新富士駅 (北海道)

新富士駅
駅出入口(2018年9月)
しんふじ
Shin-Fuji
K51 新大楽毛 (4.9 km)
(2.7 km) 釧路 K53
地図左は新富士駅、右は釧路貨物駅
所在地 北海道釧路市新富士町3丁目
北緯43度0分6.43秒 東経144度20分59.41秒 / 北緯43.0017861度 東経144.3498361度 / 43.0017861; 144.3498361 (新富士駅)座標: 北緯43度0分6.43秒 東経144度20分59.41秒 / 北緯43.0017861度 東経144.3498361度 / 43.0017861; 144.3498361 (新富士駅)
駅番号 K52
所属事業者 北海道旅客鉄道(JR北海道)
所属路線 根室本線
キロ程 169.4 km(新得起点)
電報略号 シフ
駅構造 地上駅
ホーム 1面2線
乗降人員
-統計年度-
42人/日
-2014年-
開業年月日 1923年大正12年)12月25日[1]
備考 無人駅
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新富士駅
しんふじ
Shin-Fuji
所属事業者 釧路開発埠頭
雄別鉄道
開業年月日 1952年昭和27年)9月11日(北埠頭線)
1977年(昭和52年)12月1日(西港線)[1]
1968年(昭和43年)1月21日(鶴野線)
廃止年月日 1984年(昭和59年)2月1日(北埠頭線)
1999年平成11年)9月10日(西港線)
1970年(昭和45年)4月16日(鶴野線)
乗入路線
所属路線 釧路開発埠頭埠頭線(貨物線)
キロ程 0.0 km(新富士起点)
(2.1 km) 北埠頭
所属路線 釧路開発埠頭西港線(貨物線)
キロ程 0.0 km(新富士起点)
(1.7 km) 西港
所属路線 雄別鉄道鶴野線(貨物線)
キロ程 4.3 km(鶴野起点)
鶴野 (4.3 km)
備考 路線廃止により廃駅
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駅構内。駅の上を通るのはの原料である木材チップを運ぶベルトコンベアである。

新富士駅(しんふじえき)は、北海道釧路市新富士町3丁目にある北海道旅客鉄道(JR北海道)根室本線である。事務管理コードは▲110436[2]駅番号K52

同所にある日本貨物鉄道(JR貨物)の駅は、釧路貨物駅(くしろかもつえき)と称する[3]。こちらも本稿で記述する。

歴史

1977年の新富士駅と周囲約1.5 km範囲。右が根室方面。基本的に貨物扱いが主体の駅であったため、駅舎からホームまで本線を含めて5本の軌道を跨ぐ跨線橋で連絡している。その他駅舎横の帯広側に1本、釧路側に3本の側線がある。駅裏側にも2本の留置線があり、さらに釧路側には7本からなる操車場のヤードを有している。帯広側から分岐していた貨物支線(鳥取支線)は既に撤去されてカーブ状の軌道跡が残されている。
また鶴居村営軌道は中央左側上より駅前のT字路左角の青い屋根の民家の裏へ向けてカーブした後、道を横切り、T字路右角の民家の密集した辺りにホームを持っていた。軌道はそのまま右へ直進して、次の小道の右角の水色屋根の民家裏辺りに転車台と車庫を有していた。国土交通省 国土地理院 地図・空中写真閲覧サービスの空中写真を基に作成

富士製紙釧路工場(のちに吸収合併を経て日本製紙釧路工場、2021年〔令和2年〕廃止)の専用線を分岐させるために開業した駅である。

当初、富士製紙は原料の木材を阿寒湖畔や阿寒川上流域から阿寒川と仁々志別川を流送して工場取水口付近の陸揚網羽から、また釧路川上流からは釧路川を使って流送して、後の天寧駅の対岸付近、現在の北見団地付近に設けた陸揚網場から馬車軌道で搬入していた[注釈 1]。また製品についても仁々志別川河口(現・新釧路川)の専用鉄橋を渡り現在の浜町臨港通とほぼ同ルートを通って釧路川河口(現・南浜町辺り)の倉庫まで馬車軌道で搬出していた。

これには莫大な時間と労力と経費が掛かった為、1921年(大正10年)6月8日に「停車場設置変更願」を鉄道省に提出するなど度重なる陳情を行い、用地及び全ての資金を富士製紙が持つ事等を条件に1922年(大正11年)12月18日に許可が出され、1923年(大正12年)12月の当駅及び専用線開設となった。これにより阿寒川流送や馬車軌道は廃止された。また同時期に、雄別炭礦鉄道が開通すると、阿寒川流域原木の搬入の為の専用線敷設を当鉄道へ申込み、大正15年5月契約締結、同年11月鳥取信号機及び専用線(鳥取岐線)1692 mの開設となった。

かつては、釧路開発埠頭線の起点として、駅の南東に小規模な操車場が置かれていた。

また、1989年(平成元年)8月には釧路東港にあった浜釧路駅の機能が移転し、コンテナホームが置かれた。

年表

  • 1923年大正12年)12月25日鉄道省根室本線大楽毛駅 - 釧路駅間に開業(一般駅[4]。富士製紙釧路工場専用線3014 m運用開始。
  • 1929年昭和4年)11月簡易軌道(後の鶴居村営軌道)雪裡線開業。
  • 1946年(昭和21年)2月10日:釧路埠頭倉庫株式会社、当駅から釧路港北埠頭へ埠頭線(後の釧路開発埠頭北埠頭線)を敷設。運用開始。
  • 1948年(昭和23年)5月28日:雄別鉄道本線から製紙工場へ向かう鳥取岐線(大正15年11月運用開始)へ、当駅から鳥取支線が接続。後に両方を併せて「鳥取側線」と呼称。鶴居村営軌道と平面交差。
  • 1949年(昭和24年)
    • 1月:釧路埠頭倉庫埠頭線、雑貨線及び木材線増設。貯炭場に高架桟橋設置。
    • 9月:釧路埠頭倉庫埠頭線、当駅構内にて鳥取側線と接続。雄別炭の埠頭貯炭場直送開始。
  • 1951年(昭和26年)7月1日:釧路埠頭倉庫の鉄道部門を雄別炭礦鉄道に譲渡し、埠頭線(専用鉄道)となる[1]
  • 1952年(昭和27年)9月11日:雄別鉄道埠頭線、国鉄と連絡運輸開始。
  • 1967年(昭和42年)8月20日:鶴居村営軌道(新富士 - 温根内)廃止。
  • 1968年(昭和43年)1月21日:雄別鉄道鶴野線が開通し、鳥取側線廃止。
    • 市側からの市街地を縦断する鳥取側線廃止要求が出ていたことと、鳥取側線から雄別埠頭線への渡り線が根室本線と平面交差していたため、根室本線側の運用密度増大に対処しきれなくなってきたことから、代替として市街地から離れた場所を通り根室本線を跨ぐ鶴野線が設けられた。
  • 1970年(昭和45年)4月16日:雄別炭鉱閉山により鶴野線廃止。埠頭線は釧路開発埠頭に譲渡。
  • 1977年(昭和52年)12月1日西港臨港線開通[1]
  • 1979年(昭和54年)7月15日:専用線発着を除く車扱貨物の取扱を廃止[5]
  • 1984年(昭和59年)2月1日:北埠頭線と十條・本州各専用線が廃止[1]、同時に荷物・貨物の取扱も全廃(旅客駅となる)[5]
  • 1986年(昭和61年)11月1日駅員無配置駅となり[6]、運転取扱要員のみ配置。
  • 1987年(昭和62年)4月1日国鉄分割民営化により、国鉄の駅は北海道旅客鉄道(JR北海道)の駅となる[5]
  • 1989年平成元年)8月1日浜釧路駅の機能を移転して日本貨物鉄道(JR貨物)の駅が開業し、貨物の取扱を再開[5]
  • 1995年平成7年)度:石勝線・根室線高速化工事に伴い同年度に分岐器を弾性分岐器に交換[7]
  • 1997年(平成9年)3月22日中斜里駅との間でトラック便運行開始。
  • 1999年(平成11年)9月10日:西港線廃止。
  • 2011年(平成23年)3月12日:貨物駅を釧路貨物駅に改称[3][8]

駅名の由来

前述の「富士製紙」に由来し、すでに東海道本線富士駅が存在していたために「新」を冠した。

駅構造

島式ホーム1面2線を有する地上駅。ホームの南北には貨物列車用の線路があり、構内北側にある出入口からホームへ向かうには跨線橋を使用する必要がある。列車接近ランプとブザーがある。ホームは北側から1番線・2番線となっている。旅客列車は原則として一線スルーとなっている1番線に発着し、行違う場合のみ2番線を使用する。

JR貨物の駅員が配置されているが、旅客窓口業務は行わないため、旅客営業に関しては釧路駅管理の無人駅となっている。自動券売機などは設置されていない。

当駅発着の乗車券には、東海道本線東海道新幹線)の新富士駅と区別するため「(根)新富士」と印字される。

のりば

番線 路線 方向 行先
1・2 根室本線 上り 帯広新得方面
下り 釧路方面

利用状況

1日の平均乗降人員は以下の通りである[9]

乗降人員推移
年度 1日平均人数
2011 42
2012 56
2013 46
2014 42

釧路貨物駅

釧路貨物駅*
駅舎(2008年1月)
くしろかもつ
Kushiro-kamotsu
新大楽毛 (4.9 km)
(2.7 km) 釧路
所在地 北海道釧路市新富士町3丁目
所属事業者 日本貨物鉄道(JR貨物)
所属路線 根室本線
キロ程 169.4 km(新得起点)
電報略号 シフ
駅構造 地上駅
開業年月日 1923年大正12年)12月25日[1]
備考 * 2011年(平成23年)3月12日に新富士駅より改称[3]
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JR貨物の釧路貨物駅は、旅客駅北口の東側にある。1面1線のコンテナホームがあり、コンテナ荷役線は着発線荷役方式(E&S方式)を導入し着発線(0番線)となっている。その他、荷役線の南側にも着発線(1番線)、旅客ホーム南側に側線2線(4・5番線)がある。営業窓口のJR貨物釧路営業所が駅構内に置かれている。

取扱う貨物の種類

コンテナホーム(2005年5月)

当駅は、コンテナ貨物および臨時車扱貨物の取扱駅である。

コンテナ貨物は、JR規格の12 ft・20 ft・30 ftのコンテナと、ISO規格の20 ft・40 ft海上コンテナを取り扱っている。取扱品は、発送貨物では乳製品砂糖魚介類などが主なもの。タンクコンテナによる生乳の発送も行われているほか、苫小牧貨物駅からタンクコンテナで釧路ガス向け都市ガス液化天然ガス (LNG) が到着している。

また、産業廃棄物・特別管理産業廃棄物の取扱許可を得ており、それらが入ったコンテナの取り扱いが可能である。

貨物列車・トラック便

2013年3月16日現在の運行状況は以下のとおり。

コンテナ車で編成された高速貨物列車は、1日3往復帯広貨物駅札幌貨物ターミナル駅方面との間に運行されている。専用貨物列車の発着はない。なお当駅は定期の貨物列車発着が日本最東端の駅である。

トラック便は、1日2往復中斜里オフレールステーションとの間に運行されている。

利用状況

「釧路市統計書」によると、近年の発着貨物の推移は以下のとおりである。

年度 コンテナ貨物 車扱貨物 出典
発送 到着 発送 到着
2006年(平成18年) 96,404 68,332 400 400 [10]
2007年(平成19年) 102,024 83,236 100 400
2008年(平成20年) 113,773 83,417 1,200 400
2009年(平成21年) 105,069 70,092 400 400
2010年(平成22年) 110,658 70,832 400 400
2011年(平成23年) 96,134 65,886 400 400 [11]
2012年(平成24年) 103,272 66,086 400 400 [12]
2013年(平成25年) 98,018 70,396
2014年(平成26年) 98,555 77,657 400 400
2015年(平成27年) 94,950 67,555 400
2016年(平成28年) 80,868 57,444

駅周辺

駅は北海道最大の穀物の輸出入拠点である国際バルク戦略港湾の後背地に立地し、周辺には工場や流通センターが林立している。駅の上空には隣接する釧路西港から日本製紙釧路工場へチップを送るベルトコンベアC重油を送るパイプラインが通っている。

隣の駅

北海道旅客鉄道(JR北海道)
根室本線
新大楽毛駅 (K51) - 新富士駅 (K52)/(貨)釧路貨物駅 - 釧路駅 (K53)

かつて存在した路線

釧路開発埠頭
北埠頭線
新富士駅 - 北埠頭駅
西港線
新富士駅 - 西港駅
雄別鉄道
鶴野線
鶴野駅 - 新富士駅

脚注

注釈

  1. ^ 釧路川への馬車軌道跡は1948年(昭和23年)撮影航空写真(国土地理院 地図・空中写真閲覧サービス)にはっきり残っている。写真は右が北で、左に釧路駅。写真下側に釧路川が右から左へ流れており、写真中央を上から下へ新川が流れる。その右側を雄別炭礦鉄道が並行し、さらにその右側を並行しているのが道に転用された「富士製紙木材運搬馬車鉄道」跡。

出典

  1. ^ a b c d e f 釧路市地域史研究会 『釧路市統合年表:釧路市・阿寒町・音別町合併1周年記念』 釧路市 、2006年10月。
  2. ^ 日本国有鉄道営業局総務課 編『停車場一覧 昭和41年3月現在』日本国有鉄道、1966年、233頁。doi:10.11501/1873236https://doi.org/10.11501/18732362022年12月10日閲覧 
  3. ^ a b c 駅名改称のご案内 〜6線区8ヶ所の駅名を改称します〜』(PDF)(プレスリリース)日本貨物鉄道、2011年3月11日。オリジナルの2021年3月17日時点におけるアーカイブhttps://web.archive.org/web/20210317075143/https://www.jrfreight.co.jp/storage/upload/93f424c3618257ba77e1873004e2d544.pdf2021年3月17日閲覧 
  4. ^ 内閣印刷局, ed (1923-12-11). “鉄道省告示 第285号”. 官報 (国立国会図書館デジタルコレクション) (3391). https://dl.ndl.go.jp/info:ndljp/pid/2955538/4. 
  5. ^ a b c d 石野哲 編『停車場変遷大事典 国鉄・JR編 II』(初版)JTB、1998年10月1日、881頁。ISBN 978-4-533-02980-6 
  6. ^ 「通報 ●飯田線三河川合駅ほか186駅の駅員無配置について(旅客局)」『鉄道公報号外』日本国有鉄道総裁室文書課、1986年10月30日、12面。
  7. ^ 藤島, 茂「JR北海道における130km/h高速化」『鉄道と電気技術』第8巻第4号、日本鉄道電気技術協会、1997年3月、68-71頁、doi:10.11501/3314045ISSN 0915-9231 
  8. ^ 「MONTHLYかもつ」2011年3月号 VOL.61(鉄道貨物協会)19ページ
  9. ^ 国土数値情報 駅別乗降客数データ - 国土交通省、2020年9月21日閲覧
  10. ^ 平成23年釧路市統計書” (PDF). 釧路市. p. 125 (2011年). 2018年12月30日時点のオリジナルよりアーカイブ。2018年12月30日閲覧。
  11. ^ 第10編 運輸・通信・電気・ガス・水道” (PDF). 平成28年釧路市統計書. 釧路市. p. 113 (2016年). 2018年2月18日閲覧。
  12. ^ 第10編 運輸・通信・電気・ガス・水道” (PDF). 平成29年釧路市統計書. 釧路市. p. 115 (2017年). 2018年12月30日時点のオリジナルよりアーカイブ。2018年12月30日閲覧。
  13. ^ 新富士駅(北海道)”. NAVITIME. ナビタイムジャパン. 2023年11月18日閲覧。

参考文献

  • 「雄別炭礦の鉄道 50年の軌跡」 雄別炭礦編 大谷正春著 昭和59年7月発行
  • 釧路叢書 第25巻 釧路の製紙(上)釧路市 昭和62年発行
  • 十条製紙釧路工場 30年のあゆみ 昭和55年発行

関連項目

外部リンク