『ファイヤープロレスリングG』は、1999年6月24日に日本のヒューマンから発売されたPlayStation用プロレスゲーム。
同社による『ファイヤープロレスリングシリーズ』のPlayStation用ソフト第2作目。前作となるセガサターン用ソフト『ファイヤープロレスリングS シックスメン・スクランブル』(1996年)から基本的なゲームシステムを継承しているが、1試合におけるレスラー数が最大6名から4名に変更された。
開発はヒューマンが行い、プロデューサーはPlayStation用ソフト『ありす in Cyberland』(1996年)を手掛けた黒田志郎、ディレクターはPlayStation用ソフト『エピカ・ステラ』(1998年)を手掛けた田村季章、音楽はスーパーファミコン用ソフト『スーパーテトリス3』(1994年)を手掛けた後藤重満およびPlayStation用ソフト『続・御神楽少女探偵団 〜完結編〜』(1999年)を手掛けた国分康人が担当している。
本作発売後の1999年11月、ヒューマン株式会社は和議を申請し事実上倒産。翌2000年1月、和議を取り下げ破産した為に同社から発売された『ファイヤープロレスリングシリーズ』として最後の作品となった。後に権利を取得したスパイクから本作品の廉価版が2000年6月1日に販売された。
本作はゲーム誌『ファミ通』の「クロスレビュー」においてシルバー殿堂を獲得した。2009年にはPlayStation 3およびPlayStation Portableのゲームアーカイブス対応ソフトとして配信された。
ゲーム内容
システム
セガサターン用ソフト『ファイヤープロレスリングS シックスメン・スクランブル』(1996年)の基本システムを踏襲したが、試合に出場出来る最大同時人数が4人に変更となった。
スーパーファミコン用ソフト『スーパーファイヤープロレスリングSPECIAL』(1994年)以来のストーリーモード「ファイティングロード」を収録。
本作には約300人以上の選手が登場する。エディットモードで作成したレスラーは、道場入門からトップレスラーになるまでの軌跡を描いた「ファイティングロード」モードや、数種類のチャンピオンベルトを狙うタイトルマッチモードで戦わせることができる[1]。
「団体エディット」は、選手が所属している団体の名称、シンボルマークを自由にエディットすることが可能[1]。
プレイヤーがアクション操作を行わなず、CPUロジックを調整して勝ち抜き戦を行う「エディットランキング」を収録。
レスラースキルの項目に「特殊スキル」が追加。ピンチになるとクリティカル率が上昇する「一発逆転」等、8種類のスキルが設定された。
走りダウン技が追加。ダウン中の相手に走り込みながらエルボードロップなどの技を放てるようになった。
PocketStationに対応、ミニゲーム集「ファイプロポケット」がプレイできる。
モード
- ファイティングロード
- エディットランキング
- ワンナイトマッチ
- ワンナイトトーナメント
- オープンリーグ
- イリミネーションマッチ
- バトルロイマル
- デスマッチ
- グルーサムファイティング
- タイトルマッチ
- 「ファイティングロード」モードを最低1回クリアしないと出現しない隠しモード。
- スーパーファミコン版スーパーファイヤープロレスリング以来の収録となるチュートリアルモード。
- PocketStationのデータ管理もここから行う。
ファイティングロード
ファイプロポケット
PocketStation用ミニゲーム集。ミニゲームで経験値を100貯めると「エディットランキング」モードのレスラーポイント1に変換可能(変換は最大30ポイントまで)。
- ミニゲームの種類
- ベンチプレス
- スクワット
- ランニング
- 道場破り退治
設定
以下にファイティングロードの設定を記す。
ストーリー
主人公は若元一徹の経営するプロレス道場に入門、同期の坂上浩一と共にプロデビューを目指す。その後主人公と坂上はそれぞれ別の団体に入門することとなり、「いつか大きな舞台で」と再会と対戦を誓う。
ルート
- ビクトリー武蔵が設立した団体。主人公は正統派レスラーの道を歩むこととなる。
- グレート司馬が設立した団体。主人公は自分なりの王道プロレスを築くこととなる。
- 沖田勝志が設立した団体。主人公は3つの軍団による混沌とする抗争劇に身を投じることとなる。
- 旧UHW崩壊後、冴刃明、梶原丈などが設立した格闘技志向の団体。主人公は更に分裂するいずれかの団体に参加し「総合格闘技不敗伝説を持つ男」ニクソン・ステイシーとの対戦を目指すこととなる[注釈 1]。
- ゾンビ・マサに見いだされた主人公はアメリカ修行に出る。WWCかWFWのどちらかの団体に参戦することとなる。
- 主人公はブレード・ハヤテが設立した団体ゆきぐにプロレスに入門後、他団体へ修行に出る。最終的に「キング・オブ・ワールド・ジュニアトーナメント」に参加し優勝を目指す。
シナリオの分差システム
シナリオは、要所の選択肢によって加点される「性格パラメータ」、特定の試合の勝敗、試合内容によって得られる「人気ポイント」(プロレス的に「しょっぱい」試合内容だと評価を得られない)、試合で使用した技の属性がシナリオ分散の査定に使われる。
高評価を得ることで見ることが出来るグットエンディングに1回たどり着くと、隠しルート「ジュニア」が解放される[注釈 2] 。
登場レスラー
以下に本作のレスラーを記す。★マークは隠しレスラーとなっている。
移植版
スタッフ
- ゲーム製作スタッフ
- メインプランニング:田村季章
- アシスタントプランニング:松本朋幸、愛甲剛
- メインプログラム:愛甲剛
- アシスタントプログラム:田辺哲也、米田晃人、小澤武彦
- レスラーグラフィック:渡川和久、米澤宏之、大谷篤志
- 技アニメーション:渡川和久、田村季章
- リングモデリング:原田誠
- インフォメーショングラフィック:杉本学
- ディレクター:田村季章
- キャラクタビジュアルスタッフ
- キャラ演出:大島康弘
- 背景演出:加瀬充子
- 作画監督:高橋英樹
- 原画:池田裕治、佐村義一、坂本修司、浜崎賢一、田中智子、片貝稔、高橋英樹
- 動画検査:宮田知子
- 動画:矢地久子、太田久美子、吉田隆彦、米本亨、宮田知子
- 色指定:勝野寛史
- 仕上:関根保浩、池田真理子、花岡彩子、林文江、本間茂明
- 仕上検査:勝野寛史
- 美術監督:中座洋次
- 美術:武藤憲市、堀壮太郎
- 背景スキャンチーフ:清水満政
- 背景スキャン:鈴木美保
- 編集:川西泰二、松浦裕暁
- 制作進行:松岡哲也
- 制作デスク:工藤博
- プロデューサー:市万田俊也
- 制作:スタジオD-VOLT
- サウンドスタッフ
- 音響効果:山崎正通
- 作曲:後藤重満、国分康人
- 声優ブッキング:保本真吾
- レスラーボイス:小関一、宇垣秀成、河野智之、熊谷正行、ピーター・ストーン、ナイジェル・ホッジ、パトリック・ハーラン、梶村ひろこ、笠原麗
- 録音スタジオ:スタジオ・サウンド・シップ
- 録音エンジニア:野川靖友
- 協力:81プロデュース、ミッキーズカンパニー、ザ・ニュース
- マネージメントスタッフ
- プロデューサー:黒田志郎
- エグゼクティブ・プロデューサー:喜多二郎、山田和彦
- サンクス
評価
- ゲーム誌『ファミ通』の「クロスレビュー」における評価は、8・7・8・8の合計31点(満40点)でシルバー殿堂入りを獲得した[8]。レビュアーはセガサターン版からの追加要素に関して称賛する意見を多く挙げており、酒井K太およびルパン小島は登場レスラーやエディット機能の増加を絶賛した他、初心者への配慮がされている点も肯定的に評価、風のように永田は「ウインドーまわりや絵など誰もが歓迎する進化はまだまだある」と評価した。また、プロレスの再現度を称賛する意見も挙げられ、永田は「残り体力や技の入力タイミングを隠すことにより生じるプロレス特有の流れは、描写力や技術力で生み出されるものではないゆえ貴重だ」、ササキMk.IIは「ファンにはたまらんほど魅力的」、小島は「ドット絵で描きこまれた丁寧な作り込みは好感色」とそれぞれ称賛した。一方で、酒井による「隠れキャラは強すぎるような気がする」、永田による「プロレスファンがわびさびで楽しむゲームに落ち着いた感も」、ササキによる「技を出すタイミングが超キビシイ」など否定的な意見も出された。
- ゲーム本『プロレススーパーゲーム列伝』では、ゲームシステムがセガサターン版と同様である事を指摘した上で、ストーリーモードやエディットキャラクター専用の勝ち抜きウォッチモードの追加などに関して称賛した。
脚注
注釈
- ^ シナリオの分差よってはたどり着かない場合がある。
- ^ 前述の解放条件に加え主人公のプロフィール設定でジュニアヘビー級を選択する。
出典
参考文献
外部リンク
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登場人物 | |
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