スレイド
1973年撮影。左からジム・リー、ドン・パウエル、ノディ・ホルダー、デイヴ・ヒル
基本情報 別名
イン・ビトゥインーズ アンブローズ・スレイド スレイドII 出身地
イングランド ウェスト・ミッドランズ ウルヴァーハンプトン [ 1] ジャンル
活動期間
1966年 - レーベル
公式サイト
Slade公式サイト メンバー
デイヴ・ヒル
ジョン・ベリー
ラッセル・キーフ
アレックス・バインズ
旧メンバー
ノディ・ホルダー
ジム・リー
スティーヴ・ウァーリー
スティーヴ・マーキン
クレイグ・フェニー
トレヴァー・ホリデイ
デイヴ・グローヴァー
マル・マクナルティ
ドン・パウエル
スレイド (英語 : Slade )は、1966年 にイングランド ・ウェスト・ミッドランズ州 ウルヴァーハンプトン で結成されたロックバンド である。1970年初頭にグラムロック ・ブームの一翼を担いつつヒット・チャートを席巻し、1980年代に入っても人気を得た。
1992年 にリード・ボーカルとギターのノディ・ホルダー とベースのジム・リーが脱退したことにより、バンドは停滞。その後、「スレイドII」として活動を再開し、後にグループ名を戻した。
キッス のジーン・シモンズ が、スレイドからの影響を公言している[ 注釈 1] 。
なお、スレイドの楽曲には「Coz I Luv You 」「Skweeze Me Pleeze Me 」など、間違ったスペリング をタイトルに用いた曲が多いが、これは意図的なものである[ 3] 。
経歴
1970年代まで
イン・ビトゥイーンズ (英語 : The N' Betweens )というで1966年結成。同年キム・フォーリー のプロデュースでシングルをリリースしているが、この時点では単発に終わる。
その後元アニマルズ のチャス・チャンドラー に見出され、1969年 、アンブローズ・スレイド (英語 : Ambrose Slade )名義でファースト・アルバム『ビギニングス 』を発表。しかしながら、同作前後に発売されたシングルと同様に、チャートインすることはなかった[ 4] 。なお、このアルバムはスレイドのディスコグラフィでもファースト・アルバムとして扱われている。
ここまではビート・ロック やサイケデリック・ロック の影響下にあるサウンドを聴かせていたが、チャンドラーの指導によりイメージ改革に乗り出すこととなる。スレイド へ改名し、派手な衣装をまとい、ポップなメロディーに豪快かつタイトなリズムを合わせたサウンドを創出[ 1] 。ティーンエイジャー から厚い人気を得るようになり、1971年 のシングル『だから君が好き 』で全英シングルチャート 1位を初めて獲得。
また、時期を同じくしてライブ・パフォーマンスに対する評価が上がり、1972年 発表のライブ・アルバム『スレイド・アライブ (英語版 ) 』は英国アルバムチャート2位まで上昇。すかさず発表したスタジオ盤『スレイド? 』は1位を獲得。以降『スレイデスト (英語版 ) 』『大狂乱スレイド一座 (英語版 ) 』の2枚のアルバムも1位を獲得。シングル盤『だから君が好き 』や『恋のバック・ホーム 』『クレイジー・ママ 』『カモン!! 』『スクゥイーズ・ミー、プリーズ・ミー 』『メリー・クリスマス・エヴリバディ 』と1973年 までに計6枚が1位に入った。特に『メリー・クリスマス・エヴリバディ』は、100万枚を超えるベストセラーとなった[ 5] 。
1974年 にバンド主演の映画 『スレイド・イン・フレイム (英語版 ) 』の制作を開始。映画はスレイドをはじめとしたバンドの間で起こった音楽業界での出来事に基づいた内容であった[ 4] 。映画のサウンドトラック 盤からの先行シングルとして発売された『ファー・アウェイ 』は、全英シングルチャートで最高位2位を獲得し[ 6] 、ノルウェー のチャートでも上位にチャートインした[ 7] 。同作はホルダーのお気に入りの楽曲ともなった。11月にサウンドトラック盤『狂乱の炎 』が発売され、多くの批評家から肯定的な評価を得た一方、翌年1月に公開された映画は芳しい成果は得られなかった[ 4] 。
1975年 に入ると、T・レックス やデヴィッド・ボウイ 、スウィート 、スージー・クアトロ などと並ぶ人気ミュージシャンになり、圧倒的な人気に乗りアメリカ 進出も目論むが、芳しい成果は得られないまま終わる。イギリス国内においても、映画のテーマ曲「ハウ・ダズ・イット・フィール 」が1975年2月にシングルとして発売されるも、シングルチャートでは最高位15位と[ 8] 、チャートアクションが鈍り始めた。
1977年 にはポリドール との契約も切られ、チャンドラーとも意見の相違から決別することとなる[ 4] 。同時にスレイドのサウンドと相対する面があるパンク・ロック 全盛の時代においては、しばらく低迷を味わうことになる。
1980年以降
1980年 にパンクのブームが終わり、NWOBHM の勢いが増すと、スレイド自体も徐々に人気を取り戻し、レディング・フェスティバル での演奏も高く評価され、再びシングルがチャート上位に顔を出すようになる。
そしてスレイドの復活を決定的にしたのは、1983年 にクワイエット・ライオット が「カモン!!」をカヴァーして大ヒットさせたことだった。これによりオリジナルのスレイドへの注目度が上がり、『マイ・オー・マイ (英語版 ) 』『ラン・ラン・アウェイ (英語版 ) 』が英国チャートトップ10入り。アメリカでも『ラン・ラン・アウェイ』が20位に入り、同地では1970年代を超える成功を収めた。
1992年 、ホルダーがバンド内における議論や不満に嫌気が差したことにより脱退。同時にホルダーがスレイドにとって不可欠なメンバーだとしていたリーも脱退したことにより、23年間の活動を終えた。この間一度もメンバー交代を行わなかった。それから間もなくして、残ったパウエルとヒルが新メンバーを迎え、スレイドII (英語 : Slade II )を結成[ 9] 。
2002年 にバンド名を「スレイド」にを戻し、アルバム『キープ・オン・ロッキン (英語版 ) 』を新曲を追加し、タイトルを「Cumon Let's Party」に改題して発売された[ 10] 。
2005年 にスレイドII結成時からのボーカリストであるスティーヴ・ウァーリーが脱退し、入れ替わりでマル・マクナルティが加入。11月にコンピレーション・アルバム『ヴェリー・ベスト・オブ・スレイド 』を発売し、全英アルバムチャートで最高39位を獲得[ 11] 。同年にはミュージック・ビデオ 集も発売された[ 12] 。
2006年 にサルーボ・レコードよりボックス・セット『The Slade Box - Four CD box anthology 1969-91』とライブ・アルバム『スレイド・アライヴ (英語版 ) 』が発売された[ 13] 。また、同年から2007年 にかけてサルーボ・レコードよりオリジナル・アルバムのリマスター盤が発売され、日本で発売された一部のリマスター盤にボーナス・トラックが追加収録された[ 14] 。
2020年 、パウエルがヒルによってバンドを解雇されたことを告白。同時に公式サイト上でドンは、元メンバーのクレイグ・フェニーとともに「ドン・パウエルズ・スレイド」を結成してスレイドの楽曲を演奏することを発表した[ 15] 。
メンバー
現メンバー
名前
担当
在籍期間
デイヴ・ヒル (Dave Hill )
ギター ボーカル
1966年 -
ジョン・ベリー (John Berry )
ベース ヴァイオリン リード・ボーカル[ 注釈 2]
2003年 -
ラッセル・キーフ (Russell Keefe )
リード・ボーカルキーボード
2019年 -
アレックス・バインズ (Alex Bines )
ドラムス
2020年 -
旧メンバー
名前
担当
在籍期間
ノディ・ホルダー (Noddy Holder )
リード・ボーカル ギター
1966年 - 1992年
ジム・リー (Jim Lea )
ベース ボーカル
1966年 - 1992年
ドン・パウエル (Don Powell )
ドラムス
1966年 - 2020年
スティーヴ・ウァーリー (Steve Whalley )
リード・ボーカル ギター
1992年 - 2005年
スティーヴ・マーキン (Steve Makin )
ギター
1992年 - 1996年
クレイグ・フェニー (Creig Fenney )
ベース ボーカル
1992年 - 2005年
トレヴァー・ホリデイ (Trevor Holliday )
ベース ボーカル
1994年 - 2000年
デイヴ・グローヴァー (Dave Glover )
ベース ボーカル
2000年 - 2003年
マル・マクナルティ (Mal McNulty )
リード・ボーカル ギター
2005年 - 2019年
ディスコグラフィ
スタジオ・アルバム
ライブ・アルバム
『スレイド・アライブ 』 - Slade Alive (1972年3月24日、ポリドール)
『スレイド・アライブVol.2 』 - Slade Alive, Vol. 2 (1978年10月27日、バーン)
『スレイド・オン・ステージ 』 - Slade On Stage (1982年12月11日、RCA)
『Slade Alive! - The Live Anthology 』(2006年8月21日、サルーボ)
『Live at the BBC 』(2009年9月28日、サルーボ)
コンピレーション・アルバム
『Coz I Luv You 』(1972年3月、ポリドール)
『スレイデスト 』 - Sladest (1973年9月28日、ポリドール)
『Slade Smashes! 』[ 注釈 3] (1980年11月1日、ポリドール)
『Slade Greatz 』(1984年5月12日、ポルドール)
『スレイド・コレクション81-87 』 - The Slade Collection 81-87 (1991年3月、RCA/BMG)
『ウォール・オブ・ヒッツ 』 - Wall of Hits (1991年11月11日、ポルドール)
『ザ・スレイド・コレクション Vol.2 79-87 』 - The Slade Collection Vol. 2, 79-87 (1993年12月、RCA/BMG/ポルドール)
『The Genesis of Slade 』(1996年3月3日、ミュージック・コーポレーション)
『グレイテスト・ヒッツ 』 - Feel the Noize - Greatest Hits (1997年2月、ポルドール)
『Get Yer Boots On: The Best of Slade 』(2004年3月23日、Shout! Factory)
『ヴェリー・ベスト・オブ・スレイド 』 - The Very Best of Slade (2005年11月28日、ポリドール)
『B-Sides 』(2007年3月5日、サルーボ)
『Rockers 』(2007年4月17日、サルーボ)
『In for a Penny: Raves & Faves 』(2007年4月17日、Shout! Factory)
『Merry Xmas Everybody: Party Hits 』(2009年11月23日、ユニバーサル )
EP
『Six of the Best 』(1980年5月24日 (1980-05-24 ) 、スーパー)
『Alive at Reading 』(1980年9月26日 (1980-09-26 ) 、チープスケイト)
『Xmas Ear Bender 』(1980年11月5日 (1980-11-05 ) 、チープスケイト)
シングル
ボックス・セット
『The Slade Box - Four CD box anthology 1969-91 』(2006年10月2日、サルーボ)
『When Slade Rocked the World 』(2015年11月13日、サルーボ)
『Feel The Noise - The Singlez Box! 』(2019年5月31日、BMG)
脚注
注釈
^ “Rock and Roll all Nite‘ is a direct bastard child of Slade's ‘Mama Weer All Crazee Now’.”(「『ロックンロール・オールナイト 』は、スレイドの『クレイジー・ママ 』の"私生児"なんだよ」)」とシモンズが述べる箇所がある[ 2] 。
^ 2019年から担当。
^ オーストラリアでは「The Very Best of Slade」というタイトルで発売された。
出典
^ a b c d Prato, Greg. Slade|Biography & History - オールミュージック . 2020年3月5日 閲覧。
^ “Kiss Founder Gene Simmons Says Band’s ‘Heart and Soul Lies in England’ ”. ultimateclassicrock (2011年11月9日). 2014年3月31日 閲覧。
^ Du Noyer, Paul (2003). The Illustrated Encyclopaedia of Music (1st ed.). Fulham, London: Flame Tree Publishing. ISBN 978-1-904041-96-2
^ a b c d Charlesworth, Chris (1984). Slade, Feel the Noize!: an illustrated biography . London: Omnibus Press . ISBN 0-7119-0538-X
^ Roberts, David (2006). British Hit Singles & Albums (19th ed.). London: Guinness World Records Limited. p. 506. ISBN 978-1-904994-10-7
^ “Official Singles Chart Top 50 (20 October 1974 - 26 October 1974) ”. Official Charts Company (1974年10月20日). 2020年6月24日 閲覧。
^ Steffen Hung. “Slade – Far Far Away ”. norwegiancharts.com. 2020年6月24日 閲覧。
^ “Official Singles Chart Top 50 (02 March 1975 - 08 March 1975) ”. Official Charts Company (1975年3月2日). 2020年6月24日 閲覧。
^ Powell, Don; Falkenberg, Lise Lyng (2013-10-11). Look Wot I Dun: Don Powell of Slade . Omnibus Press. ISBN 9781783230006 . https://books.google.com/?id=3jj_AgAAQBAJ&pg=PT335&dq=%22walk+this+way%22+don+powell#v=onepage&q=%22walk+this+way%22+don+powell&f=false 28 October 2017 閲覧。
^ “Cum on Let's Party! by Slade : Reviews and Ratings ”. Rate Your Music (2010年7月26日). 2020年6月24日 閲覧。
^ “Official Albums Chart Top 100 (04 December 2005 - 10 December 2005) ”. Official Charts Company (2005年12月4日). 2020年6月24日 閲覧。
^ Thompson, Dave. The Very Best Of... Slade [Video] - Slade | Songs, Reviews, Credits - オールミュージック . 2020年6月23日 閲覧。
^ “Salvo ”. Salvo-music.co.uk. 2020年6月24日 閲覧。
^ “スレイド、リマスター紙ジャケを全16タイトル発売に” . CDJournal ニュース (株式会社シーディージャーナル). (2006年12月7日). https://www.cdjournal.com/main/news/-/13619 2020年6月24日 閲覧。
^ “スレイドのドラマー、50年以上在籍したにもかかわらずEメールでバンドを解雇されたと主張” . NME Japan (BandLab UK Limited.). (2020年2月6日). https://nme-jp.com/news/85379/ 2020年3月5日 閲覧。
^ “Finnish chart peaks ” (Finnish). Sisältää Hitin - Suomen listalevyt (Timo Pennanen). 2020年6月23日 閲覧。
^ a b c “BPI Certification ”. British Phonographic Industry . 2020年6月23日 閲覧。
^ “Canadian Certification ”. Music Canada . 2020年6月23日 閲覧。
^ “UK chart peaks ”. Official Charts Company. 2020年6月23日 閲覧。
^ Kent, David (1993). Australian Chart Book 1970-1992 (Illustrated ed.). St. Ives, N.S.W.: Australian Chart Book. p. 277. ISBN 0-646-11917-6 N.B. The Kent Report chart was licensed by ARIA between mid-1983 and 19 June 1988.
^ “Swedish chart peaks ”. swedishcharts.com. 2020年6月23日 閲覧。
^ “Belgian (Flanders) chart peaks ”. ultratop.be. 2020年6月23日 閲覧。
^ “Slade ”. Billboard . Prometheus Global Media. 2020年6月23日 閲覧。
^ (English) Billboard . Books.google.co.uk. (1 September 1973). https://books.google.co.uk/books?id=JQkEAAAAMBAJ&pg=RA1-PA49&dq=slade+let+the+good+times+roll+114&hl=en&sa=X&redir_esc=y#v=onepage&q=slade%20let%20the%20good%20times%20roll%20114&f=false 2020年6月23日 閲覧。
^ Chartwatch magazine . Chartwatch. (December 1990). pp. Breakers 1976 section
外部リンク
デイヴ・ヒル
ジョン・ベリー
ラッセル・キーフ
アレックス・バインズ
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デイヴ・グローヴァー
マル・マクナルティ
ドン・パウエル シングル アルバム
オリジナル コンピレーション ライブ・アルバム
スレイド・アライブ
スレイド・アライブVol.2
スレイド・オン・ステージ
Slade Alive! - The Live Anthology
Live at the BBC
EP
Six of the Best
Alive at Reading
Xmas Ear Bender
ボックス・セット
The Slade Box - Four CD box anthology 1969-91
When Slade Rocked the World
Feel The Noise - The Singlez Box!
関連項目