路地裏の少年
「路地裏の少年」(ろじうらのしょうねん)は、浜田省吾のシングルEP。CBS・ソニーから1976年4月21日に1枚目のアルバム『生まれたところを遠く離れて』と同時発売された。 概要両面ともアルバム『生まれたところを遠く離れて』収録テイクとは異なるアレンジ。 1989年3月21日に、CBS・ソニー発足20周年記念「Platinum Single Series」により、過去に発売されたアナログ・シングルからピックアップの上、CDシングル化された(後述:「路地裏の少年/愛のかけひき(再発シングル)」)。 制作浜田が広島の学生時代16歳から浪人を挟んで、上京し神奈川大学在学・中退を経て、22歳までの横浜に住んでいた頃を歌っている[1][2][3]。学園闘争でキャンパスが荒れ、無意味な内ゲバが横行し、工業地帯のベアリング工場などで油まみれのアルバイト生活を送る浜田が、労働者たちの生々しい生き様に感性を揺さぶられて歌詞を書いた[3]。23歳の誕生日の前日に書かれた曲で、そのためラストが「22歳」となっている。この曲を聴いたスタッフは「これで行ける!」と盛り上がり、浜田もそれを聞いて喜んだという。 もともと制作段階では「青い目の少女」というタイトルで、浪人時代に出会ったホームステイに来ていたアメリカ人の女子学生のことを歌ったものだった。浜田にとって初恋の相手ともいえる存在で、夏休み期間中のホームステイが終わり彼女がアメリカに帰ってからも、しばらく文通を続けながら交流があったという。しかし、作っている途中で「このことを歌にするのはやめよう」と思い、「路地裏の少年」として書き換えられた。そのことをジャクソン・ブラウンに話すと、「本当に大切な思い出は自分だけのものにするのだね」と言われたという。 ヴァージョンこの楽曲は、デビューシングルヴァージョンを含めて7つのヴァージョンがある。
エピソード後にディレクターとなる須藤晃は、パチンコ屋で初めてこの曲を聴いたとき、"いつかはこの国目を覚す"の部分を"いつかは孤独に目を覚す"と聴き間違えて、「なんて文学的な表現をする人なんだ」と思ったという。 HOUND DOGの大友康平は、アマチュア時代にラジオでこの曲を聴いて衝撃を受け、すぐさまレコードショップまで走ったという。プロになる決意をした楽曲だと浜田の1991年コンサートパンフレットに寄稿している。 俵万智のベストセラー歌集『サラダ記念日』(1987年初版)に "「路地裏の少年」という曲のため少しまがりし君の十代"と詠まれた歌がある。 浜田のファンであるSomething ELseがフジテレビ系『LOVE LOVE あいしてる』に出演した際、本作のカバーを披露した。 収録曲
路地裏の少年(12インチ)
1986年9月発売のアルバム『J.BOY』の先行シングルレコードとしてリリース。 ソロデビュー時に、収録時間の関係上カットされていた3番の歌詞をほぼ当時のまま、新たなアレンジで歌い直した。アルバムとはヴァージョン違い。 カップリングの「晩夏の鐘」は、アルバム収録のInstrumentalとは違い、ヴォーカル入りヴァージョンとなっている。 「Walking in the rain」は1985年に時任三郎に提供した楽曲のセルフカバーで、アルバムには未収録である。 2021年現在、「晩夏の鐘」は1999年に再発されたアルバム『J.BOY』のエンディングにシークレット・トラック、「Walking in the rain」は8cmライブシングル「J.BOY (Live Version)」のカップリングに収録されている。 記録浜田のシングルとしては過去最高の11位を記録した。 収録曲
参加ミュージシャン
路地裏の少年/愛のかけひき(再発シングル)
1989年3月21日に、CBS・ソニー発足20周年を記念した「Platinum Single Series」の一環で過去に発売されたアナログ・シングルからピックアップの上、CDシングル化された。その際、2ndシングル「愛のかけひき」との両A面となった。 ジャケットは、1989年当時に撮影された、ニュージャケットとなっている。 2005年3月24日[4]と2021年6月23日[5]に、マキシシングルとしてリサイズされ復刻された。 収録曲
参加ミュージシャン
脚注出典
外部リンク
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