放出駅(はなてんえき)は、大阪府大阪市鶴見区放出東三丁目にある、西日本旅客鉄道(JR西日本)の駅である。駅番号は片町線がJR-H39、おおさか東線がJR-F08。
概要
当駅の所属線である片町線(学研都市線)[注 1]とおおさか東線の2路線が乗り入れ、両路線の接続駅となっている。
おおさか東線は2008年の部分開業当初は当駅を起終点としていた。なお、かつて同線は貨物列車専用の片町線支線であり、通称「城東貨物線」と呼ばれていた。
歴史
JR放出駅旧駅舎跡に建設された放出駅前NKビル(2007年5月)
1895年(明治28年)8月22日に、浪速鉄道の駅として開業する。放出付近での鉄道建設には「ゴヘラの火の粉で藁屋根や農作物が燃える」、「駅ができると若いものが大阪(市街)へ出て遊ぶようになる」等の理由で、用地買収が順調にいかなかったことから、旧大和川の河川敷上に線路を建設し、その中に当駅が設けられた[2]。
1999年頃から旧駅舎の老朽化と放出駅周辺の再開発計画に伴い、駅舎のリニューアル工事を実施し、2002年に橋上駅舎として新装オープンした。これに併せて南北自由通路が設けられ、それまでほとんど更地であった駅南側は整備・開発され、現在は分譲マンションが建ち並ぶようになった。また、旧駅舎は取り壊され、その跡地には2004年5月にテナントビルをオープンさせている。2008年12月には、ホームに待合室(1・2番のりばは鴫野方、3・4番のりばは徳庵方に)が設置された。
年表
駅構造
島式ホーム2面4線(西行き、東行き各2線ずつ。学研都市線とおおさか東線で方向別共有)の地上駅で、橋上駅舎を持つ。8両編成の列車に対応している。
ICOCA利用エリア、および特定都区市内制度における「大阪市内」に属する駅である。また、当駅は駅長が配置された直営駅であり、管理駅として片町線の徳庵駅と鴫野駅、おおさか東線の城北公園通駅、JR野江駅、高井田中央駅・JR河内永和駅・JR俊徳道駅・JR長瀬駅・衣摺加美北駅を管轄している。
駅構造の変化
2002年春までの旧地上駅舎時代は駅北側にのみ改札口があり、旅客線2面3線とその南側に貨物線が数本あった。1番のりばが単式ホーム(改札口に直結)、2・3番のりばは島式ホームであり、3番のりばは主に当駅発着の列車と貨物列車が使用していた。
2002年夏に南北自由通路を兼ねた橋上駅舎が完成してからは南側にも出口が設けられ、貨物線が廃止された上で旅客線の線路が4本に増やされ現在の2面4線となり、1番のりばを上り本線、2番のりばを上り副本線、3番のりばを下り本線、4番のりばを下り副本線とした駅となり、一部時間帯に快速列車と普通電車との緩急接続が行われていたが、2006年3月18日のダイヤ改正を機に緩急接続がなくなり、住道駅で行うように変更された。また、おおさか東線の開業を控えて分岐器の交換が行われ、2007年4月23日から4番のりばが下り本線、3番のりばが下り副本線に入れ替えられた。これに伴い、徳庵駅から当駅へ向かう京橋方面行きの一部区間(網干総合車両所明石支所放出派出所付近)が高架線となった(なおこの間、2・3番のりばの列車は早朝の一部のみが停車していた)。
2008年3月15日におおさか東線の当駅 - 久宝寺駅が部分開業してからは、外側2線(1, 4番のりば)を学研都市線の列車が、内側2線(2, 3番のりば)をおおさか東線の列車が使用する形になっている。2019年3月の全線開通以降は当駅ー鴫野駅間は学研都市線とおおさか東線の重複区間となり、当駅では学研都市線木津方面行きとおおさか東線久宝寺方面行き、学研都市線京橋方面行きとおおさか東線大阪方面行きが対面乗り換えが可能となっている。
のりば
※上表の路線名は旅客案内上の名称(愛称)で表記している。
- 付記事項
- 3番のりばは、朝の時間帯を除いて学研都市線の列車は使用しておらず、2019年3月15日まではおおさか東線の到着列車の降車ホームとして使われていた。3番のりばで乗客を降ろした後は京橋方へ引き上げ、折り返し久宝寺行きとして2番のりばに据え付けていた。
- おおさか東線の列車については、2分以上停車時半自動ドア扱いとなる。
- 2018年5月20日、城東貨物(北)線(現:おおさか東線)と学研都市線との分岐駅は鴫野駅から当駅となり、貨物列車は南行きは2番のりば、北行きは3番のりばを通過するようになった。
- おおさか東線が放出駅 - 久宝寺駅間が不通になった場合は大阪行きは2番線から、放出駅 - 新大阪・大阪駅間が不通になった場合は久宝寺行きは3番線から発車する。
- 1番のりばから、おおさか東線の下り列車の発車もあった[10](2019年3月15日以前に尼崎発着の直通快速の一部が使用)。
- 1番線は放出駅止まりの列車のうちの1本が深夜滞留となる。
配線図
鴫野駅 - 放出駅 構内配線略図
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↑ おおさか東線 新大阪方面 |
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← 片町線 (学研都市線) 京橋方面 |
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→ 片町線 (学研都市線) 木津方面 |
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↓ おおさか東線 久宝寺方面 |
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凡例
出典:[11][12] |
ダイヤ
日中時間帯は学研都市線が1時間に8本(区間快速・普通電車がそれぞれ4本)、おおさか東線が4本(全て普通)発着する。同時間帯は上下とも学研都市線の区間快速とおおさか東線の普通が対面接続するダイヤが組まれている。
おおさか東線の一部列車は当駅で時間調整のため数分停車する。
当駅の南東に網干総合車両所明石支所放出派出所があり、入出庫のため学研都市線、おおさか東線共に朝と深夜に当駅発着の列車が設定されている。
利用状況
2022年(令和4年)度の1日平均乗車人員は15,883人である。おおさか東線の本数が比較的少ないため、特に朝ラッシュ時は乗換客が滞留しがちであり、各ホームとも激しく混雑することがある。
近年の1日平均乗車人員は以下の通りである。
年度別1日平均乗車人員[統計 1][統計 2]
年度
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1日平均 乗車人員
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うち定期
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定期率
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出典
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1988年(昭和63年)
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12,588
|
8,742
|
69.4%
|
[大阪府 1]
|
1989年(平成元年)
|
12,643
|
8,661
|
68.5%
|
[大阪府 1]
|
1990年(平成02年)
|
12,593
|
8,568
|
68.0%
|
[大阪府 2]
|
1991年(平成03年)
|
12,588
|
8,551
|
67.9%
|
[大阪府 3]
|
1992年(平成04年)
|
12,480
|
8,482
|
68.0%
|
[大阪府 4]
|
1993年(平成05年)
|
12,475
|
8,447
|
67.7%
|
[大阪府 5]
|
1994年(平成06年)
|
12,476
|
8,476
|
67.9%
|
[大阪府 6]
|
1995年(平成07年)
|
12,535
|
8,483
|
67.7%
|
[大阪府 7]
|
1996年(平成08年)
|
12,581
|
8,530
|
67.8%
|
[大阪府 8]
|
1997年(平成09年)
|
12,825
|
8,641
|
67.4%
|
[大阪府 9]
|
1998年(平成10年)
|
12,776
|
8,611
|
67.4%
|
[大阪府 10]
|
1999年(平成11年)
|
12,672
|
8,548
|
67.5%
|
[大阪府 11]
|
2000年(平成12年)
|
12,637
|
8,513
|
67.4%
|
[大阪府 12]
|
2001年(平成13年)
|
12,471
|
8,434
|
67.6%
|
[大阪府 13]
|
2002年(平成14年)
|
12,470
|
8,456
|
67.8%
|
[大阪府 14]
|
2003年(平成15年)
|
13,146
|
8,916
|
67.8%
|
[大阪府 15]
|
2004年(平成16年)
|
13,401
|
9,174
|
68.5%
|
[大阪府 16]
|
2005年(平成17年)
|
13,808
|
9,532
|
69.0%
|
[大阪府 17]
|
2006年(平成18年)
|
14,255
|
9,883
|
69.3%
|
[大阪府 18]
|
2007年(平成19年)
|
14,585
|
10,093
|
69.2%
|
[大阪府 19]
|
2008年(平成20年)
|
15,224
|
10,448
|
68.6%
|
[大阪府 20]
|
2009年(平成21年)
|
15,078
|
10,452
|
69.3%
|
[大阪府 21]
|
2010年(平成22年)
|
15,172
|
10,546
|
69.5%
|
[大阪府 22]
|
2011年(平成23年)
|
15,496
|
10,817
|
69.8%
|
[大阪府 23]
|
2012年(平成24年)
|
15,750
|
10,966
|
69.6%
|
[大阪府 24]
|
2013年(平成25年)
|
16,095
|
11,294
|
70.2%
|
[大阪府 25]
|
2014年(平成26年)
|
15,811
|
11,036
|
69.8%
|
[大阪府 26]
|
2015年(平成27年)
|
16,115
|
11,213
|
69.6%
|
[大阪府 27]
|
2016年(平成28年)
|
16,150
|
11,260
|
69.7%
|
[大阪府 28]
|
2017年(平成29年)
|
16,320
|
11,415
|
69.9%
|
[大阪府 29]
|
2018年(平成30年)
|
16,897
|
11,729
|
69.4%
|
[大阪府 30]
|
2019年(令和元年)
|
17,054
|
11,893
|
69.7%
|
[大阪府 31]
|
2020年(令和02年)
|
14,378
|
10,524
|
73.2%
|
[大阪府 32]
|
2021年(令和03年)
|
14,800
|
10,584
|
71.5%
|
[大阪府 33]
|
2022年(令和04年)
|
15,883
|
11,026
|
69.4%
|
[大阪府 34]
|
駅周辺
隣の駅
- 西日本旅客鉄道(JR西日本)
- 学研都市線(片町線)
- ■快速・■区間快速
- 住道駅 (JR-H36) - 放出駅 (JR-H39) - 京橋駅 (JR-H41)
- ■普通
- 徳庵駅 (JR-H38) - 放出駅 (JR-H39) - 鴫野駅 (JR-H40)
- おおさか東線
- ■直通快速
- 城北公園通駅 (JR-F05) - 放出駅 (JR-F08) - 高井田中央駅 (JR-F09)
- ■普通
- 鴫野駅 (JR-F07) - 放出駅 (JR-F08) - 高井田中央駅 (JR-F09)
かつて存在していた路線
- 日本国有鉄道
- 桜ノ宮線(1913年11月15日廃止区間)
- 放出駅 - 網島駅
- 片町線貨物支線(淀川貨物線、当駅 - 鴫野駅間は片町線本線との重複区間)
- 放出駅 - 鴫野駅
- 西日本旅客鉄道(JR西日本)
- 片町線貨物支線(城東貨物線、2008年3月15日廃止区間)
- 放出駅 -
俊徳道信号場 - 蛇草信号場 - 正覚寺信号場
- 線路設備の大半は現在のおおさか東線として存置。
打消線は事業廃止前に廃止された信号場。
- 城東貨物線 吹田貨物ターミナル方面は、事業廃止時点では隣の鴫野駅が起点であった。
脚注
記事本文
注釈
- ^ データで見るJR西日本(西日本旅客鉄道公式サイト)のp48-49にて、おおさか東線の駅数は中間駅の5駅のみで計上されているため、同線開業後も片町線所属であることには変わりはない。
出典
利用状況
大阪府統計年鑑
参考文献
関連項目
ウィキメディア・コモンズには、
放出駅に関連するカテゴリがあります。
外部リンク
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1997年廃止区間 | |
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桜ノ宮線 (1913年廃止) | |
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旧線 (1907年廃止) | |
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*打消線は廃駅・廃止設備 |
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2019年廃止区間 | |
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2008年廃止区間 | |
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*打消線は廃止信号場(廃止区間は路線廃止時点のもの) |
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1982年廃止区間 |
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1961年廃止区間 | |
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*打消線は廃線前に廃止 |