カラム・アイロット
カラム・ベンジャミン・アイロット(Callum Benjamin Ilott, 1998年11月11日 - )は、イギリス(イングランド)出身のレーシングドライバー。 経歴カートアイロットのレースキャリアは2008年から始まる[1]。2011年、KF3クラスの「フォーミュラ・カート・スターズ」でタイトルを獲得[2]。「ドイツ・ジュニア・カート・チャンピオンシップ」では総合3位に入った[3]。2012年は引き続きKF3クラスのカートレースへ参戦し、「WSK・マスターズ・シリーズ[4]」「WSK・ファイナル・カップ[5]」「41° トロフェオ・デッレ・インドゥーストリエ[6]」の各選手権を制覇、「WSK・ユーロシリーズ[7]」「CIK-FIA・ワールドカップ[8]」では準優勝を飾るなど注目を集める。その後、史上最年少でWSK・ドライバー・オブ・ザ・イヤーを受賞するなど数多くの成功を収めるシーズンとなった[9]。2013年は、KF2・KFクラスとステップアップする。「42° トロフェオ・デッレ・インドゥーストリエ - KF2クラス[10]」「WSK・ファイナル・カップ - KFクラス[11]」でそれぞれ優勝を飾った。2014年、ザナルディ・ストラッカ・レーシングからエントリーした「CIK-FIA・ワールド・チャンピオンシップ - KFクラス」を総合4位[12]、「WSK・チャンピオンズ・カップ - KFクラス」で総合3位となる[13]。「WSK・スーパー・マスター・シリーズ - KFクラス[14]」「CIK-FIA・ヨーロピアン・KF・チャンピオンシップ[15]」の両シリーズでタイトルを獲得した。 トヨタ・レーシング・シリーズ2015年、ETEC・モータースポーツから「トヨタ・レーシング・シリーズ」へ参戦しシングルシーターデビューを果たす。決勝最高位は3度記録した4位、総合16位で終える[16]。フリー走行・予選と速さを見せる場面はあったものの、決勝のレースペースに苦しんだシーズンだった。同年2月、アイロットはレッドブル・ジュニアチームへの加入が決定し[17]、レースでもレッドブルカラーが施されたヘルメットを着用した。 フォーミュラ316歳を迎えた2015年、カーリン(Carlin)から「FIA ヨーロピアン・フォーミュラ3選手権」へ参戦する。シーズン開幕前には、F3マシンと「フォーミュラ・ルノー2.0」のテスト走行を行い腕を磨く[18]。第10戦(ニュルブルクリンク)・レース1で3位のチェッカーを受け、初表彰台を獲得する。65.5ポイントの総合12位で終え[19]、ルーキーチャンピオンシップでは7位の成績となった。 2016年は、ファン・アメルスフォールト・レーシングへ移籍する。チームメイトは、ペドロ・ピケ、ハリソン・ニューウェイ、アントワーヌ・ユベール。開幕戦(ポール・リカール・サーキット)・レース2で初優勝、第4戦(レッドブル・リンク)・レース1では2勝目を挙げる。226ポイントを獲得し、昨年を上回る総合6位となった[20]。 2016年11月22日、2017年シーズンはプレマ・パワーチームで出走することを発表する[21]。チームメイトのマキシミリアン・ギュンターに次ぐ総合4位(344ポイント)で終える[22]。優勝6回・表彰台圏内11回と昨年を上回る走りを見せた。 GP2シリーズ2016年12月、ヤス・マリーナ・サーキットにて開催された「GP2シリーズ」のポストシーズンテストへARTグランプリから出走した。 GP3シリーズヤス・マリーナ・サーキットでのポストシーズンテスト終了後、アイロットはARTグランプリから2018年の「GP3シリーズ」へエントリーしたことを発表する[23]。表彰台圏内7回(優勝2回)を記録して167ポイントを獲得[24]。チームメイトのアントワーヌ・ユベール、ニキータ・マゼピンに次ぐ総合3位という成績で終えた[24]。 FIA フォーミュラ2選手権2017年7月、トライデント・レーシングから「FIA フォーミュラ2選手権」にスポット参戦する[25]。第6戦(シルバーストン・サーキット)へ出場して、レース1を19位、レース2を14位で完走する。 翌年、アイロットはトライデントとチャロウズ・レーシング・システムのポストシーズンテストへ参加した[26][27]。 2019年1月、ザウバー・ジュニアチーム・バイ・チャロウズ(Sauber Junior Team by Charouz)からフルタイム参戦することを発表。ファン・マヌエル・コレアがチームメイトとなる。第3戦(カタロニア・サーキット)・レース2で3位に入り初表彰台を決める。第10戦(モンツァ・サーキット)の予選では初のポールポジションを獲得した。初年度は総合11位(74ポイント)という結果で終える[28]。 2020年はチャロウズを去り、新たにユニ-ヴィルトゥオーシ・レーシング(UNI-Virtuosi Racing)へ移籍[29]。チームメイトは周冠宇となった。フェラーリ・ドライバー・アカデミーのサポートを受ける。開幕戦(レッドブル・リンク)・レース1では上位勢のトラブルを掻い潜り初優勝を飾った[30]。優勝3回(表彰台圏内7回)の201ポイントを獲得する[31]。シーズン序盤はランキング首位をキープする展開となったが、後半に追い上げてきたミック・シューマッハに敗れ14ポイント差の総合2位となる[31]。3位角田裕毅との差は僅か1ポイント差であった[31][32]。2021年に関しては参戦を見送るとコメントしている[33]。 フォーミュラ12015年、アイロットは「FIA フォーミュラ3・ヨーロピアン選手権」開幕前にレッドブル・ジュニアチームへ加入するものの[34]パフォーマンス不足もあり僅か1年で離脱する[35]。2017年の「FIA フォーミュラ3・ヨーロピアン選手権」を総合4位で終えた後、フェラーリ・ドライバー・アカデミーのメンバーへ加わる[36]。アイロットがイギリス人としては初の加入となった[36]。2019年、カタロニア・サーキットで開催されたインシーズンテストにてアルファロメオ・C38に乗り自身初のF1テスト走行に臨む[37]。1分19秒819[38]をマークするも41周目でクラッシュを喫し走行を終える[37]。2020年、第11戦アイフェルGPのフリー走行1回目へハースF1チームから出走する予定[39]であったが悪天候のためセッション中止となり走行できなかった[40]が、同年12月にアルファロメオからポストシーズンテストへ参加する[41][42]。2021年シーズンはスクーデリア・フェラーリからテストドライバーに起用され[43]、同年の第3戦ポルトガルGP前にはアルファロメオのリザーブドライバーにも就任し[44]ポルトガルGPのFP1で初のグランプリ週末の走行を行う予定になっている。 レース戦績略歴
FIA フォーミュラ3・ヨーロピアン選手権
FIA フォーミュラ2選手権
GP3シリーズ
F1世界選手権
(key) インディカー・シリーズ
インディ500
(key) スポーツカーGTワールドチャレンジ・ヨーロッパ・耐久カップ
FIA 世界耐久選手権
スパ・フランコルシャン24時間レース
ル・マン24時間レース
出典
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