AFCチャンピオンズリーグ2021(英: 2021 AFC Champions League、略称: ACL2021) は、2002-2003年開催の第1回大会以来、19回目のAFCチャンピオンズリーグ (ACL) である(前身も含めれば40回目)[1]。
優勝チームは、FIFAクラブワールドカップ2021およびFIFAクラブワールドカップ2025への出場権と、次回大会(AFCチャンピオンズリーグ2022)の予選プレーオフ出場権を獲得する[2]。
なお、今大会からグループステージ出場クラブが32クラブから40クラブへ増加する[3]。
出場枠
46のアジアサッカー連盟 (AFC) 加盟協会(国・地域。準会員の北マリアナ諸島を除く)は、AFC大会における過去4年間のクラブの実績に基づいてランク付けされ(今回から代表チームのFIFAランキングが考慮されないAFCクラブコンペティションランキングを採用する)[4]、大会参加要項(以下、「第◯条」とあるのは大会参加条項の条数を示す)に従って次の基準で割り当てられる[5]。
- 地区の割り当て
- 協会を以下の2つの地域に分ける(第3.1条)。ただし、必要に応じてAFCが協会の地区割り当てを変更する場合がある。
- 出場枠の割り当て
- ランキング上位12協会は、AFCチャンピオンズリーグの基準を満たしている限り参加する資格がある。
- 各地域に5つのグループステージがあり (1グループは4クラブなので各地域20クラブ)、16枠は協会別に割り当てられるグループステージ枠により決定、残り4枠はプレーオフにより決定する(第3.2条)。出場枠は協会ごとのランキングにより東西の地区ごとに以下のように割り当てられる[6][7]。
- 1位と2位の協会には、それぞれ3つのグループステージ出場権と1つのプレーオフ出場権が割り当てられる。
- 3位と4位の協会には、それぞれ2つのグループステージ出場権と2つのプレーオフ出場権が割り当てられる。
- 5位の協会には、それぞれ1つのグループステージ出場権と2つのプレーオフ出場権が割り当てられる。
- 6位の協会には、それぞれ1つのグループステージ出場権と1つのプレーオフ出場権が割り当てられる。
- 7位から10位にランク付けされた協会には、それぞれ1つのグループステージ出場権が割り当てられる。
- 11位と12位の協会には、それぞれ1つのプレーオフ出場権が割り当てられる。
- よって東西両地域のランキング上位12協会には以下のように出場権が割り当てられる
順位
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直接 出場枠
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プレーオフ 出場枠
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備考
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1
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3
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1
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2
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3
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1
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3
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2
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2
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4
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2
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2
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5
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1
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2
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6
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1
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1
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- プレーオフ出場クラブがプレーオフで負けた場合AFCカップのグループステージの出場権を得る
- プレーオフ出場クラブがグループステージに出場した場合、AFCカップの次の対象クラブ(補欠クラブを含む)がAFCカップのグループステージの出場権を得る
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7
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1
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8
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1
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9
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1
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10
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1
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11
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1
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- プレーオフ出場クラブがプレーオフで負けた場合AFCカップのグループステージの出場権を得る
- プレーオフ出場クラブがグループステージに出場した場合、AFCカップの次の対象クラブ(補欠クラブを含む)がAFCカップのグループステージの出場権を得る
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12
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1
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計
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16
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11
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- 各地区でプレーオフによって4クラブがグループステージに出場できる
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- 協会に割り当てられる出場枠の最大数
- 各協会の出場枠の最大数は、最上位ディビジョンのチーム数(参加資格を持たない外国チームを除く)の3分の1まで(第3.4条)。
- 各協会のグループステージ出場枠は最大3枠で、プレーオフ出場枠と合わせた出場枠の合計は最大4枠(第3.4条および第3.5条)。
- ACL及びAFCカップ優勝クラブ
- 今大会より前年度のACL及びAFCカップの優勝クラブに、プレーオフ出場権が割り当てられる(国内大会で出場権を獲得できなかった場合、第3.6条)。ただし、2020年のAFCカップは新型コロナウイルス感染症 (COVID-19) の世界的流行により大会がキャンセルされたため、AFCカップ優勝者としての出場資格が与えられるクラブは該当なし[8]。なお、前年度優勝クラブとしての出場ルールは次のとおり。
- ACL勝者またはAFCカップ勝者がランキング1位から6位の協会の場合、プレーオフ出場権の1つがそのチームに置き換わる(全体としての出場権の枠は増えない)。それ以外の場合は、当該協会に別途プレーオフ出場権の枠が1つ追加される(第3.8条、第3.9条、および3.10条)。
- ACL勝者とAFCカップ勝者が同じ協会のクラブであり、当該協会のプレーオフ出場権の枠が1つの場合は、当該協会に別途プレーオフ出場枠が1つ追加され、プレーオフ出場権がその2クラブに置き換えられる(第3.11条)。
- ACL勝者とAFCカップ勝者は、追加されたプレーオフ出場枠により出場する場合、予選プレーオフで最もシード数の少ないチームとして割り当てられる(第3.12条)。
- ランキング1位から6位の協会が、ACLの出場基準を満たしていない場合
- ランキング1位から6位の協会が、ACLの出場基準を満たしていない場合、グループステージ出場枠はプレーオフ出場枠に置き換えられる。放棄されたグループステージ出場枠は、次の基準に基づいて最も適格な協会に再配分される(第3.13条および第3.14条)。
- 各協会のグループステージ出場枠は最大3枠で、プレーオフ出場枠と合わせた出場枠の合計は最大4枠(第3.4条および第3.5条)。
- ランキング3位から6位の協会に追加のグループステージ出場枠1を割り当てた場合、プレーオフ出場枠1枠が無効になり、再配分されない。
- ランキング5位・6位の協会に追加のグループステージ出場枠2を割り当てた場合、プレーオフ出場枠1枠が無効になり、再配分されない。
- ランキング7位から10位の協会が、ACLの出場基準を満たしていない場合
- ランキング7位から10位の協会が、ACLの出場基準を満たしていない場合、グループステージ出場枠はプレーオフ出場枠に置き換えられる。放棄されたグループステージ出場枠は、ランキング11位または12位の協会に再配分され、当該協会が持っていたプレーオフ出場枠は無効となり再配分されない。どちらも適格とみなされなかった場合は、上記と同じ基準で最も適格な協会に再配分される(第3.16条および3.17条)。
- プレーオフ出場権のみの協会が、ACLの出場基準を満たしていない場合
- プレーオフ出場権のみの協会(11位から12位の協会または上記の協会を含む)がACLの出場基準を満たしていない場合、プレーオフ出場権が無効になり、再配分されない(第3.19条および第3.20条)。
- 協会の出場枠を満たすクラブ数が足らない場合
- 各協会の出場枠の最大数は、最上位ディビジョンのチーム数(参加資格を持たない外国チームを除く)の3分の1まで(第3.4条)。このルールが適用されて放棄されたグループステージ出場枠は上記と同じ基準で再配分され、プレーオフ出場枠は再配分されない(第9.10条)。
- 参加するすべてのチームは、AFCクラブライセンスを取得する必要があり、カップ戦で出場権を得たクラブ以外はリーグ戦の成績が上位半分以上である必要がある(第7.1条および第9.5条)。当該協会にこの基準を満たすチームがいない場合、グループステージ出場枠は上記と同じ基準で再配分され、プレーオフ出場枠は無効になり、再配分されない(第9.9条)。
- AFCクラブライセンスを持つチームがACLへの参加を拒否した場合、当該チームが所属する協会に割り当てられた出場枠は全て無効になる(第9.11条)。グループステージ出場枠は上記と同じ基準で再配分され、プレーオフ出場枠は再配分されない。
協会ランキング
2021年のAFCチャンピオンズリーグでは、2019年11月29日に公開されたアソシエーションランキング[9] に従って、協会ごとに出場枠が割り当てられる。これは、2016年から2019年までのAFCチャンピオンズリーグとAFCカップでの成績に基づいてランク付けされたものである。
下記の出場枠配分はグループステージ抽選前の状況に基づく(抽選後のクラブ撤退は反映していない)。
AFCチャンピオンズリーグ2021への参加[11]
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参加
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不参加
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- 注釈
- ^ 北朝鮮 (PRK): 北朝鮮には、AFCチャンピオンズリーグのライセンスを持っているチームが存在しない[11]。同協会が有していたグループステージ出場枠は香港に再配分された(第3.16条、第3.17条)。
- ^ シリア (SYR): シリアには、AFCチャンピオンズリーグのライセンスを持っているチームが存在しない[11]。
- ^ トルクメニスタン (TKM): トルクメニスタンで唯一ライセンスを発給されたFKコペトダグ・アシガバート[11]がACLへの参加を拒否したため、同協会のグループステージ出場枠が無効となり(第9.11条)、イランに再配分された(第3.16条、第3.17条)。
- ^ レバノン (LBN): レバノンには、AFCチャンピオンズリーグのライセンスを持っているチームが存在しない[11]。
参加クラブ
- 出場数と最終出場数は、大会がAFCチャンピオンズリーグに名称変更された2002-03シーズン(予選ラウンドを含む)以降のもののみで計上している。
- 下記のチームは、現時点で出場権(補欠を含む)を確保しているチームのみ記している。
- 中国から参加するクラブは、中国サッカー協会が2021年シーズンから全てのクラブに対して企業名の排除を求める方針を示した[12] ため、前年までとクラブ名表記が変更となっている。
- 注釈
AFCチャンピオンズリーグ2021出場チーム
西地区

東地区
(p) プレーオフラウンド
日程
日程は2020年11月末現在のカレンダーでは1月26日開幕(プレーオフ)、11月27日決勝のスケジュールが示されていた[26] が、2021年1月25日、AFCはAFCチャンピオンズリーグとAFCカップを集中開催方式で開催することを正式決定し、4月7日開幕、11月21日・27日決勝の新たなスケジュールを示した[27]。2021年3月11日、東地区について、COVID-19の影響が収束しないことから、予選・グループステージの期間を4月7日-14日(予選)・4月21日-5月7日(グループステージ)から6月-7月に延期することを明らかにした[28]。2021年5月10日付のリリースで、プレーオフが6月23日、グループリーグが6月25日-7月11日の日程が示された[29]。また2021年7月5日付のリリースで、準々決勝以降のノックアウトステージの1回戦制および集中開催を行う日程が示された。[30]
日付は特記なき限り2021年。
区分
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節
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抽選日
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西地区
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東地区
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プレーオフ
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予選ラウンド
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抽選無し
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–
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プレーオフラウンド
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4月7日
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6月23日
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グループステージ
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第1節
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1月27日[31]
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4月14日-15日
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6月25日-7月11日[29]
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第2節
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4月17日-18日
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第3節
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4月20日-21日
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第4節
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4月23日-24日
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第5節
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4月26日-27日
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第6節
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4月29日-30日
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ノックアウトステージ
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ラウンド16
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9月13日-14日
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9月14日-15日
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準々決勝
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未定
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10月16日
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10月17日
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準決勝
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10月19日
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10月20日
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決勝
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11月23日
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予選プレーオフ
各ラウンドは1回戦制で(規約第7.1項)同点の場合は延長戦を行い、なお同点の場合はPK戦で勝者を決定する(規則第10項)。プレーオフラウンドに勝利した両地区の8クラブがグループステージに進出する。プレーオフにのみ出場権がある協会のチームが敗れた場合、そのチームはAFCカップ2021グループステージに回ることになる(規則第7.3.2項・7.4.2項)。
各地域の予選プレーオフのトーナメントは、AFCクラブコンペティションランキングに基づいて決定され、上位のチームがホームで試合を開催する(規約7.1.2項)。また同じ協会のチームは、同じプレーオフで対戦することはない(規約7.1.1項)。
予選ラウンド
予選ラウンドには合計4チームが出場予定だった。
プレーオフラウンド
グループステージ
抽選は2021年1月27日にマレーシア・クアラルンプールにあるAFCハウスにて行われ[32]、その模様はAFCの公式YouTubeチャンネルでライブ配信された[33]。
各グループ4チーム、計10のグループ(西アジア地区:グループA-グループE、東アジア地区:グループF-グループJ)に振り分けられた。各地区20チーム(プレーオフからの出場組を含む)がAFCクラブコンペティションランキングと出場協会内でのシード順に基づいて4つのポットに振り分けられた[注釈 1]。また、同じ協会から進出するチームが同じグループにならないように抽選された。
各グループ内で2回戦総当たり(各チーム6試合)のリーグ戦を戦い、グループ内の最上位チーム(10チーム)と、各地区グループ2位のうち上位3チームずつ(6チーム)の合計16チームがラウンド16に進出する。勝ち点は勝利3、引き分け1、敗退0として計算を行う。
括弧内の打ち消しされたクラブは抽選時のクラブである
順位の決定方法
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各グループで勝ち点が同点のチームが2つ以上ある場合は、以下の順に比較して順位を決定する(規則第8.3項)[1]。
- 当該チーム同士の対戦における、勝ち点の多少
- 当該チーム同士の対戦における、得失点差
- 当該チーム同士の対戦における、ゴール数の多少
当該チーム同士の対戦における、アウェーゴール数の多少(本大会のグループステージは集中開催につきアウェーゴールルールを適用しない)
- 3チーム以上が該当し、1から4を適用しても特定のチーム間で差が生じない場合は、そのチーム間に (全ての順位が決まるまで)再度繰り返し適用する。それでも決められない場合は、下記6以降を適用
- 当該チームのグループ全試合における、得失点差
- 当該チームのグループ全試合における、ゴール数の多少
- ここまで参照し、それでも2クラブが差がつかず、さらにその両方が同じ試合会場にいる場合は、PK戦を行う
- 警告および退場処分になった回数をポイント化 (警告=1ポイント、2回目の警告による退場=3ポイント、いわゆる一発退場=3ポイント、警告に続いて退場=4ポイント)し、ポイントの少ない方を上位とする
- AFCクラブコンペティションランキングの順位の高い方の所属チームを上位とする
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グループA
- ^ a b 直接対戦の得失点差(イスティクロル:1、アルヒラル:-1)による
- ^ a b 直接対戦の得失点差(シャバブ・アル・アハリ:1、アルマリク:-1)による
グループB
グループC
グループD
グループE
グループF
グループG
グループH
グループI
グループJ
西地区2位チーム
出典:
AFC順位の決定基準: 1) 勝ち点、 2) 得失点差、 3) 総得点、 4) 反則ポイント、 5) 抽選
東地区2位チーム
出典:
AFC順位の決定基準: 1) 勝ち点、 2) 得失点差、 3) 総得点、 4) 反則ポイント、 5) 抽選
ノックアウトステージ
ラウンド16
準々決勝
準決勝
決勝
AFCチャンピオンズリーグ2021 優勝
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アル・ヒラル 2大会ぶり4回目
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得点ランキング
当該ラウンドまでに敗退
チームは勝ち残っているが、当該選手は(移籍等により)不参加
注記:予選プレーオフ、並びに(相手チームの撤退等による)無効試合のゴールは得点ランキングにおいてカウントされない(規約第64.4条)[1]。
関連項目
脚注
注記
- ^ 但し、他協会からの振り替え・繰り上げでグループステージに割り当てられたクラブは振り替え・繰り上げ前の協会のシード順に基づく。従って、イラン第3代表のエステグラルはトルクメニスタン第1代表(西地区10位)の、香港第1代表の傑志は北朝鮮第1代表(東地区7位)のポットに割り当てられた。また、グループGでプレーオフから繰り上げられた浦項スティーラーズは中国第1代表(東地区1位)の、ラーチャブリー・ミトポンはプレーオフ枠のポットに割り当てられた。
出典
外部リンク