松本洋一郎
松本 洋一郎(まつもと よういちろう、1949年 - )は、日本の工学者(流体工学・計算力学・分子動力学・希薄気体力学・ミクロ熱流体力学・気泡力学)。学位は、工学博士(東京大学・1977年)。東京大学名誉教授。国立研究開発法人理化学研究所理事・国立研究開発法人国立がん研究センター理事(教育・評価担当)を歴任。 東京大学工学部教授、東京大学大学院工学系研究科教授、東京大学大学院工学系研究科研究科長、東京大学工学部学部長、東京大学総長特任補佐、東京大学副学長、国立大学法人東京大学理事、内閣官房医療イノベーション推進室室長などを歴任した。2018年4月1日付で東京理科大学の学長に就任し[1]、2020年4月1日付で外務大臣科学技術顧問(外務省参与)に就任した[2]。 来歴生い立ち東京大学に進学し、工学部の機械工学科にて学んだ[3]。1972年3月、東京大学を卒業した[3]。そのまま東京大学の大学院に進学し、工学系研究科の機械工学専門課程にて学んだ[3]。1974年3月、東京大学にて大学院の修士課程を修了した[3]。1977年3月には、東京大学にて大学院の博士課程を修了した[3]。それにともない、東京大学から工学博士の学位が授与された[3](論文タイトルは『液面燃焼伝播に関する研究』[4])。 研究者として大学院修了後、1977年4月より、母校である東京大学にて工学部の講師を務めた[5]。1978年4月、東京大学にて工学部の助教授に昇任した[5]。学士号を得てからわずか6年、博士号を得てからわずか1年で、東京大学の助教授に就任したことになる。その後、1992年8月になって、東京大学の工学部にて教授に昇任した[5]。なお、1992年4月から1995年3月にかけて、大学院重点化のため工学系研究科が整備されたことにともない[6]、大学院の工学系研究科の教授が本務となった。工学系研究科では、主として機械工学専攻にて教鞭を執った。 2004年4月、国立大学の法人化にともない、東京大学の設置者が国から「国立大学法人東京大学」に変わったが、引き続き東京大学に勤務する。同月より、東京大学の評議員を務めるとともに、大学院の工学系研究科にて副研究科長に就任した[5]。2006年4月1日、平尾公彦の後任として、東京大学の大学院にて工学系研究科の研究科長に昇任した[7]。同時に、東京大学の工学部においても、学部長に就任した[5]。2008年4月には、東京大学の副学長に就任するとともに、総長特任補佐も兼務することとなった[5]。2009年4月、東京大学の設置者として管理・運営にあたる法人の理事にも就任した[5]。なお、教育・研究機関としての東京大学においても、引き続き副学長を務めた[5]。また、中村祐輔の退任にともない、2012年1月4日より、内閣官房の医療イノベーション推進室にて室長を兼任した[8]。この辞令は野田内閣の下で発令されたが、同月発足した野田第1次改造内閣の下でも引き続き務めた。 2015年、東京大学を退職した。その後、国立研究開発法人に移行した理化学研究所にて、2015年4月1日付で理事に就任した[9]。さらに、同じく国立研究開発法人に移行した国立がん研究センターにて、同年より理事(教育・評価担当)を務めた[10]。 研究専門は工学であり、特に機械工学に関する研究に従事している。流体工学、計算力学、分子動力学、希薄気体力学、ミクロ熱流体力学、気泡力学といった分野の研究に取り組んでいる[11]。具体的には、混相流の研究や、キャビテーションの研究、流体工学の医療への応用の研究、さらには、生命体シミュレーターの開発や、知識の構造化の研究、といった職務に従事している[11]。 その業績は高く評価され、「液面燃焼伝ぱに関する研究」で日本機械学会奨励賞を受賞し[12][13]、「回転円盤上の薄膜形成」[14]と「自由表面を有する容器内の気泡プルームの数値解析」[15]と「クラウドキャビテーションの崩壊現象を利用した結石破砕法」[16]で、それぞれ日本機械学会論文賞を受賞した[12][17][18][19]。そのほか、日本機械学会会員功労者にも選ばれるとともに[12]、日本機械学会計算力学部門功績賞[12]、日本機械学会流体工学部門フロンティア表彰[12]、日本機械学会流体工学部門賞[12]、などを受けている。アメリカ機械学会からは、Medical Application in Fluids Engineeringにてカルバン・W・ライス講演賞を授与され[12][20]、のちにテッド・ベリーツチコ応用力学賞を授与された[12][21]。また、「気泡モデルを用いた数値解析による軸流ポンプの吸込比速度予測」[22]にてターボ機械協会論文賞を受賞し[12][23]、「気泡力学の基礎とその応用に関する研究」にて流体科学研究賞を受賞している[12][24]。それに加えて、日本混相流学会論文賞[12][25]、山崎賞[12]、日本計算力学賞[12][26][27]、といった各賞も受賞した。 学術団体としては、日本機械学会、日本流体力学会、可視化情報学会、日本混相流学会、日本伝熱学会、日本工学アカデミー、アメリカ機械学会、アメリカ物理学会、などに所属している[28]。 略歴
主な所属学会
賞歴
栄誉・叙勲
著作共著
編纂
監修
寄稿、執筆等
脚注
関連人物関連項目外部リンク
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