柳よ泣いておくれ
「柳よ泣いておくれ」(やなぎよないておくれ)、あるいは、「ウィロー・ウィープ・フォー・ミー」(Willow Weep for Me) は、1932年にアン・ロネルが作詞・作曲したポピュラー音楽の歌。この曲は、AABA形式をとり、4分の4拍子で書かれているが[1]、しばしば4分の3拍子のワルツのリズムに編曲されることもある(フィル・ウッズ『Musique du Bois』1974年や、ドクター・ロニー・スミス『Jungle Soul』2006年における演奏がその例)。 ジャズのスタンダード曲として扱われており、1932年10月にテッド・フィオ・リトが、マジー・マルセリーノのボーカルで、最初に録音し、翌11月にはポール・ホワイトマンが、アイリーン・テイラーのボーカルで録音した。この2つのレコードは両方とも、1932年12月にヒットとなった[2]。1964年には、イギリスのデュオ、チャド&ジェレミーのバージョンがトップ40入りのヒットとなり、彼らのアルバム『Yesterday's Gone 』に収められたこの曲は、Billboard Hot 100 で最高15位、アダルト・コンテンポラリーで首位に達した[3]。 一説によると、ロネルはラドクリフ大学在学中に、「キャンパスの柳の木々の愛らしさに感銘を受け、この素朴な感想がこの複雑な歌の主題となった」のだという[2]。この曲は、最初は出版社に採用されなかったが、それにはいくつかの理由があった。まず、この曲はジョージ・ガーシュウィンに捧げられているが、当時は他の作家に作品を捧げることはよく思われていなかったため、最初にこの曲を受け取ったサウル・ボムステイン (Saul Bornstein)は、これをアーヴィング・バーリンに回し、そこでようやく採用となった。すぐに採用されなかった理由は、女性が書いた曲であったからとする説もあり、また、ラジオ放送、レコード販売、楽譜販売などを通して売り込みの対象となる聴衆にとっては、普通の曲ではありえないほど複雑な構成になっていたためともいわれている[1]。歌の冒頭から4小節では、8分音符2つと8分音符の3連符の組み合せて各小節が始まるが、第5小節でテンポが変化し、8分音符だけとなるが、第6小節ではまた8分音符2つと8分音符の3連符の組み合せにもどり、次いで、そこまでの小節になかったとても長い音が現れ るが、ここはボムステインが懸念を示した点のひとつだった[1][4]。1950年にリリースされたジューン・クリスティをボーカルに据えたスタン・ケントンの盤がヒットして以降、特筆すべき録音が1950年代はじめから続出した[1][2]。 おもな録音
脚注
関連項目外部リンク |