1969年カナダグランプリ
1969年カナダグランプリ (1969 Canadian Grand Prix) は、1969年のF1世界選手権第9戦として、1969年9月20日にモスポート・インターナショナル・レースウェイで開催された。 レースは90周で行われ、ブラバムのジャッキー・イクスがポール・トゥ・ウィンで優勝、チームメイトのジャック・ブラバムが2位、ロータスのヨッヘン・リントが3位となった。 背景前年のカナダGPはモントランブラン・サーキットで開催されたが、2年ぶりにモスポート・パークへ戻り、前戦イタリアGPから2週間後に開催された[3]。 エントリー本レースは3チームが3台目をエントリーした。チーム・ロータスは四輪駆動車の63をジョン・マイルズに、マトラも四輪駆動車のMS84をジョニー・セルボ=ギャバンにそれぞれ与え、BRMは地元出身のビル・ブラックがP138を走らせる[3]。 この年不振を極めたフェラーリは、ルイジ・キネッティ率いるフェラーリの北米代理店「ノースアメリカン・レーシングチーム(NART)」から北米での終盤3戦に参戦し、ペドロ・ロドリゲスが312を走らせる[3][4][5]。 この他、地元出身のドライバーが2人エントリーされ、Can-Amドライバーのジョン・コーズがブラバム・BT23Bを[6]、アル・ピースがイーグル・T1Fを走らせる[7]。両者とも古いクライマックスFPFエンジン(2.7L直列4気筒)を使用するが、同社のエンジンが使用されるのは本レースが最後であり[8]、イーグルのマシンによる出走も本レースが最後となった[9]。 エントリーリスト
予選調子が良かったジャッキー・イクス(ブラバム)はポールポジションを獲得し、ジャン=ピエール・ベルトワーズ(マトラ)、ヨッヘン・リント(ロータス)とともにフロントローに並んだ[注 1]。既にチャンピオンを決めていたジャッキー・スチュワート(マトラ)はデニス・ハルム(マクラーレン)とともに2列目を、ジャック・ブラバム(ブラバム)、グラハム・ヒル(ロータス)、ジョー・シフェール(ロブ・ウォーカー)が3列目を占めた[3]。 予選結果
決勝スタートでヨッヘン・リントがジャッキー・イクス、ジャン=ピエール・ベルトワーズ、ジャッキー・スチュワートを従えてリードを奪った。しかし、スチュワートは2周目にベルトワーズを、5周目にイクスを抜き、6周目にリントも抜いて首位に立った。イクスは2周後にリントを抜いてスチュワートに迫り、2人の激しい首位攻防戦が始まった。リントは3位を走行し、ベルトワーズは4位争いをリードしたが、2周遅れのアル・ピースに接触して順位を落とした[3]。 33周目にスチュワートとイクスがピースを4周遅れにすると、イクスはスチュワートに仕掛けたが両者は接触し、2台ともスピンした。スチュワートはマシンを再スタートさせることができずリタイアし、イクスが首位に立ってそのまま優勝した。一方、チームメイトのジャック・ブラバムは60周目にリントを抜いて2位となり[3]、ブラバムは2年前のカナダGP以来の1-2フィニッシュを達成した。なお、ブラバムが次に1-2フィニッシュを達成するのは、5年後の1974年アメリカGP(カルロス・ロイテマンとカルロス・パーチェ)である[14]。ピースは最終的にペースが遅すぎるため、黒旗が出されて失格となった。F1の歴史でペースが遅すぎるという理由で失格となったのはピースのみである[15]。四輪駆動車のマトラ・MS84を走らせたジョニー・セルボ=ギャバンは6位に入賞し、四輪駆動F1マシンでポイントを獲得した唯一のドライバーとなった。 レース結果
第9戦終了時点のランキング
脚注注釈
出典
参照文献
外部リンク
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