新富士駅 (北海道)
新富士駅(しんふじえき)は、北海道釧路市新富士町3丁目にある北海道旅客鉄道(JR北海道)根室本線の駅である。事務管理コードは▲110436[2]。駅番号はK52。 同所にある日本貨物鉄道(JR貨物)の駅は、釧路貨物駅(くしろかもつえき)と称する[3]。こちらも本稿で記述する。 歴史富士製紙釧路工場(のちに吸収合併を経て日本製紙釧路工場、2021年〔令和2年〕廃止)の専用線を分岐させるために開業した駅である。 当初、富士製紙は原料の木材を阿寒湖畔や阿寒川上流域から阿寒川と仁々志別川を流送して工場取水口付近の陸揚網羽から、また釧路川上流からは釧路川を使って流送して、後の天寧駅の対岸付近、現在の北見団地付近に設けた陸揚網場から馬車軌道で搬入していた[注釈 1]。また製品についても仁々志別川河口(現・新釧路川)の専用鉄橋を渡り現在の浜町臨港通とほぼ同ルートを通って釧路川河口(現・南浜町辺り)の倉庫まで馬車軌道で搬出していた。 これには莫大な時間と労力と経費が掛かった為、1921年(大正10年)6月8日に「停車場設置変更願」を鉄道省に提出するなど度重なる陳情を行い、用地及び全ての資金を富士製紙が持つ事等を条件に1922年(大正11年)12月18日に許可が出され、1923年(大正12年)12月の当駅及び専用線開設となった。これにより阿寒川流送や馬車軌道は廃止された。また同時期に、雄別炭礦鉄道が開通すると、阿寒川流域原木の搬入の為の専用線敷設を当鉄道へ申込み、大正15年5月契約締結、同年11月鳥取信号機及び専用線(鳥取岐線)1692 mの開設となった。 かつては、釧路開発埠頭線の起点として、駅の南東に小規模な操車場が置かれていた。 また、1989年(平成元年)8月には釧路東港にあった浜釧路駅の機能が移転し、コンテナホームが置かれた。 年表
駅名の由来前述の「富士製紙」に由来し、すでに東海道本線富士駅が存在していたために「新」を冠した。 駅構造島式ホーム1面2線を有する地上駅。ホームの南北には貨物列車用の線路があり、構内北側にある出入口からホームへ向かうには跨線橋を使用する必要がある。列車接近ランプとブザーがある。ホームは北側から1番線・2番線となっている。旅客列車は原則として一線スルーとなっている1番線に発着し、行違う場合のみ2番線を使用する。 JR貨物の駅員が配置されているが、旅客窓口業務は行わないため、旅客営業に関しては釧路駅管理の無人駅となっている。自動券売機などは設置されていない。 当駅発着の乗車券には、東海道本線(東海道新幹線)の新富士駅と区別するため「(根)新富士」と印字される。 のりば
利用状況1日の平均乗降人員は以下の通りである[9]。
釧路貨物駅
JR貨物の釧路貨物駅は、旅客駅北口の東側にある。1面1線のコンテナホームがあり、コンテナ荷役線は着発線荷役方式(E&S方式)を導入し着発線(0番線)となっている。その他、荷役線の南側にも着発線(1番線)、旅客ホーム南側に側線2線(4・5番線)がある。営業窓口のJR貨物釧路営業所が駅構内に置かれている。 取扱う貨物の種類コンテナ貨物は、JR規格の12 ft・20 ft・30 ftのコンテナと、ISO規格の20 ft・40 ft海上コンテナを取り扱っている。取扱品は、発送貨物では乳製品や砂糖、魚介類、紙などが主なもの。タンクコンテナによる生乳の発送も行われているほか、苫小牧貨物駅からタンクコンテナで釧路ガス向け都市ガス用液化天然ガス (LNG) が到着している。 また、産業廃棄物・特別管理産業廃棄物の取扱許可を得ており、それらが入ったコンテナの取り扱いが可能である。 貨物列車・トラック便コンテナ車で編成された高速貨物列車は、1日3往復帯広貨物駅・札幌貨物ターミナル駅方面との間に運行されている。専用貨物列車の発着はない。なお当駅は定期の貨物列車発着が日本最東端の駅である。 トラック便は、1日2往復中斜里オフレールステーションとの間に運行されている。 利用状況「釧路市統計書」によると、近年の発着貨物の推移は以下のとおりである。
駅周辺駅は北海道最大の穀物の輸出入拠点である国際バルク戦略港湾の後背地に立地し、周辺には工場や流通センターが林立している。駅の上空には隣接する釧路西港から日本製紙釧路工場へチップを送るベルトコンベアとC重油を送るパイプラインが通っている。
隣の駅かつて存在した路線
脚注注釈
出典
参考文献
関連項目外部リンク
|