タイムパイロット
『タイムパイロット』 (Time Pilot) は、1982年11月[2][3]にコナミから発売された業務用多方向スクロールシューティングゲーム。 タイムスリップが可能な自機を操作して、5つの時代をまたがり、次々と襲いかかる敵戦闘機を撃破していく縦画面全方向任意スクロール のシューティングゲームである。当時高度な技術であった、自機を中心に360°の任意スクロールを可能としており、ショットが途切れずに連射可能な自機と相まって爽快感がある。本作の稼動当時の人気は高く、『スペースパイロット』(Space Pilot)といった模造コピー基板も数多く出回っていた[要出典]。 開発はコナミ開発部が行い、後にカプコンに移籍し『ファイナルファイト』(1989年)や『ストリートファイターII』(1991年)などのヒット作品を手掛けた岡本吉起がゲーム制作を担当、岡本と同じくカプコンに移籍し『魔界村』(1985年)に登場する「レッド・アリーマー」の名前の由来となった有馬俊夫[1]がプログラムを担当、音楽は『ジャイラス』(1983年)を手掛けた井上正廣が担当している。 1983年に北米においてコレコビジョン、Atari 2600に移植された他、日本ではMSXに移植された。2002年には携帯電話ゲームとして配信された。アーケード版は後にPlayStation用ソフト『コナミ80'sアーケードギャラリー』(1999年)、ゲームボーイアドバンス用ソフト『コナミアーケードゲームコレクション』(2002年)、ニンテンドーDS用ソフト『コナミ アーケード コレクション』(2007年)に収録された他、2005年にはPlayStation 2用ソフトとしてオレたちゲーセン族シリーズにて発売され、2006年にはXbox 360用ソフトとしてXbox Live Arcadeにて、2019年にはPlayStation 4およびNintendo Switch用ソフトとしてアーケードアーカイブスにて配信された。 本稿では1984年に発表された続編の『タイムパイロット'84』についても述べる。 ゲーム内容レバーとショットボタンで自機を操作して、次々と現れる敵戦闘機(1機につき100点)を撃っていく。後述する爆弾(A.D.1910)・追尾ミサイル(A.D.1970及びA.D.1982)・UFOの敵弾(A.D.2001)もショットで破壊できる。敵機を56機撃ってから数秒経過するとボス敵機が出現するので、それに7発ショットを撃ちこむ(1発撃ちこむと300点)か、自機を体当たりさせると破壊できる(3,000点)。ボスを撃破するとステージクリアとなり、次の時代にタイムスリップする。自機が敵や敵の弾に当たるとミスで持ち機を1機失う。自機でボス機へ体当たりした場合、得点は入り、ステージクリアの扱いとはなるが、やはり持ち機を1機失う。全ての自機を失うとゲームオーバー。一定得点毎に自機が1機追加される(アーケード版では10000点で1機、以降50000点ごとに1機ずつ)。 また、ボーナス要素として、
がある。ただしこれらの要素はA.D.2001には登場しない(例外として、GBA版のA.D.2001にはパラシュートが登場する)。 ボスを倒さずに粘っていると敵の攻撃が激しくなっていくが、上限があるため撃墜されない限り永久パターンになる(どの面でも可能だが、難度の低い1~2面がなりやすい)。かつて、100万点以上もやったプレイヤーもいた(スコアが99万9,900点を超えると0点にリセットされるので、あまり意味のない行為である)。 ステージ構成
A.D.2001をクリアすると、そのまま難易度が上昇したA.D.1910から次の周回が始まる。スタッフロールやエンディングは一切ない。 MSX版(MSXコレクション含む)では、ステージ4の名前が「A.D.1984」に変更されている。 移植版
一部移植版は、パラシュートで使用された赤い十字マークが赤十字マークと類似しているため、移植に際し無地のパラシュートに改変されている。 スタッフ評価
ゲーメストムック『ザ・ベストゲーム2』(1998年)では『名作・秀作・天才的タイトル』と認定された「ザ・ベストゲーム」に選定され、同書では本作がナムコより稼働された『ボスコニアン』(1981年)の発展系である事を指摘した他、当時シューティングゲームにおけるボムの概念が確立されていなかったために質素なイメージがあるとも指摘したが、「1ボタンだけで充分に楽しませてくれる点は評価したい」と肯定的に評価した[24]。その他、1回ボタンを押すと弾が4発出るという機能を面白い点として挙げ、「間を置いて押せて楽ができた」と肯定的に評価した[24]。
ゲーム本『美食倶楽部バカゲー専科外伝 謎のゲーム魔境3』(2002年)にてゲームクリエイターのゾルゲ市蔵は個人的評価を85点(満100点)とした上で、本作がMSX以外の機種にほとんど移植されていないため貴重であると指摘した他、アーケード版からの全方位スクロールの再現度や自機が画面中央に固定されている事を逆手に取って中央に水色の四角を置いたグラフィックなどを称賛し、「かなりデキがいい」と絶賛した[23]。 その他
タイムパイロット'84
『タイムパイロット'84』(タイムパイロット エイティーフォー、Time Pilot '84:Further into unknown world.)は、1984年6月[27][28]にコナミから発売された業務用多方向スクロールシューティングゲーム。 1982年[2][3]にリリースされた『タイムパイロット』の続編だが、前作が横視点の空中戦であったのに対し、本作では上方視点に変更され、世界観も近未来のサイバーな都市やクレーターを背景としている。ゲーム中においてボス撃破を起点に時間移動(インストカード上ではボス撃破後に時間が進むと表記)するが、特に目立った時代の移り変わりはない(面数も単にSTAGE○○と表示。ステージ開始時はただ延々とサイバー都市やクレーターが続くが、特定ステージ以降は色や一部背景が変化する)。360°全方向任意スクロールは継承しており、編隊撃破ボーナスも存在するが、1ステージ中に登場する敵のバリエーションが増えており難易度が高くなっている。 家庭用ゲーム機への移植は長らく行われていなかったが、アーケード版稼働開始から37年後の2021年5月27日にPlayStation 4およびNintendo Switch向けにアーケードアーカイブスにて初移植のうえ配信された。BGMは2004年にKONAMIが発売した「コナミミュージック名曲コレクション サンダークロス編」に収録されている。その他、映画『地獄のデビル・トラック』(1986年)に本作が登場するシーンがある。 本ゲームの開発については、当初は前作(タイムパイロット)のサブプログラマである有馬俊夫とデザイナーの岡本吉起によって進められていたが、キャラクターデザインが終わってようやくキャラクターが動き始めた段階で両名がコナミを退職したため、以降は別のスタッフによる独自の解釈で開発が進められて完成した。企画当初は360度自由に移動ができるゼビウスのようなゲームが想定されていた[29]。 ゲーム内容レバーとショットボタン(バルカン)、ハイパーミサイルボタンで自機を操作して、次々と現れる敵を撃っていく。緑色のザコ敵はショットでしか破壊できず、青い地上敵や青い空中敵(装甲敵)はハイパーミサイルでしか破壊できない(仕様としては(ゲームタイトルに掛けた)ショット84発でも破壊は可能)。自機の前方に青い敵が来ると自動でロックオンがかかり、ロックオン中にハイパーミサイルボタンを押せばミサイルを発射(1度に2発発射可能)し、ロックオンした敵にヒットする。ある程度敵を撃破すれば警告音の後にボスが出現、ボスに対してショットは通用せず、ハイパーミサイルで撃破すれば1ステージクリア。自機が空中の敵や敵の弾に当たるとミスで持ち機を1機失う。すべて失うとゲームオーバー。一定得点毎に自機が1機追加される。 特定の何もないところをロックオンしたり、壊れる物を破壊していくと、1upや隠れキャラも出現する。 ボーナス要素として、
がある。 パーフェクトボーナスは8,000点。 筺体基板の仕様上、56ステージで終了しループする(移植版でそれ以降を実装)。 移植版
脚注
関連項目
外部リンク
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