星状領域

星状領域(星状凸あるいは星状集合とも呼ばれる)は、必ずしも通常の意味でのではない。
アニュラスは星状領域ではない。

数学において、ユークリッド空間 Rn のある集合 S星状領域(せいじょうりょういき、: star domain)あるいは星状凸集合星状集合または放射凸集合であるとは、S 内のある x0 に対し、それと S 内の任意の x を結ぶ線分S に含まれることをいう。この定義は直ちに、任意のあるいは複素ベクトル空間に一般化される。

直感的に、S をある壁で囲われた領域としたとき、S 内の任意の場所 x に視線を送ることが出来るある場所 x0S 内に存在するなら、S は星状領域である。

  • Rn 内の任意の直線あるいは平面は、星状領域である。
  • 直線あるいは平面からある一点が除かれたものは、星状領域ではない。
  • ARn 内の集合とするとき、A 内のすべての点を原点とつなげることで得られる集合 は、星状領域である。
  • 任意のでない凸集合は、星状領域である。ある集合が凸であるための必要十分条件は、それがその集合内の任意の点に関して星状領域となることである。
  • 十字の形をした領域は星状領域であるが、凸ではない。
  • 星状多角形英語版は、境界が連結された線分であるような星状領域である。

性質

  • 星状領域の閉包も星状領域であるが、星状領域の内部は必ずしも星状領域ではない。
  • すべての星状領域は、直線ホモトピーによる可縮集合である。特に、すべての星状領域は単連結である。
  • すべての星状領域は、それ自身に縮めることが出来る。すなわち、任意の縮小率 r<1 に対して、r で縮小された星状領域は、元の星状領域に含まれる[1]
  • 二つの星状領域の合併や共通部分は、必ずしも星状領域ではない。
  • Rn 内の空でない開の星状領域 S は、Rn微分同相である。

関連項目

参考文献

  1. ^ What polygons can be shrinked into themselves?”. Math Overflow. 2 October 2014閲覧。
  • Ian Stewart, David Tall, Complex Analysis. Cambridge University Press, 1983, ISBN 0-521-28763-4, MR0698076
  • C.R. Smith, A characterization of star-shaped sets, American Mathematical Monthly, Vol. 75, No. 4 (April 1968). p. 386, MR0227724, JSTOR 2313423

外部リンク

  • Weisstein, Eric W. "Star convex". mathworld.wolfram.com (英語).