電波概説電磁波の存在を初めて実証したハインリヒ・ヘルツは著書『Electric Waves』(1893年)の中で、電磁波を「Electromagnetics wave in air(空中の電磁波)」と「The propagation of electric Waves bymeans of wire(線上の電磁波)」に区別しており、電波に関する国際機関ITU-Rにおけるradio waveの定義も
とあるように、「人工的なガイドなしで空中を伝搬する電磁波」であることを明確化している[3]。 用途電波の用途としては、次のようなものを挙げることができる。 歴史1864年にジェームズ・クラーク・マクスウェルは「光は波の姿をした電磁散乱である」と予測した。それから13年後の1887年にハインリッヒ・ヘルツがマクスウェルの方程式から光よりも周波数の低い電磁波(電波)の姿を推測し、電磁波の発生と検出を可能とする実験機器を考案制作してその存在を実証した[3]。 今日、電波は英語では"Radio wave"もしくは"Hertzian wave"と呼ばれており、"Radio"と略して呼ばれる場合もある[3]。CCIR(現在のITU-R)の基金が設立された1927年に世界的な公用語として定着した。一方、1904年にイギリスの郵便局が無線電信をRadioと称したことから、Radioは空間に適した周波数帯の電磁波を使用して情報を搬送する技術・機器・システムを指す語として一般に使われるようになった[3]。 日本語の「電波」という訳語は明治26年(1893年)に逓信省技師の伊藤潔が著した『電気訳語集』が初出と考えられる[3]。『電気訳語集』では、"Electric wave"の訳として「電波」を充てている。その後「電波」の用例は増えていったが、大正4年(1929年)の無線電信法には「電波」の文字はない。昭和25年(1950年)に制定された電波法によって現代の「電波」が公用語として定義された[3]。 電波における電磁スペクトル→「電磁スペクトル」および「電波の周波数による分類」も参照
周波数と対応する波長によって電波は以下の周波数帯に分割される。
日本での規定質の規定電波法第28条に「送信設備に使用する電波の周波数の偏差及び幅、高調波の強度等電波の質は、総務省令で定めるところに適合するものでなければならない。」と規定している。これを受けた無線設備規則には、第1章総則第2節電波の質として、第5条から第7条に「周波数の許容偏差」、「占有周波数帯幅の許容値」、「スプリアス発射又は不要発射の強度の許容値」があり、具体的な値は別表第1号から第3号に規定するものとしている。 広域使用電波という線引き電波法第103条の2第2項に「広範囲の地域において同一の者により相当数開設される無線局に専ら使用させることを目的として別表第7の上欄に掲げる区域を単位として総務大臣が指定する周波数(6000MHz以下のものに限る。)の電波」と規定している。 広域使用電波の指定は、電波法施行規則第51条の9の9に「総務大臣が別に告示により行うものとする。」とされ、この規定に基づき告示[4]される。 この規定は、電波利用料の算定に際し、電波の経済的価値に応じて負担する考え方を導入したもの[5]で、携帯電話など特定無線局として包括免許されるものについて適用され、使用する周波数幅に応じて増減される。当初[6]の上限は3000MHz以下であったが後に[7]6000MHz以下となった。なお、導入の検討時から「広域専用電波」という文言が使用され、電波法改正後でもこの語を使用した記事があるが、これは誤字である。 脚注
関連項目
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