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この項目では、本田技研工業が製造販売したオートバイについて説明しています。デンマークの都市については「ヘルシンゲル」をご覧ください。 |
エルシノア(Elsinore)は、本田技研工業がかつて製造販売したオートバイのシリーズ商標である。
概要
CL・SLシリーズに続くデュアルパーパスモデルで、本シリーズは本田技研工業初の本格的2ストロークエンジン[注 1]を搭載するモデルに附与されたペットネームで、アメリカ合衆国カリフォルニア州のレイク・エルシノアで毎年初夏に行なわれるクロスカントリーレース「エルシノア・グランプリ」に由来する。
シリーズ内でモトクロス競技専用モデルとそれをベースに保安部品を装着した公道走行可能モデルが存在した。
競技専用モデル
- エルシノア CR250M
1972年9月26日に発表発売された250ccクラス用モトクロッサー[1]。同年のモトクロス全日本選手権シリーズに投入されていたワークスマシンRC250Mを母体にした量産型競技専用モデルである。
数度のマイナーチェンジを実施して1977年11月26日にエルシノア CR250M IIにモデルチェンジを実施。しかし1978年11月1日のモデルチェンジでエルシノアのペットネームが消滅。
- エルシノア CR125M
1973年1月29日に同年3月から発売されることが発表された125ccクラス用モトクロッサー[2]。1976年1月17日のマイナーチェンジでエルシノア CR125M IIに変更。上述の250ccモデル同様に1978年11月1日のモデルチェンジでエルシノアのペットネームが消滅。
※ホンダ・CRも参照のこと。
公道走行可能モデル
- エルシノア MT250・エルシノア MT125
1973年5月9日発表、同月10日に250cc(普通自動二輪車)クラス・125cc(小型自動二輪車)クラス同時発売された[3]。エルシノア250・エルシノア125とも呼ばれる。
空冷2ストローク6ポートピストンバルブ単気筒エンジンは、日常の使い勝手を考えたチューニングや潤滑方式の混合から分離への変更がされているが、基本設計は共通でその他多くの部品でもキャリーオーバである。
デュアルパーパスモデルとして公道走行用保安部品を装着するが、モトクロスレースへの参加も考慮し取り外し・再装着が簡単にできる構造としたほか、上述のCRシリーズ車と共通オプションも設定された。
なお、イメージキャラクターにはスティーブ・マックイーンが起用された[注 2]。
遍歴
海外輸出も実施されたが、発売直後に第1次オイルショックが発生。また本田技研工業初の本格的2ストロークエンジンであったことから、トラブルも多く販売不振に陥り1975年に後継モデルとして4ストロークエンジンを搭載するXL250・XL125へモデルチェンジされ生産終了となった。
なおMTの車名は1979年にMT50で復活し、後にMTXシリーズへ発展した。
諸元
車名 |
CR125M |
MT125 |
CR250M |
MT250
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タイプ
|
競技
|
公道
|
競技
|
公道
|
モデルイヤー |
1973 |
1972 |
1973
|
全長x全幅x全高(m) |
2.040x0.890x1.090 |
2.050x0.830x1.100 |
2.125x0.855x1.130 |
2.160x0.890x1.130
|
ホイールベース(m) |
1.360 |
1.435 |
1.440
|
乾燥重量(kg) |
81 |
96 |
118
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定地走行燃費 |
|
55km/L(50㎞/h) |
|
40km/L(50㎞/h)
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エンジン型式 |
空冷2ストローク6ポートピストンバルブ単気筒
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総排気量 |
123cc |
248cc
|
内径x行程(mm) |
56.0x50.0 |
70.0x64.4
|
圧縮比 |
7.6 |
7.0 |
7.2 |
6.6
|
最高出力 |
22ps/9,500rpm |
13ps/7,000rpm |
33ps/7,500rpm |
23ps/6,500rpm
|
最大トルク |
1.7kg-m/9,250rpm |
1.4kg-m/6,500rpm |
3.2kg-m/6,500rpm |
2.6kg-m/5,500rpm
|
キャブレター |
PW28 |
PW24 |
PW34 |
PW28
|
点火方式 |
CDI |
マグネト
|
始動方式 |
プライマリーキック
|
潤滑方式 |
混合 |
分離 |
混合 |
分離
|
潤滑油容量(L) |
|
1.5 |
|
1.3
|
燃料タンク容量(L) |
6 |
6.5 |
7 |
8.5
|
クラッチ |
湿式多板コイルスプリング
|
変速方式 |
左足動式リターン
|
変速機 |
常時噛合6段 |
常時噛合5段
|
1速 |
4.000 |
2.357 |
2.056 |
2.235
|
2速 |
2.133 |
1.611 |
1.571 |
1.571
|
3速 |
1.611 |
1.238 |
1.250 |
1.160
|
4速 |
1.300 |
1.000 |
1.037 |
0.896
|
5速 |
0.958 |
0.808 |
0.862 |
0.718
|
6速 |
0.880 |
|
フレーム形式 |
セミダブルグレードル
|
サスペンション |
テレスコッピック(前)/スイングアーム(後)
|
キャスター |
59.5° |
59.0° |
59.5°
|
トレール |
140.0mm |
145.0mm |
143.0mm
|
タイヤ(前) |
2.75-21 |
3.00-21
|
タイヤ(後) |
3.50-18 |
4.00-18
|
ブレーキ(前) |
ワイヤ式リーディングトレーリング
|
ブレーキ(後) |
機械式リーディングトレーリング
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標準現金価格 |
\200.000 |
\155,000 |
\300,000 |
\208,000
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脚注
注釈
- ^ 1947年発売のA型から1949年発売のC型までの会社黎明期に小排気量で2ストロークエンジン製造の実績がある。
- ^ スティーブはモータースポーツが趣味であり、モトクロスにも参加するほど。テレビCMでは彼自身がCR250Mを運転した[4]。
出典
関連項目
外部リンク
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50 - 125 cc | | |
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126 - 250 cc | |
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251 - 400 cc | |
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401 - 750 cc | |
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751 cc以上 | |
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系列 | |
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スクーター | |
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電動スクーター | |
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コンセプトモデル | |
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競技車両 | |
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カテゴリ |