琉球エアーコミューター株式会社 (りゅうきゅうエアーコミューター、英 : RYUKYU AIR COMMUTER CO.,LTD. 、略称 :RAC )は日本航空(JAL)グループ の構成企業である。那覇空港 をベースにターボプロップ 機(プロペラ機 )を用いて沖縄 内及び奄美 の離島 路線を運航している。
概要
2020年4月時点では沖縄県及び鹿児島県 奄美群島で12路線を運航している。
日本航空 (JAL)の系列会社の日本トランスオーシャン航空 (JTA)が株式の過半数を保有している。JALとの直接の資本関係はなく、JALに対しては一般にいう孫会社 の関係であるが、JALが間接的にRACの議決権の過半数を所有しているため法令上はJALの連結子会社 にあたる[ 4] 。
また、ワンワールド のメンバーではない。JAL以外の航空会社においてワンワールド・エメラルド会員のステイタスを保有している場合でも、琉球エアーコミューターでの優先搭乗が適用されることはない。優先搭乗にはJALマイレージバンクのステイタスが必須となる。
同社のIATAコード は設定されていないが、JALマイレージバンク の搭乗履歴に表示される2レターコードは、親会社であるJTAのIATAコードである「NU」となる。また、JALグループのチェックインカウンターで発行された手荷物タグに表示される2レターコードも「NU」となる。(2019年のJALグループ旅客サービスシステム更新前までは、手荷物タグの2レターコードが「RC」と表記されていた。)
JALグループ各社はJAL・J-AIR ・JAC ・HAC の4社においては運航全便にて運送の共同引き受けを実施し、便名をJAL 便に統一しているが、RAC・JTAの2社はRAC・JTA間を含むJALグループ各社間で運送の共同引き受けを実施していない。なお、JTAでは2021年3月28日より、一部の便にてJALとの運送の共同引受を開始したことに伴い、当該便はJAL 便として運航している[ 5] [ 6] 。
RACの便名の数字は700番台・800番台となっており、JTAと便名の数字が重複することはないが、JAL・JTA両社運航便については便名の数字が重複するケースが多いことから[ 注 1] 、JAL国内線時刻表にも両社運航便には同数字の便名が存在することへの注意喚起の記述が見られる[ 7] 。
沿革
1982年 から那覇 - 慶良間線を運航していた公共施設地図航空 [ 注 2] の経営危機に伴い、同路線の運航継続の受け皿となるべく1985年 12月24日 に設立。公共施設地図航空が1986年 に倒産し運航を停止した後、1987年 2月17日 にRACによって那覇 - 慶良間線の運航が再開された[ 8] 1989年 には那覇 - 粟国線を開設して、計2路線を運航することになった。
1991年 に南西航空(SWAL。現:日本トランスオーシャン航空、JTA)の増資を受け傘下に入り、1992年 にSWALからDHC-6 で運航されていた6路線の移管を受けた。
年表
琉球エアーコミューター旧本社(日本トランスオーシャン航空と同居)
就航路線
2022年7月現在[ 14]
与論空港は沖縄県外に所在する同社唯一の就航地であり、また同社最北端の就航地でもある。
運航機材
保有機材
与那国空港に駐機するDHC-8-Q400CC
ボンバルディアDHC-8-Q400CC
DHC-8-Q100/-Q300の後継機として2015年 から2017年 にかけて5機導入された[ 17] 。
DHC-8-Q400の貨物室を拡大したコンビ機 (貨客型)仕様で、同社がローンチ・カスタマーとなった。貨物室はDHC-8-Q400より拡大された。与那国線など日本トランスオーシャン航空から引き継いだ路線において機材の小型化により貨物搭載量減少が問題になっており[ 18] 、貨物スペースを拡大した機材への更新でこの問題の解決が図られた[ 19] 。貨物室を拡大したことで座席スペースが減少している。その一方で客室乗務員の配置が1名で済むよう座席数をDHC-8-Q300と同じ50席にするためシートピッチを35インチに拡大し、快適性を高めている。
2015年 9月30日 に、琉球エアーコミューターが本タイプのローンチカスタマー の1社になること、及び、2015年 12月に初号機が引き渡され、2016年 4月から運航開始予定であることと座席数が50席になることが公式にアナウンスされた[ 20] [ 21] 。2016年 1月10日 にカナダ から東回りでフェリー された初号機(JA81RC。フェリー時はカナダ籍C-FKIYのレジ )が那覇空港 に到着した。鶴丸塗装を施したRAC初の機体でもある。
退役機材
塗装
JALグループの一員となってからも長らく独自デザインを使用していたが、3代目からJALグループ各社と統一したデザインに変更している。
設立当時
ホワイトボディに水色のラインを配し、垂直尾翼 に水色のRACの文字を配し、Cの上部にノグチゲラ が止まっているデザインである。RACの文字はAの横棒が真下に配置 されたスタイルである。
2代目
水色に加えて黄色い配色が加えられ、垂直尾翼に白黒のシーサー が描かれたデザインである。RACの表記はドア横に移動した。このデザインは和田誠 の手によるものである[ 27] 。
3代目
2007年4月より当時のJALグループの統一ビジュアルイメージであった「Arc of the Sun(太陽のアーク)」デザインが採用されたが、「JAL」が「RAC」(Aの横棒がなく ノが入る)に置き換えられ、「RYUKYU AIR COMMUTER」表記を添えたものであった。同年4月導入のDHC-8-Q300はこの塗装で納入された。
4代目
2011年4月よりJALの鶴丸 デザインに変更する。ホワイトボディに「RYUKYU AIR COMMUTER 」と斜体字で表記されるが、垂直尾翼の鶴丸はJAL表記である。2016年1月導入のDHC-8-Q400CCはこの塗装にて納入された。これによりRACの機体に初めて鶴丸塗装が施されることになった。
ボーディング・ミュージック
親会社の日本トランスオーシャン航空 とともに同社の地元である沖縄県 に因んで沖縄音楽 が起用されている。
機内サービス
客室乗務員は基本的に全便1人しか乗務しない。
ドリンクサービスはなかったが、2016年4月15日から所要時間1時間以上の路線でドリンクサービスと機内販売が開始された[ 28] 。
キャンディ が配られる。
機内誌 は日本トランスオーシャン航空 の「Coralway 」のみ各席に搭載され、「SKYWARD 」の閲覧を希望する場合は別途客室乗務員に希望する必要がある。また「JAL SHOP」は搭載されていない。
オーディオ、ビデオサービスはない。
注意点
運航開始当初から小型機のみの運航であり、設立経緯も異なるなどの事情から、親会社の日本トランスオーシャン航空をはじめ他のJALグループ各社とは異なる点があった。
持込手荷物・受託手荷物の重量制限があったが、機材が大型のDHC-8シリーズに統一されたため、これらは撤廃された。
各空港の設備が最新のものに置き換えられ、航空券 が磁気券に切り替わり、JALのカウンターでそのまま手続きができるようになった。この結果webチェックインやICカード 、おサイフケータイ 、バーコード 読取りによる搭乗などのJAL ICサービス も通常のJAL便と同様に使用でき、事前座席指定も可能となった。
以前は、JALマイレージバンク (JMB)のマイル加算対象となる路線は日本トランスオーシャン航空も運航している路線(那覇 - 宮古線、那覇 - 久米島線、石垣 - 与那国線、宮古 - 石垣線)と那覇 - 与那国線のみであり、その他の路線はマイル加算・特典航空券利用の対象外であったが、2012年7月18日搭乗分より残りの運航路線でマイルが積算され[ 注 6] 、さらに同年9月1日より特典航空券利用もできるようになった[ 注 7] 。
脚注
注釈
^ 便名が重複する例として、JAL567便(東京国際空港 発女満別空港 行き)・JTA567便(那覇空港 発宮古空港 行き)が存在する。
^ 一時期、金のペーパー商法 で有名な豊田商事 を傘下に持つ銀河計画のグループ会社だった。会社自体は現存しており、航空機整備などの事業を行っている。
^ 翌日7月15日からは同路線と日本エアコミューター (JAC)運航の奄美 - 与論線を統合しJACによる奄美→与論→那覇→奄美の三角運航路線に再編された。
^ 空港間の距離は13kmで、日本の国内航空定期便としては最も短かった[ 15] [ 16] 。
^ パイロットの退職に伴い那覇 - 粟国便を休止し、運用が消滅する。当初2009年10月から運休する予定であったが、大阪の第一航空が2009年6月からの路線引継を表明したため休止を繰り上げた。
^ ただし、那覇 - 南大東線を北大東経由で同日乗り継ぎする場合、または那覇 - 北大東線を南大東経由で同日乗り継ぎする場合は、南大東 - 北大東間の区間マイルは加算されない。これらの場合、マイル実績には那覇 - 経由地までの区間マイルとして記載される[ 29] 。
^ ただし、北海道・本州・四国・九州と沖縄(那覇、石垣、宮古、久米島)を結ぶ路線2区間と同時に予約することにより5,000マイルの追加で利用出来る「RAC離島路線」は引き続き対象外とされ、通常のマイル数が必要となる(RAC離島路線の対象は従来からマイル積算対象だった5路線のみのまま)。
出典
関連項目
外部リンク
日本の航空会社
国土交通省 より認可を受け、国内・国際定期運送事業を行っている航空運送事業者 本邦国際航空運送事業者 特定本邦航空運送事業者 (上記除く) 国内定期航空運送事業者 (上記除く) 過去の定期航空運送事業者 (2004年以降)
本邦国際航空運送事業者:国際定期航空輸送を行う航空運送事業者(8社)
特定本邦航空運送事業者:客席数が100又は最大離陸重量が5万kgを超える航空機を使用して行う航空運送事業者(計14社)
国内定期航空運送事業者:国内定期航空運送を行う航空運送事業者(計24社)
航空運送 空港地上支援 航空機整備 商社 IT その他グループ企業 運航機材関係 アライアンス、サービス 地上、機内サービス 関連企業 過去のグループ企業 (航空運送) 過去のグループ企業 (ホテル) 過去のグループ企業 (その他) 一社提供 番組
関連項目 カテゴリ
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