公益社団法人落語芸術協会(らくごげいじゅつきょうかい)は、東京の落語家・講談師などが組織する公益社団法人。1977年まで「日本芸術協会」の名称であった。略称は「芸協」。東京の落語家だけでなく、上方落語家の笑福亭鶴光や提携団体の日本講談協会所属の講談師も多数加入している。五代目古今亭今輔、四代目柳亭痴楽、五代目春風亭柳昇、四代目桂米丸など新作落語の大家を多数輩出して長年「古典の協会、新作の芸協」と称されたが、現在は古典落語の演者も多く所属している。
興行
- 奇数月上席(かみせき)1日 - 10日 新宿末廣亭・池袋演芸場・お江戸上野広小路亭※初席、5月大型連休
- 奇数月中席(なかせき)11日 - 20日 浅草演芸ホール・上野広小路亭(15日まで)※二の席
- 奇数月下席(しもせき)21日 - 30日 新宿 ※新宿のみの興行となる
- 偶数月上席(かみせき)1日 - 10日 浅草・上野広小路亭
- 偶数月中席(なかせき)11日 - 20日 新宿・池袋・上野広小路亭(15日まで)※お盆興行
- 偶数月下席(しもせき)21日 - 30日 浅草 ※浅草のみの興行となる
ほかに、上席・中席は国立演芸場、下席はお江戸日本橋亭で定席興行がある。
2002年2月から浅草と池袋は5日制興行となり、前半5日間と後半5日間で演者が入れ替わる。ゴールデンウィークにあたる新宿末廣亭五月上席は、真打昇進披露興行が多く組まれるが例外もある[注釈 1]。
1984年9月に、江戸定席の一つである上野鈴本演芸場と番組編成を巡る確執から絶縁し、以来定席興行は組まれていない(経緯)。代替として近隣のお江戸上野広小路亭[注釈 2]で定席興行を行っている。
このほか、2018年4月に開場した仙台・花座で毎月10日間(上席5日、下席5日)の定席興行を行っている(後述)ほか、青森県弘前市に開場した弘前かだれ劇場で毎月実施されている「わどなんど寄席」が2024年11月から落語芸術協会主催の定席興行(共催:一般社団法人弘前芸術鑑賞会、毎月12・13日および26・27日の1日2回興行)に位置付けられている[1][2]。
月例の興行として、お江戸上野広小路亭の「しのばず寄席」と、お江戸日本橋亭[注釈 2]の「お江戸寄席」に、「多流寄席」として協会員を参加させている。
各月下席は一つの寄席でのみ興行する。落語協会に比べて客入りが悪く、定席側から他団体との合流提案が出たこともあった[3]。
定席番組は協会員以外の落語家・芸人が顔付けされる機会が多く、特に新宿末廣亭の番組編成ではほぼ毎回にわたり円楽一門会、上方落語協会、落語立川流のいずれかから日替わりで顔付けされることが恒例となっている。正月初席を含めた一部の特別興行を除く。
- 五代目円楽一門会:生前に協会客員となっていた六代目三遊亭円楽以外に、三遊亭兼好、三遊亭王楽、三遊亭萬橘が2018年以降末廣亭の興行の交互枠に常時出演している他、代演・ゲスト出演として中堅〜若手の真打が顔付けされることがある。中でも萬橘はイレギュラーな形ではあったが芸協の興行で(形式的に)主任を務めたことがあった(本人記事参照)。2022年9月末に円楽が死去したが、一周忌を終えた2023年12月現在、円楽一門会の交互出演は継続している。
- 落語立川流:正式な客員ではないが準レギュラーの出演が多い立川談之助(毎年浅草演芸ホール8月下席の「禁演落語」は常連出演者となっている)、さらに二ツ目ではあるが、若手芸人ユニットである「ソーゾーシー」に参加している立川吉笑などが出演している。
- 上方落語協会と本協会に所属する笑福亭鶴光のほかに、上方から数名が顔付けされることがあり[注釈 3]、会長の笑福亭仁智ほか重鎮クラスも年1回程度、芸協の定席に出演することが恒例となっている。池袋演芸場の番組でも年1回程度顔付けされている。
- 正式に提携していないが、日本浪曲協会所属の浪曲師も不定期ながら顔付けされる機会が増えつつあった。かねてから芸協に所属している玉川太福のほか、玉川奈々福、三代目広沢菊春、国本はる乃が出演していた[注釈 4]が、2024年5月よりこの3人も正式に芸協に入会している[注釈 5]。
- 芸協所属外の色物の芸人も顔付けされることがあり、山田邦子(漫談)、漫才協会所属のエルシャラカーニ、ハマカーン、青空ピー助・プー子、はまこ・テラこ(いずれも漫才)などが不定期ながら定席番組に顔付けされている[注釈 6]。
歴代会長
設立以来最初の44年間は創設者・六代目春風亭柳橋が一貫して会長を続けた。柳橋退任後は、第2代副会長であった二代目桂小文治の弟子・孫弟子の系統(小文治一門)が4代連続で会長に就任した。この記録も、第5代会長・桂歌丸の死去まで約44年間続いている。小文治一門出身の会長のうち、第3代会長・四代目桂米丸を除く全員が任期中の死去による会長退任である(十代目桂文治は任期満了日の当日に死去)。
歌丸の死去による後任会長人事は、2019年6月の役員改選まで会長職を空席とし、小遊三会長代行のまま現体制を維持することが明らかにされていた[4]。2019年3月の理事会で春風亭昇太が第6代会長に就任することが内定したと報じられ[5]、6月27日の総会と理事会で正式に昇太の会長就任が承認された[6]。
役員
2021年6月25日改選[7]
会長
副会長
理事
監事
参与
参事
相談役
沿革
設立までの経緯
芸術協会の設立は吉本興業などが関わっている。
落語家の柳家金語楼は、「兵隊」という既存の落語に突発事項を発端として独自演出を加えて人気を博すと、開局したばかりのNHKから出演依頼があった。ラジオで演芸を聴くと客が寄席に来なくなることを危惧し、大阪と東京の寄席経営者はラジオ放送を敵視して相互に協定を結び、放送に出演する芸人を拒否することにした。人気絶頂の金語楼が敢然とNHKに出演すると、寄席経営者は金語楼の各寄席への出演を禁じ、抜け駆けを防ぐために金語楼を出演させた寄席に罰則や罰金を課し、ラジオと寄席への対立から金語楼一門は上がる寄席を失い、単独で興行を打つことを余儀なくされた。
大阪でほぼすべての寄席を所有していた吉本興業は、所属芸人に放送への出演を禁じたが、初代桂春團治は破った。吉本のおもな芸人はみな会社に多額の借金を負う計算にされており、借金を取り立てる名目で吉本が春團治宅の家財を差し押さえた経緯は、俗に赤紙口封じ事件として知られる。
吉本興業は東京へ進出すると、売れっ子ながら寄席に上がれない金語楼に強い関心を寄せた。既存の寄席では野心を持つ神楽坂演芸場や千葉博巳席亭が現れ、意を同じくする吉本興業と千葉博巳は合同して金語楼に新しい協会を作らせた。春團治と金語楼はともに寄席の意向に反して行動したが、春團治の生活を破壊した吉本は金語楼に手を伸べた。
六代目春風亭柳橋は落語睦会に所属して若手の三代目春風亭柳好、二代目桂小文治、八代目桂文楽らとともに「睦の四天王」と称されたが、「この先どこまで上手くなるのだろう」と一人抜けて人気が高まり、千葉博巳は注目していた。
金語楼と柳橋は共に子供でプロ落語家になった「子方」だが、金語楼は初代柳家三語楼一門に転ずるまで三遊派で、柳橋は柳派保守本流であり両人はほとんど面識がなく、吉本と千葉が2人を引き合わせて2人で新協会を作ることに同意させた。新協会設立に際して落語睦会から柳橋を借り出すことになり、吉本と千葉は会長の五代目柳亭左楽に了解を求めに行くと、左楽は了承の条件として金銭的解決を提案した。左楽は「金語楼から金額は不明だが月々の小遣い銭を貰う」と人気絶頂の金語楼に全く問題のない条件を提示し、左楽と柳橋は良好な関係を保ったまま柳橋に新協会を作らせることができた。左楽は「睦会がダメになったらあたしもそっちの(新)協会に行くから」と軽口を言って笑わせたが、のちに現実となった。
この計画の趣旨は「金語楼に協会を作らせること」であった。金語楼の人気は柳橋よりも圧倒的に上まわっていたが、金語楼は自分が副会長に下がり柳橋を会長にする案を出した。これは金語楼一流の処世術で、金語楼嫡子の山下武は戦後の「東京喜劇人協会」設立時に金語楼が自ら初代副会長に引いたことと同じとしている。柳橋は金語楼よりも真打になった時期が早く落語家として序列が上で、年齢も柳橋が年長であるため、柳橋も異論はなく「31歳の会長」が誕生した。
「寄席は落語という芸術、講談芸術、漫才芸術、漫談芸術、ものまね芸術などさまざまな芸術を総合的に実演する」と解釈した金語楼と柳橋は「日本芸術協会」と命名した。
神保町「神田花月」など東京に複数存在した吉本興業の寄席と神楽坂演芸場のほか、麻布十番倶楽部などで興行を打った。
金語楼は1年後別行動をとり、正式に吉本興業と専属契約を結んで吉本の芸人となり、吉本の大阪も含む全芸人の中で最高の待遇を受けた。
年表
- 2011年4月1日 - 内閣府からの認可を受け、公益社団法人へ移行。これに伴い、社団法人落語芸術協会より、公益社団法人落語芸術協会に改称。
- 2014年 - 鏡味健二郎、東京太、神田松鯉が参与。
- 2015年1月 - 落語立川流を離脱した立川談幸一門が入会(談幸は真打の身分だが、2年間は「準会員」として入会。二つ目2名は改めて前座修行を課す)。
- 2015年 - 柳亭楽輔、瀧川鯉昇が理事、柳家蝠丸が監事。
- 2016年 - 柳家蝠丸、桂竹丸、春風亭柳橋、桂文治が理事。三代目山遊亭金太郎、三遊亭遊吉が監事に。
- 2017年6月27日 - 円楽一門会所属の六代目三遊亭円楽が客員真打として入会。
- 2018年6月15日 - 三遊亭小遊三が副会長在職のまま、会長代行に就任[12]。
- 2018年7月2日 - 桂歌丸会長死去[13]。当面の間は会長職は空席とし、会長代行の小遊三を中心とした合議体制で翌年6月まで現体制を続けることを表明する[14]。
- 2018年8月 - 理事会において、前座の定員を30名とし、新規弟子入りは35歳までとする制限の実施を決定[15]。
- 2019年1月21日 - 三重県伊勢市との間で、市内での寄席形式の落語会の定期開催や観光振興策などの提言を含んだ「文化鑑賞機会の拡大に関する協定」を締結[16]。これを受けて、11月19日・20日にいせトピアで「伊勢おかげ寄席(第1回)」が開催された[17]。
- 2019年5月26日 - 前年まで9月最終日曜日に実施していた「芸協らくごまつり」を、この年から5月最終日曜日に移動して開催(台風シーズンや残暑などを考慮)。
- 2019年6月27日 - 春風亭昇太が会長に就任。副会長・八代目春風亭柳橋[6]。
- 2019年7月 - 講談・三代目神田松鯉が落語芸術協会所属者としては初の重要無形文化財の保持者(いわゆる人間国宝)認定。
- 2020年4月6日 - 新型コロナウイルス感染症拡大による影響のため、5月に新宿末廣亭から予定していた昔昔亭A太郎・瀧川鯉八・桂伸三 改メ 桂伸衛門の真打昇進披露興行の秋以降への延期と、5月24日に芸能花伝舎で開催予定だった「第14回芸協らくごまつり」(実行委員長・瀧川鯉朝)を中止することを決定した。[18][19]
- 2020年5月24日 - この日開催予定だった芸協らくごまつりの中止を受けて、協会所属芸人の企画・配信により「ネット芸協らくごまつり」を開催。特設サイトを開設、所属芸人の電話リレーなどのYouTubeによる生配信、関連動画の一斉公開などが行われた(2021・2022年も同様に無観客オンラインで実施)[20]。
- 2020年8月15日 - 5月より休止となった新宿末廣亭の深夜寄席の代替企画として、この日の21:30より落語芸術協会Youtubeチャンネルで二ツ目が出演する「俺たちの深夜」を生配信スタート。初回出演者は春風亭昇々・桂竹千代・柳亭信楽。
- 2020年8月21日 - 「俺たちの深夜」と同じく新宿末廣亭で行われていた「五派で深夜」を「オンライン五派で深夜」としてYouTubeチャンネルで配信開始したが、初回は回線不良のため高座の生配信を断念して短時間のトークのみを配信。29日より録画・編集されたものを改めて配信した。初回出演者は柳亭市童(落語協会)、春風亭昇羊(落語芸術協会)、三遊亭好吉(五代目円楽一門会)、立川志ら鈴(落語立川流)、桂ぽんぽ娘(上方落語協会)。
- 2020年10月11日 - この日から、同年5月から予定されて延期となっていた昔昔亭A太郎・瀧川鯉八・桂伸衛門の真打昇進披露が新宿末廣亭よりスタートした。なお、この日は協会が「日本芸術協会」として発足してちょうど90年目にあたる[21]。
- 2020年12月10日 - 三井住友信託銀行と「遺贈希望者に対する遺言信託業務の紹介に関する協定書」を締結[22]。
- 2021年2月11日 - 桂宮治真打昇進披露興行がこの日の新宿末廣亭を皮切りに始まる。落語芸術協会の落語家[注釈 7]としては、現会長の春風亭昇太以来29年ぶりの抜擢真打[23]。
- 2021年4月28日 - 4月25日に発出された3回目の緊急事態宣言に対し、都内寄席は引き続き感染防止策を続けた上の営業を決めていたが、都の要請を受け5月1日から11日まで休業を決定。それを受け、5月1日から新宿末廣亭を皮切りに予定していた三遊亭小笑・春風亭昇々・春風亭昇吉・笑福亭羽光の真打昇進披露興行を6月11日スタートに延期、振替開催することを発表した[24]。
- 2021年5月23日 - 「ネットde芸協らくごまつり ~おんらいんでありんす」をYouTube上で開催。実行委員長・瀧川鯉朝、メインビジュアル・みなもと太郎。
- 2021年5月18日~6月30日 - コロナ禍の緊急事態宣言下で休業・営業時間宣言等を繰り返し、営業危機に陥った東京の寄席定席(鈴本演芸場・新宿末広亭・浅草演芸ホール・池袋演芸場・お江戸上野広小路亭)を救うために、落語協会と合同で寄席支援プロジェクトのクラウドファンディング「寄席の危機に想いを寄せて」(運営:READYFOR)を立ち上げる。プロジェクトは、開始4日目の5月21日に第一目標の5,000万円を突破、第二目標の8,000万円も6月14日に達成。最終日の6月30日には支援者7,149人、支援金額103,770,000円という規模となり、手数料等を差し引いて分割された金額が各寄席に興行運営費として贈呈された[25]。
- 2021年7月28日 - 北海道内における芸術文化及び伝統芸能を広く普及し落語会やワークショップなどの事業を積極的に推進してゆくため、公益財団法人北海道文化財団との協定を調印・締結。当日、かでる2・7で「『北芸亭』春風亭昇太の落語会」が開かれた[26][27]。
- 2022年1月19日 - 協会会長で浅草演芸ホール正月二之席の昼の部主任であった春風亭昇太の新型コロナウイルス陽性が判明(18日より休演していた)。演芸ホールは、同日夜の部および翌20日の昼夜興行を中止。館内の消毒作業ののち、21日から興行を再開。
- 2023年5月21日 - 新型コロナウイルス感染拡大により、2020年以降オンラインで実施していた「芸協らくごまつり」を有観客イベントで再開(オンライン配信イベントも併催)[28]。
- 2024年5月 - 前年から芸協の定席興行に客演していた日本浪曲協会所属の玉川奈々福、三代目広沢菊春、国本はる乃の浪曲師3名が正会員として入会。既に入会している玉川太福と2名の弟子(前座)を含めて、芸協所属(日浪協にも引き続き所属)の浪曲師が6名に増員する。
- 2024年8月1日 - 三代目会長で最高顧問であった四代目桂米丸が老衰のため、99歳で死去した。
- 2024年11月 - 青森県弘前市の弘前かだれ劇場で行われている「わどなんど寄席」が、文化庁・独立行政法人日本芸術文化振興会の助成を受ける形で、落語芸術協会主催興行(毎月12・13および26・27日の1日2回興行)となる。
所属会員
香盤順。[29][30]
落語
真打
原則として、真打に昇進した順で香盤に列せられている。ただし、既に真打に昇進していた落語協会から移籍の三遊亭遊雀については、入会日の時点で真打の香盤最後尾に列せられている。また、2015年1月に準会員として入会した立川談幸(その後、2017年1月に正会員となる[31])は当初は香盤上別枠であったが、2019年6月頃に2016年と2017年の真打昇進者の間に列せられた。三遊亭円楽は生前「客員」として別枠扱いとなっていた。
上方落語協会と両方に所属している鶴光は「真打(上方)」という、特殊な階級で香盤に配されている(芸協公式サイトでは別枠での記載だが、東京かわら版刊の『寄席演芸家名鑑シリーズ』では通常の香盤で掲載されている)。ただし、芸協に所属する鶴光の弟子は通常の香盤で扱われている[注釈 8]。
2020年6月頃からは、一部の落語家が「会友」として別枠で記載されている[注釈 9]。高齢や病気などにより定期的な高座での活動が難しい落語家がこの枠に配されている[32]。
会友
二ツ目
前座
前座は楽屋入りからプロフィール掲載まで時間差があり、公演スケジュール[34]にのみ掲載されているケースもあり、またSNSの投稿などで楽屋入りした事実が判明することもある[35]。※印は公演スケジュールのみに記載。
近年、入門志願者が増加しているため、芸協においては2018年8月の理事会で入門制限を行うことを決定している。具体的には前座の定員は30人(講談師・色物の前座も含む)として、弟子入りの際の年齢は35歳までとする。現在の前座が二ツ目に昇進し、空きが出た分だけ、楽屋入りが許されるとしている[15]。
系図
- 真打は太字、前座は小文字で示した。
- †印は物故者、名跡の後の数字は代数を表す。物故者については公式サイトの記載がある者または系図上必要な者について記載。
色物
()内に役職のほか、芸種を示す。芸種は公式サイトの記述による。
近年、色物芸種での入会者が増加傾向であり、代演などで芸協の高座に上がっていた芸人が後に入会するパターンが続いている(コント山口君と竹田君、藤本芝裕、松廼家八好、坂本頼光、新宿カウボーイ、母心など)。
一方で太神楽曲芸、音曲、紙切り芸人のように色物として入門したばかりの見習いも師匠の方針により、落語家・講談師の前座とともに寄席での前座修行を行うことがある(ただし、落語家・講談師の前座修行と異なり、1年程度で独り立ちとなる)。
講談
芸協においては、講談師は、前座修行を芸協で行った者のみが落語家と同様の香盤に入り、真打昇進後に入会した者は色物として扱うこととなっていたが、2019年12月頃より、公式サイトのプロフィールページにおいて、講談師の項目が別項に移行した。これにより、真打・二ツ目・前座の落語家の香盤と色物にまたがっていた香盤が一本化された。講談師の部の中において真打・二ツ目・前座の区別がなされており、従来「色物」だった講談師は「真打」に改められた。入会から長期間経過している松鯉ら4名は、従前より真打だった山陽らより真打昇進順に上位に列せられたが、2019年入会の阿久鯉(真打)、2020年入会の紅佳(二ツ目)はそれぞれ通常の香盤と別枠となっている。
なお、ひまわりは講談師であるが、現在でも落語家の香盤に含められている。
真打
二ツ目
前座
- 神田紅希
- 神田梅之丞
- 神田青之丞
- 神田若之丞
- 神田松樹
浪曲
浪曲師はかつては芸協ホームページ内のプロフィールで「色物」内に記載されていたが、2024年9月に分離して「浪曲」として別枠に移行した。
前座
客員
また、五代目円楽一門会所属の6代目三遊亭円楽[39]も客員であったが、2022年に死去した。
おはやし
古田尚美、滝沢仁美、福岡民江、稲葉千秋、成田みち子、足立奈保、木本惠子、清水登美、井手窪泉、舩窪舞子、芦田由莉子、早見莉沙
仙台事務所
落語芸術協会仙台事務所[40]に所属する芸人[41]。
この他、東北を拠点に活動する芸人と多く業務提携を結び、また、芸協や漫才協会等と提携し東京から芸人を派遣している。
2011年7月に協会初の地方事務所として開設。2018年4月、宮城県仙台市青葉区の繁華街に常設の寄席「花座」が開場。同館の名誉館長に桂歌丸が就任し、芸協が毎月1~5日および21~25日に10日間の定席興行を行う事となった[42]。
関連項目
芸協関連商品
- 芸協らくごまつり(DVD3枚組BOX)…創立80周年記念DVD Vol.1-3&DVD BOX(2010年)
注釈
- ^ 近年の例では、特に単独または抜擢による真打昇進(三代目柳亭小痴楽、六代目神田伯山、桂宮治など)では五月に限らず昇進披露興行が行われている。
- ^ a b 永谷商事所有の演芸場
- ^ これには上方の落語家との親交がある瀧川鯉朝、十一代目桂文治などの尽力が大きい。特に文治が主任を務める定席興行においては、上方落語協会所属の落語家が日替わりで1名ゲストが顔付けされることが定番化している。
- ^ 主に六代目神田伯山主任の定席興行で顔付けされる機会が多い。
- ^ 芸協入会にあたり、太福は春風亭昇太門下、奈々福は瀧川鯉昇門下、菊春は三笑亭夢太朗門下、はる乃は桂小文治門下のそれぞれ内輪として加わっている。
- ^ 桂竹丸主任の興行では山田邦子のほか、松村邦洋、山田雅人などが常連出演者として顔付けされているほか、入門前は漫才師・コント芸人出身の笑福亭羽光、春風亭昇也などが主任を務める際に、中堅クラスの芸人が顔付けされることが増えている。このほか2024年は、5月上席の浅草演芸ホール興行で活動写真弁士の片岡一郎、7月下席の神田伯山・三遊亭遊雀が主任となった新宿末廣亭の興行で実況アナウンサーの清野茂樹が顔付けされるなど、新たな試みも見られる。
- ^ 芸協所属の講談師では2020年2月に神田松之丞改メ六代目神田伯山が抜擢真打となっている。
- ^ 鶴光の筆頭弟子である笑福亭学光は、師匠の東京進出後も大阪を拠点としているために上方落語協会に所属しており、現役の弟子の中では唯一落語芸術協会非加入となっている。
- ^ 2020年の香盤整理で「会友」に移行したのが、柳家金三、三遊亭圓太(2023年12月死去)、三遊亭遊朝、三遊亭小圓右、三遊亭左遊(2022年11月死去)の5名。その後、三遊亭扇馬が2023年に「会友」に移行している。
- ^ やなぎ南玉(曲独楽)門下。実父は三遊亭右左喜、実兄は林家喜之輔[36]。
- ^ 師匠であった10代目文治の死去以降、伸治門下であったが、現在は破門されているため、便宜上こちらに表記する。
- ^ 師匠であった圓の死去以降、5代目圓馬門下であったが、現在は破門されているため、便宜上こちらに表記する。
- ^ a b 北見伸が立ち上げた女性マジシャンユニット。芸協のサイトではユニットとしてのプロフィールページも設けられている。メンバーはナナ、ポロンの他にプチ☆レディーがいるが芸協正会員ではなくプロフィールは掲載されていない(高座に上がることはある)。
- ^ 元Wモアモア。2020年にコンビを解散(2022年に元相方の東城しんが死去)しているが、協会ホームページの協会プロフィール上は「漫才」で表記されている。
- ^ 元東京丸・京平。2021年に相方の京丸が死去しているが、協会ホームページのプロフィール上は「漫才」で表記されている。
- ^ 旧名・北見翼。
- ^ えざおが2023年9月21日に死去[37]したため、協会プロフィールは相方の福田純一のみ「カントリーズ」名義でそのまま掲載されている。
- ^ 元おはやしの松本優子。
- ^ 五代目柳亭痴楽門下へ移籍するにあたり日本講談協会を退会しており、芸協のみ加入。公式サイトのプロフィールでは落語家の香盤に含まれており、同期昇進の遊馬と今輔の間に列せられている。
- ^ a b 玉川太福門下
脚注
外部リンク
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現出演者 | |
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元出演者 |
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談志司会時代 | |
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前田司会時代 | |
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三波司会時代 | |
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5代目圓楽司会時代 | |
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歌丸司会時代 | |
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昇太司会時代 | |
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★司会者 ◆座布団運び ▲コーナーレギュラー ■金曜夜席から継続出演 ◎本家&BS笑点・笑点Jr.両方出演 ☆BS笑点・笑点Jr.司会者 ◇BS笑点・笑点Jr.座布団運び △BS笑点・笑点Jr.コーナーレギュラー □BS笑点から継続出演 数字は世代(x代目)を表す。芸名(氏名)は現在当人が名乗っている表記。 カテゴリ |