ロスコスモス (露 : Государственная корпорация по космической деятельности "Роскосмос" 、英 : Roscosmos State Corporation for Space Activities )は、ロシア連邦 における宇宙開発 全般を担当する国営企業である。本部はモスクワ 付近の町、スターシティ に存在する。
ロスコスモス社の形態となったのは2016年 からであり、元々はロシアの宇宙科学 、航空工学 などを担当していた宇宙開発機関 のロシア連邦宇宙局(通称は同じくロスコスモス)と、ロシアの民間宇宙企業を統合して設立された国営企業統一ロケット・宇宙会社 (ORKK) に端を発している。[ 1] 人類初の人工衛星 や有人宇宙飛行 を成し遂げたソビエト連邦の宇宙開発 を継承する組織である。
概要
ソ連の宇宙開発 を伝える展示物。こうした技術はロスコスモスに受け継がれた。
ソビエト連邦の崩壊 に伴い、1992年 2月25日、エリツィン 大統領の政令によってロシア宇宙庁 [ 2] が新たに設立された。これにより、ロシア連邦はソビエト時代の宇宙開発技術・設備 を継承することとなった。1999年 にはロシア航空宇宙局 [ 3] に改組。2004年 3月にロシア連邦宇宙局 [ 4] となった[ 5] 。
宇宙庁の成立以後、宇宙ステーションミール の運営、国際宇宙ステーション 計画への参加、ソユーズ 、プログレス 宇宙船の開発と運用、アンガラロケット の開発、月・火星・金星探査機の開発、科学観測などを行っている。2011年 のスペースシャトル の退役後は、一時的に世界の有人宇宙事業 を独占した状態になるなど、宇宙開発の分野において大きな影響力を示している。
一方で、ソ連崩壊直後の混乱、ならびに1998年 のロシア財政危機 や2007年 の世界金融危機 での予算削減により、熟練技術者の流出や新規技術者の育成が行えなかったことから、2000年代 後半以降たびたびトラブルに見舞われている。[ 6]
2015年 1月、ロシア政府はロシア連邦宇宙局と2014年 にロシアの民間宇宙企業を統合する形で発足させた国営企業 統一ロケット・宇宙会社 [ 7] を統合し、国営ロスコスモス 社を発足させることを発表した。省庁の企業化としては過去にも原子力分野におけるロスアトム 社の成功例があり、トラブルが続く宇宙産業の立て直しが目的とされている。[ 8] 統合案は同年中に承認され、2016年 1月1日付でロシア連邦宇宙局は廃止され、ロスコスモス社が発足した[ 1] 。
2022年 2月、ロシアによるウクライナ侵攻 が始まると、欧米はロスコスモスを含む民間企業についても経済制裁 の対象に加えた。3月12日、ドミトリー・ロゴジン社長は経済制裁により国際宇宙ステーションに向かう補給船の運用が阻害されれば、宇宙ステーションの軌道修正ができずに落下する恐れがあるとして制裁の解除を求める声明を発表した[ 9] 。その後、2024年以降に国際宇宙ステーション計画から離脱し、単独で宇宙ステーションを打ち上げ運用していくことを表明。6つのモジュールからなる新型ステーションの模型「ロス」(ROSS)を発表している[ 10] 。
ロシアのロケット発射場
過去の機構
連邦宇宙局長官
次官 (4人)
操縦プログラム局
自動宇宙複合体・統制システム局
プログラム実現・会計登録保障局
宇宙活動組織総合統制局
戦闘ロケット機材局
総務局
国際協力局
地上宇宙インフラ建設手段・協業関係局
人事・保安局
歴代宇宙局長官・ロスコスモスCEO
関連項目
脚注
外部リンク
主要項目 応用 有人宇宙飛行
軌道・航行 打ち上げ
主な機関 その他