『悪魔城ドラキュラ サークル オブ ザ ムーン』(あくまじょうドラキュラ サークル オブ ザ ムーン、北米: Castlevania: Circle of the Moon、欧州: Castlevania)は、コナミから2001年3月21日に発売されたゲームボーイアドバンス用ソフトのアクションRPG。
概要
ゲームボーイアドバンスの本体同時発売ソフトとなった悪魔城ドラキュラシリーズのGBA1作目。シリーズでは『悪魔城ドラキュラX 月下の夜想曲』(1997年)に次ぐ2作目の探索型アクションRPG。師匠と兄弟子とともに悪魔城に乗り込んだヴァンパイアキラーの主人公ネイサンが、囚われた師を助け、復活したドラキュラを倒すため、城内を探索していく。本作の特徴として、カードの組み合わせにより武器や能力などが変化し様々な技が出せるデュアルセットアップシステム(DSS)がある。ゲームシステムに「カード」という概念を取り入れたのはシリーズ初である(当時はトレーディングカードがブームとなっていた)[1]。BGMは、歴代シリーズ曲のリアレンジが多い。キャッチコピーは、「満月の光に浮かぶ 悪魔城を落とせ。」[2]。
本作のセールスは好調で特に欧米版がよく売れ、2001年7月23日(発売は6月)にコナミは、欧米市場で50万本(北米30万本・欧州20万本)の売上を突破したと発表している[3]。
ストーリー
1830年、オーストリアのはずれの古城で魔王ドラキュラの僕カーミラによってドラキュラ伯爵が復活した。10年前にドラキュラを封印したヴァンパイアハンターのモーリス・ボールドウィンはドラキュラの復活を察知し、息子のヒュー・ボールドウィンと10年前の戦いで亡くなった友人、グレーブズ夫妻の遺児、ネイサン・グレーブズを連れて城へ駆けつけた。しかし、時すでに遅く、ドラキュラは復活した後であった。ドラキュラは魔力を完全に取り戻すため、モーリスを捕らえ、ヒューとネイサンを奈落の底へ落とした。なんとか助かった2人は師匠モーリスを助けるため、城内の探索を開始した。
登場キャラクター
- ネイサン・グレーブズ
- 本作の主人公でモーリスの弟子のヴァンパイアキラー。モーリスから伝授された退魔の鞭をもって師の救出とドラキュラ討伐のために悪魔城の探索を始める。ネイサンの両親もヴァンパイアキラーだったが、10年前にモーリスとともにドラキュラを封印した際に命を落としている。
- ヒュー・ボールドウィン
- モーリスの子でネイサンの兄弟子のヴァンパイアキラー。武器は剣。自分に劣る実力のネイサンが後継者として父から退魔の鞭を与えられたことを良く思っていない。父を自分の力だけで助けようと、ネイサンとは別行動してモーリスを助けに悪魔城内を動く。
- モーリス・ボールドウィン
- 10年前にネイサンの両親と共にドラキュラを封印したヴァンパイアキラー。ネイサンとヒューの師匠。ヒューの実父であるが、後継者にネイサンを選びその証としてハンターの鞭を渡した。ドラキュラ復活阻止のためネイサンとヒューを連れ悪魔城に乗り込んだが、復活したドラキュラによって囚われてしまう。
- ドラキュラ
- 過去に何度も復活した魔王。魔力を完全に回復させるための生贄としてモーリスを捕らえる。まだ力が不完全ながら復活し、力を完全に取り戻すための儀式の生贄として10年前自分を封印した宿敵モーリスを捕らえ、月が満ちるのを待つ。
- カーミラ
- 美しい女吸血鬼。魔王復活を企んでドラキュラ復活に暗躍した。
- ネクロマンサー
- ドラキュラのしもべのネクロマンサー。モーリスが既に囚われ、月が満ちて儀式の支度ができ次第、ドラキュラの生贄になることをネイサンに告げる。
システム
ステージマップを行き来してアイテムなどを収集しつつ探索していくタイプのレベル制のアクションRPG。基本武器は鞭だけだが(シリーズ恒例のサブウェポンはある)、本作の新システム・DSSにより様々な武器を使える。DSSは神話の神々が描かれた「動作」カードと伝説の生物達の「属性」カードの2種に分かれるカードから1枚ずつ、2枚のカードを選び組み合わせることで、発動可能になる。DSSでは他にも多彩な特殊能力や技を使えるが、その一方で装備防具やアイテムの種類は探索型にしては少なめで、ショップが存在しない。敵キャラクターはゲームを進めてから以前に攻略したエリアに戻ると、登場する敵が強いものに変わっているエリアもある。
- DSSカードの種類
- 主なDSSの組み合わせ
- 動作カードをマーキュリー - 鞭に属性を付加する。
- 動作カードをマルス - 別の武器に持ち替える。
- 動作カードをウラヌス - コマンド入力で属性カードの幻獣を召喚して、画面全体にダメージを与える。
本作はGBAというハードを使った据え置き機ゲームと遜色ない画質や音楽を十分にみせたが、一方で携帯ゲーム機としての問題点も露出している。具体的には、世界観ゆえにグラフィックに暗色が多く使われているため、画面のライトが暗めな初代GBA(GBASP以前)でプレイすると見えにくい。操作ボタンがハードにあわせて小型であるが、頻繁に使用するダッシュが方向キーを2度押す仕様で若干出しづらく、小さい画面で派手に演出を見せるためか攻撃のモーションが大きめで、鞭振り動作が従来のシリーズに比べボタンを押して当たるまでほんの一瞬間があり遅れる。
クリア後に、主人公のネーミングによって様々なモードが用意されている。ネイサンのDSSカードやサブウェポン・ステータスなど能力(職業)変化した状態でまた新たに最初からプレイできる。1つのモードでクリアするごとに新しいモードが解禁され、ノーマルのヴァンパイアキラー以外にマジシャン、ファイター、シューター、シーフの4つのモードがある。
- クリア後の特殊モード
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- マジシャン
- 初期のヴァンパイアキラーをクリア後、新しいファイルのネームを「FIREBALL」にして開始する。DSSカードは全て所持しており、MPも多いが、他の属性が低い。
- ファイター
- マジシャンをクリア後、新しいファイルのネームを「GRADIUS」にして開始する。攻撃力、防御力、HPが高いが、DSSカードは出現しない。
- シューター
- ファイターをクリア後、新しいファイルのネームを「CROSSBOW」にして開始する。サブウェポンの威力が2倍で、ハートの消費は1/2になっており、成長も高い。通常ナイフをホーミングナイフに強化できる。それ以外の攻撃力は低い。
- シーフ
- シューターをクリア後、新しいファイルのネームを「DAGGER」にして開始する。全般的なステータスは低いが、LUKだけが異常に高い。
ステージ
Stage |
BGM |
Boss
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地下墓地
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awake |
ケルベロス
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Nightmare(開始時のみ)
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奈落階段
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THE SINKING OLD SANCTUARY |
-
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謁見の間
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ネクロマンサー
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凱旋通路
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-
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外壁
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-
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fate to despair[4] |
-
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機械塔
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Clockwork |
アイアンゴーレム
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悠久廊下
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fate to despair |
-
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礼拝塔
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アドラメレク
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地下回廊
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Aquarius |
ドラゴンゾンビ
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地下保管庫
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カラクリ館 |
デス
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地下水路
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Nightmare |
カーミラ
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展望閣
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Vampire Killer |
ヒュー
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儀式の間
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THE SINKING OLD SANCTUARY |
ドラキュラ
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闘技場
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- |
-
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移植版
主なスタッフ
- シニアプロデューサー: 汾陽桂太、蛭子悦延
- プロデューサー: Ko-G(堀江浩司)
- プランナー: Ko-G
- メインプログラム: 吉田晃之
- システムプログラム: 堂前嘉樹
- キャラクターデザイン: 藤原千子(三好載克)
- ミュージックコンポーザー: 戸島壮太郎、Hiroshi Mitsuoka
関連商品
- 攻略本
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- 『悪魔城ドラキュラ サークル オブ ザ ムーン 公式ガイド (KONAMI OFFICIAL GUIDE 公式ガイドシリーズ)』 コナミ株式会社CP事業部、NTT出版、2001年。
- 『悪魔城ドラキュラ サークル オブ ザ ムーン パーフェクトガイド (KONAMI OFFICIAL GUIDE パーフェクトシリーズ)』 コナミ株式会社CP事業部、新紀元社、2001年。
脚注
関連項目
- らくがきっず - 本作と同じくKCE神戸が開発した対戦格闘アクションゲーム。本作の主人公ネイサンが特定のアイテムを装備して特定のDSSを組み合わせると、この『らくがきっず』のキャラクター「ベアタンク」に変身できる。
外部リンク
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