北海道スペースポート
北海道スペースポート(ほっかいどうスペースポート、英: Hokkaido Spaceport、略称:HOSPO)は、北海道大樹町にある大樹町多目的航空公園地域を中心として、建設予定の民間主導によるスペースポートである。Hokkaido SpaceportからHOSPO(ホスポ)と呼ぶ。 概要北海道大樹町は1985年より、新たなロケットの射場を誘致するために活動を行ってきた[1]。そして、「北海道に、宇宙版シリコンバレーをつくる」というキャッチフレーズとともに、2021年4月にアジア初となる民間にひらかれた宇宙港「北海道スペースポート(HOSPO)」の建設に着手した。2019年に地域関係企業・団体等で構成する「宇宙のまちづくり推進協議会」が「北海道スペースポート構想」を発表し、「大樹発!航空宇宙産業集積による地域創成推進計画[2]」が内閣府より認定を本格的に射場建設へと進み出すこととなる。 2019年に、新射場整備に向けた調査を行うための北海道航空宇宙企画株式会社(HAP、法人番号:1460101006592)を設立[3]。2021年4月20日に、大樹町をはじめ6つの道内企業が出資を行い、HOSPO運用企業としてSPACE COTAN株式会社(法人番号:7460101006975、本社:大樹町、代表取締役:小田切義憲)が設立された。その後、SPACE COTAN株式会社設立に伴いHAPは解散となる。 HOSPO施設(計画)HOSPOの施設として、ロケットの射場(Launch Complex)の新規建設とスペースプレーンなどの水平飛行の宇宙機のための滑走路(Runway)の建設が予定されている。尚、滑走路に関しては既存の滑走路の延長が第1段階の計画となっている[4]。 HOSPO建設費は、計画時点で、LC-1/LC-2等の建設費用として50億円(第1期LC-1建設および滑走路延伸等10億円、第2期LC-2建設40億円)としており、全体の建設費用の50%に相当する25億円をふるさと納税(企業・個人)、残り50%は地方創生交付金と計画している。 Launch Complex-1(LC-1)垂直打上げロケットによる人工衛星用ロケットのための射場である。射点、組立棟、推進剤等タンクヤード、エンジン燃焼試験の設備を併設予定となっている。建造場所は、インターステラテクノロジズ株式会社が観測ロケットMOMOの打上げで使用しているLaunch Complex-0の隣に2023年建設予定である。 Launch Complex-2(LC-2)LC-1よりも大型で人工衛星用ロケットの高頻度打上げ(垂直打上げ)のための射場である。射点、組立棟、推進剤等タンクヤードを常設とし、複数の企業が平行して打ち上げができるように組立棟を複数併設する計画で2025年建設予定である。 Runway(滑走路)大樹町多目的航空公園の既存の1,000m滑走路は、これまでJAXA、民間企業、大学等の航空宇宙実験での使用実績あり。第一フェーズとして、1,300mに延長し、スペースプレーンの離着陸試験としても活用し、今後、有人スペースプレーンや大陸間高速旅客輸送(P2P)のための3,000m滑走路の新設を計画している。 2022年9月から滑走路の延伸工事が開始され、2024年6月に1,300mへの延伸が完了した[5]。 パートナー企業・団体HOSPO SUPPORTERSHOSPOと呼び、企業や個人が参加し宇宙版シリコンバレーを実現するためのコミュニティとなる[6]。
地理的優位性人工衛星の打ち上げにおいては、主に2つの静止軌道と太陽同期軌道があるが、大樹町はこれらを両方の軌道へのロケット打ち上げに適していると言われている。次に示すのは、両軌道において最適な条件について、北海道スペースポートと種子島・内之浦射場を比較したものである。
上表よりHOSPOが位置する北海道大樹町は、種子島の射場とは異なり、「真東」と「南方向」両方に幅広くロケットを飛ばすことができるポテンシャルを持っている。また、気候においても、十勝ハレといわれるほど「天候が良い」ことと、「周辺海域空域ともに船舶や航空機の往来が少ない」ため打ち上げが行いやすいという利点もある[7]。 太陽同期軌道への人工衛星の投入数の増加が今後、予想されており、種子島や内之浦射場よりも効率よくロケットを打ち上げやすい環境であるとされている。 利用検討企業現在、HOSPOからのロケット打ち上げ(垂直離陸)及びスペースプレーン(水平離陸)の利用を計画している企業は以下の通りである。
現在の活動北海道スペースポートを整備するのにあたり、さまざまな取り組みがされている。
出典
関連項目外部リンク
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