ルノー・R23
ルノー・R23 (Renault R23) はルノーF1が2003年のF1世界選手権に投入したフォーミュラ1カー。マイク・ガスコイン(テクニカルディレクター)、ティム・デンシャム(チーフデザイナー)、ジョン・イリー(チーフエアロダイナミシスト)によって設計された。 概要R23の肝は111°という革新的な広角バンクのエンジンにあった。このスペックを採用した最大の目的は、低重心化によるハンドリング性能向上であった。実際にコーナリングスピードはライバルを圧倒していたが、振動特性が足枷となって回転リミットが低く、最高出力も他チームに劣るものになってしまった。 しかし、この弱点が副次的に中速域トルクの増強、低燃費(=ピットストップ戦略の自由度が高まる、搭載重量が減らせる)といったメリットをもたらした。この集大成がハンガリーGPでのアロンソの初優勝である。 また、ルノーはシーズン中のテスト制限を受け入れる代わりに、金曜朝の特別走行枠への出走を選択。テストドライバーのアラン・マクニッシュを加えた3台体制で走行して、ミシュランタイヤのデータ収集に効果を挙げた。 シーズン後半戦はサイドポンツーン周辺をフェラーリ・F2003-GA風にシェイプアップしたR23Bを投入した。 2003年シーズンドライバーはヤルノ・トゥルーリとテストドライバーから昇格したフェルナンド・アロンソの組み合わせとなり、ワークス復帰2年目のシーズンに臨んだ。 第2戦マレーシアGPではアロンソが史上最年少でポールポジションを獲得し、トゥルーリと共にルノー復帰後初となるフロントロー独占を達成。決勝レースでも3位でフィニッシュして史上最年少で表彰台に登るなど、シーズン序盤から前年を上回る安定した成績を残した。 第11戦イギリスGPからR23Bを投入すると、第13戦ハンガリーGPで再びアロンソがポールポジションを獲得。決勝ではミハエル・シューマッハを周回遅れにする完璧な走りでポール・トゥ・ウィンを果たし、自身の最年少優勝記録を樹立するとともに、ワークス・ルノーに1983年オーストリアGP以来となる20年ぶりの優勝をもたらした。 結果、2003年シーズンはハンガリーGPでの1勝を含む5回の表彰台を獲得。コンストラクターズ・ランキングは2年連続で4位にとどまったが、獲得ポイントは88(2002年は23)と前年を大きく上回ることとなった。 スペックシャーシ
エンジン結果
太字はポールポジション、斜体字はファステストラップ
|
Portal di Ensiklopedia Dunia