前しか向かねえ
「前しか向かねえ」(まえしかむかねえ)は、日本の女性アイドルグループ・AKB48の楽曲。楽曲は秋元康作詞、古城康行作曲。2014年2月26日にAKB48のメジャー35作目のシングルとしてキングレコードから発売された[注釈 1]。楽曲のセンターポジションを務めた大島優子のAKB48卒業前最後のシングル表題曲への参加となった。 背景とリリース前作『鈴懸の木の道で「君の微笑みを夢に見る」と言ってしまったら僕たちの関係はどう変わってしまうのか、僕なりに何日か考えた上でのやや気恥ずかしい結論のようなもの』から約2か月ぶりで、2014年1枚目のシングル。「Type A」の「初回限定盤」、「Type A」の「通常盤」、「Type B」の「初回限定盤」、「Type B」の「通常盤」、「Type C」の「初回限定盤」、「Type C」の「通常盤」、「劇場盤」の7形態でのリリースである。 「前しか向かねえ」は、2014年1月24日にTOKYO DOME CITY HALLで行われたコンサート『AKB48 リクエストアワーセットリストベスト200 2014』で初披露された[2]。この曲を歌う選抜メンバーは、前々作『ハート・エレキ』から2人が入れ替わった。小嶋真子が、選抜メンバー初参加[3]。14期生の初選抜は、13期生よりも早く、15期生よりも遅い記録となった。須田亜香里が、2013年8月の32ndシングル『恋するフォーチュンクッキー』以来、約半年(3作)ぶりの選抜復帰となった。前々作の選抜メンバーのうち、入山杏奈と多田愛佳(HKT48)が選抜から外れている[4]。 MVでは約17分の日活制作のドラマパートがあり、大島優子を中心に小嶋陽菜・指原莉乃・島崎遥香・高橋みなみ・松井珠理奈・横山由依・渡辺麻友が出演した[注釈 2]。監督・脚本・編集は熊澤尚人が務めた[5]。 カップリングは5曲で、AKB48メンバーとAKB48の姉妹グループメンバーと混合したユニット「Smiling Lions」「Beauty Giraffes」「Baby Elephants」「Talking Chimpanzees」が結成された。このうち「Smiling Lions」のメンバーである白間美瑠(NMB48)、「Baby Elephants」のメンバーである近藤里奈・太田夢莉(以上NMB48)、穴井千尋・本村碧唯(以上HKT48)、「Talking Chimpanzees」のメンバーである中西智代梨(HKT48)がAKB48グループメンバー全員参加の作品[注釈 3]を除いて初の参加となった。また「Baby Elephants」のメンバーでもある東李苑(SKE48)、秋吉優花(HKT48)の二人はAKB48の楽曲初参加となった。 今作では、平田梨奈[注釈 4]を除くAKB48のメンバー全員がいずれかの楽曲に参加している。 CDの封入特典として、劇場盤を除いた6種類すべてに「大島優子 感謝祭」(3月23日に幕張メッセ・5月5日にインテックス大阪でそれぞれ開催)の観覧応募抽選券が期間限定で封入されているほか、初回限定盤にはAKB48全国握手会イベント参加券1枚と、通常盤には生写真1種ランダム封入される。劇場盤に特典として「劇場盤発売記念大握手会参加券+各メンバー個別生写真1枚」「各メンバー個別生写真2枚」のうちいずれかが封入されている。 キャッチコピーは「思い出は捨てて行け!」である。 デビュー曲の「桜の花びらたち」以来、AKB48は定期的にタイトルも含め桜と縁のあるいわゆる「桜ソング」をシングル表題曲としてリリースしており[6]、2008年以降毎年2月または3月に発売したシングルがそれに該当していた。2012年の「GIVE ME FIVE!」、2013年の「So long !」についても、タイトルにこそ含まれないものの歌詞に「桜」が含まれていたが、当楽曲についてはタイトル、歌詞のいずれも「桜」という言葉を含んでいない。 アートワーク
CDジャケットに書かれている題字は書道家・武田双雲[5][7]、アートディレクションはクリエイター・平野哲央、カメラは竹中圭樹が担当した[5]。 チャート成績『前しか向かねえ』のシングルCDは、2014年3月10日付オリコン週間シングルチャートにおいて初登場で1位にランクインした。同チャートにおけるAKB48のシングルの1位獲得は『RIVER』から22作連続・通算22作目となった。初動売上は約109万1000枚となり、初動のみでミリオンセラーを達成した。同チャートにおけるAKB48のシングルのミリオンセラー達成は『桜の木になろう』から16作連続・通算17作目となり、連続・通算ミリオンセラー達成数でAKB48自身の持つ歴代最高記録を更新した。なお、本作の初動売上により、AKB48はシングルとアルバムを合わせた総売上枚数が3000万枚を突破した。これは女性グループでは初、ソロを含めた女性アーティスト全体では松任谷由実、浜崎あゆみ、宇多田ヒカル、安室奈美恵に続く史上5組目の達成である[8]。 メディアでの使用「前しか向かねえ」は、ディップのアルバイト求人情報サイト「バイトル」[9]・「AKB48 Team 8 全国一斉オーディション」のPR告知・GREE「AKB48 ステージファイター」の各CMソングとして使用されている。このうち、本楽曲を使用した「バイトル」のCMには卒業編(メンバーの大島優子・岡田奈々・小嶋陽菜・小嶋真子・高橋朱里・高橋みなみ・渡辺麻友が出演)が、「AKB48 ステージファイター」のCMには「結果わからない」篇(メンバーの伊豆田莉奈・大島優子・柏木由紀・倉持明日香・島崎遥香・高橋朱里・高橋みなみ・松井珠理奈が出演)が、それぞれある。 テレビでの楽曲披露は、2014年2月3日にフジテレビ系列(関西テレビ・フジテレビ共同制作)で放送された『SMAP×SMAP』でSMAPの5人とコラボで初披露[10]。単独としては、2014年2月7日にテレビ朝日系列で生放送された『ミュージックステーション』で初披露した。 シングル収録トラックType A「初回限定盤」と「通常盤」の2種類が存在するが、収録トラックは同一である。
Type B「初回限定盤」と「通常盤」の2種類が存在するが、収録トラックは同一である。
Type C「初回限定盤」と「通常盤」の2種類が存在するが、収録トラックは同一である。
劇場盤
選抜メンバー→カップリング曲の歌唱メンバーは下記と異なる。詳細については「AKB48関連の楽曲一覧」を参照
収録アルバムカバーJKT48によるカバー
AKB48の姉妹グループであるJKT48は、本楽曲を「Hanya Lihat ke Depan -Mae Shika Mukanee-」というタイトルでカバーし、グループの13作目のシングルとして、2016年6月1日にHits Recordsから発売された。 歌詞は全編にわたってインドネシア語に翻訳したもの。楽曲のリリースに先駆けて『JKT48 13thシングル選抜総選挙』が行われており、表題曲はこの総選挙で上位16位までに入ったメンバーにより歌唱されている[11]。楽曲のセンターポジションはジェシカ・フェランダ[11]。また、英語でカバーしたバージョンも収録されている。 CDは通常盤、Music Cardの2形態。カップリングでは他に、AKB48から「抱きしめちゃいけない」「走れ!ペンギン」、SKE48から「片想いFinally」、NMB48から「右へ曲がれ!」の計4曲のカバーが収録されている。 シングル収録トラック (JKT48)
選抜メンバー (JKT48)→カップリング曲の歌唱メンバーは下記と異なる。詳細については「JKT48の楽曲一覧」を参照
かっこ内は『JKT48 13thシングル選抜総選挙』における順位[11]。 AKB48 Team TPによるカバー
AKB48の姉妹グループであるAKB48 Team TPは、本楽曲を「勇往直前」のタイトルで中国語カバーし、グループのデビューシングルとして2018年12月25日に発売された[12]。 選抜メンバーは12名で、正規メンバー9名、研究生3名が選出されている[13]。楽曲のセンターポジションは劉語晴が務めた[14]。ミュージック・ビデオは台湾の阿里山で、高熱で参加できなかった冼迪琦を除く11名で撮影された[12]。 カップリングでは「桜の花びらたち」のカバーが収録されている[14]。 シングル収録トラック (AKB48 Team TP)Type AとType Bの2種類があるが、収録内容は同一。
選抜メンバー (AKB48 Team TP)カップリング曲の歌唱メンバーも下記と同一である。
脚注注釈
出典
外部リンク
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