スズキ・GSV-R(ジーエスブイ - アール)は、スズキがロードレース世界選手権のMotoGPクラスに参戦するために開発した、4ストロークV型4気筒エンジンを持つ競技専用オートバイのシリーズである。
概要
2000年4月、二輪モータースポーツを統括するFIMは、2002年シーズンよりロードレース世界選手権(世界グランプリ)の最高峰クラスを、それまでの排気量上限を500ccから、4ストロークに限って排気量上限を990ccとするMotoGPクラスへ移行することを発表した。この決定を受け、500ccクラスに参戦していた日本の3メーカー、ホンダ、ヤマハ、スズキは一斉に4ストロークエンジンの新型マシンの開発をスタートした。
スズキは4ストロークエンジンを新開発するにあたってGSX-Rなどで実績のある並列4気筒ではなく、エンジンの幅を小さくできるV型4気筒を選択した。このエンジンを、それまで500ccクラスに参戦していた2ストロークのRGV-Γをベースにしたシャーシに搭載することで開発期間の短縮を図った。新型マシンはGSV-Rと命名され、テストでは2ストロークマシンのタイムを上回ったこともあり、スズキは2003年から予定していた参戦計画を前倒しして[要出典]2002年開幕戦にデビューさせた。
雨となった開幕戦の日本GPではワイルドカード参戦の梁明が中盤までトップを走り、最終的にホンダのバレンティーノ・ロッシに逆転されるものの2位を獲得する活躍を見せた。しかし、それ以降の成績は振るわず、コンストラクターズランキングでホンダ、ヤマハに大きく水をあけられて3位に終わった。その後もエンジンのVアングルの変更や不等間隔爆発の採用など、シーズン毎に仕様の変更を繰り返したがMotoGPでの勝利を得ることができずに低迷が続いた。
2005年末、FIMは年々伸び続けるマシンのスピードを抑えるため、2007年からMotoGPクラスの排気量上限を800ccとすることを決定した。スズキは2006年型のマシンから排気量変更に向けた開発を行い、ニューマチックバルブスプリングなどの新技術を1年間かけて熟成させた。そして2007年にデビューした800ccの新型GSV-Rは、第5戦フランスGPで初優勝を挙げた。
2008年も表彰台に3回上るほど好調であったが、2009年以降はライダーの不調も重なり苦戦を強いられることになり、2011年には1台体制で挑んだものの結果を残せず、スズキの参戦一時休止を受けてGSV-Rの開発はストップすることになった。
後継車として、2015年より投入されたGSX-RRがある。
主要諸元
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GSV-R XR-E0 (2002)
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GSV-R XR-E1 (2003)
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GSV-R XR-E2 (2004)
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GSV-R XR-E3 (2005)
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GSV-R XR-E4 (2006)
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GSV-R XR-G0 (2007)
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GSV-R XR-G1 (2008)
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GSV-R XR-G2 (2009)
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エンジン形式
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4ストローク水冷V型4気筒
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排気量
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990cc
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800cc
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最高出力
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210馬力以上
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210馬力以上
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220馬力以上
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240馬力以上
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240馬力以上
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220馬力以上
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225馬力以上
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バルブ
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DOHC 4バルブ
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ニューマチックバルブ式 DOHC 4バルブ
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燃料供給装置
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電子制御式燃料噴射装置
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潤滑方式
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ウェットサンプ方式
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クラッチ
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乾式多板(バックトルクリミッター装備)
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変速機
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常時噛合い式6段
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駆動方式
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チェーン駆動
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フレーム形式
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アルミ合金製ツインスパーフレーム
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サスペンション
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前:倒立型テレスコピック 後:リンク式
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前:倒立型テレスコピック(オーリンズ製) 後:リンク式(オーリンズ製)
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タイヤ
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D
M
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M
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B
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ホイール
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前:16.5インチ 後:16.5インチ
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前:17インチ 後:16.5インチ
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前:16.5インチ 後:16.5インチ
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ブレーキ
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前:カーボン製ダブルディスク 後:鉄またはカーボン製シングルディスク
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前:カーボン製ダブルディスク(ブレンボ製) 後:鉄製シングルディスク(ブレンボ製)
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全長
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2030mm
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未公表
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2060mm
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2080mm
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全幅
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未公表
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未公表
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660mm
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全高
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1150mm
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未公表
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1150mm
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ホイールベース
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1420mm
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未公表
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1450mm
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乾燥重量
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145kg
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148kg
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未公表
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150kg
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ガソリンタンク容量
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24L
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22L
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21L
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レース戦績
- 2002年 - コンストラクターズランキング3位。最上位は梁明の2位(第1戦日本GP)。
- 2003年 - コンストラクターズランキング5位。最上位はジョン・ホプキンスの7位(第3戦スペインGP)。
- 2004年 - コンストラクターズランキング5位。最上位はジョン・ホプキンスの6位(第11戦ポルトガルGP)。
- 2005年 - コンストラクターズランキング5位。最上位はケニー・ロバーツJr.の2位(第9戦イギリスGP)。
- 2006年 - コンストラクターズランキング4位。最上位はクリス・バーミューレンの2位(第14戦オーストラリアGP)。
- 2007年 - コンストラクターズランキング4位。第5戦フランスGPにてクリス・バーミューレンがGSV-Rの初優勝を記録。
- 2008年 - コンストラクターズランキング4位。3位表彰台を3回記録(クリス・バーミューレンが2回、ロリス・カピロッシが1回)。
- 2009年 - コンストラクターズランキング4位。5位を5回記録(ロリス・カピロッシが4回、クリス・バーミューレンが1回)。
- 2010年 - コンストラクターズランキング4位。最上位はアルバロ・バウティスタの5位(第7戦カタルーニャGP)。
- 2011年 - コンストラクターズランキング4位。最上位はアルバロ・バウティスタの5位(第6戦イギリスGP)。
関連項目
外部リンク
- [1] Motorcycle racers"2011 GSV-R #19 Alvaro Bautista アルバロ・バウティスタ"
- [2] Motorcycle racers "2009 GSV-R(XRG2)#65 Loris Capirossi ロリス・カピロッシ"
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50 cc | | |
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51 - 125 cc | |
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126 - 250 cc | |
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251 - 400 cc | |
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401 - 750 cc | |
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751 cc - | |
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系列 | |
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競技車両 | |
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