吉村家
吉村家(よしむらや)は、神奈川県横浜市西区岡野にあるラーメン店。 家系ラーメンには、吉村家から正式に暖簾分けされた直系店舗のほか、暖簾分けされた店からの暖簾分け、さらに独自に模倣または参考にした「インスパイア系」の店も存在する[3]。 概要吉村実は1948年(昭和23年)6月に山形県で生まれ、横浜市で育った[1]。ラーメン店開業前は長距離トラックの運転手として主に関東〜九州間での配送を担当しており、九州では豚骨ラーメンを、関東では鶏ガラ醤油ラーメンをよく食べていた。そして、ふとしたある日、「九州の豚骨ラーメンと関東の鶏ガラ醤油ラーメンをブレンドしたラーメンを出してみてはどうだろうか?」と思いついた。そこで、ラーメン店の創業を決意し、京浜トラックターミナルにあったラーメンショップで半年間働きノウハウを身につけた[4]。 1974年(昭和49年)9月、横浜市磯子区杉田の新杉田駅付近、国道16号に並行する磯子産業道路沿いにラーメン店「吉村家」を開店した[2]。約10坪の店で、家賃は月8万円[1]。「貧乏人と金持ちに平等なのは時間だけ」と考え、他人の倍働こうと決意して1日18時間仕事をして、家に帰らず店にゴザを敷いて寝た[1]。やがて行列ができる人気店となり、25年経った[1]1999年(平成11年)9月に横浜市西区南幸(横浜駅西口)に移転した[2]。 2023年(令和5年)3月に横浜市西区岡野の自社ビルに移転[5]。移転のきっかけは、旧店舗の賃貸契約(25年契約)が切れ、契約更新に当たって「従来の3倍の賃料」を提示されたことだといい、ちょうど同時期に新型コロナ禍の影響で近隣の土地が売却される話があったため、その土地を購入して移転することを決めた[6]。 麺は酒井製麺の太麺を使用し、分厚くスライスしたチャーシュー、丼からはみ出すほどの大きな海苔3枚、鶏脂を使うことによる幾分黄色いスープ、青み野菜の具として乗せられるホウレンソウが特徴[2]。供される醤油豚骨スープには、1日分として豚骨1トン、鶏ガラ500羽分が使用されている[2]。焼豚の使用量は1日50キログラム以上[2]。 メニューは、ラーメンとトッピング各種のみであるが、麺の固さ、スープの脂の量、味の濃さを客が自由に指定できることに加え、テーブルの上にニンニク、豆板醤、コショウといった調味料が置かれており、客が好みに合わせて使用できるなど、選択肢の豊富さが特徴となっている[2]。 1日に約1500杯のラーメンを売り上げる[2]。人気店となって長いが、吉村は「(入店待ちの行列が)いつ消えるのが怖い」とインタビューで語っている[1]。吉村家を経営する傍ら、不動産取引と株式取引で失敗して会社を二つ潰したが、ラーメンのおかげで立ち直れたと振り返っている[1]。 「弟子」取りと直系店舗吉村家ホームページ、または吉村家店頭にも「弟子入り募集」の告知がなされている。吉村によると、2020年代初頭までに300人以上が弟子入りしており、学歴は、中学校を正式に卒業できなかった者も東京大学出身者もいたが、道を一度踏み外して真面目になろうと決心した人間が強いという[1]。 修行を経て暖簾分けを許された以下の直系店舗が存在する。 直系店舗
直系店には吉村実から手渡された「家系皆伝」の書が飾られている。 過去の直系店舗以前に吉村家の直系であった店舗を記す。
出典・脚注
関連項目外部リンク
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