魔界村
『魔界村』(まかいむら、英題:Ghosts 'n Goblins)は、カプコンが1985年に稼働したアーケード用横スクロールアクションゲーム。 『ゲーメスト』読者による全アーケードゲームを対象とした人気投票(1991年)で第36位を獲得[2]し、「カプコンの名を一躍知らしめた、高難度ゲーム」と評される[3]本作は、後に各種ホビーパソコンや家庭用ゲーム機などに移植され、続編や関連作品が制作された(#評価、#移植版、#シリーズ作品)。 システム4方向レバーと2ボタン(ジャンプと攻撃)で主人公の騎士アーサーを操り、さらわれたプリンセスを助け出すのが目的。プリンセスを助けるためには魔界の魔物を蹴散らし、魔将軍が守る6つの門を抜けて、大魔王を倒さねばならない[4]。 移動時は梯子を上り下りしたり、その場にしゃがむこともできる。ジャンプは飛距離および軌道が一定で、ジャンプ中および落下中の軌道修正は効かず、足場の先からジャンプせずにそのまま落ちた場合は常に垂直落下する仕様になっている。このため一般的なアクションゲームに比べてジャンプ動作がやや不自由だがジャンプ中に体の向きを変えることは可能。 ショットは武器により連射回数、弾速、軌道、特性が異なる。プログラムの特性上、公式には記載はないが、連射技というテクニックが存在し、少しずつ前進または後退しながら連射することで、通常の連射以上の連射が可能である。 主人公アーサーは鎧を身につけているが、敵と接触するか攻撃を喰らうと鎧が弾け飛んで裸状態になり[5]、その状態でさらに攻撃を喰らうと白骨化して1ミスとなる。なお、鎧は一度の被弾で失われてしまうが、ステージをクリアするか、特定の場所に出現する鎧を入手することで再び鎧を着用することが可能となる[4]。敵の攻撃以外でも、制限時間がなくなった場合や、足場のない地点に落下した場合もミスとなって残機を一つ失い、残機を全て失うとゲームオーバーになる。 ステージ各ステージは前半エリアと後半エリアに分かれており、各ステージ2分の制限時間は後半エリアに入るとリセットされ再カウントが始まる。ただし、終盤のステージ5・6は前半後半に分かれておらず、ミスをするとステージ冒頭からのやり直しとなる。 ステージは通常ステージ6面+最終決戦ステージ1面の全7ステージ構成だが、最終ステージである7面に進むには特定の武器を装備した状態でステージ6をクリアする必要があり、条件を満たしていなかった場合はステージ5に戻されてやり直しとなる。さらに本作は最終ステージをクリアすると、より難易度が上昇したステージ1に戻るという2周セットのループゲームとなっている[6]。このためゲームを一周しただけでは完全にゲームをクリアしたことにはならず、真のエンディングを見るには1周目クリアに続いて2周目も最後までクリアする必要がある。 武器2つ表記があるものは、左が通常のもの、右がファミコン版取扱説明書に記載されているもの。
アイテム
キャラクター主人公側
雑魚キャラクター
ボスキャラクター
移植版
開発本作のゲーム・デザインを手がけた藤原得郎によると、本作は『戦場の狼』(1985年)と同時進行で開発が進められていたという[40]。本作のホラーテイストに関しては、漫画や遊園地などに影響された部分が大きく、藤原は『デビルマン』(1972年 - 1973年)の影響が強いが、その他いろいろなものがミックスされているとも語っている[40]。 藤原は『戦場の狼』よりも本作の開発の方が楽しかったと語っているが、開発後に相当な疲労が溜まるためすぐに続編を作る気にはならないとも語っている[40]。 また、アーケード版に関してはロケテストを実施し、意図した場面でプレイヤーが苦戦していない事が分かると、すぐに会社に戻り修正を行っていたという[40]。 最初に発売されたバージョンには、永久パターンを可能にするバグ[注 1]が存在したため、急遽これを修正した新バージョンが発売された。またその際に、ステージ6の一角獣の数が一つ減らされ、サタンの耐久力が弱くなっているなど難易度が若干下げられており、ドラゴンが倒さなくても消せてしまうなど、意図せず難易度を下げていたバグも修正されている。 その他、本作に登場する「レッドアリーマー」の名前は当時カプコンの社員でプログラムを担当していた有馬俊夫[1]の名前から来ており、初めに絵が完成していたが、キャラクターが有馬に似ていたことからいつの間にか開発部内で「レッドアリーマー」と呼ばれるようになったという経緯がある[40][41]。有馬は当時常に顔面を紅潮させて怒っていたことから、他のスタッフが当てつけにレッドアリーマーという、プレイヤーにとっていやらしいアルゴリズムを持つキャラクターを作ったとされる。 スタッフアーケード版 ファミリーコンピュータ版
評価
2022年12月26日に発表された「ニコニコ動画アワード2022」では、本ゲームを扱ったゲーム実況動画がゲーム実況賞のルーキー賞を獲得している[60]。 シリーズ作品シリーズ全世界累計販売本数は2022年12月31日時点で450万本[61]。 続編
関連作品レッドアリーマーシリーズ
派生作品
外部出演
オムニバス集
メディア作品漫画
コラボイベント『魔界村』30周年を記念して、2015年8月22日から10月12日まで「浅草花やしき」において期間限定コラボイベント「花魔界村」が開催された。オリジナルポストカードとオリジナルクリアファイルがもらえる「プリンセス救出スタンプラリー」の他、限定コラボフードや限定コラボグッズの販売などが行われた[68]。 脚注注釈出典
参考文献
外部リンク
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