令和3年台風第8号
令和3年台風第8号(れいわ3ねんたいふうだい8ごう、アジア名:Nepartak [命名:ミクロネシア・意味:有名な戦士の名前] )は、2021年7月に発生し、史上初めて宮城県に上陸した台風である[2]。 進路7月23日21時、南鳥島近海で発達中の熱帯低気圧(同日9時発生[3])が台風8号になり、アジア名ニパルタック(Nepartak)と命名された[4]。台風はその後北上し、日本の東の海上を北西に進んだ[5]。24日午後9時に、強風域の半径が500kmに達し、大型な台風となった[6]。この段階では、27日には東北や関東甲信に接近・上陸するおそれがあるとされた。仮に福島県や宮城県、茨城県などに上陸すれば、1951年の統計開始以来初の事例になるとされた[7]。こうした台風の経路は非常に珍しいものであり、それまでに関東・東北の太平洋側に東海上から上陸した台風は、1951年の統計開始以降では、1989年の台風13号(千葉県銚子市付近に上陸)と2016年の台風10号(岩手県大船渡市付近に上陸)のわずか2例しかなかった[8]。このような珍しい進路を辿った原因としては、太平洋高気圧が例年より北東に離れた場所に位置していたことや、上空の寒冷渦などが挙げられる[9]。 その後次第に進行方向を北西から西へと変え、暴風域は伴わないものの、26日夜には関東地方と東北地方の一部が強風域に入った[10]。台風は一時的に南下しつつ、翌27日朝には銚子市の東海上でほぼ停滞した。この段階で、北陸と東海の一部も強風域に入った。同日日中は進路を北に変え、関東南部沖を進んだ[11][12]。同日夜には北北西にカーブしつつ、北関東沖から三陸沖を進んだ[13]。その後、翌28日の朝6時前に宮城県石巻市付近に上陸した。前述の通り、宮城県に台風が上陸するのは観測史上初となった[14]。その後は宮城県北東部を北上して岩手県に入り、同日9時には盛岡市の南70km[15]、同日正午には秋田市の東北東80kmに達した[16]。同日午後には西向きに進路を変え、秋田県を通って日本海に出た。同日15時、秋田県沖で温帯低気圧に変わった[17]。 気象状況この台風は上空に寒気を伴うなど、台風と温帯低気圧の中間的な性質を持っているため、台風の中心から離れた地域で風雨が強まった[18]。7月26日には、銚子で最大瞬間風速23.1m/s、いわき市で同16.1m/s、北茨城市で15.3m/sの強風が観測された[19]。翌27日には、銚子で最大瞬間風速25.8m/sが観測され、八丈島で午前4時43分までの1時間に64.5mmの非常に激しい雨が降り、7月の観測史上最高タイとなった。この他、千葉県東庄町で午前1時11分までに32.0mmの激しい雨が観測された[20]。同日夜には、活発な雨雲が流入した福島県南相馬市で20時までの1時間雨量が21mmと強い雨になった[21]。 影響と被害五輪日程への影響東京オリンピック開催期間中の接近上陸となった。
被害出典
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