札幌市交通局A820形電車
札幌市交通局A820形電車(さっぽろしこうつうきょくA820がたでんしゃ)は、札幌市交通局が1964年に導入した札幌市電の路面電車車両である。 概要
1964年(昭和39年)、同年に登場したA810形の改良形として製造された連接車。A821-A822号・A823-A824号の2編成4車体。 330形以来の札幌スタイルの完成形とも言える、D1040形と共通する曲面を多用した姿で登場した。A810形と同様の片側4扉であるが、運転台両側は引戸になり、開閉時間を要した幅1,800 mmの巨大な片開き扉は、通常の両開き扉に変更された。 前照灯はMTc以来の2灯式となったが、中央に寄せられ、飾り帯と組み合わされた。尾灯はA800形と同様の角型レンズとなり、方向幕、ベンチレーターと共に前面窓上のケーシングにまとめられた。 側面窓は大型の固定式で、上部の小窓は下ヒンジの内開きとなっていた。窓の天地寸法を大きく採ったため、腰掛には非常に小ぶりの背ずり(腰当て)しかなく、窓保護棒に樹脂板をあてたものを背もたれの代わりとしていた。ラッシュ時用の一部収納座席も踏襲されている。 鉄北車庫に配属されて2系統に充当された後、南北分断時に南車庫(現・電車事業所)に異動し、1976年(昭和51年)に全車廃車となった。 保存車A821号の前頭部が交通局教習所の教材として現存。またA823-A824号の車体が西区平和の民間施設で利用されていたが、2002年(平成14年)に解体されている。 主要諸元(2車体分)
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