Open Enterprise Server (OES ) はサーバ オペレーティングシステム である。2005年3月にノベル (企業) よりNetWare の後継として発表された[ 1] 。
OESはNetWareとは違いLinuxディストリビューション ベースである。具体的に言うとOESはSUSE Linux Enterprise Server ベースである。Open Enterprise Serverの最初とその次までのメジャーリリースでは、Linuxカーネル (NetWare互換レイヤー と併用)とノベルのNetWareカーネル (Linux互換レイヤーと併用)のどちらでも起動可能であった[ 1] が、ノベルはOES 11のリリースからNetWareカーネル版を廃止した。
OES 1とOES 2
ノベルはOESの最初のバージョンとして、OES 1を2005年3月にリリースした[ 1] 。一部のユーザーはNetWareと後方互換 であることを望んでいたため、ノベルはOES-NetWareおよびOES-Linuxの2つのインストールオプションを提供した。OES-NetWareおよびOES-Linuxは、それぞれ異なるカーネルとユーザーランドを搭載した、別々のオペレーティングシステムである。
OES-NetWareは、様々なノベルのサービス(NetWare Core Protocol 、Novell eDirectory 、Novell Storage Service 、iPrint (英語版 ) など)やオープンソースソフトウェア (OpenSSH 、Apache Tomcat 、Apache HTTP Server など)向けNetWare Loadable Module (英語版 ) を搭載したNetWare v6.5である。
OES-LinuxはSUSE Linux Enterprise Server (SLES) にNetWareサービスであるNetWare Core Protocol、Novell eDirectory、Novell Storage Services、iPrintを搭載したバリエーションである。
2007年10月8日にOES 2がリリースされたが、OES-NetWare版は残された。OES 2のOES-NetWare版オペレーティングシステムであるNetWare 6.5 SP7は、Xen ハイパーバイザ の内部で準仮想化 ゲストとして実行可能であった。OES 2のOES-Linux版のSLESは、SLES 10にアップデートされた。
OES 2が搭載した機能は以下の通りである[ 2] :
OES 11
2011年12月13日、SLES 11 SP1 64-bitベースのOES 11がリリースされた。OES 11はOESで初めて64ビット版 (x86_64 ) およびSLESベース版のみのリリースとなった(32ビット版とNetWareベース版はリリースされなくなった)。
Macクライアント向けNovell Kanakaの導入
OES2より100倍高速でパッチを当てるZypperツールの採用
OES2からの自動/無人アップグレードの追加
より簡単なストレージ管理を提供する新型Novell Linux Volume Manager (NLVM)
2014年1月28日、ノベルはサービスパック としてOES 11 SP2をリリースした。
OES 2015
OES 2015には新しい機能が追加され、パフォーマンスが改善された[ 3] 。
OES 2015 SP1は2016年にリリースされた[ 3] 。
OES 2018
2017年12月にリリースされたOES 2018はSLES 12 SP2ベースである。
リリース概要
2005年3月にOESがリリース。NetWare 6.5 SP3ベース・SLES 9 SP1ベース。
OES SP1、2005年9月リリース。NetWare 6.5 SP4ベース・SLES 9 SP2ベース。
OES SP2、2006年1月リリース。NetWare 6.5 SP5ベース・SLES 9 SP3ベース。。
2007年10月8日、OES 2がリリース。NetWare 6.5 SP7ベース・SLES 10 SP1ベース。
2008年12月1日、OES 2 SP1がリリース[ 4] 。NetWare 6.5 SP8ベース・SLES 10 SP2ベース。
2009年11月11日、OES 2 SP2がリリース[ 4] 。SLES 10 SP3ベース。
2010年12月22日、OES 2 SP3がリリース[ 4] 。SLES 10 SP3ベース。
2011年12月13日、OES 11がリリース。SLES 11 SP1ベース(64ビット版のみ)。
2012年8月28日、OES 11 SP1がリリース[ 4] 。SLES 11 SP2ベース。
2014年1月28日、OES 11 SP2がリリース[ 4] 。SLES 11 SP3ベース。
2016年8月、OES 11 SP3がリリース。SLES 11 SP4ベース。
2015年8月、OES 2015がリリース[ 3] 。
2016年6月、OES 2015 SP1がリリース。SLES 11 SP2ベース。
2017年12月、OES 2018がリリース。SLES 12 SP2ベース。
2019年2月、OES 2018 SP1がリリース。SLES 12 SP3ベース。
End-Of-Supportスケジュール
OESバージョン
リリース日
サポート終了日[ 5]
LTSS終了日
サポート終了: 1
2005-03-01
?
?
サポート終了: 2
2007-10-08
2013-07-31
?
サポート終了: 11
2011-12-13
2017-06-13
?
サポート中: 2015
2015-08-31
2019-03-31
?
現行バージョン: 2018
2018-12-06
2022-12-28
?
凡例
サポート終了
サポート中
現行バージョン
最新プレビュー版
将来のリリース
コンポーネント
この節の
加筆 が望まれています。
(2018年6月 )
Client for Open Enterprise Server
Client for Open Enterprise Server (Client for OES) は OES2 以降の Windows 用クライアントソフトウェアである。かつては Novell Client for Windows と呼ばれていた。[ 6]
Client for OES は Windows とOESとの通信を NetWare Core Protocol (NCP ポート 524)によって実現する、唯一の手段である。 OES のサブスクリプションに含まれ、OES ユーザは、OES サポートポリシーにより、サポートを受けられる。
Windows ワークステーションのログインスクリプトを処理し、ローカルアカウントとネットワークアカウントの管理を行う。また Windows Explorer のシェルをOESのために拡張する。通信は NCP、ポート 524を使い、ログイン、ファイルトラスティ、ボリューム、SLPによるネットワークリソース検索などを NCP プロトコルによって管理する。
Windows が更新される都度、Windows 側の仕様変更に対応できるよう、ACUと呼ばれる自動クライアントアップデート機能がある。
Automatic Client Upgrade (ACU) - 既存のワークステーション上におけるノベルクライアントソフトウェアのアップグレードを自動化する[ 7] 。
マーケティング
ベンダーの動機
ノベルの幹部達は大半のアナリスト達[誰? ] と同様に、人気上昇中のOSにサービスを移植し、ハードウェアとソフトウェアベンダーのサポートを強化すれば、ノベルはビジネス効果を高める機会を得られるだろうと期待した。
OESは、以下の2つに対するノベルの反応である:
企業戦略と業界全般におけるLinuxとオープンソースの重要性の増大。
ノベルが市場シェアの多くを失ったという事実。これは、顧客がネットワーキングサービスの品質に不満を持っていたからではなく、ネットワーキングサービスが初期設計において狭義に特化されたOS上で独占的に実行されることがほとんどで、さらに大半の競合他社のようにISV の強力なサポートを得られなかったことが理由の大半であった。
ライセンスコスト
ライセンスコストはプラットフォームに関係なく同一であり、同一ライセンスの下ではプラットフォームを混在させてもよい。OESはノベルの他の製品と同様に、サーバの数に関係なく、ユーザー毎にライセンスが与えられる。価格設定は通常、物理CPUてあってもハードウェア仮想化技術(例えばVMware 、Xen )の使用であっても変わることはない。NetWareとOESには、共にNovell Cluster Services用の2ノードライセンスが含まれているため、追加のライセンス料金なしで基本的なクラスタ環境を作成できる。
OESと比べると、Microsoft Windows はサーバごとやクライアントごとに課金され、大きなSMP サポートとクラスタリングには追加料金がかかる。
関連項目
脚注
外部リンク
参考文献
Harris, Jeffrey; Mike Latimer (2005). Novell Open Enterprise Server Administrator's Handbook, SUSE LINUX Edition . Novell Press . ISBN 978-0-672-32749-0
Harris, Jeffrey (2005). Novell Open Enterprise Server Administrator's Handbook, NetWare Edition . Novell Press . ISBN 978-0-672-32748-3
Bastiaansen, Rob; Sander van Vugt (2006). Novell Cluster Services for Linux and NetWare . Novell Press . ISBN 978-0-672-32845-9
Hughes, Jeffrey (2005). Novell's Guide to Open Enterprise Server Networks . Novell Press . ISBN 978-0-7897-3196-8
Williams, Jason; Peter Clegg; Emmett Dulaney (2005). Expanding Choice: Moving to Linux and Open Source with Novell Open Enterprise Server . Novell Press . ISBN 978-0-672-32722-3
Simpson, Ted (2006). Hands-On Novell Open Enterprise Server for Netware and Linux . Course Technology. ISBN 978-1-4188-3531-6
van Vugt, Sander (2005). Pro Novell Open Enterprise Server . Apress . ISBN 978-1-59059-483-4
Tomkinson, Larry (2009). Upgrading to OES2 Planning and Implementation Guide . Novell. http://www.novell.com/documentation/oes2/upgrade_to_oes_lx/?page=/documentation/oes2/upgrade_to_oes_lx/data/front.html
“Novell Open Enterprise Server 11 Authorized Beta ” (5 April 2011). 28 July 2011 閲覧。