福野駅(ふくのえき)は、富山県南砺市松原新にある、西日本旅客鉄道(JR西日本)城端線の駅である。
歴史
駅構造
相対式ホーム2面2線を有しており、列車交換が可能な地上駅である[22][23]。上りホーム側に駅舎があり、各ホームへは木造の跨線橋で連絡している[23]。駅舎は開業以来の木造平屋建てで富山県内最古のものである[22][24]。かつて駅舎入口に掲げられていた駅名標は、2015年(平成27年)7月から8月にかけての改装工事の際に撤去され、一時金沢市へ廃棄物として運搬されていたが、これを惜しんだ栗山福野中部自治振興会会長や長井久美子南砺市議会議員の要望により、腐蝕防止のためアクリル板で覆った上、当駅ホームに再び設置された[25]。同駅名標は1970年(昭和45年)頃に設置されたもので、中島春緑南砺市書道連盟委員長の揮毫であるという[25]。
北陸広域鉄道部の管理下にあり[26]、地元のタクシー会社が駅務を受託する簡易委託駅であるが、みどりの窓口や自動券売機もある[27]。
加越線の駅部分の跡地は、川田工業富山工場の敷地となっている[28]。
のりば
貨物取扱
当駅における貨物取扱は、1980年(昭和55年)9月25日に廃止された[19]。かつて当駅に接続していた川田工業専用線は一部が残存している[23]。
1953年(昭和28年)10月10日付『鉄道公報』第1254号通報専用線一覧別表掲載中、当駅接続の専用線は次の通りであった[30]。
- 北陸車両線(動力:手押、作業粁程:0.2粁、備考:同専用線は加越線より分岐する)
1970年(昭和45年)10月1日現在における当駅接続の専用線は以下の通りであった[31]。
- 川田工業線(動力:加越能鉄道所有機関車及び手押、作業粁程:0.4粁(第1積卸線)・0.2粁(第2積卸線)、総延長粁程:0.6粁、備考:同専用線は加越線より分岐する)
利用状況
「富山県統計年鑑」によると、近年の1日平均乗車人員は以下の通り[32][33]。
年度
|
1日平均 乗車人員
|
1995年
|
972
|
1996年
|
965
|
1997年
|
904
|
1998年
|
905
|
1999年
|
831
|
2000年
|
818
|
2001年
|
759
|
2002年
|
717
|
2003年
|
673
|
2004年
|
624
|
2005年
|
607
|
2006年
|
628
|
2007年
|
619
|
2008年
|
656
|
2009年
|
615
|
2010年
|
672
|
2011年
|
742
|
2012年
|
767
|
2013年
|
784
|
2014年
|
707
|
2015年
|
734
|
2016年
|
697
|
2017年
|
720
|
2018年
|
728
|
2019年
|
730
|
駅周辺
駅付近は民家が多く建つが、この付近は再開発事業が行われたエリアである[34]。西側と北側は市街地となっており、ショッピングセンターや園芸植物園がある。市民センターや運動施設もこちら側にほぼ集約されている。西へ抜けると旅川に至る。東側と南側は田園が大きく広がるが、建物が点在する。南砺市福野東部体育館はこちら側にある。駅北東側には中学校と高校があるが、両校は城端線沿いに隣接し、(両校の)北側には踏切がある。
バス路線
駅前ロータリー内に加越能バスの福野駅前停留所と、南砺市営バス「なんバス」のJR福野駅停留所がある。
- 加越能バス
- 南砺市営バス「なんバス」
- 福野・井波・井口循環線
- 福光・福野循環線
- 安居循環線
- 立野脇線
南砺市の代表駅に関して
2004年(平成16年)11月1日に8町村の合併により誕生した南砺市は4庁舎による分庁方式を採用していたが、市長室が福野庁舎にあったことから、JTBパブリッシング発行の『JTB時刻表』などの冊子型時刻表では当駅が南砺市の代表駅として表記されていた。その後、2020年(令和2年)7月1日に市役所が福光庁舎に統合されたにもかかわらず、当駅が市の代表駅と表記されたままであったことを富山新聞社が指摘したことにより、『JTB時刻表』では2021年12月号(同年11月20日発売)より南砺市の代表駅が福光駅となった[36]。
隣の駅
- 西日本旅客鉄道(JR西日本)
- ■城端線
- 高儀駅 - 福野駅 - 東石黒駅
かつて存在した路線
- 加越能鉄道
- 加越線
- 柴田屋駅 - 福野駅 - 焼野駅
脚注
- ^ a b c d 中越鉄道編、『開業二十年誌』、1916年(大正5年)5月、中越鉄道
- ^ 『官報』135頁、1897年(明治30年)5月11日、内閣官報局
- ^ a b 石野哲 編『停車場変遷大事典 国鉄・JR編』 II(初版)、JTB、1998年10月1日、159頁。ISBN 978-4-533-02980-6。
- ^ 鉄道省編、『昭和十二年十月一日現在 鉄道停車場一覧』、1937年(昭和12年)12月、川口印刷所出版部
- ^ 『官報』221頁、1897年(明治30年)11月17日、内閣官報局
- ^ 『開業二十年誌』(中越鉄道編、1916年(大正5年)5月、中越鉄道)によると同区間の開業は「八月十九日」とあるが、『明治三十年度鉄道局年報』(逓信省鉄道局編、1898年(明治31年)10月、逓信省鉄道局)には「中越鉄道福野福光間ハ三十年八月十八日開業セルモ其開業免状ハ同月二十四日到達セルモノニシテ私設鉄道条例違反ニ付キ開業当日ヨリ免状到達日迄ノ営業収入ハ之ヲ没収セラレタリ」とあり、官報の開業日に準ずる。また『日本鉄道史 中巻』(鉄道省編、1921年(大正10年)、鉄道省)にも「是年八月十八日福野福光間三哩二十五鎖亦開通シタリ、是ヨリ先該区間開業免状下付申請ノ為書類図面ノ訂正ヲ要スルモノアルニ依リ社員ヲ上京セシメタリシニ社員ハ仮橋ニテ開業スルコトヲ認可セラレシヲ開業免状ノ下付ト誤解シ之ヲ会社ニ電報シ会社ハ八月十六日ヲ以テ開業シタリシカ後其誤解ナリシコトヲ覚リ二十四日始末書ヲ逓信大臣ニ提出シタリ」とあり、年表の日附はこれに準ずる。
- ^ 「鶴駕奉迎記」、『富山日報』(7面)、1909年(明治42年)9月30日、富山日報社
- ^ 『官報』7882号(20頁)、1909年(明治42年)10月1日
- ^ 『官報』130頁、1899年(明治32年)6月8日、内閣印刷局
- ^ 『開業二十年誌』(中越鉄道編、同書30頁、1916年(大正5年)5月、中越鉄道)に、「福野停車場は礪波線連絡の要衝なるを以て大正二年度下半期に於て之を改築」とある
- ^ a b c d e f 富山地方鉄道株式会社編、『富山地方鉄道五十年史』、1983年(昭和58年)3月、富山地方鉄道
- ^ a b 大正9年鉄道省告示第58号(『官報』、1920年(大正9年)8月17日、内閣印刷局)
- ^ a b c d 今尾恵介監修、『日本鉄道旅行地図帳 全線・全駅・全廃線 6号』、2008年(平成20年)10月、新潮社
- ^ a b c 福野町史編纂委員会編、『福野町史』、1964年(昭和39年)9月、福野町役場
- ^ a b 昭和14年逓信省告示第220号(『官報』、1939年(昭和14年)1月28日)。ただし、『福野町史』には1940年(昭和15年)より電報事務開始とある(福野町史編纂委員会編、同書522頁、1964年(昭和39年)9月、福野町役場)。
- ^ 石野哲 編『停車場変遷大事典 国鉄・JR編』 I(初版)、JTB、1998年10月1日、92頁。ISBN 978-4-533-02980-6。
- ^ 昭和26年日本国有鉄道公示第190号(『官報』、1951年(昭和26年)8月9日、大蔵省印刷局)
- ^ 昭和49年日本国有鉄道公示第208号(『官報』、1974年(昭和49年)9月12日、大蔵省印刷局)
- ^ a b 昭和55年日本国有鉄道公示第108号(『官報』、1980年(昭和55年)9月20日、大蔵省印刷局)
- ^ 昭和60年日本国有鉄道公示第181号(『官報』、1985年(昭和60年)3月12日、大蔵省印刷局)
- ^ a b “JR西 富山県内9駅無人化 30年度までに氷見や城端、八尾駅”. 北日本新聞社. 2021年5月8日閲覧。
- ^ a b 郡司武編、『週刊朝日百科 JR全駅・全車両基地』43号、2013年(平成25年)6月、朝日新聞出版
- ^ a b c 川島令三編、『中部ライン 全線・全駅・全配線第6巻 加賀温泉駅 - 富山エリア』(35及び64頁)、2010年(平成22年)9月、講談社
- ^ 草卓人監修、『城端線 あしたにつなぐ物語』、2015年(平成27年)3月、となみ野公共交通創造市民会議
- ^ a b 住民ら駅の「象徴」救う 福野駅伝統の看板「廃棄」一転、ホームに設置 - 2015年(平成27年)9月30日、北日本新聞
- ^ データで見るJR西日本2016 - 西日本旅客鉄道
- ^ 福野駅 - 西日本旅客鉄道
- ^ 『富山廃線紀行』(2008年7月16日、草卓人著、桂書房発行)137頁。
- ^ a b “福野駅 | 時刻表”. 西日本旅客鉄道. 2023年12月22日閲覧。
- ^ 名取紀之・瀧澤隆久編、『RM POCKET 11 トワイライトゾ~ン・マニュアルⅣ』、1995年(平成7年)10月、ネコ・パブリッシング
- ^ 日本国有鉄道貨物局編、『専用線一覧表 昭和45年10月1日』、1970年(昭和45年)、日本国有鉄道貨物局
- ^ 統計年鑑 - 富山県
- ^ 南砺市の統計 - 南砺市
- ^ “第18回 全国街路事業 コンクール応募資料” (PDF). 全国街路事業促進委員会 (2006年3月). 2022年8月13日時点のオリジナルよりアーカイブ。2023年12月22日閲覧。
- ^ “御馬の松跡”. 南砺市文化芸術アーカイブス. 南砺市ブランド戦略部 文化・世界遺産課 文化振興係. 2023年6月5日時点のオリジナルよりアーカイブ。2023年12月22日閲覧。
- ^ “代表駅を修正 南砺は福光に、射水は小杉に JTB時刻表12月号”. 富山新聞DIGITAL. (2021年12月5日). オリジナルの2022年1月22日時点におけるアーカイブ。. https://web.archive.org/web/20220117154914/https://www.hokkoku.co.jp/articles/tym/598931 2021年12月6日閲覧。
関連項目
外部リンク