佐賀市立勧興小学校(さがしりつ かんこうしょうがっこう)は、佐賀県佐賀市成章町にある市立の小学校。
概要
- 歴史
- 佐賀藩校の弘道館の流れを汲み、1874年(明治7年)に「勧興小学校」として創立。現校名になったのは1947年(昭和22年)。2024年(令和6年)に創立150周年を迎えた。
- 校名「勧興」の由来
- 前身である弘道館の蒙養舎では、教科書の1つとして経書(五経)の『礼記』が使われていた。校名はその「王制篇」第5章612頁にある「勧功興学」から採られている[1]。
民咸安其居 楽事勧功
尊君親上 然後興学
(人がみなその処に安んじて仕事を楽しみ励み、
長上を敬い親しむとき、学問や文化が盛んになる)
— 『礼記』「王制篇」第5章612頁(ふるさと勧興、p.47より引用)
- なお、当校出身で政治家の佐藤尚武が著した「勧功興学」の書が当校に所蔵されている[1]。
- 校訓・校是・教育目標
- 勧興魂「勉強はベストをつくし、運動はくたくたになるまで」
- 校章
- 2羽の鳥が背中合わせになっている絵を背景にして、中央に校名の頭文字である「勧」の文字を配している。
- 校歌
- 作詞は原田種良、作曲は陶山聡による。歌詞は3番まであり、各番の歌詞中に校名の「勧興」が登場する。
- 通学区域
- 佐賀市のうち、「中央本町、中の小路、松原一~二丁目、天神一丁目、天神二丁目(1番28~53号・2番・3番21~32号・4番1~6号・4番26~41号・5番を除く)、成章町、唐人一~二丁目、駅南本町、愛敬町(4番29~47号を除く)、八幡小路、白山一~二丁目、多布施一~二丁目、大財一丁目(5番25~33号・6番22~60号・7~8番を除く)、大財三丁目(1番12~23号・11番5~25号)、呉服元町(2番1~12号・2番23~24号・3~5番・11番1~11号)、駅前中央一丁目(1番1~11号)」。中学校区は佐賀市立成章中学校[2]。
- シンボル
- 校舎玄関前にあるソテツは、もと北堀端の校舎の玄関前にあったもので、1913年(大正2年)の校舎移転とともに移設されたものである。樹齢およそ200年と推定され、弘道館時代からあったとされている[3]。
- 特別支援教育
- 特別支援(知的・情緒・病弱)教育を行っている。現在は、つぼみ・わかば・みどりの名称である。
沿革
- 前史(藩校)
- 正史
- 1874年(明治7年)7月 - 「勧興小学校」として再興。
- 1886年(明治19年)- 小学校令施行により、「高等科併置 尋常勧興小学校」(尋常科4年・高等科4年)に改称。
- 1892年(明治25年)4月 - 「勧興尋常高等小学校」に改称。
- 1899年(明治32年)4月 - 高等科を廃止の上、「勧興尋常小学校」に改称。尋常科を修了した児童は佐賀高等小学校・佐賀女子高等小学校へ通学することとなる。
- 1908年(明治41年)4月 - 改正小学校令により、尋常科(義務教育)が4年制から6年制に改められる。尋常科5年を新設。赤松尋常小学校新設のため学区を変更。
- 1909年(明治42年)4月 - 尋常科6年を新設。
- 1913年(大正2年)12月 - 現在地に新校舎が完成。
- 1914年(大正3年)1月 - 新校舎に移転完了。
- 1937年(昭和12年)- 運動場東側に葉隠の碑を建立。
- 1941年(昭和16年)4月1日 - 国民学校令の施行により、「佐賀市 勧興国民学校」に改称。尋常科を初等科に改める(初等科6年制)。
- 1947年(昭和22年)
- 4月1日 - 学制改革(六・三制の実施)により、国民学校初等科が、新制小学校「佐賀市立勧興小学校」(現校名)に改組・改称。
- 6月 - 火災により、校舎の大部分を焼失。
- 1948年(昭和23年)- PTAが発足。
- 1950年(昭和25年)- 給食室が完成。
- 1951年(昭和26年)- 講堂兼屋内体操場が完成。
- 1952年(昭和27年)- 復興記念式を挙行。
- 1958年(昭和33年)- プールが完成。
- 1966年(昭和41年)- 体育館兼講堂を新築。
- 1972年(昭和42年)- 特殊学級(言語)を開設。
- 1974年(昭和49年)- 創立100周年記念式典を挙行。校旗を制定。
- 1977年(昭和52年)- 新校舎(北西棟 普通教室14)が完成。
- 1978年(昭和53年)- 新校舎(北東棟・南管理特別棟)が完成。
- 1982年(昭和57年)- EC諸国より25名が教育視察のため来校。
- 1984年(昭和59年)- 創立110周年を記念して「懐古堂」を開館。
- 1987年(昭和62年)- 知新堂を開設。第1回勧興まつりを開催。
- 1988年(昭和63年)- ランチルームを開設。
- 1989年(平成元年)- 佐賀市制100年を記念してタイムカプセルを埋める(開封予定は30年後の2019年)。
- 1990年(平成2年)- 姉妹都市グレンズフォールズ市(アメリカ合衆国)関係者が第4回勧興まつりに来校。
- 1994年(平成6年)- 新体育館が完成。
- 1996年(平成8年)- 給食食器を陶器に改める。
- 1998年(平成10年)- 自動車図書館ブーカス号が初めて来校(2005年(平成17年)まで)。
- 1999年(平成11年)- スクールアドバイザーによる教育相談を開始。
- 2000年(平成12年)- 情報教育アドバイザーによる指導を開始。
- 2002年(平成14年)- 地域と共同で勧興まつりを開催。佐賀市学校版環境ISOに認定される。
- 2003年(平成15年)- スクールカウンセラーによる教育相談を開始。
- 2004年(平成16年)- 地域と共同で勧興ふれあい大運動会を開催。
- 2011年(平成23年)- 相撲場を解体。
- 2016年(平成28年)
- 2月 - 北校舎耐震工事・大規模改修工事のため、プレハブ校舎に移転。
- 9月 - 北校舎工事が完了。
- この年 - 管理棟の耐震工事・大規模改修工事に着手。
- 2017年(平成29年)6月 - 管理棟工事が完了。
- 2019年(令和元年)10月 - 佐賀市制100年記念の際に埋めたタイムカプセルを開封。
交通
- 最寄りの鉄道駅
- 最寄りのバス停留所
- 最寄りの幹線道路
周辺
- 佐賀市立成章中学校
- 佐賀県社会福祉協議会
- 佐賀市立勧興公民館・佐賀市青少年センター
- 佐賀天神郵便局
著名な関係者
出身者
教職員
- 千住虎吉 - 弘道館出身で当校初代校長に就任、17年間在職した[6]。
参考文献
脚注
関連項目
外部リンク