ルイージ (ゲームキャラクター)
![]() ルイージ (Luigi) は、任天堂が発売したコンピュータゲームソフトのシリーズ、マリオシリーズに登場する架空の人物で、同社の登録商標(第4997624号ほか)[1]。 概要任天堂の看板キャラクター「マリオ」の双子の弟。兄のマリオより長身で痩せ型、カイゼル髭、シャツ・帽子が緑でオーバーオールが紺色、帽子のマークが「L」であるといった相違点がある。『大乱闘スマッシュブラザーズDX』で見られるフィギュアの説明を考慮すると、年齢はマリオと同じ26歳前後(ただし、厳密な設定は存在していない)[2]。 性格はマリオより物静か。一人称は「ボク」[3]で、基本的に柔らかい口調でしゃべる。マリオとは違い、やや気弱で臆病であり、おっちょこちょいな性格。日記を付けるマメな一面もある(『マリオストーリー』より)。お化けや怪物といった類いのものが大の苦手で、そうした存在と相対した際は激しくおびえる。 スポーツ系のゲームでは、マリオ共々、平均的な能力を持つキャラクターとして扱われているが、マリオはパワーが若干強め、ルイージはテクニックに長けているという差もある。 初期作品で2プレイヤー用キャラクターとして位置づけられて以降、マリオと比べてあまり目立たず活躍の場が限られていることから、一部のマリオシリーズや『大乱闘スマッシュブラザーズ』シリーズでは作中で「永遠の2番手」などと揶揄されることがある。 エンターブレインが企画する『ファミ通アワード2013』で「最優秀キャラクター賞」を受賞[4]。 名前の由来名前は任天堂の米国法人(Nintendo of America, NOA)の社員が付けたものである。イタリア人に多く語呂の良い名前を模索した結果「ルイージ」が選ばれたという。また、後の話によるとイタリア人デザイナーに多い名前でもあったとのこと[5]。「生みの親である宮本茂が『マリオの類似(るいじ)やからルイージでええんちゃう』と言ったから」というのは俗説[6]。 キャラクター設定の変遷明確にマリオの弟「ルイージ」として初めて登場した作品は、1983年発売のゲーム&ウオッチ版『マリオブラザーズ』である[7]。この中ではマリオの相棒として登場する。本体パネルに描かれたイメージイラストでは片方が赤い帽子・赤いオーバーオールに青のシャツ、もう片方は緑の帽子・緑のオーバーオールに赤のシャツとなっており、この頃から2人は「赤」「緑」として描き分けられていた[8]。同年に稼働を開始した別内容のアーケードゲーム版『マリオブラザーズ』では、マリオが1プレイヤー用キャラ、ルイージが2プレイヤー用キャラとなり、マリオが青い帽子とオーバーオールに赤いシャツ、ルイージは緑の帽子とオーバーオールに赤褐色のシャツで描かれ、ファミコン版のゲーム中ではマリオが赤の帽子とシャツに青のオーバーオール、ルイージが白の帽子とシャツ、緑のオーバーオールの姿で描かれた。ただ、翌1984年稼働のアーケードゲーム版『VS.レッキングクルー』および1985年発売のファミリーコンピュータ(ファミコン)版『レッキングクルー』では、ルイージはピンク色の服装でマリオに近い配色だった[9]。『スーパーマリオブラザーズ』においては、ゲーム中ではマリオが赤の帽子とオーバーオールに茶色のシャツ、ルイージが白の帽子とオーバーオールに緑のシャツの姿で、イラストではマリオが赤の帽子とオーバーオールに青のシャツ、ルイージが水色の帽子とオーバーオールに緑のシャツの姿で描かれた。 初めてマリオとの能力の差別化が図られた作品は1986年発売の『スーパーマリオブラザーズ2』である。この作品では「マリオに比べてジャンプ力が高いが滑りやすい」という、上級者向けの設定になった。この設定は、以降のマリオシリーズでも多く用いられるようになる。服の色以外で初めて外見的な違いが設けられた作品は、同年公開のアニメ映画『スーパーマリオブラザーズ ピーチ姫救出大作戦!』で、マリオよりも細身で長身になっている。ただし、この時の服の色はシャツが黄色[10]、帽子・オーバーオールが青だった。その後、1988年4月発売の『ファミコングランプリII 3Dホットラリー』の説明書内でも細身・長身の姿で描かれると同時に、髭の形がマリオと異なるものに、Lマークが緑にそれぞれ変更された。同時期に日本国外で発売された『Super Mario Bros. 2』(日本における『スーパーマリオUSA』)で初めてグラフィックが差別化された他、シャツ・帽子が緑、オーバーオールが青となり[11]、以降、このスタイルが定着することになる。日本でも『マリオオープンゴルフ』からはゲーム内でも同様に描かれるようになった。また、『ルイージマンション』からはオーバーオールがマリオよりも暗い紺色で差別化されることが多い。作品によってはジャンプ時に足をばたつかせる[12]といった特徴がつけられることもある。 初期の頃は無鉄砲な性格(『スーパーマリオブラザーズ2』の説明書より)で、ファミコンからスーパーファミコン時代の漫画やゲームブック、および前述のアニメ映画では、マリオより兄貴肌の性格として描かれていた。また、ファミリーコンピュータ ディスクシステムの起動画面や『スーパーマリオブラザーズ3』のタイトル画面ではルイージがいたずらを仕掛ける様子が描かれている。しかし、吉田戦車の漫画『はまり道』や本山一城のスーパーマリオシリーズの漫画等で「二番手」「報われない」ということを皮肉って卑屈な性格として描かれて以降、そのイメージが徐々にゲーム本編でも反映されるようになり、一方で、気弱な性格(『マリオストーリー』や『ルイージマンション』など)、多少ドジ(『ペーパーマリオRPG』から)といった、マリオとは異なるルイージ特有の人物像が形成されていった。長期連載となっている沢田ユキオの漫画『スーパーマリオくん』におけるルイージも、初期は一人称が「おれ」で荒っぽい性格だったが「ペーパーマリオRPG編」以降から現在のゲームに準拠した性格に変更されている。 『マリオカート64』以降の作品からは声が付いた。初期の頃[13]に担当していたジュリアン・バーダコフは高い声だったが、国外版『マリオカート64』、『マリオゴルフ64』から担当していたチャールズ・マーティネーはマリオよりもやや低い声で演じている。『ルイージマンション』以降の作品では控えめで気弱な性格が声でも表現されるようになった。ただし、『ニンテンドウオールスター!大乱闘スマッシュブラザーズ』および『大乱闘スマッシュブラザーズDX』では、チャールズ・マーティネーによるマリオの声を高い声に加工したものがルイージに用いられていた。『スーパーマリオブラザーズ ワンダー』でのケビン・アフガニの声もマリオよりやや低い声に準じたものとなっている。 派生型のルイージ変身時のルイージマリオシリーズにおいて、ルイージはマリオと同様に様々な変身能力を発揮する。多くの能力はマリオと同じで、「ファイアルイージ」(マリオにおける「ファイアマリオ」に相当)のように名称と衣装等が異なるだけだが、『スーパーマリオ 3Dランド』『スーパーマリオ 3Dワールド』の「キツネルイージ」(マリオにおける「タヌキマリオ」に相当)、『New スーパーマリオブラザーズ 2』の「シルバールイージ」(マリオにおける「ゴールドマリオ」に相当)などのように、マリオと性能は共通したままで明確に異なる姿になるものもある。 変身能力の詳細は「マリオ (ゲームキャラクター)#変身能力」を参照。 ベビィルイージルイージの赤ん坊時代の姿。1995年発売の『スーパーマリオ ヨッシーアイランド』で初登場。この作品を含むいずれの『ヨッシーアイランド』シリーズでも敵にさらわれる。2003年発売の『マリオカート ダブルダッシュ!!』では、ベビィマリオとのペアという形で登場。公式サイトの説明では、「シャイでハニカミやさんだけど、攻撃はスゴイぞ!」と記載されている。『マリオ&ルイージRPG2』では大人マリオと共に大人ルイージが過去にタイムトラベルした際に共演する。泣き虫だが大人ルイージよりも勇敢な性格。大人ルイージとすぐに仲良くなる。『マリオスポーツ スーパースターズ』ではメインキャラクターとして登場する。ベースボールは「スーパーマリオスタジアム ファミリーベースボール」以来約8年半ぶりで、テニス、サッカー、ゴルフは初参加となる。 『スーパーマリオ ヨッシーアイランド』および『ヨッシーアイランドDS』『ヨッシー New アイランド』ではおむつ姿だったが、『マリオカート ダブルダッシュ!!』以降ではオーバーオール姿で登場する。声は大人ルイージと同じくチャールズ・マーティネーが担当している。 ミスターL『スーパーペーパーマリオ』に登場。敵であるノワール伯爵の部下「ザ・伯爵ズ」のナスタシアに捕まって催眠術をかけられ、洗脳されたルイージ。「ミドリ色の貴公子」「ミドリのいかずち」との異名を用いる。黒い服を着用し、首に緑色のスカーフを巻き、顔の上半分は黒い仮面で覆われている。頭に被る緑の帽子にはLのアルファベットの鏡文字が描かれている。 普段のルイージの性格とは大きく変わっている。マリオへの対抗心をむき出しにし、誰彼構わず傍若無人な言動をとる。一人称は「オレ」(ただし洗脳が解けかけた際は「ボク」と言っている)。 洗脳が解けた際にはミスターLとしての記憶を失っており、マリオたちもミスターLがルイージだと気づいていない(「どこかで見たことがある」と思った程度)。 スーパーディメーン『スーパーペーパーマリオ』に登場するラスボス。ノワール伯爵を出し抜き新世界の創生と支配を狙っていた「ディメーン」が、ハナーンの芽で操ったルイージとコントンのラブパワーを融合されて作り出した混沌の魔物。 彼が解読した黒と白、両ヨゲン書に書かれていた運命を握る「ミドリのオトコ」とはなんとマリオの弟・「ルイージ」のことらしく、その体は「コントンのラブパワーの器」にぴったりだという。ルイージ自身は「ルイルイルイー!」や「ミードーリー!」と、奇声に近い声しか発せないが、ディメーンが乗り込み一体化する事で、彼の人格をもって動き出す。 しかし、最初はコントンのラブパワーの力によって無敵状態であるが、伯爵の中間を思うドドンタスやマネーラの忠誠心によって復活したピュアハートの力で解除することができようやくダメージが入るようになる。その後にマリオ、ピーチ、クッパとフェアリンたちに敗れた後は身体が爆発し、頭だけと惨めな姿になってしまう。さらに理解不明な不敵に笑い、最後の力を振り校って禁忌を起こしコントンのラブパワーにチカラを与え、高笑いを上げながら全滅されたことで、傷一つなくルイージの本体は無事に元の姿に戻っていた。 ただし、その後にエマ(アンナ)とルミエール(ノワール伯爵)の活躍によって世界の破滅は回避されることとなった。 ユメルイージ『マリオ&ルイージRPG4 ドリームアドベンチャー』に登場。夢世界のルイージ。
作品内での扱いマリオシリーズでの扱い2Dのスーパーマリオシリーズでは、2プレイヤーキャラクターとしてマリオと共に登場する。また、コースクリア型の3Dスーパーマリオシリーズでもプレイヤーキャラとして毎回登場しており、マリオカートシリーズやマリオパーティシリーズなどの作品でも常連となっている。一方で、箱庭探索型の3Dスーパーマリオシリーズである『スーパーマリオ64』(リメイク版の『スーパーマリオ64DS』には登場する)、『スーパーマリオサンシャイン』、発売当初の『スーパーマリオ オデッセイ』(2018年2月の無料アップデートから登場する様になった)では出番がなく、それ以外の作品でも出番が限られたり、ぞんざいに扱われたりすることがある。 『スーパーマリオRPG』では取扱説明書や一部の台詞、エンディングにしか顔を見せず、『マリオストーリー』では、マリオが冒険に出ている間、家でずっと留守番をしている。 『ルイージマンション』で初めて主役を務める。なお、日本国外のみで発売された地理学習ゲーム『Mario is Missing!』では主役となっているが、任天堂はライセンス供与のみで同作の開発・販売に関わっていない。 マリオ&ルイージRPGシリーズではマリオのパートナーとして冒険する。ただ、物語の中では、クッパや彼の部下達から「緑のヒゲ」「頼りないヒゲ」、マメーリア城の警備員からも「ルーなんとか」と名前で呼ばれないなど、雑な扱いを受けている。 『ペーパーマリオRPG』では、エクレア姫を助けるために単身冒険に出ているが、その様子はゲーム本編では描かれていない。仲間の話を聞く限り、旅先で迷惑ばかりかけていたとのことだが、エクレア姫は無事に救出している。作中では、冒険の内容を記した本『スーパールイージ』シリーズが(話をかなり美化した上で)発売されベストセラーになっている。 『スーパーマリオ64DS』では操作キャラクターの一人となり、ゲーム中ではマリオの「スケスケマリオ」(透明マリオ)の能力と同様の「透明ルイージ」に変身することができる。また、短時間水面歩行できる特有の能力を持つ。ただ、ゲーム中の解説(看板)によれば、透明ルイージは「影が薄いから」、水面歩行は「水に浮くほど存在が軽いから」可能になったとのこと。作品内では味方キャラクター(キノピオ、赤ボム)からも馬鹿にされている。 『スーパーペーパーマリオ』では、ノワール一味に洗脳され、洗脳が解けた後はマリオたちの仲間となって同行し、終盤で再び洗脳される。洗脳されている間は「ミスターL」と名乗り、専用メカ「エルガンダー」(後に「エルガンダーZ」へと強化)と共にマリオたちの前に現れる。 『スーパーマリオギャラクシー』では、「ファントムギャラクシー」内の館に幽閉されている。救出後は「パワースター」探しを行うようになるが、毎回のように向かった先から帰れなくなっている。マリオが迎えに行きルイージが持つパワースターを受け取る際には、マリオの後ろでポーズを決める。また、パワースターを120個集めると、ルイージをプレイヤーキャラとして使用できるようになるが、シナリオはマリオの場合と変わらないため、場面によってはルイージが同時に2人登場する。ルイージ本人はそれを「自分によく似た人」としか思っておらず、気に留めていない。 『マリオ+ラビッツ キングダムバトル』では、キノコ王国に現れたウサギ「ラビッツ」たちとともに武器を装備して戦う。 『マリオテニスエース』では、ワリオとワルイージが持ち込んだ人を操る力を持つラケット「エスター」の力に取り込まれ、ルイージが行方不明になる。 その他、『New スーパーマリオブラザーズ U』の派生作品『New スーパールイージ U』や、『スーパーマリオ 3Dワールド』収録の作品『ルイージブラザーズ』などでも主役を務めている。 大乱闘スマッシュブラザーズシリーズでの扱い『大乱闘スマッシュブラザーズ』シリーズではファイターの一人として全作品に登場。 1作目の『ニンテンドウオールスター!大乱闘スマッシュブラザーズ』から3作目『大乱闘スマッシュブラザーズX』までは初期段階では使用できず、一定条件を満たすと使用できるようになる。戦闘時に見せる動きはコミカルなものが多い。 『大乱闘スマッシュブラザーズX』では、強力な必殺ワザ「最後の切りふだ」として、ルイージの周辺に様々なマイナス効果を及ぼす空間を発生させる強力な技「ネガティブゾーン」を用いる。また作中では、『メタルギア』シリーズのキャンベル大佐がルイージのことを「永遠の2番手」「いわゆる日陰者」「兄に勝る弟などいない」と貶し、同シリーズのスネークにたしなめられる場面がある。 同作品のアドベンチャーモード「亜空の使者」では、ストーリー上重要な役割を果たすこととなる。 4作目『大乱闘スマッシュブラザーズ for Nintendo 3DS / Wii U』以降では、ジャンプ時に『スーパーマリオUSA』などのように足をばたつかせる動作を行うようになったほか、最後の切りふだが『ルイージマンション』でルイージが使用するアイテム「オバキューム」に変更されている。 関連キャラクター
ルイージの年1983年発売の『マリオブラザーズ』でルイージが初登場してから2013年で30周年となったことを受け、2013年2月14日に放送された「Nintendo Direct」の中で、当時の任天堂社長・岩田聡から2013年を「ルイージの年」にすると宣言された。以降、2014年3月18日までの約1年にわたって関連作品・関連グッズが製作・販売され、関連イベントも行われた。 関連作品
関連グッズ
関連イベント
その他
登場作品
amiibo
担当声優・俳優声優
ゲーム作品では専任声優としてチャールズ・マーティネーが長年担当していた。チャールズは2022年に降板となり、2023年の『スーパーマリオブラザーズ ワンダー』からはケビン・アフガニが新たに声を担当する[20]。 俳優
脚注
外部リンク
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