D級駆逐艦 (2代)
D級駆逐艦(英語: D-class destroyer)は、イギリス海軍の駆逐艦の艦級。C級をもとに対潜戦能力などを強化した小改正型として、1930-1年度計画で9隻が建造された[1][2]。「ディフェンダー」をネームシップとして、ディフェンダー級(Defender-class)と称することもある[3]。 来歴イギリス海軍は1924-5年度より駆逐艦の建造を再開し、まず改W級駆逐艦をもとに第一次世界大戦の戦訓や新しい技術を盛り込んだプロトタイプとして「アマゾン」と「アンバスケイド」を建造したのち、1927-8年度で量産型としてA級、続く1928-9年度で小改正型のB級が建造された。また1929-30年度計画での建造艦は、B級をもとにわずかに大型化して燃料の搭載量増加を図ったC級となった[4]。 そして1930-1年度計画では、これを元にして装備に改正を加えた艦が建造されることとなった。これが本級である[2]。 設計→「C級駆逐艦_(2代) § 設計」も参照
上記の経緯から、設計は基本的にC級と同一であり、ジェーン海軍年鑑[5]やアメリカ海軍協会(USNI)では一括りにして扱っている[2]。 C級との差異は装備面にあり、2速駆逐艦掃海具(TSDS)を廃止して爆雷の搭載数を増すとともに、ASDIC(アクティブ・ソナー)を搭載して、対潜戦能力の強化を図った[6]。 艦砲はA~C級と同様で、45口径12cm砲(QF 4.7インチ砲Mk.IX)4門を、標準的な平射砲(仰角30度~俯角10度)であるMk.XIV砲架と組み合わせて搭載した[2][7]。対空兵器としては、45口径7.6cm高角砲(QF 3インチ砲Mk.I)と62口径12.7mm4連装機銃を組み合わせて搭載する予定であったが、12.7mm機銃の開発遅延のため、初期建造艦5隻では、C級と同様に39口径40mm単装機銃(QF 2ポンド・ポンポン砲Mk.II)が搭載された[1][2]。 水雷兵器としては、A~C級と同じく21インチ魚雷発射管を4連装2基搭載した[1]。ただし搭載魚雷は、炸薬量を増したMk.IXに更新された[2]。 また第二次世界大戦が勃発すると、生き残っていた艦は護衛駆逐艦として改装され、70口径20mm機銃6門を搭載して防空火力を強化、また45口径12cm砲のうち1門を撤去するかわりにヘッジホッグ対潜迫撃砲を搭載、爆雷搭載数を125発に増加させている[2]。 同型艦他の艦級と同様、嚮導艦1隻を含む9隻が建造された。 本級は、戦時中に2隻がカナダ海軍に譲渡されている。 また、第二次世界大戦においては9隻中5隻が戦没しているほか、2隻が友軍の商船や戦艦との衝突事故により沈没している。
参考文献
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