青山 ミチ（あおやま みち、本名: 八木 フサ子〈やぎ ふさこ〉[1]、1949年〈昭和24年〉2月7日 - 2017年〈平成29年〉1月[1]）は、日本の元ポップ、ロック歌手。
代表曲に「涙の太陽」「ミッチー音頭」「叱らないで」「恋のゴーカート」「恋はスバヤク」などがある。
人物・来歴
『週刊アサヒ芸能』1966年12月18日号の新聞広告
神奈川県横浜市出身。父親が在日米軍のアメリカ人兵（黒人と報じられることもあったが菊地史彦は白人と断定している[2]）で母親が日本人（八木キミ子）。横浜中華街でバーを営んでいた母は育児のいとまがなく祖母に任せた。若いころ長唄などを習った経験を有する祖母は歌謡曲のファンであったので、歌の本を買い与えたりしたという。
1962年（昭和37年）3月、横浜のジャズ喫茶「テネシー」で素人ジャズコンテストがあり、祖母の同伴のもとこのコンテストに出場したところ３位で入賞した。このときコンテストを主催したプロダクション、エコープロの社長に「一位、二位と比べると日本人では出せない強烈なパンチをもっている」と見いだされ同プロから芸能界デビューを果たす。中学二年進級後夏休み中に「青山ミチ」の芸名を与えられ、『歌のカルテ』（NETテレビ）、『明治屋マイ・マイ・ショー』（フジテレビ）に出演、同年9月1日にはポリドール・レコード（日本グラモフォン、現・ユニバーサル ミュージック）と専属契約を結ぶ[3]。契約直後ジャズ喫茶「新宿ＡＣＢ」のステージで「カモナ・ダンス」を歌ったが、このときのライブ録音が同年12月発売のオムニバスＬＰ「かっこいい十人」に収録されている。
単独でのレコードデビューは1962年（昭和37年）の「ひとりぼっちで想うこと」。当時は13歳で横浜市立港中学校の2年生だったが既に身長160センチメートル（cm）、バスト93cm、ヒップ90cmに達していた[4]。
パワフルでパンチのある唄声で「ミッチー」の愛称で親しまれ、ジャンニ・モランディの曲をカバーした「恋のゴーカート」や、やはりカバー曲の「恋はスバヤク」などを発表した。また、1963年（昭和38年）には「ミッチー音頭」が、1965年（昭和40年）には、エミー・ジャクソンと競作となった「涙の太陽」が小ヒットした。1960年代後半には生き別れたアメリカ人の父親を捜そうとしてニュースにもなっている。
「風吹く丘で」の発売を控えた1966年（昭和41年）11月に覚醒剤で逮捕され、レコードの発売がお蔵入りとなる（後に「亜麻色の髪の乙女」に改題され、ヴィレッジ・シンガーズでヒット・後年、島谷ひとみによるカバーでもヒットした）。その後日本クラウンに移籍し活動を再開。1968年（昭和44年）には「叱らないで」を発表した。
1974年（昭和49年）3月に万引きで現行犯逮捕。当時はキャバレーの歌の営業で、月200万円ほどの収入があったとも報道された。1978年（昭和53年）10月には再び覚醒剤で逮捕され、芸能界から追放状態となる。その後、1999年にも3度目の覚醒剤による逮捕で実刑判決を受け、表舞台から完全に姿を消した。
その後は長らく消息不明だったが、娘と2人で生活保護を受けながら暮らしていることがテレビ番組『あの人は今!?』の調査で判明した。また、アメリカに父方の彼女の異父姉妹に当たる姉がおり、2009年（平成21年）に妹のミチを捜し続けて、彼女の情報提供を呼びかけていた[5]。
2017年（平成29年）1月、急性肺炎のため神奈川県横須賀市の自宅で死去。1月25日に親族が自宅を訪れたところ死亡しているのが発見された[6]。67歳没[1]。
ディスコグラフィ
シングル
ポリドール（日本グラモフォン）時代
| 発売日 |
規格品番
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タイトル（A面） |
タイトル（B面） |
備考
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| 1962年10月1日 |
DJ-1270
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ひとりぼっちで想うこと |
ヴァケイション（英語版） |
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| 1962年12月1日 |
DJ-1277
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涙の砂丘 |
レインボー・ガール |
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| 1963年1月10日 |
DJ-1287
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星空の道 |
わたしの願い |
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| 1963年1月25日 |
DJ-1298
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若い樹々 |
涙のシャボン玉 |
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| 1963年5月 |
DJ-1324
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ひとつの花が咲く時に |
淋しいときには |
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| 1963年5月 |
DJ-1334
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ミッチー音頭 |
いたずらなミッチー |
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| 1963年7月1日 |
DJ-1367
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恋のゴーカート |
夜がいっぱい |
A面：ジャンニ・モランディ（イタリア語版、英語版）の日本語カバー。
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| 1963年9月 |
DJ-1381
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東京こんちわ |
遠い道 |
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| 1963年10月 |
DJ-1382
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ミッチー・マーチ |
おとなはきらい |
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| 1963年11月 |
DJ-1394
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ABCからZまで |
スポーツカーでぶっ飛ばせ |
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| 1963年12月 |
DJ-1405
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いろはにほへと |
恋は陽気に朗らかに |
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| 1964年3月 |
DJ-1422
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ヨコハマ・ブルース |
ジャンケン・ポン |
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| 1964年4月 |
DJ-1444
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恋はスバヤク |
シャムネコ天使 |
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| 1964年7月 |
SDR-1001
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ボクは特急の機関手で |
ミッチーの風船旅行 |
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| 1964年9月 |
SDR-1018
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恋のピーラッタ |
ワンペンルックでレッツゴー |
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| 1964年10月1日 |
SDR-1036
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夢の超特急 |
ロマンス超特急 |
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| 1964年12月 |
SDR-1046
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波止場キット |
前向き横向き後向き |
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| 1965年2月 |
SDR-1065
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ムズムズ |
まかり出ました女の子 |
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| 1965年3月 |
SDR-1073
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世界の恋は君のもの |
L-O-V-E |
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| 1965年5月25日 |
SDR-1114
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涙の太陽 |
憧れはいつも心に |
A面：エミー・ジャクソン（1965年4月）の日本語カバー。のちに安西マリアや田中美奈子、メロン記念日がカバーしたのは当バージョンである。
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| 1965年6月 |
SDR-1100
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太陽の恋 GO-GO |
野良犬のブルース |
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| 1965年8月 |
SDR-1122
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レットキス |
すてきなジェンカ |
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| 1966年3月 |
SDR-1169
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太陽が沈むとき |
素敵なあなた |
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| 1966年7月 |
SDR-1204
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ワン・ナイト・ワン・キス |
ロンリー・ガール |
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| 1966年11月1日 |
SDR-1234
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風吹く丘で |
銀のイニシアル |
未発売。A面：のちにタイトル・アレンジを変えて「亜麻色の髪の乙女」（ヴィレッジ・シンガーズ）が発表。
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クラウン時代
| 発売日 |
規格品番
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タイトル（A面） |
タイトル（B面） |
備考
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| 1966年12月1日 |
CW-590
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情熱の波止場 |
青いシャンデリア |
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| 1967年4月1日 |
CW-641
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男ブルース |
女ブルース |
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| 1967年6月1日 |
CW-660
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太陽と遊ぼう |
淋しさでいっぱい |
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| 1967年9月1日 |
CW-707
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マンハッタン・ブルース |
雨の日の待ちぼうけ |
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| 1967年12月1日 |
CW-765
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港ブルース |
しかたないのよ |
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| 1968年2月1日 |
CW-776
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叱らないで |
女と酒 |
オリコン最高位67位、売上2．9万枚
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| 1968年6月1日 |
CW-822
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俺のブルース |
恋の芽ばえ |
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| 1969年2月10日 |
PW-51
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泣く女 |
女なの… |
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| 1970年2月1日 |
PW-85
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命のかたみ |
女の涙 |
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| 1970年6月1日 |
PW-94
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おもちゃの女 |
夜がふりかえる |
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| 1970年9月25日 |
PW-96
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雨の夜の恋は終った |
恋のブルース |
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| 1971年4月25日 |
CW-1141
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或る女の人生 |
身の上のブルース |
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| 1972年5月20日 |
CW-1239
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むらさきの京都 |
湖のバラード |
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| 1975年9月25日 |
CW-5044
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叱らないで |
マンハッタン・ブルース |
再発。ベストカップルシリーズ
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ソノシート
- 『まんがNo.1』付属ソノシートとして発表[8]。東京12チャンネル（現：テレビ東京）『私がつくった番組 マイテレビジョン』の「赤塚不二夫の『激情No1』」の回に青山ミチが出演しこの曲を歌っている[7]。
主な出演
映画
テレビドラマ
脚注
関連項目
