坂口二郎

さかぐち じろう 坂口 二郎
生誕	揖野 二郎 (1895-01-19) 1895年1月19日 島根県安濃郡大田町
死没	(1975-06-16) 1975年6月16日（80歳没）
国籍	日本
出身校	神戸高等商業学校（現：神戸大学） 東京高等商業学校（現：一橋大学）
職業	実業家
親	揖野要太郎

坂口 二郎（さかぐち じろう、1895年（明治28年）1月19日 - 1975年（昭和50年）6月16日）は、日本の実業家。ユニチカ初代社長。関西棋院理事長[1]。

来歴・人物

揖野要太郎の四男として[2]、島根県安濃郡大田町（現：大田市）に生まれる[2]。

1918年（大正7年）神戸高等商業学校（現：神戸大学）[2]、1920年東京高等商業学校（現：一橋大学）専攻部をそれぞれ卒業する[2]。同年坂口製糸合資会社を前身とする日本製糸に入社する[3]。翌年、坂口財閥の初代・坂口平兵衛に懇望されて長女の婿養子となり、1922年に常務に抜擢され、1926年には副社長に昇格した。社長は初代・平兵衛で二郎は事実上のトップだった[2][3]。

1942年（昭和17年）、戦時下の企業統合で日本製糸は大日本紡績（現：ユニチカ）の子会社・日本レイヨンに吸収合併されると[4]、常務に転じ、戦後の1946年、社長に昇格した[2][5]。以来、1969年まで20年以上も社長を務め、日本レイヨンの発展に貢献した[3]。なお、日本製糸を吸収合併した後の日本レイヨンでは、坂口家の持株比率はわずか0.8%にしか過ぎず、二郎の役員就任は彼自身の力量であったといわれている[6]。

1969年（昭和44年）、日本レイヨンが親会社のニチボー（1964年大日本紡績から商号変更）と合併してユニチカが発足すると、初代社長に就任した[3]。

1975年6月16日、死去。80歳没。7月2日に東本願寺難波別院で執り行われた社葬には、故人を悼んで多数の人々が参列した[7]。

趣味は囲碁[2]。

勲二等瑞宝章、正四位追贈[7]。

家族・親族

坂口家

（鳥取県米子市尾高町・米子市角盤町[2]、兵庫県芦屋市三条町[2]）

→詳細は「坂口平兵衛 (2代) § 家族・親族」を参照

義父坂口平兵衛 (初代)

• 妻・寿[2]（鳥取県平民[8]、鳥取県多額納税者[8]、大地主、実業家、政治家初代坂口平兵衛の女）
• 養子・丈夫[2]
• 長女・澄子（丈夫妻[2]）
• 二女・輝子[2]
• 四女・礼子[2]（元協和醗酵工業会長加藤辨三郎の長男・元協和醗酵工業社長加藤幹夫の妻）
• 五女・恵子[2]（元慶大名誉教授八代修次の妻）

脚注

1. “坂口二郎 さかぐち-じろう”. コトバンク. 2023年4月1日閲覧。
2. ^ 『第十六版 人事興信録 上』さ四五
3. ^ 菊地 2012, p. 219.
4. 菊地 2012, p. 218.
5. 『新日本人物大観』（鳥取県版）1958年 コ･サ…343頁。
6. 菊地 2012, p. 220.
7. ^ ユニチカ編・通史編|１１哀悼-坂口二郎(元社長)の逝去と社葬
8. ^ 『人事興信録 初版』（明治36年4月刊）さ之部九六一

関連項目

• 坂口 (企業)

参考文献

• 『新日本人物大観』（鳥取県版） 人事調査通信社、1958年。 コ･サ…343頁
• 佐藤朝泰『豪閥 地方豪族のネットワーク』立風書房、2001年7月。ISBN 978-4651700793。  424-433頁
• 菊地浩之『日本の地方財閥30家　知られざる経済名門』平凡社（平凡社新書）、2012年2月。ISBN 978-4582856309。 

先代 菊池文吾

日本レイヨン社長 1946年 - 1969年

次代 解散

先代 塩塚忠美

ユニチカ（旧ニチボー）社長 1969年 - 1970年

次代 富井一雄