花 (瀧廉太郎)
「花」(はな)は、日本の明治時代に作成された楽曲。もともとは1900年(明治33年)11月1日付に共益商社出版から刊行された瀧廉太郎の歌曲集(組歌)『四季』の第1曲であった[1]。 東京都墨田区では、本曲を「区民の愛唱歌」に指定している[2]。隅田公園の台東区側には本曲の歌碑がある。 2006年(平成18年)に文化庁と日本PTA全国協議会が「日本の歌百選」に選定した[3]。 概要
本来のタイトルは「花盛り」であったが、第3曲「月」、第4曲「雪」と合わせるために「花」にした(雪月花)という。「荒城の月」、「箱根八里」と並び、瀧廉太郎の歌曲の中でも広く親しまれている曲のひとつである。歌詞は武島羽衣によって作詞された。速いテンポの二部形式で書かれ、当時隅田川で盛んであった漕艇(ボートレース、レガッタ)の様子など、春の隅田川の情景が歌われている。 ピアノ伴奏付きの女声二部合唱、もしくは女声二重唱また、混声二部合唱、混声二重唱で歌われる。3番まで歌詞がある有節歌曲形式に基づくが、単純な繰返しではなくところどころで旋律を変えている[4]。イ長調[注釈 1]・4分の2拍子で書かれており速度記号はAllegro moderatoとなっている。 歌曲集『四季』歌曲集『四季』の他の曲は、第2曲が「納涼」(作詞:東くめ、単声とピアノ用)、第3曲が「月」(作詞:瀧廉太郎自身による、無伴奏の四部合唱)、第4曲が「雪」(作詞:中村秋香、四部合唱、ピアノとオルガン用)と題されている。しかしもっぱら第1曲「花」のみが有名になり、他の3曲はほとんど知られておらず、歌われることも滅多にない。ただし後年に三善晃が編曲した「日本の四季」には4曲とも含まれている。 初版の序文で瀧廉太郎は、「(当時作られていた)日本の歌曲は、教育用の学校唱歌ばかりで質の高いものが少ないため、微力ながら日本語の歌詞に作曲した曲を世に出すことによって、日本歌曲の発展に寄与したい」という趣旨の発言を残している[5]。 歌詞2017年(平成29年)12月31日に著作権の保護期間を満了。
1番の歌詞は源氏物語「胡蝶」の巻で詠まれた和歌「春の日のうららにさして行く船は棹のしづくも花ぞちりける」によったものであり[6]、3番は蘇軾の詩「春夜」の一節「春宵一刻値千金」(春の夜のすばらしさは、ひとときが千金にもあたいするほど貴重なものだ)からの着想である。 曲楽曲の使用
脚注注釈出典
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