岸辺駅(きしべえき)は、大阪府吹田市岸部南一丁目にある、西日本旅客鉄道(JR西日本)東海道本線の駅。
駅番号はJR-A43。「JR京都線」の愛称区間に含まれている。
駅の北側には広大な吹田操車場跡地が存在していた[1]が、それを引き継いだ吹田信号場や、さらなる後身として吹田操車場跡地に新設された吹田貨物ターミナル駅とは同一構内として扱われていない。
歴史
駅名は「岸辺」であるが地名は「岸部」である。これは当時の日本国有鉄道(国鉄)が駅名に簡便で間違いにくい表記を採用したためである。なお、岸部という地名は1889年(明治22年)の町村制施行で岸部村が発足したときに「吉志部」を簡略化したものであり、吉志部神社などに古い表記が残る。
年表
駅構造
複々線区間内にあり、上り・下りの各内側線・外側線間に1面ずつ、計2面4線(乗降は2面2線のみ)の島式ホームを有する。分岐器や絶対信号機を持たないため、停留所に分類される。4線とも停車可能であるが、普通電車のみが停車する当駅では基本的に内側の2・3番ホームのみが乗降に使われるため、外側線のホームには安全柵が設置されている。
2012年3月16日までは、改札口とホームが階段と地下通路で連絡している地上駅方式であったが、同年3月17日より、ホームの上に駅舎がある橋上駅方式となった。地上駅時代はエスカレーターやエレベーターは設置されていなかったが、橋上駅舎化で解消された。また、橋上駅舎化でみどりの券売機[8]および多目的トイレも設置された。
改札機はICOCAおよびその相互利用可能ICカードに対応。LED式発車案内は2002年7月29日のJR京都・神戸線運行管理システムの導入に合わせて2・3番のりばのみに設置されていたが、2008年2月20日より改札口にも3段表示できるものが設置された。
直営駅ではあるが駅長は配置されておらず、高槻駅(管理駅)と吹田駅(地区駅)が当駅を管理している。
のりば
のりば |
路線 |
方向 |
線路 |
行先
|
1
|
AJR京都線
|
下り
|
外側線
|
(通過列車のみのため閉鎖)
|
2
|
JR京都線
|
下り
|
内側線
|
大阪・三ノ宮方面[9]
|
3
|
上り
|
高槻・京都方面[9]
|
4
|
AJR京都線
|
上り
|
外側線
|
(通過列車のみのため閉鎖)
|
-
北口(2024年3月)
-
改札口(2023年2月)
-
切符売り場(2023年2月)
-
1・2番のりばホーム(2023年2月)
-
3・4番のりばホーム(2023年2月)
-
ペデストリアンデッキ(2012年5月)
橋上駅舎化工事
吹田操車場跡地に吹田貨物ターミナル駅が建設されるのに先立って、2012年3月17日に橋上駅舎に改築され、使用が開始された。同時にホームを千里丘方へ約40メートル(2両分)延長した上で、エレベーター、エスカレーター、階段が新設された。また、線路や貨物駅をまたぐペデストリアンデッキを設けることで、線路の北側と駅のアクセスが改善された。なお、この計画は吹田市が吹田貨物ターミナル駅を受け入れる条件の1つとなっていた。工事は2015年3月14日に完成した。
この準備工事として、駅構内にあったキヨスクとハート・イン岸辺店を閉店としたうえで、2009年7月26日より改札の位置を西側へずらした。また、この工事によって駅本屋の右半分が削られ、2009年10月17日より窓口と改札口の位置が変更された。2009年11月21日より駅前ロータリーの構造が変更となり、2010年1月17日からは橋上構造物準備工事のために大阪側へと両方向ともホームがずらされ、下り線は1両分、上り線は2両分の仮設ホームが完成した。
利用状況
2023年(令和5年)度の1日平均乗車人員は19,989人で、JR西日本では兵庫駅に次いで第48位である。JR京都線で普通列車しか止まらない駅では、吹田駅に次いで第2位。駅北側の再開発により2010年代後半より増加傾向にあり、2022年には隣の千里丘駅を上回った。
各年度の1日平均乗車人員は以下の通りである。
年度別1日平均乗車人員[統計 1][統計 2]
年度
|
1日平均 乗車人員
|
増加率
|
順位
|
定期利用状況
|
出典
|
1日平均
|
定期率
|
JR
|
大阪府
|
1988年(昭和63年)
|
12,089
|
|
|
8,218
|
68.0%
|
|
[大阪府 1]
|
1989年(平成元年)
|
12,672
|
4.8%
|
|
8,551
|
67.5%
|
|
[大阪府 1]
|
1990年(平成02年)
|
13,559
|
7.0%
|
|
9,095
|
67.1%
|
|
[大阪府 2]
|
1991年(平成03年)
|
14,586
|
7.6%
|
|
9,879
|
67.7%
|
|
[大阪府 3]
|
1992年(平成04年)
|
15,170
|
4.0%
|
|
10,539
|
69.5%
|
|
[大阪府 4]
|
1993年(平成05年)
|
15,592
|
2.8%
|
|
10,875
|
69.7%
|
|
[大阪府 5]
|
1994年(平成06年)
|
15,710
|
0.8%
|
|
10,924
|
69.5%
|
|
[大阪府 6]
|
1995年(平成07年)
|
16,617
|
5.8%
|
|
11,504
|
69.2%
|
|
[大阪府 7]
|
1996年(平成08年)
|
16,946
|
2.0%
|
|
11,813
|
69.7%
|
|
[大阪府 8]
|
1997年(平成09年)
|
16,666
|
-1.7%
|
|
11,678
|
70.1%
|
|
[大阪府 9]
|
1998年(平成10年)
|
16,433
|
-1.4%
|
|
11,539
|
70.2%
|
|
[大阪府 10]
|
1999年(平成11年)
|
16,112
|
-2.0%
|
|
11,269
|
69.9%
|
|
[大阪府 11]
|
2000年(平成12年)
|
15,439
|
-4.2%
|
|
10,949
|
70.9%
|
|
[大阪府 12]
|
2001年(平成13年)
|
15,259
|
-1.2%
|
|
10,560
|
69.2%
|
|
[大阪府 13]
|
2002年(平成14年)
|
14,868
|
-2.6%
|
|
10,283
|
69.2%
|
|
[大阪府 14]
|
2003年(平成15年)
|
14,754
|
-0.8%
|
|
10,215
|
69.2%
|
|
[大阪府 15]
|
2004年(平成16年)
|
14,600
|
-1.0%
|
|
10,201
|
70.0%
|
|
[大阪府 16]
|
2005年(平成17年)
|
14,439
|
-1.1%
|
|
10,066
|
69.7%
|
|
[大阪府 17]
|
2006年(平成18年)
|
14,567
|
0.9%
|
|
9,959
|
68.4%
|
|
[大阪府 18]
|
2007年(平成19年)
|
14,556
|
-0.1%
|
|
9,852
|
67.7%
|
|
[大阪府 19]
|
2008年(平成20年)
|
14,712
|
1.1%
|
|
10,101
|
68.7%
|
|
[大阪府 20]
|
2009年(平成21年)
|
14,563
|
-1.0%
|
|
10,141
|
69.6%
|
|
[大阪府 21]
|
2010年(平成22年)
|
14,478
|
-0.6%
|
|
10,190
|
70.4%
|
|
[大阪府 22]
|
2011年(平成23年)
|
14,563
|
0.6%
|
|
10,251
|
70.4%
|
|
[大阪府 23]
|
2012年(平成24年)
|
14,883
|
2.2%
|
|
10,373
|
69.7%
|
|
[大阪府 24]
|
2013年(平成25年)
|
15,402
|
3.5%
|
|
10,784
|
70.0%
|
|
[大阪府 25]
|
2014年(平成26年)
|
15,274
|
-0.8%
|
|
10,681
|
69.9%
|
|
[大阪府 26]
|
2015年(平成27年)
|
15,464
|
1.2%
|
|
10,711
|
69.3%
|
|
[大阪府 27]
|
2016年(平成28年)
|
15,560
|
0.6%
|
|
10,887
|
70.0%
|
|
[大阪府 28]
|
2017年(平成29年)
|
15,986
|
2.7%
|
|
11,158
|
70.0%
|
|
[大阪府 29]
|
2018年(平成30年)
|
17,049
|
6.6%
|
|
11,848
|
69.5%
|
|
[大阪府 30]
|
2019年(令和元年)
|
18,926
|
11.0%
|
|
12,969
|
68.5%
|
|
[大阪府 31]
|
2020年(令和02年)
|
15,293
|
-19.2%
|
|
11,063
|
72.3%
|
|
[大阪府 32]
|
2021年(令和03年)
|
16,516
|
8.0%
|
50位
|
11,770
|
71.3%
|
[JR 1]
|
[大阪府 33]
|
2022年(令和04年)
|
18,789
|
13.8%
|
49位
|
13,023
|
69.3%
|
[JR 2]
|
[大阪府 34]
|
2023年(令和05年)
|
19,989
|
6.4%
|
48位
|
|
|
[JR 3]
|
|
年間乗降人員
近年の1年間の乗降人員は以下の通り。
なお下表内の数値の単位は全て「千人」である。
年度別年間乗車人員[統計 3]
年度
|
乗車人員
|
うち定期
|
出典
|
2014年(平成26年)
|
11,150
|
7,798
|
[吹田市 1]
|
2015年(平成27年)
|
11,288
|
7,820
|
[吹田市 1]
|
2016年(平成28年)
|
11,358
|
7,948
|
[吹田市 1]
|
2017年(平成29年)
|
11,670
|
8,145
|
[吹田市 1]
|
2018年(平成30年)
|
12,446
|
8,650
|
[吹田市 1]
|
2019年(令和元年)
|
13,854
|
9,493
|
[吹田市 2]
|
2020年(令和02年)
|
11,164
|
8,076
|
[吹田市 3]
|
2021年(令和03年)
|
12,057
|
8,592
|
[吹田市 4]
|
2022年(令和04年)
|
13,716
|
9,507
|
[吹田市 5]
|
駅周辺
阪急電鉄の正雀駅とは徒歩6分程度の距離である。同駅は駅舎が摂津市に置かれているが、ホームの半分以上は岸辺駅と同じ吹田市岸部南にある。
バス路線
駅の南北両側にロータリーがあり、阪急バスの路線が発着する。大部分は北口に乗り入れる。停留所名はそれぞれ「JR岸辺駅(南口)」「JR岸辺駅(北口)」。
特記ない限り吹田営業所の担当。
隣の駅
- 西日本旅客鉄道(JR西日本)
- JR京都線(東海道本線)
- ■新快速・■快速
- 通過
- ■普通
- 千里丘駅 (JR-A42) - 岸辺駅 (JR-A43) - 吹田駅 (JR-A44)
- 当駅 - 吹田駅間には貨物駅として吹田貨物ターミナル駅があるが、施設は貨物線のみに存在しており、当駅構内の旅客線からは直接繋がっていない。なお、同駅の前身である吹田信号場は、営業キロ上では千里丘駅 - 当駅の間に位置していた。
脚注
記事本文
注釈
出典
利用状況の出典
- データで見るJR西日本
- 大阪府統計年鑑
- 吹田市統計書
関連項目
外部リンク
ウィキメディア・コモンズには、 岸辺駅に関連するカテゴリがあります。
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