ドリーム号 (東京 - 京阪神)ドリーム号(ドリームごう)は、ジェイアールバス関東と西日本ジェイアールバスが共同運行する夜行高速バスである。東京都にある東京駅、バスタ新宿(新宿駅)を拠点に、大阪府大阪市を結ぶ便を主体として、一部便はこれに加えて東京側では千葉県浦安市、京阪神側では京都府京都市、兵庫県神戸市、奈良県奈良市への乗り入れも行う。 これらの路線群は、かつては後述するように大きく分けて東京駅と大阪駅を結ぶ系統、東京駅と京都駅(・奈良駅)を結ぶ系統、東京駅と神戸駅・三宮バスターミナルを結ぶ系統として個別に運行され、愛称も区別されていたが、ドリーム号の路線編成に合わせて統合と再編成が行われた。 本項では、以下の路線について記述する。それ以外の路線についてはドリーム号 (高速バス)を参照されたい。
また、以下本項では行先による区別以外に必要がない場合は、適宜、東京・新宿を起点として大阪駅に発着する系統を「大阪系統」、京都駅に発着する系統を「京都系統」、三宮バスターミナルに発着する系統を「神戸系統」などのように表記する。 概要1969年6月10日の東名ハイウェイバス運行開始時に、東京から大阪・京都・名古屋への夜行高速バスとして運行したものが始まりである。当初は京都系統を名古屋経由で設定していたが、東京 - 名古屋間の利用者が多いことから、同年12月3日より名古屋系統を新設して分離(現在の「ドリームなごや号」)し、同時に京都系統を直行便化している。一方、東京と神戸を結ぶドリーム号は、1971年12月22日に東京駅 - 神戸駅の系統(ドリーム9号・10号[1])として運行開始したのが始まりである。当時は行先による愛称の区別はなく、号数で区別されていた。 その後、乗客の減少により、当初2往復で設定されていた大阪系統は減便され、神戸系統については1977年4月1日到着便をもって廃止されていた。ただしその後も神戸便の路線免許自体は存置されており、1981年の神戸ポートアイランド博覧会の際には、この免許を活用した臨時便として、「ドリームポートピア81号」(全国版の時刻表では「ドリーム81号」となっていた)を会期中の1981年4月24日から9月14日まで、週末・大型連休・夏休みを中心に運行していた。 その後、しばらくは各運行系統とも1往復ずつの運行で、国鉄時代はその後の動きはなかったが、1980年代後半にブームの如く高速バス路線が各社で開設されたことと、民営化後のJRバス会社の経営基盤確立のための高速バス路線展開のタイミングが重なり、ドリーム号は増強されることになる。まず、1988年10月15日には2往復に増便されると同時に京都系統の1往復をJR奈良駅まで延長[2]、「ドリーム奈良号」として運行を開始した。なお、「ドリーム奈良号」では、京都駅で乗降する場合は周遊券での利用も可能であった。次いで、1989年3月3日より神戸系統の運行を復活、「ドリーム神戸号」として運行を開始した[3]。同日より他のドリーム号についても、号数による行先の区別から愛称の末尾に行先を付すことで区別することになり、「ドリーム大阪号」「ドリーム京都号」に改称された[4]。 また、1989年当時、ドリーム号はまだ旧来の4列シートの車両ばかりで、同時期に他社が同様の路線に独立3列シートの車両を導入していたものと比較すると見劣りするものであったが、神戸系統の運行開始に際して、初めて独立3列シート車を投入することになった。翌年には名古屋系統を除く他のドリーム号も独立3列シート車へ置きかえられていった(名古屋系統は1991年より順次3列シート車を導入)。 また、新たな営業拠点として、新宿駅からの運行系統を新設することになり、まず1989年10月8日に東京駅から新宿駅経由で大阪府堺市を結ぶ「ドリーム堺号」(当時)の運行を開始、次いで同年12月6日からは新宿駅発着の中央自動車道経由の「ニュードリーム大阪号」(当時)を、1990年3月20日より、「ニュードリーム京都号」(当時)の運行を開始している。1999年12月17日からは中央自動車道経由で「ニュードリーム神戸号」(当時)の運行が開始された。 2001年12月1日、格安便として東京~大阪間に開設された「青春ドリーム大阪号」の運行が開始された[5]。「青春ドリーム大阪号」の実績を受けて、2002年12月20日には同様の「青春ドリーム京都・奈良号」の運行も開始された[6]。2003年7月18日には「青春ニュードリーム京都号」(のち「青春中央ドリーム京都号」と改称)・「青春ドリーム神戸号」が運行を開始した[7]。また、2004年3月1日からは、女性専用便である「レディースドリーム京都号」の運行も開始された[7]。また、既存の「ドリーム大阪号」・「ドリーム京都号」は、これまでは1つの便を複数台運行とすることで対応していたが、基本的に1台か2台での運行とする代わりに便数を増加させる方策を採った。 2007年3月16日から「ニュードリーム神戸号」は東京駅延長により「ドリーム神戸号」に統合された。 2010年7月1日のダイヤ改正では、これら大阪・京都・神戸の3系統を統合の上再編成し、京都駅は大阪系統及び神戸系統・奈良系統が経由する形態となり、神戸系統も途中で必ず京都駅か大阪駅を経由するという運行形態に変更された。これと同時に、愛称の末尾から行先地名が外され、1989年3月2日までと同様に「ドリーム○○号」として号数に区別することになった。なお、2020年12月1日の改正では京都・奈良系統と大阪系統、神戸系統(1往復は大阪駅経由)の分離が行われたが、愛称名の変更は行われていない。 2011年7月15日のダイヤ改正では、廉価版の整理が行われ、「青春ドリーム号」「超得割青春号」が廃止され、「青春エコドリーム号」に一本化されたが、運賃は通年同一運賃だった従来と異なり、通常版と同様に変動する形を採り、ほとんどの出発日で値上げとなった。特に最高運賃が適用される金曜日や超多客期は、「青春ドリーム号」よりも大幅値上げとなったうえにサービスダウンとなった[8]。 2022年12月より、繁忙期に大阪駅~東京駅間の青春エコドリーム号臨時便を西日本ジェイアールバスの子会社である西日本ジェイアールバスサービスでも運行するようになった[9]。 歴史
運行会社
過去の運行会社
運行形態および運行系統運行系統は2023年8月1日現在。このほか、予約状況に応じて臨時便が運行される場合がある。一部、新型コロナウイルス感染の影響により運休となる便がある。 詳細な時刻・運賃及び運行回数・停車停留所等については、公式サイトや高速バスネットを参照のこと。運賃は出発日によって4段階に分かれている。 バスタ新宿については発着枠の関係により夜行便の2号車以降は乗り入れできず通過となる。このことから2号車以降を仕立てずバスタ新宿を経由しない便番の異なる臨時便を別途運行することが多い。TDL、新木場駅、USJについても2号車以降は乗り入れできず東京駅 - 大阪駅間の運行になる。 東京駅では八重洲南口から発車し、日本橋口に到着する。また、上り東京行の一部便は東名江田・東名向ヶ丘にも停車する。 デラックス版
準デラックス版新型座席を導入し、車内設備はデラックス版を踏襲しているが、座席の専有面積やリクライニング角度は通常版とほぼ同等。基本運賃も通常版と同額である。シートピッチは通常版より僅かに拡げられている (+40mm) 。二階建てバスで運行される便はエコシート(4列シート)も備えている。
廉価版
過去に運行していた路線
運行経路
休憩箇所
車両の所属営業所乗務員についてはこの限りではない。
近年の動向バス事業に対する規制緩和が行われた2000年頃から、大きな需要が見込める首都圏と京阪神地区を結ぶ夜行高速バスの競争が激化しており、以下のような傾向が見られる。
使用車両運行開始当初から、長らく4列シートWC付40人乗りの国鉄専用型式を使用してきたが、1986年に4列シートながらWC付36人乗りスーパーハイデッカーが投入された。 1989年にドリーム神戸号が運行開始(復活)した際に独立3列シート29人乗りのスーパーハイデッカーが導入され、同年度末には他の路線も独立3列シートWC付29人乗りスーパーハイデッカーに変更されている。1994年10月1日よりダブルデッカーを投入した。 2024年10月現在、原則として以下のような車両が使用されるが、車両によっては一部仕様が異なることがある。特記がない限りはすべて便所付き。
使用車両画像一覧※撮影当時の愛称名を表記。
座席画像一覧
関連項目
脚注
外部リンク |
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