波号第百十一潜水艦[注釈 3](はごうだいひゃくじゅういちせんすいかん)は、日本海軍の潜水艦。波百一型潜水艦の11番艦。太平洋戦争末期に竣工して特殊潜航艇隊の訓練に従事し、戦後海没処分された。
艦歴
マル戦計画の輸送潜水艦小型、第4601号艦型の11番艦、仮称艦名第4611号艦として計画。1944年11月16日、三菱重工業神戸造船所で建造番号753番船として仮称艦名第4612号艦と同時に起工[注釈 1]。12月8日、波号第百十一潜水艦と命名されて波百一型潜水艦の11番艦に定められ、本籍を呉鎮守府と仮定。
1945年2月12日、艤装員事務所を神戸三菱造船所内に設置し事務を開始。3月2日、進水[注釈 2]。6月14日に艤装を完了したが、海面不良のため公試運転が出来ず引渡しが遅延する。
7月4日、艤装員事務所を撤去。13日竣工し、本籍を呉鎮守府に定められ、連合艦隊附属第十特攻戦隊に編入。以後、第十特攻戦隊の行動を支援。
終戦時は宿毛に所在。11月30日、海軍省の廃止に伴い除籍。
1946年4月1日、五島列島キナイ島沖でアメリカ海軍により海没処分された。
潜水艦長
- 艤装員長
- 小野信平 大尉:1945年2月27日 - 1945年7月13日
- 潜水艦長
- 小野信平 大尉:1945年7月13日 - 1945年11月29日
脚注
- 注釈
- ^ a b 起工日は丸スペシャル『日本の潜水艦I』p. 74、福井静夫『写真 日本海軍全艦艇史』資料篇 p. 艦歴表18、明治百年史叢書『昭和造船史 第1巻』p. 827による。『新三菱神戸造船所五十年史』附録 p. 40では「昭和19.11.6」としている。
- ^ a b 進水日は丸スペシャル『日本の潜水艦I』p. 74、福井静夫『写真 日本海軍全艦艇史』資料篇 p. 艦歴表18、明治百年史叢書『昭和造船史 第1巻』p. 827による。『新三菱神戸造船所五十年史』附録 p. 40では「昭和20.2.28」としている。
- ^ 本来の艦名表記は波號第百十一潛水艦。
- 脚注
参考文献
- 海軍省、第二復員省
- 昭和19年6月20日付 内令員第1062号。
- 昭和19年12月8日付 達第381号、内令第1329号、内令第1330号、内令員第2409号。
- 昭和20年7月13日付 内令第628号。
- 昭和20年3月8日付 秘海軍公報 第4952号。
- 昭和20年7月17日付 秘海軍公報 第5071号。
- 昭和20年3月4日付 秘海軍辞令公報 甲 第1737号。
- 昭和20年8月5日付 秘海軍辞令公報 甲 第1878号。
- 昭和20年11月26日付 海軍辞令公報 甲 第1991号。
- 昭和21年1月24日付 第二復員省辞令公報 甲 第42号。
- 昭和21年2月9日付 第二復員省辞令公報 甲 第56号。
- 第十特攻戦隊戦時日誌。
- 波号第百九潜水艦戦時日誌。
- 『新三菱神戸造船所五十年史』、新三菱重工業株式会社神戸造船所、1957年。
- 世界の艦船 No. 469 増刊第37集 『日本潜水艦史』、海人社、1993年。
- 世界の艦船 No. 791 増刊第114集 『日本潜水艦史』、海人社、2013年。
- 福井静夫 『写真 日本海軍全艦艇史』、ベストセラーズ、1994年。ISBN 4-584-17054-1
- 福井静夫 『昭和軍艦概史III 終戦と帝国艦艇 -わが海軍の終焉と艦艇の帰趨-』、出版共同社、1961年。
- 防衛研修所戦史室 戦史叢書 第88巻 『海軍軍戦備(2) -開戦以後-』、朝雲新聞社、1975年。
- 丸スペシャル No. 43 日本海軍艦艇シリーズ『日本の潜水艦III』、潮書房、1980年。
- 丸スペシャル No. 132 日本海軍艦艇発達史『日本の潜水艦I』、潮書房、1988年。
- 明治百年史叢書 第207巻 『昭和造船史 第1巻(戦前・戦時編)』、原書房、1977年。