ダーウィン4078
『ダーウィン4078』(だーうぃんよんぜろななはち)は、データイーストが1986年に発売したアーケードゲーム。オーソドックスな『ゼビウス』(1983年)式上下撃ち分けの縦スクロールシューティングゲーム。進化論を唱えたチャールズ・ダーウィンの名を冠する通り進化をモチーフにしたゲームシステムを盛り込んだ異色のゲーム。 概要全16面から構成されるステージは、時間や空間を並列に配置する事によってほぼ無限の大きさを持ち、惑星さえも運べるという巨大な宇宙船の内部である。 「EVOL(イボル)」と呼ばれるキャラクタは、存在がエネルギーだけの生命体であり、そのままでは拡散して存在自体が失われてしまうため、自らをカプセル状の容器に収めた物である。 各面の最後に登場するペータエフというボスを倒すことによって、その面をクリアとなる。 ゲーム内容自機8方向レバーと2ボタン(対空ショット、対地ショット)で操作する。対空ショットは後述の「進化」により実に多彩に変化する。 パワーアップ・進化システム最大の特徴は自機の進化システム。自機はビース(BEAS)と呼ばれる形態からゲームスタートするが、特定の敵を倒すことで出現するEVOLを摂取することで1段階の「進化」を行なう。 自機のサイズも「進化」に比例してどんどん大きくなり、高い攻撃力と大きな体を備えた物となっていき、移動速度も上がっていく。進化の過程で扱いにくい段階もあるので進化の順番とショットの特性(効率の良い使い方)を把握し、苦手な進化過程を素早く通過するようにしていくなど、攻略のためには後述の「退化」や「突然変異」も含めてパワーアップについて戦略を組み立てる必要がある。また、自機の形態によって移動速度も異なる。 基本的にパワーアップした大きい自機が優位に立てるようになっているので、巨体で倒し奪い取る弱肉強食の快感を与えてくれる。 全19種の形態にはそれぞれ名前が付けられており、攻撃内容や形状によって関連性が見られる。それらは画面に表示される情報であり、「設定上の物」に留まっていない。 なお、突然変異(および逆進化)についてはインストラクションカードにヒントが書かれている。 進化EVOLを摂取することで進化して行く。 退化一定時間が経過すると退化していく。また、自機は逆進化形態「ブラックディーム(BLACK DEAME)」か突然変異形態の一種「スプラーテ(SUPPURATE)」である時を除いて、被弾すると「ピスター(PISTER)」(最弱状態であり、ここから1段階進化するとビースになる)にまで退化してしまう。被弾した時の進化過程が長ければ長いほど退化アニメーション(攻撃が行なえないが無敵)の時間が長くなる。通常時は敵に直接当たってしまうと退化も起こさずに即ミスとなるが、退化アニメーション中の無敵の間は敵を体当たりで倒すこともできる。ピスターの形態で被弾するか、(いかなる形態でも)退化アニメーション中以外に敵の体当たりを受けるとミスとなる。 被弾しないだけでは弱肉強食を楽しむ事はできず、強者は常にEVOLを取り続けなければならない。一定時間EVOLを取れずにいると1段階、また1段階と時間で自然退化していく。但し、ニョイアレイやザンゾーとドッキングしている間だけは、退化時間は停止している(カウントされていない)。 突然変異突然変異と呼ばれる通常のパワーアップ手順では出現しないものが幾つか用意されており、それらは通常のシューティングゲームでは見られない極めて癖の強い攻撃を行なう。 特定の進化過程で被弾(もしくは特定の状態から時間で自然退化)する事によって突然変異が起き、通常の進化とは明らかに毛色の違う奇妙な形の自機に変態する。攻撃内容も非常に癖が強く扱いにくいが、使い方によっては非常に強力なものでもある。 逆進化特殊な進化退化の手順を踏んでから被弾すると、「逆進化」という通常のルートとは別のパワーアップが起こる。この逆進化形態であるブラックディームは他の進化形態とは全く違う蝙蝠のような姿であり、敵の弾には無敵、ショットは自分の分身を無数にばらまくという、敵が何もできない程の圧倒的な火力を持つ。しかし奇形であるこの進化は前述の自然退化(EVOLを一定時間獲得できないでいる)が起きるや否や最弱状態になってしまうという、諸刃の剣のバランス設計が施されている。なお、ブラックディームへの逆進化直前の形態であるディーム(DEAME)は、地上に映る影だけがブラックディームと同じになっている。ブラックディームは間違いなく最強形態だが、EVOLを出す敵が一定時間出現しなければ結局最弱の初期形態ピスターに戻ってしまうため、ニョイアレイやザンゾーとのドッキングに成功しない限りは、常にブラックディームでいることは不可能である。また、ブラックディームの攻撃力は極端に高いため、ニョイアレイやザンゾーを倒さずに気絶させること自体も難しい。 形態
対地ショットのパワーアップ敵キャラクタの一種であるニョイアレイ、またはザンゾーに対し、倒せさない程度に対空ショットを当てると、気絶することがある。この時に自機が接触すると一定時間ドッキング状態となり、その間、退化せず対地ショットがパワーアップされる。ただし、直撃弾を与えないと破壊出来ないような地上物に対しては、これらのパワーアップ中は破壊できなくなってしまう。また、対地ショットのパワーアップは、これ以外には存在しない。なお、時折登場する巨大ザンゾーは、気絶自体をしないためにドッキングもできない。 難易度設定ゲーム中の難易度は常に一定であり(もちろん高次面になるほど難しいが)、他のパワーアップ型シューティングゲームにありがちな「自機がパワーアップすると敵もパワーアップする」「周回数による難易度上昇」というようなことが無い。そのため、非常に恒常的な攻略が可能であった。このシステムは続編である『スーパーリアルダーウィン』にも採用されている。 敵弾敵が撃ってくる弾には、大きく分けて「真正面など固定方向にしか撃たないもの」「自機との距離に応じた速度(遠ければ速い、近ければ遅い)で狙い撃たれるもの」の2種類があり、必ずしも敵との距離を開けておけば弾が避け易いとは限らない。この攻撃方法もまた『スーパーリアルダーウィン』に受け継がれており、他社作品においては『ダーウィン4078』に先駆けて『スターフォース』で採用されている。また、一部の敵の弾は敵本体と同じ扱いで被弾すると退化せず即ミスとなる。 ボーナス得点・隠しフィーチャー
※上記の2つは開発者インタビューに基づくが、実際には存在(発動)しないフィーチャーと思われる(実プレイでは9面の破壊可能な地上物を全滅してもエクステンドしない、また眼下のペータエフは攻撃可能な位置では常に噴煙を上げている)。 開発キャラクターデザイン生物、特に顕微鏡で見られるような微生物に通ずるデザインを持ち、動きも微生物や水生生物のそれに近いトリッキーな動きを見せる。 美術、音楽進化や退化の際には非常に手の込んだドットアニメーションで自機の変態が行なわれる。進化をモチーフにしているだけあって数十種類の自機デザインを初め敵デザインには共通性があり、制限の大きな当時の大きなドット絵の中に繊細な曲線を表現している。生物的な要素も上手く表現されており、攻撃や防御の方法がデザインを見ただけで容易に想像が付く。 音楽は特徴の少ないミニマル・ミュージックで、多彩なショット音はショットの見た目や速度を繊細且つ多彩な音色ボキャブラリーで表現している。 ゲームデザインから、グラフィック、サウンドとほとんどを手がけた古川ともは後にミュージシャンに転じ、GUNIW TOOLSというヴィジュアル系バンドでデビューしている。
他機種版
続編
関連作品
脚注
外部リンク
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