わたなべまさこ
わたなべ まさこ(本名:渡邊 雅子[1][9]、1929年(昭和4年)5月16日[1] - )は、日本の漫画家。東京府出身。1947年、上野学園短期大学中退[1][9]。日本の少女漫画草創期から活躍し、現在も執筆を続ける巨匠の一人。1971年、『ガラスの城』で第16回小学館漫画賞を受賞。2002年、第31回日本漫画家協会賞として全作品に対する文部科学大臣賞を受賞。2006年の旭日小綬章[10]は、女性の漫画家としては初の受勲。日本漫画家協会理事。2013年に閉校した創造学園大学の創造芸術学部教授であった[11]。夫は2012年8月に永眠した陶芸家・渡辺六郎[1]。 著作歴1952年(昭和27年)、挿絵画家を経て貸本漫画出版社の中村書店で『小公子』(原作フランシス・ホジソン・バーネット)を執筆後、若木書房より単行本『すあまちゃん』『涙の賛美歌』で少女漫画家としてデビュー。1957年(昭和32年)から『山びこ少女』を発端に[12]少女漫画雑誌での連載を開始、1960年代初期には、母娘や姉妹の絆をテーマにした『白馬の少女』『おかあさま』等が人気を博した。1960年代中頃からは欧米を舞台にした作品群で少女達に夢とロマンを与え、1970年代には少女の内面にある善悪双方に共感を呼んだ『ガラスの城』に続く代表作『聖ロザリンド』でサスペンスホラーの新境地を開拓。同時期にはウィリアム・アイリッシュ原作『幻の女』等、海外ミステリの漫画化も手がけている。 レディースコミック誌に活動の場を移した1980年代には、日本を舞台にした作品が中心となり、単行本18冊にわたる短編連作『悪女シリーズ』、後年にテレビドラマ化された長編『独りまつり』等の愛憎物語を経て、『ねんね…しな』等の怪談の長編短編も描き始めている。昭和初期の日本的情緒の中で女の魔性を描く『小間使い』等の短編は、1990年代に入ってから泉鏡花原作『夜叉ヶ池』等の近代文学の漫画化にもつながり、同時期には長編『かおるの最後の顔』短編『華燭』メアリ・H・クラーク原作『永遠の闇に眠れ』等、現代を舞台にしたミステリの佳作も多い。画面全体から醸し出される詩情の深さは、2000年代に入ってからの江戸時代物『ライオンの城』等にも受け継がれている。1993年(平成5年)にスタートし、中国四大奇書を原典とした『金瓶梅』は2011年までおよそ18年に渡り連載し、作者にとって最長編作品となった[8][2]。 1991年(平成3年)から2003年(平成15年)にかけて、ホーム社発行・集英社発売で刊行された選集『わたなべまさこ名作集』では、画業50年を越える各時代の多彩な作品群が100冊に収録されている。デビュー以降のわたなべまさこの単行本は様々な出版社から刊行されてきたが、この名作集で初めて単行本化された作品も少なくない。 2008年(平成20年)には、双葉社から『まんがと生きて』(ISBN 4575300888)を刊行した。 2017年(平成29年)に、宝島社の「このマンガがすごい!comics」から44年ぶりになる描き下ろしの完全新作第0話を収録した『聖[セイント]ロザリンド』が再版された。 2020年(令和2年)には齢91にして、集英社女性向け漫画アプリ「マンガMee」にて初の電子配信による完全新作『秘密 -ひめごと-』を短期集中連載した[13][14]。 少女漫画作品リスト収録単行本の詳細、および貸本漫画出版社の作品群は、わたなべまさこ名作集
1950年代後半
1960年代前半
1960年代後半
1970年代前半
1970年代後半
1980年代
1960年代後半 - 1970年代
レディースコミック作品リスト名作集の詳細は、わたなべまさこ名作集を参照 1970代末(少女漫画からの移行期)
1980年代
1990年代
1980年代 - 1990年代以降
2000年代
著書
脚注注釈出典
参考文献
外部リンク
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