大阪市立扇町総合高等学校
大阪市立扇町総合高等学校(おおさかしりつ おうぎまちそうごう こうとうがっこう)は、大阪市北区松ヶ枝町にあった総合学科の公立高等学校。 概要1923年に大阪市立扇町商業学校として創立し、戦後の学制改革で新制高校の大阪市立扇町商業高等学校となった。かつては商業科を設置する商業高等学校だったが、2001年度に総合学科に改編し、それにあわせて扇町総合高等学校へと改称した。 2021年度新入生を最後に募集を停止し、2022年度より大阪府に移管、および同年度に新設される大阪府立桜和高等学校に統合再編された。2021年までに入学した在校生の学籍は卒業まで扇町総合高等学校のままとなり、在校生が卒業する2024年3月末に閉校した。 総合学科では、計画的に専門的な知識・技術を身につけるための配慮として、科目種別ごとに系列が設置されていた。2019年度までの入学者については、大阪文化・会計ビジネス・環境科学・国際観光・情報ネットワーク・マーケティングデザインの6系列が設置されていた[1][2]。2020年度入学者以降は大阪文化・環境科学・マーケティングデザイン・会計ビジネスの4系列に再編された[3]。1年次に各系列についての説明を受けて系列を選択し、2年次よりそれぞれ系列に分かれ専門的科目を学んだ。原則的に1年次に決定した系列は変更できない。 系列総合学科の系列については、以下のようなものが設置されている。
沿革1922年3月に開校認可を受け、1923年4月10日[4]に大阪市立扇町商業学校として、大阪市北区西扇町(現在の北区神山町・大阪市立天満中学校付近)に開校した。 太平洋戦争に伴う戦時体制に伴い、繰り上げ卒業や4年制への短縮、勤労動員などがおこなわれた。戦時措置としての工業学校への転換は免れたものの、1944年に校舎を大阪市立医学専門学校[注釈 1]に明け渡すことになった[5]うえ、1944年以降新入生の募集停止を余儀なくされた。 しばらく元の敷地で大阪市立医学専門学校と校舎を共有する形になったが、1945年6月に大阪市堀川国民学校(現在の大阪市立堀川小学校)に校舎を移転した。さらに終戦直後の1945年11月には、大阪市北野国民学校[注釈 2]に校舎を移転した。 終戦後1946年度より新入生募集を再開した。同年には、戦災で校舎を焼失した大阪市立靱商業学校[注釈 3]を合併している。 1948年の新制高等学校発足の際、旧制大阪市立中之島女子商業学校[注釈 4]を合併して男女共学を実施した。 終戦直後に授業をおこなっていた北野国民学校校舎は、1949年には大阪市立大学理工学部[注釈 5]の校舎として使われることになった。このため1949年10月に旧松ヶ枝国民学校[注釈 6]跡の現在地に校舎を設置した[4]。 創立時から一貫して商業科として商業教育を実施していたが、2001年に総合学科に改編した。 学校統合大阪市教育委員会は2010年代に入り、大阪市立の普通科系高等学校の再編方針を打ち出した。背景には、少子化の進行による生徒数の減少や、大阪府教育委員会と大阪市教育委員会が連携して2013年11月に打ち出した「2018年度までに府立・大阪市立あわせて7校程度の公立高校の募集停止・統廃合を検討する」方針があった[6][7]。 大阪市高等学校教育審議会は2017年1月23日、「本市普通科系高等学校の在り方について(第12次答申)」を大阪市教育委員会に提出した[8]。答申では、市立普通科系高等学校7校を設置学科の特徴によって「スポーツ体育系」「理数系」「言語系・実業系および総合学科」の3グループに分類し、「言語系・実業系および総合学科」の同一グループに分類された大阪市立南高等学校・大阪市立西高等学校および大阪市立扇町総合高等学校について、英語力やICT活用力・市立としての強みを生かした高大連携などをおこなう新たな普通科系高等学校としての検討を提言した[8]。 2017年7月14日の大阪市教育委員会会議において、南高等学校・西高等学校および扇町総合高等学校の大阪市立3高校を1校に統合し、2022年4月1日に従来の扇町総合高等学校の校地に新しい普通科系高等学校を開校させる計画が原案どおり了承された[6][7]。 統合方針に伴い、統合元の3校についても2020年度・2021年度の学科構成および入学者選抜の再編成がおこなわれ、2018年10月2日の大阪市教育委員会会議で基本方針が承認された[9][10]。扇町総合高校については従来の総合学科1学年5学級編成から、2020年度および2021年度入学生については1学年2学級編成に減員され[9][3][注釈 7]、また総合学科の「系列」も従来の6系列から4系列に再編された。2021年度入学生を最後に新入生の募集が停止された。 統合新校の名称は、2020年5月に「桜和(おうわ)高等学校」に決定した。2020年5月26日に大阪市会で統廃合関連の条例案[注釈 8]が可決されたことにより、2022年4月1日付での桜和高等学校の設置と統合が条例上も正式に決定した。 また大阪市と大阪府の方針により、大阪市立の高校全校を大阪府に移管する方針が具体化した。大阪市と大阪府は2019年7月にプロジェクトチームを設置し、2019年9月までに市立高校の府立移管方針を基本合意した[11][12]。その後具体的な折衝がおこなわれ、大阪府教育委員会は2020年8月31日の教育委員会会議で、市立高校の府立移管・府立としての受け入れ方針を承認した[13]。 2020年12月に大阪市会および大阪府議会で移管に関連する条例が可決・成立[14]した。これに伴い大阪市立の高等学校は2022年度より大阪府に移管[14]されることになった。 開校予定だった桜和高等学校は2022年4月1日付で、府立高校として開校した。また2022年4月時点での在校生(2022年度2・3年)については、府立へと移管された上で、西高等学校・南高等学校・桜和高等学校の生徒と同じ校舎(現扇町総合高校敷地)で授業を受けた。在校生が卒業する2024年3月に閉校した。 年表
部活動野球部はセンバツに2度出場[注釈 9]した。戦績は出場2回で1勝2敗である。また扇町商時代から野球部の帽子には何の文字もマークもなく、ただの濃紺の帽子を着用していた。 吹奏楽部は吹奏楽コンクールの全国大会や大阪府大会などで複数回の上位入賞経験がある。地域貢献やボランティア活動などにも積極的に取り組み、地域行事などで依頼を受けての演奏などもおこなっていた[15]。 出身者
交通
脚注注釈
出典
参考文献
関連項目外部リンク
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