ラジオ・ウォール・オブ・サウンド
「ラジオ・ウォール・オブ・サウンド」(Radio Wall Of Sound)は、スレイドの楽曲である。1991年10月7日にポリドール・レコードからシングル盤として発売された。作詞作曲はジム・リーが手がけており、リード・ボーカルもリーが務めた[1]。シングル盤は、全英シングルチャートで最高位21位を獲得し、スレイドにとってシングルチャート入りした最後のシングルとなった。 背景「ラジオ・ウォール・オブ・サウンド」は、元々はリーによるソロ曲で[2]、1990年のファンクラブのインタビューで「『ラジオ・ウォール・オブ・サウンド』という曲を書いた時、それはスレイドの曲のように聴こえた。弟のフランクも同じことを言っていたよ」と語っている[3]。リーはデモ音源を別の作品と組み合わせて、本作を仕上げた[2]。 本作のレコーディングは、ロンドンのウォーダー・ストリートにあるベースメント・スタジオと、バーミンガムにあるリッチ・ビッチ・スタジオで行なわれた[2]。通常、スレイドの楽曲はノディ・ホルダーがリード・ボーカルを務めているが、リッチ・ビッチ・スタジオでのボーカルのレコーディング中に火事が発生したこと、さらにホルダーが歌うにはキーが低いことから、ヴァースのリード・ボーカルはリーのデモ音源がそのまま使用された[2]。 DJによるボイスオーバーのパートを楽曲に取り入れるにあたり、バンドは放送作家で司会者のマイク・リードに話を持ちかけた。このことについて、リードは自伝『Seize the Day』で、「彼らは、この曲に動きをつけるにはアメリカンスタイルのDJの話し声が必要だと感じて、僕にロンドン北部のスタジオに立ち寄れるかどうか尋ねてきた」と振り返っている[4]。 リリース「ラジオ・ウォール・オブ・サウンド」は、コンピレーション・アルバム『ウォール・オブ・ヒッツ』からの先行シングルで[1]、イギリスや欧州全域で7インチシングル、マキシシングル、シングル・カセットで発売され、イギリスでは12インチシングルとしても発売された。B面にはデイヴ・ヒルと元ウィザードのビル・ハントの共作「レイ・ユア・ラヴ・オン・ザ・ライン」が収録され[1]、2007年に発売されたコンピレーション・アルバム『B-Sides』にも収録された[5]。なお、12インチシングルおよびマキシシングルには、1973年に発売された「カモン!!」がカップリング曲として追加収録された。 シングル盤は、全英シングルチャートで最高位21位を獲得[6]し、1984年以来のトップ40入りを果たした。 プロモーション「ラジオ・ウォール・オブ・サウンド」のミュージック・ビデオは、ウィリアム・クラークが監督を務めた作品で、1991年9月に撮影された[7][8]。このビデオは、ラジオ局の屋上でメンバーが演奏するという内容になっている。 イギリスでは、『トップ・オブ・ザ・ポップス』や『Motormouth』などの音楽番組で演奏された[9]。 評価『ニュース・オブ・ザ・ワールド』紙のジョン・ミラードは、「スレイドは、まだすごくすごく騒々しい。10月のヒット曲『ラジオ・ウォール・オブ・サウンド』は、70年代のスレイドの騒々しく、生き生きとした全盛期を思い出させる曲だった」と評している[10]。ボブ・スタンリーは、2013年に出版した著書『Yeah Yeah Yeah: The Story of Modern Pop』で「バンドの近代のキャリアにおける『輝かしい瞬間』」と評している[11]。 シングル収録曲
クレジット
チャート成績
カバー・バージョン
脚注出典
参考文献
外部リンク
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