、『ヘクター'87』などのように、横スクロールシューティングと縦スクロールシューティングが交互に行われる構成のゲームも存在する。 ゲーム進行上の演出として、ステージの途中などでゲームの通常方向のスクロールとは異なる方向への強制的、あるいは選択的なスクロール処理が行われる場合もあり、局所的に縦横両スクロールに見える場合もある。(『グラディウス』『スペースマンボウ』など) クォータービューシューティング画面が主に斜め方向にスクロールするシューティングゲーム。背景が3D的になっている。『ザクソン』、『ブレイザー』、『メルヘンメイズ』、『ビューポイント』、『マッドクラッシャー』など極めて少数。 基本的ルールとしては縦スクロールシューティングと同じだが、ザクソンは高度・障害物の概念も入っている(その代わり前後への移動はなし)。 斜め視点なのでスプライトでも敵などが立体的に見えるというメリットはあったが、位置関係が把握しづらく、高度の概念を入れると敵と同高度なのかどうかが解らなかったり、敵弾の機動予測がしづらいなどのデメリットがあり、ゲーム性に幅を持たせにくい。結局、縦スクロールシューティングに統合されるような形で作成されなくなった。 多方向スクロールシューティング画面がプレイヤーの「任意の方向にスクロール」し、「任意の方向への攻撃」を行うシューティング。別称、任意スクロールシューティング。 代表的なタイトルは『ボスコニアン』、『タイムパイロット』、『バンゲリング ベイ』、『エイリアンシンドローム』、『奇々怪界』、『アサルト』、『ワルキューレの伝説』、初期の『サンダーフォース』シリーズ、『グラナダ』、『Geometry Wars』など多岐にわたる。前述のアリーナシューティングや、初期のFPSなども多方向スクロールシューティングの要素を備え、同様の内部処理を行っている場合がある。 スクロール表現に関して分類すると「方向入力を行い続けるとスクロールするタイプ」(『グラナダ』や『アサルト』など)と、「方向入力を行わなくても常にスクロールするタイプ」(『ボスコニアン』など)に分かれる。前者は、多方向スクロールシューティングの要素が濃厚であってもアクションゲームに分類されることも多い。 トンネル・シューティング戦闘空間が円筒状の曲面であるシューティングゲーム。画面は3次元的表現で描画されるが、戦闘は円筒状の形状の表面に沿うような空間上で行われる。この戦闘空間は、変則的ではあるものの一種の2次元である。『Tempest』、『ジャイラス』、『Space Giraffe』など極めて少数。また、『アーガス』などは通常の縦スクロールシューティングであるが、マップの左右が接続・ループしており、事実上、トンネル・シューティング同様の空間構成であると見なす事もできる。 3Dシューティングゲームゲームのデータ空間が3次元構造を再現していて、3次元的に表示するシューティングゲーム。オブジェクト指向プログラミングによるシミュレーション的な仮想空間の再現や3Dポリゴン技術などを用いることで実現している。 擬似3D処理としてスプライト・一枚絵の拡大縮小を使っているが、ゲーム内の仮想空間が3次元的に設計されている作品も(一応)3Dシューティングゲームに分類され、更に細かくジャンルを分ける際は「疑似3Dシューティング」と呼ばれる。 なお「二次元的視点 (斜め見下ろし視点のものを含む) で、ポリゴンを使用して3D処理している」というゲーム(『レイストーム』、『斑鳩』、『グラディウスV』など)は基本的に「2Dシューティング」に分類され、「3Dシューティング」には分類されない。 アーケードゲームではいわゆる「大型筐体」を採用し、プレイヤーが操作と連動して揺らされる「体感ゲーム」が多い。 強制スクロール型の2Dシューティングとはゲーム性が大きく異なる。 なお、各タイトルのゲーム設定やプレイヤーの体質にもよるが、3Dシューティングというのは、ゲームの仮想空間内で視線方向をあまりに激しく動かし続けると(ちょうど現実世界で頭をあまりに激しく振り回すと酔ったようになり、吐き気を催すのと同じで)「3D酔い」と呼ばれる症状を発する場合もある。視線方向を振ることを控えめにすると酔いにくい。 ファーストパーソン・シューティング(FPS)/ サードパーソン・シューティング(TPS)→詳細は「ファーストパーソン・シューティングゲーム」および「サードパーソン・シューティングゲーム」を参照
3次元の仮想空間内を自由に移動して戦うシューティングゲーム。 3D処理には高い処理能力が要求されるが、コンシューマ機・スマートフォンの高性能化及びPCの低価格化が進むにつれて、世界的に普及していった 一人称視点のもの、つまり主人公の目線で仮想空間を見るものはファーストパーソン・シューティング(FPS)と分類され、三人称視点のもの、つまり主人公の眼とは別のところにあたかもカメラがあるかのようにして仮想空間を見るものはサードパーソン・シューティング(TPS)と分類される。ハードウェアの性能が向上した2000年代頃から多様化が進み、一人称視点と三人称視点の任意切り替えが可能なタイトルも増えている。 プレイヤーは仮想空間で主人公となり、課せられたミッションをこなす事でステージをクリアしていく。 単独プレイのほかに、プレイヤー同士がLANやインターネットを通じて対戦・協力プレイもできるようデザインされたゲームも多い。 世界的に人気が高いジャンルでもあり、特に「リアルなグラフィックや演出」「現実のような体験」が好まれる傾向がある欧米では、早くから3Dシューティングゲームの普及が進んだ。 一方、日本では文化的な違い[2]から、欧米に比べてFPS/TPSはアーケード・コンシューマ・PCのいずれにおいても普及が遅れていた。 しかし、2000年代に入るとインターネットの発達により海外のゲーム情報が身近になり、少しずつではあるが日本でも普及していくようになる。 リアルな戦場を表現したFPSとしては『バトルフィールド・シリーズ』、『コールオブデューティ・シリーズ』などの知名度が高い。これはFPSであるが、兵士の体験をシミュレーションするシミュレーション・ゲームとも言える。 FPSの「SFもの」としては『HALO』シリーズ、『DOOM』シリーズなどがある。 TPSとしては、たとえば以下のようなものがある。 なお、ソニー・インタラクティブエンタテインメントとゲリラゲームズが、「ゲームの地平線を目指すために」物理エンジンから作り直し、6年もの歳月と千名以上のスタッフで作り上げ、大ヒットしたPS4ソフトの大作、『Horizon Zero Dawn』も、(ゲーム全体では多要素であるが)その戦闘部分はTPSである。(他のTPSとは違って、銃やレーザー銃ではなく)弓矢を多用する、という特徴がある。 『フォートナイト』も(ゲーム全体は多要素ではあるが)戦闘部分はTPSである。 フライトシューティング戦闘機などを駆って自由な空間移動が可能なシューティングゲーム。フライトシミュレーションにシューティングゲームの要素を混ぜたもののうち、物理現象などの再現よりも、特にシューティングゲームとしての要素を重視しているもの。代表的な作品は3Dポリゴンを用いた『エースコンバットシリーズ』、『サイドワインダーシリーズ』、『スカイガンナー』、『ブレイジング・エンジェル』、『エナジーエアフォースシリーズ』、『プロジェクト・ウィングマン』など。 フライトシューティングは歴史の古いジャンルではあるが、フライトシューティングという呼称が定着したのは『エースコンバット』をはじめとするコンシューマ機向け作品がフライトシューティングというジャンル名を冠して登場するようになってからである。それ以前は、たとえその内容が実質的にフライトシューティングであっても、フライトシミュレータと冠して発売されることが常であった。 なお、海外においてはフライトシューティング(flight shooter)という呼称はあまり用いられない。フライトアクション(flight action)という呼称がより一般的である。 スペースコンバットシューティング/スペースコンバットシミュレーション宇宙船を操って宇宙空間を舞台に自由な空間移動が可能なシューティングゲーム。宇宙空間を舞台としたフライトシューティングとも言える。『スターラスター』、『PROJECT SYLPHEED』、『FreeSpace』などはここに分類される。また、スペースフライトシミュレーターの一ジャンルでもある。このうち、シューティングゲームとしての爽快感を重視したものはスペースコンバットシューティング (あるいは単にスペースシューティング)、高い戦術性や複雑な機体操作など、シミュレーションゲームとしての要素が強いものはスペースコンバットシミュレーションと呼ばれるが、明確な区分があるわけではない。 なお、シミュレーションといっても、必ずしも宇宙戦闘を物理学的・科学的に正しく再現することを目指しているわけではなく、『スター・ウォーズ・シリーズ』のようなSFの中での宇宙戦闘を模したものがほとんどである。その結果としてシューティングゲームの一種として分類されうるゲームになっている。 また、このジャンルには『Elite』、『FreeLancer』、『X:Beyond the Frontier』の様に、通常のシューティングのような、固定された内容のミッションだけでなくSF的世界観の中でフリーランスの宇宙船乗りとして宇宙を冒険し様々なランダムミッションや交易などを行う、ロールプレイングゲームや経営シミュレーションの要素を多く含むタイトルも存在している。 奥スクロール・シューティング奥から手前にスクロールする強制スクロール型の3Dシューティングゲーム。3Dポリゴンによる本格的な3D処理が可能になる以前から、擬似3D処理としてスプライト・一枚絵の拡大縮小を用いてこの種のタイトルが作られてきた。代表的なタイトルは『スペースハリアー』、『アフターバーナーII』、『ギャラクシーフォース』、『スターフォックス』シリーズ、『パンツァードラグーン』シリーズなど。2DCGではあるものの、『サンダーセプターII』などのように、特殊メガネなどを使用した3D投影を行っているタイトルもある。
ガンシューティングゲーム→詳細は「ガンシューティングゲーム」を参照
「光線銃」などを用いるもの。2Dシューティングゲームや、3Dシューティングゲームよりも発祥は古く、ビデオゲームが発明される以前から存在する。
レーザーディスクを使用したシューティングゲームかつてはレーザーディスクの映像再生機能を使用しているゲームもあった。
ボム・シューティング上記までとは異なる分類として、ボム・シューティング(略してボムシュー)というジャンル分けがある。通常攻撃のほかに、一定時間無敵、絶大なる攻撃力などをもった「ボム」あるいは「ボンバー」などと呼ばれる特殊攻撃が可能。この特殊攻撃は何らかの方法により使用回数の制限がなされている。詳しくはボンバーの項目を参照。 その他上記のどれにも該当しないもの。そのほとんどは、後継作品がリリースされていない。『バンクパニック』、『エンパイアシティ1931』など。 関連事項連射と2Dシューティング1980年代末期までの2Dシューティング作品においては、プレイヤー自機の攻撃力はショットボタンの押下回数、すなわち連打(連射)回数に依存している作品が多かった。しかしプレイヤーにとってはショットボタンの連打には体力やテクニックが要求され、長時間続けると筋肉痛などの症状を起こす恐れがあり、またゲーム機自体への負荷も大きくなった。さらにハイスコアを競う局面では、ゲーム機外部に取り付ける自動連射装置の利用の有無により結果に差異が生じた。そのため『ゲーメスト』などではハイスコア集計を連射装置の有無別に分けて行うこともあった。その後、ほぼ全ての2Dシューティングゲームのプログラム上に自動連射機能が組み込まれている。 ランクシューティングゲームではプレイ内容により難易度を調整するシステムが搭載されているものが多く、この内部での難易度設定のことを俗にランクと呼ぶ。ランクの上昇(および下降)に関係する要素は作品によって異なるが、概ね自機のパワーアップ状態、周回数、残機数、ミスをしてからの時間などが関係する。一方ランクが反映される要素としては敵の攻撃量、耐久力、撃ち返し弾の有無などがある。 ランクへの対処方法としては、極力ミスをしないように、また自機を効率的にパワーアップさせランクの上昇に対抗し得るようにするというものがある。また逆に意図的にパワーアップの抑制やミスなどプレイヤーにとって不利益ともなり得ることを行うことで難易度を抑制する、「ランクを下げる(あるいは調整する)」という手法もある。どちらの方法を取るかは作品やプレイヤーの熟練度、局面などによって異なり、そうした攻略パターンをまとめたものがゲーム雑誌や書籍に掲載されることもある。また一般的にハイスコアを目指すプレイでは効率的なパワーアップを行いつつノーミスで進行することとなるため、必然的にランクの上昇を大きく引き起こす。そのため作品によっては、初心者向けにランク上昇を抑えることを考慮したクリア重視の攻略と、上級者向けにランク上昇を度外視したハイスコア重視の攻略の2種類が雑誌に掲載されることもあった。中にはランク上昇が顕著でクリアのためには上級者でもランク調整が必須なものもあり、例として『パロディウスだ! 〜神話からお笑いへ〜』や『バトルガレッガ』などが挙げられる。 ゲームミュージック1980年代後半から1990年代のゲームミュージックの中心の一つが当時のアーケードの2DSTGであり、タイトーのZUNTATA、コナミの矩形波倶楽部などゲームミュージックのチーム・ブランドが生まれるきっかけの一つとなった。当時アーケードの2DSTGのサウンドトラックやアレンジ版が多数発売された。 当時の2DSTGのサウンドトラックにはテレビのニュース番組やバラエティ番組などのBGMや効果音としていまだに使われているものもある(『パロディウスだ! 〜神話からお笑いへ〜』など)。 年表シューティングゲーム、ゲーム業界に影響を与えたものや出来事を記す。 2Dシューティングゲーム1960年代 1970年代
1980年代
1990年代
2000年代
2010年代
3Dシューティング
ガンシューティング
シューティングゲームを題材としたテレビ番組『シューティングゲームの歴史』(Histoire Du Shooting Game)2006年にフランスのゲーム専門チャンネル『Gameone』によって制作・放送された、2DSTGの特集番組。上記年表にある2DSTGの大部分について網羅。2DSTGの繁栄から衰退、そして現在(2005年)について解説。各2DSTGの面白さやヒット理由の分析、開発者へのインタビューなど、2DSTGの歴史について報道している番組。 有志による日本語訳がいくつか存在する[5]。 シューティングゲーム攻略軍団参上!2009年にケーブルCS放送MONDO21にて放映された番組。毎回1つのタイトルを取り上げ、上級プレイヤーによる攻略映像を解説付きで流すという内容。 →詳細は「シューティングゲーム攻略軍団参上!」を参照
脚注
関連項目 |