九州じゃんがら
九州じゃんがら(きゅうしゅうじゃんがら)タスグループに属する株式会社タス21[1]が東京都内の各地で運営する九州系豚骨ラーメン店である。略称じゃんがら。九州じゃんがららあめん(きゅうしゅうじゃんがららあめん)は、同社の登録商標である[2]。 沿革慶應義塾大学法学部を卒業した下川高士(1954年 - )は、子供好きで、大ファンだった青春群像ドラマ『俺たちの旅』の影響を受けて、当時勤めていたヤクルト本社を退職、1979年(昭和54年)東京都杉並区に学習塾のブルカン塾を開く[3][4]。 開塾して1年、家計に苦しむ家庭とその状況に置かれた子供たちを見て、保護者の都合から授業料を払えないということだけで通塾は断れないと考え、金銭的に苦しい子供たちの授業料を免除する。しかし、年を追うごとに当時の経済状況から授業料を払えない家庭が増えていき、そうした子供たちも受け入れていたことで採算度外視でボランティア化した結果、塾の運営基盤が揺らぐ事態となる[3][5]。 こうした中で下川らは、塾をきちんと運営しながら自らの生活基盤を安定化できるような仕事は無いかと考え始める。そしていきついた答えがラーメン店の運営であった。昼はラーメン作り、夜は塾の運営という体制で、真心を込めたラーメン作りをし、自分たちの頑張りを子供たちに見せることで生きるというメッセージを伝えることができるというものである。熊本県で育った下川(生まれは東京都)を始め、スタッフのほとんどが九州出身だったこともあり、豚骨系ラーメンに決まり、長崎県の卓袱料理の料理人・野田利政に師事する[3][5]。 1984年(昭和59年)にじゃんがらを開業してからも味やサービスの向上を行い続け、各種メディアに取りあげられるようになり、なんでんかんでんと並んで豚骨ラーメンの普及に重要な役割を果たしていった。現在は塾と独立した経営を行っているが、同塾で講師をしていた店長やチーフ、同塾の卒業生が店員になることも多い[6][7]。 九州じゃんがら 店舗秋葉原本店1984年開店。創業から現在まで、大きなリノベーションを行っておらず、席の配置の都合から生まれた個室のような一人席がある。 原宿店1986年にJR原宿駅から近い表参道沿いのビルの2階に開店。2021年の業態変更に伴い、原宿店の名称は同じビルの階下に1993年に開店した店舗(原宿1階店)に引き継がれた。 銀座店1991年に銀座七丁目に開店。ビルの取り壊しに伴い2006年に閉店。2010年7月に銀座六丁目に再開店。 赤坂店1994年開店。日枝神社のそばに店舗を構えていたが、2008年7月に赤坂サカスそばに移転。2004年3月2日の昼に当時総理大臣であった小泉純一郎が食事して話題となる。 西武池袋店過去に存在した店舗
系列店舗九州じゃんがらプラスヴィーガンビストロじゃんがら九州じゃんがら 旧原宿店をフルリノベーションして2021年に開店。豚骨ラーメンとは異なるプラントベース(植物由来の材料)の料理をカジュアルに提供する店舗。同じグループ内企業である株式会社TOKYO-T'sが経営するヴィーガンレストラン「T'sレストラン」の協力を得ている[3]。 バール・デ・じゃんがら文化交流倶楽部 バール・デ・じゃんがら - 1990年に原宿で開店したバー。ラーメンは提供しておらず、看板を出していない。 東京らあめんタワーこれまで九州じゃんがらの味を生み出してきた「じゃんがらうまか味研究会」による系列店舗。豚骨系ではなく醤油ラーメンを中心としている。
業務提携東京じゃんがらJR東日本クロスステーション(旧 日本レストランエンタプライズ)と業務提携による新業態店。主に駅構内などに出店する。九州じゃんがらで提供しているメニューだけでなく、この店オリジナルのメニューも用意している。
Kyushu Jangara Thailandコラボレーション日本航空日本航空と機内食用ラーメン「JAL特製『九州じゃんがら』 ヘルシーラーメン」を共同開発。2013年12月より、JAL国際線欧米発日本行にて提供している[18]。肉類を使用しないプラントベースラーメンとなっている。 ヤマダイヤマダイのカップ麺「ニュータッチ」のシリーズとして、2013年12月9日に「からぼん」を元にした「九州じゃんがら辛とんこつラーメン」を全国発売。 翌年以降、2020年の「九州じゃんがら とんこつ不使用の熊本風らぁめん」[19]まで毎年異なるメニューを元にしたカップ麺を発売した。 その他2017年に俳優のキアヌ・リーブスが赤坂店に来店したことから、彼が主演する映画「レプリカズ」と「ジョン・ウィック:パラベラム」の日本公開の際には、SNS上と九州じゃんがら店舗でタイアップキャンペーンが行われた。 メニューラーメン豚骨ベースのラーメンだが、種類ごとにアレンジを加えている。店舗によって取り扱うメニューが異なる。
つけ麺ほか
植物性ラーメン2012年に期間限定で販売された野菜だしの「全部野菜の醤油らあめん」以降、スープ、麺ともに動物性の材料を使っていない3種類のプラントベースラーメンが販売されている。店舗毎に取り扱いが異なる。
トッピング
スープの変遷秋葉原本店で過去に提供されていたじゃんがらは濃厚クリーミーな味であった。1990年代中期頃からしだいにライトな味に変化し始め、現在のマイルドであっさりとしたじゃんがらとなった(そのため、当時ぼんしゃんは秋葉原本店には存在しなかった)。これにより「あっさり系のじゃんがら」と「濃厚系のぼんしゃん」という2つの軸が完成した。 類似店九州じゃんがらに名称が酷似しているラーメン店として、かつては水戸市に本拠を構える株式会社自然物語が経営母体に関東地方を中心に全国的に店舗を構えていた「元祖じゃんがららぁめん」というラーメン店があったが、急激な多店舗展開が災いして経営が悪化し、民事再生法による再生手続を経た後、2005年11月に破産。それに伴い経営母体が移転している。味はまったく異なるが九州じゃんがらが有名になったこと、元祖じゃんがらがチェーン展開を幅広く行い「じゃんがら」を商標登録していたことなどから、両店を混同する客は多かった。九州じゃんがらは店頭やウェブサイトで混同しないように注意を呼び掛けており、元祖じゃんがら名称の店舗がほとんど閉店した後も、「じゃんがら」を意識したと思われる店名で外見の雰囲気なども似せ、九州とんこつラーメンを出す店が都内の繁華街に複数存在することから、混同を避けるための呼び掛けは続いている。 脚注注釈出典
外部リンク
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