ユーフォーテーブル
ユーフォーテーブル有限会社(英: ufotable,Inc.)は、日本のアニメ制作会社。 概要東京ムービー新社(後のトムス・エンタテインメント)、テレコム・アニメーションフィルムにて制作進行を務め、ステップ映像で制作プロデューサーを務めた近藤光が独立して2000年に設立した。 事業内容はアニメーションの企画・制作および版権管理、シリーズ構成・シナリオ制作、テレビ番組・PVなど実写映像企画・制作、CG制作、クレイアニメーション制作、キャラクターグッズ企画・制作・販売など。その他、カフェや映画館の経営、声優の育成などアニメーション制作以外の事業も展開している。 1999年頃、近藤光が「自身が25歳だったらいたいと思う会社を作りたい」と野中卓也、高橋聡、千葉絵美、柴田淳らと共に近藤の友人が住む北池袋の古いマンションの四畳半部分に作業机を2台持ち込み活動を開始。2000年に法人登記。海老沢一男も参加し、音楽バラエティ番組『うたばん』のオープニングアニメーションの制作を請け負い制作会社として活動を本格的に開始した[2][3][4]。 社名の由来は、実在する家具である『UFOテーブル』からとったもの。社長である近藤がこの家具を気に入り、北欧で個人的に所有していた人物から譲り受けた。社名には、「やりたいことを人に伝えていこう」という気持ちが込められている[5][6]。また、『ufoくん』というマスコットキャラクターがおり、同社が元請制作をする劇場作品の冒頭ジングルに登場する[7]。設立初期の作品では『ufotable zippers(ユーフォーテーブル ジッパーズ)』の名義で活動することがあった。 2003年にライトノベル原作のテレビアニメ作品『住めば都のコスモス荘 すっとこ大戦ドッコイダー』にて正式にテレビアニメーション作品の元請制作を開始。同年、ufotable初のオリジナル企画作品『がくえんゆーとぴあ まなびストレート!』を始動。後にテレビアニメ化もされた。2005年には、電撃G's magazineの読者参加企画『双恋』のアニメーション化第2弾として制作を担当したテレビアニメ作品『フタコイ オルタナティブ』が第9回文化庁メディア芸術祭において審査委員会推薦作品に選出され[8]、この作品の評価をきっかけにアニプレックス、ノーツ(ゲームブランド・TYPE-MOONを取り扱うクリエイタープロダクション)との共同企画『TYPE-MOON× ufotable プロジェクト』が始動した。このプロジェクトを通して『劇場版 空の境界』シリーズ、『Fate』シリーズの演出や作画の質が高く評価され、アニメファンの間でさらに知名度を上げた。2017年から2020年にかけて公開された『劇場版 Fate/stay night [Heaven's Feel]』全三章では3部作国内累計興行収入が52億円を突破している[9][10]。 2019年より制作を担当する『鬼滅の刃』では社会現象と呼ばれるほどのブームを引き起こし、2020年に公開の『劇場版 鬼滅の刃 無限列車編』は、2024年現在の日本歴代興行収入・観客動員数第1位、2020年年間興行収入世界1位を記録した[11][12][13][14]。 徳島スタジオ2009年4月、徳島市内にスタジオを開設した。地方に開設した理由として「アニメーションは日常生活において目でみたもの、接したものが画面に現れる。だからこそ、東京とは違う良い環境でアニメをつくりたい」という想いがあったため[15]。最初は沖縄にスタジオを設立しようとしたが、制作スタジオとして条件が合わずに断念。その後、近藤の出身地である徳島県徳島市が企業誘致を行っていることを知り[15]、地元の老舗石油販社・高原石油の所有していた旧高原ビル(現在は国際東船場113ビル[注釈 1][16])の4階にスタジオを開設する契約を締結した。2階には「ufotable Cafe」が併設されている。その後、徳島市東新町にアニメ作品を上映する映画館を開設することを明らかにし[17]、2012年3月18日に「ufotable CINEMA」がオープンした[18]。 徳島県の街おこしに関わっており、阿波踊りのPRポスター製作のほか、徳島県が主導する「とくしまデジタルコンテンツ・プロジェクト」にて18歳未満を対象とした「デジタルクリエイター養成塾」を毎年開催している。ufotable所属のアニメーターの中には養成塾の出身者も在籍している[19][20]。また、2017年より総務省のふるさと納税にてufotable TOKUSHIMAが『徳島市ふるさと応援寄附金』パートナー企業となる[21]。自衛隊徳島地方協力本部のマスコットキャラクター「さきちゃん」「もりくん」の作画協力や自衛隊徳島地方協力本部平成22年度採用用自衛官募集ポスターなども手掛けており、2010年当時、自衛隊募集ポスターにアニメイラストを起用する珍しい試みは全国で話題となった[22][23][24]。 その他、徳島県や徳島市などの行政と連携した仕事を多く請けている。徳島スタジオが制作するオリジナル企画『おへんろ。』での縁から、2014年以降、四国放送、岡山放送、高知さんさんテレビ、テレビ愛媛の四国を中心とした民放でufotable制作作品を放送している[2]。 海外展開2018年より韓国、2020年より中国にてコラボレーションカフェを展開している。なお、韓国や中国での展開はカフェ運営のみであり、アニメーション制作などの映像制作事業は行っていない。
2018年3月3日に韓国法人の設立を発表。近藤光が会長、企画管理部及び漫画班にてネームを担当していたチョンソダムが代表取締役社長に就任。同時に2018年4月に『ufotable&マチ★アソビCAFE KOREA』を韓国弘益大学校付近にオープンした[25]。
2020年10月3日より『ufotable Cafe 上海店』を中国・上海市の徐匯区にオープンした。2021年11月27日には『ufotable Cafe 成都店』をオープン、2022年3月12日には『ufotable Cafe 広州店』をオープン[26]。なお、自社法人で運営する韓国店と違い、中国各店舗は北京市を拠点とするIPプロデュース企業『株式会社ウルトライゾン』がufotableより委託を受けて運営。同社はufotableのパートナー企業として同社作品の商品化に協力しているほか、後述の『原神』にも関わっている[27][28]。 2022年9月にはソーシャルゲームの開発・運営を手がける中国のゲーム会社miHoYoによって開発されるオンラインゲーム『原神』の長期プロジェクトとして、原神のブランド展開を行うHoYoverseとufotableの2社による共同製作事業を発表した[29]。 制作環境制作体制東京都新宿区と徳島県徳島市を拠点とし、2024年3月時点で256名のスタッフが正社員として所属している[30][31][1]。 部署は東京スタジオに演出・作画部、仕上げ部、美術部、デジタル映像部(撮影・CG・編集・ツール開発)、制作部(企画・プロデュース・制作進行管理)、企画管理部(イベント企画、グッズ企画・制作・販売、漫画制作、クレイアニメーション制作、コンテンツ事業展開)、文芸部(シリーズ構成・脚本制作)を有しており、徳島スタジオには演出・作画部が設立されている。このため、音響・音楽関連を除く映像制作に必要な部門のすべてを社内に擁しており、各部門で連携を取りやすい体制を築いている。 制作ラインは1つのみであり、一部を除くほとんどの社員が進行中の企画全てに関わっている。社員中心の制作体制により内製率が高く、2010年以降の元請作品では1話単位の制作工程を全て外注のグロス会社へ委託するグロス請けの工程を行っていない。そのため、全話数が東京スタジオと徳島スタジオを中心とした社内体制で制作されている。作画・仕上げ・美術などの工程では一部のカットをフリーランスや外部スタジオへ発注しているが、作画監督や動画検査、仕上げ検査などの各種監修作業は社内で一括して行っており、演出や原画も含めた全セクションの工程を極力内製し、外注するカットを的確に絞り込むことで品質管理を徹底できる体制を整えている。背景美術・撮影・3DCGも社内セクションで担当しており、外注すると単純な確認作業だけで数日かかる工程の負担削減やセクション間の連携を強く取れることによる作業の効率化を図っている[32][33][34]。 一つの作品を完成させるために可能な限りの時間をかけるスタイルであり、映像完成後も放送・公開までの空いた期間はブラッシュアップを続けるのが習慣となっている[35]。また、ラッシュチェックなどの重要な作業や会議の際にはメインスタッフ以外にも希望があればどの社員でも参加することが可能なシステムとなっている[36]。『がくえんゆーとぴあ まなびストレート!』ではチーム監督制を業界で初めて採用、『劇場版 空の境界』では各章ごとに監督を変えるなど、作品ごとに制作体制において新たな試みを行うことも多い[2]。 雇用に関しては、2020年時点で新卒採用も含めた全スタッフを正社員として雇用。働き方改革への対応のために社会保険労務士を顧問としている。ほかにも、徳島スタジオでは京都アニメーションの勤怠管理に倣った定時出勤・退社、健康管理の徹底など、労働環境の整備を行っている[31][1][37]。育成にも力を入れており、各アニメーターやスタッフから技術を学んだ社員が演出家、キャラクターデザイン、作画監督などで活躍[38]。『衛宮さんちの今日のごはん』や『活撃 刀剣乱舞』では多くの若手スタッフがキャラクターデザイン等のメインスタッフとしてデビューしている[39]。 年間の元請作品数は同規模の制作スタジオと比較しても少ない。これは映像品質や内製体制、労働環境等を重視してスケジュールを組んでいるためである[40]。作品経歴は、連続または分割による2クールテレビアニメ作品、連作による劇場作品、OVAシリーズ、ゲーム内アニメーション、月刊誌・Web・新聞コラム記事に掲載する漫画作品などを制作した実績がある。
2006年以降、ほぼ全ての元請作品において製作委員会に出資・参画している[2]。 2007年公開の『劇場版 空の境界』以降、製作委員会を組織する際には出資・参画企業が最小限になるように調整され、制作のufotableとプロデュース・宣伝・販売を担当するアニプレックスなどの幹事企業以外は原作の出版・販売・著作権管理をしている企業のみの出資となる。通常10社近い出資形式が多いなかで参画企業を3社から5社程度に留めており、制作における様々な規制・制限への対策として行われている[41][42]。 名称に関しては「○○製作委員会」を使用することは稀であり、参画企業の名前のみ表記されることが多い。これは、アニプレックス代表取締役執行役員社長である岩上敦宏の「表記された会社が全ての責任を持つということを視聴者に伝え、自分たちもある種の覚悟を持って作品作りに挑む」という考え方をリスペクトしたものである[43]。 2006年以降、同社は製作委員会へ出資・参画することによりアニメーション化作品の著作権者となっており、著作権マークである『Ⓒ』の下にufotableの社名が表記されている。同社は設立初期から制作するアニメーション作品の著作権を得ることに力を入れており、出資するリスクをとることで作品がヒットした際にスタジオや社員に利益を還元できるように力を入れている[44]。
スタジオ2015年以降、2つのスタジオを構えて活動している。
スタッフィングプロデューサー及び制作プロデューサーは設立時よりufotable制作作品の全てにおいて、代表取締役社長である近藤光が務めている。 社員による内製制作を特徴としており、音響関連を除くアニメーション制作スタッフの多くが社内に常駐している[39]。また、映像制作に必要な全部門を社内に備えているため、メインスタッフも基本的に社員から起用している[注釈 2]。メインスタッフが社内に常駐していることで、作品に対する価値観を全体で常に共有できる体制を構築[79]。 シリーズ構成・脚本制作は2010年以降、ufotable名義でクレジットされている。シリーズ構成は監督やufotable文芸部により共同で制作されている。なお、テレビアニメ作品の各話脚本や劇場・OVA作品の脚本に関しては各話・各作品の担当社員の個人名義も一緒にクレジット表記されており、全ての脚本がスタジオ名義である作品は『鬼滅の刃』シリーズのみである。多くの作品でメイン脚本は文芸部・脚本家の佐藤和治か漫画班チーフの桧山彬が担当している。テレビアニメの1話単位の脚本に関しては外部の脚本家がゲストで参加する場合もある。『コヨーテ ラグタイムショー』『テイルズ オブ ゼスティリア ザ クロス』『活撃 刀剣乱舞』では代表取締役社長・プロデューサーの近藤光がシリーズ構成・脚本を担当した。 シナリオ会議や絵コンテ、アフレコ等の各種監修作業では、原作となる漫画・小説作品やゲームの原作者・編集者・開発チームに参加を依頼しており、共同で制作・監修を行うスタイルがとられている。これは「原作を尊重して、ファンだけではなく作者や原作関係者も観たいと思える作品を制作する」というスタジオの方針から長年行われている取り組みである[80][81][82]。 編集は神野学が主に担当しており、神野が所属するソニーPCLでオンライン編集を含む編集作業を行っている。音響制作はほぼ全ての作品でスタジオマウスを起用。音楽には梶浦由記、椎名豪、深澤秀行を起用する傾向にある。 音響監督には外部のクリエイターを起用していたが、2016年以降は代表取締役社長である近藤光が音響監督・音楽演出を担当している。 2007年以降のテレビアニメ、劇場作品、WEBアニメ、OVAなどのアニメーション作品に関しては、ほぼ全てでアニプレックスが企画・プロデュース・宣伝・販売・音楽制作を担当。アニプレックス代表の岩上敦宏や所属プロデューサーである高橋祐馬がプロデュース・宣伝を担当している。ゲームアニメーション及び、そのテレビアニメ化作品に関してはバンダイナムコエンターテインメントの作品を主に手掛けており、『GOD EATER』シリーズや『テイルズ オブ シリーズ』など、富澤祐介がIP総合プロデューサーを務めるゲームタイトルの作中アニメーション制作を多く担当している。 主題歌については、同社劇場作品『劇場版 空の境界』にて結成された梶浦由記プロデュースによるヴォーカルユニットKalafinaを多く起用。結成から解散となる2017年までの間に、デビューシングル「oblivious」からラストシングルとなった21枚目の「百火撩乱」までの15曲をufotable作品とタイアップしていた。2011年以降はアーティストのAimerやLiSAを中心にSACRA MUSIC所属アーティストとのタイアップが主となっている。 アニメ制作会社feel.に所属するスタッフがufotable作品へ原画などで参加することが多く、ufotableのスタッフもfeel.の作品に原画などで参加することが多い。また、ufotableに参加していた演出家のあおきえいが取締役を務めるアニメ制作会社TROYCAの制作作品への参加も多い。 作風設立から現在に至るまでゲーム作品に収録されるゲーム内アニメーション、それらを原作とするアニメーション映像化作品を多く手掛けている。 設立当初はアスキー・メディアワークス(現・KADOKAWA)のレーベル『電撃文庫』『月刊コミック電撃大王』『電撃G's magazine』が展開する小説・漫画・オリジナル企画のアニメーション制作を主に担当していた。これらの作品はコメディ色や奇抜な展開のある作風がほとんどであったが、2007年から2010年にかけて公開された講談社出版小説の映像化作品『劇場版 空の境界』以降はシリアス色の強いアクション作品を手掛けることが多くなる。これについて所属演出家・アニメーターの須藤友徳をはじめとするスタッフたちは『劇場版 空の境界』をufotableの転機になった作品と評し、本作でスタジオとしての作風や制作体制が固まったとされている[48][83]。 2010年以降、ゲームブランド・TYPE-MOONの奈須きのこ原作作品を中心にゲームタイトル原作のアニメーション映像化をメインとしている。特にTYPE-MOON・奈須きのこ原作作品に関しては企画立案の2005年以降、『TYPE-MOON× ufotable プロジェクト』として15年以上映像化を担当している。手掛ける作品としては、奈須きのこが原作・シナリオを務めたTYPE-MOON作品の中でも世界観の原点となった4つの作品(『空の境界』,『月姫』,『Fate/stay night』,『魔法使いの夜』)の全てにおいて、ゲーム内OPアニメーションも含めた映像化に携わっている。また、この4作品と舞台や登場人物などの関連が特に強い外伝・派生作品(『Fate/Zero』『衛宮さんちの今日のごはん』『氷室の天地 Fate/school life』など)に関してもアニメーション制作を担当している。 テレビアニメ作品や劇場アニメ作品で漫画原作を手掛けることは少ないが、2019年には漫画原作となる集英社『鬼滅の刃』のアニメーション制作を担当した。 特徴劇場作品の冒頭ジングルには同社マスコットキャラクター『ufoくん』がUFOに吸い込まれる映像が流される[7]。また、劇場作品及びテレビアニメ作品第1話の冒頭テロップでは各作品の製作委員会出資企業の名前を英語で羅列した後に「&ufotable present」と表記し、最後に「an ufotable production」とテロップを出すことが多い。 2005年放送の『フタコイオルタナティブ』以降、多くの作品で映像に合わせて音楽を制作する「フィルムスコアリング方式」を採用しており、2014年放送の『Fate/stay night [Unlimited Blade Works]』では、日本のテレビアニメ作品としては初めて2クール全話数においてフィルムスコアリング方式で音楽が作られている[84]。また、テレビアニメでは通常のエンディングテーマとは別に挿入歌や特殊エンディングを用意することが多いほか、2005年以降の多くの作品で主題歌や挿入歌の作詞をufotableが手掛けている。 現代を舞台とする作品にはジョージアのエメラルドマウンテンブレンド缶が登場する。『フタコイ オルタナティブ』では第3話のタイトルに「エメラルドマウンテン・ハイ」という形でエメラルドマウンテンの名前が登場しており、第3話のキーアイテムとなっている[85]。『劇場版 空の境界』でも度々登場するほか、『劇場版 空の境界 未来福音』では物語の重要な演出として使用され、時系列が変わるごとにその年代に合わせたラベルを使用している[86]。その他、『Fate/stay night』シリーズなどエメラルドマウンテンは度々演出の道具として登場している[87]。 作品・活動履歴テレビアニメ
劇場アニメ
テレビスペシャル・総集編
OVA
Webアニメ
媒体未発表
その他 制作アニメーション
ゲームアニメーション
テレビ番組
実写映画
漫画作品
新聞連載作品
著書・書籍
作詞ufotable
逢瀬祭(近藤光)
イラスト・映像・デザイン制作
制作協力テレビアニメ(制作協力)
劇場アニメ(制作協力)
実写映画(制作協力)
受賞歴
関連施設全国5都市及び韓国・中国にてカフェや映画館を計15店舗経営。キッチンカーによる移動販売事業も行う[130]。 ufotable Cafe・マチ★アソビ CAFE全国5都市及び海外(韓国、中国)にて11店舗とキッチンカー1台を展開。日本国内では各都市ごとにufotable Cafe及びマチ★アソビ CAFEが双方出店している。 ufotable代表の近藤光は会社を立ち上げた時から、制作者とファンとの交流の場となるギャラリーカフェを経営することを考えていた。またスタッフの士気の向上、食生活の改善のためにカフェの経営を始めたと語っている[131]。 ufotable Cafeでは、店内で同社が手掛けるアニメとのコラボメニューや原画などの展示が行われている[132]。また、マチ★アソビ Cafeの設立前までは他の企業や制作会社とのコラボ企画も多かった。『Fate/zero』や『Fate/stay night [Unlimited Brade Works]』などの自社制作作品では作品の最速放送時間に合わせリアルタイム視聴会や上映会、トークショーを実施。また、作品に登場するキャラクターの誕生日に合わせてバースデイカフェを行った。 マチ★アソビ Cafeでは、徳島のアニメイベントマチ★アソビに出店する関連企業作品をはじめ他社のアニメ作品とのコラボカフェを中心に行っており、マチ★アソビ関連企業の商品なども取り扱っている。北九州店では声優やアニソン歌手のコンサートやイベント、上映会なども実施している。 2011年5月、徳島市のブランド食材を利用したメニューを提供している徳島市及び東部連携市町村の飲食店等が認定される『とくしまIPPIN店』に『ufotable Cafe TOKUSHIMA』が地産地消認定された[133][134]。また、『ufotableCafe&マチ★アソビCAFE北九州』は、2014年11月29日、徳島県により県のアンテナショップに認定された[135]。2016年10月には、『ufotable Cafe TOKYO』が徳島県により県のアンテナショップに認定された[136]。 ufotable Cafe 上海店では、2021年5月1日より、中国南西部にある成都市にポップアップ店として期間限定で出店。「鬼滅の刃」をテーマとしたコラボレーションカフェを期間限定オープンした[137]。2021年11月27日には正式に『ufotable Cafe 成都店』をオープン[26]。 2022年10月からは全国各所のイベントなどに出張販売が行えるようにキッチンカー『ufotable Cafe TO GO』を始動。ufotable Cafeを展開していない地域も含め、イベント企画運営者や施設運営者の依頼を元に出張営業を行う[138]。
ufotable Diningufotable Cafe同様、ファンとの交流の場を設けたいという思いから、東京都新宿区新宿3丁目に2011年にオープン。 ufotable制作作品とコラボを行い、お酒をメインに提供している。また、カフェと同様に原画展やアニメとのコラボレーションも行っている。 2020年9月8日には、『劇場版Fate/stay night [Heaven's Feel]』と『鬼滅の刃』のコラボレーションダイニングを同時開催する影響で、新宿区5丁目に『ufotable DINING-HANARE-』を期間限定で臨時オープン。その後も常設店として経営は継続している[143]。 2023年8月10日には、3店舗目となる『ufotable DINING -HIROMA-』をオープン。経営するダイニングとしては最大級の座席数、面積となる[144]。
ufotable CINEMA徳島をアニメ文化発信の拠点にするために[145]、アニメイトと協力して2012年3月18日にマクドナルド徳島店跡地にアニメ専門の映画館としてオープンした。制作会社が映画館の運営を行うのは日本初である[146]。地下1階はアニメイト徳島店となっている。 →詳細は「Ufotable CINEMA」を参照
イベントマチ★アソビアニメやゲームなどのエンターテインメントが集うイベント。徳島県徳島市で年に2回開催されている。発起人はufotable代表の近藤光であり、2009年から2018年にかけてufotableが企画・プロデュースを担当した。2019年に企画・運営を辞退して以降は施設提供、イベント協力という立場で関わる。なお、マチ★アソビ CAFEの経営は同社が継続して担っている[147][148]。 2019年から2023年までの企画・プロデュース・運営はufotable元請作品の音響制作を担当するスタジオマウスが担当[149]。 →詳細は「マチ★アソビ」を参照
主要取引先
関連人物所属スタッフ制作プロデューサー・音響監督
監督・演出家
デザイナー・作画監督(アニメーター)
脚本家
色彩設計
美術監督
撮影監督
3DCG監督
編集
クレイアニメーション
漫画班(たあたんちぇっく)
制作部
企画管理部
関連人物
事件・不祥事代表取締役社長による関連店舗での税務事件2020年6月3日、東京国税局が法人税法違反などの疑いで代表の近藤光とufotableを東京地検に告発。2021年7月9日、東京地検特捜部は法人税法違反などの罪で近藤光を在宅起訴とし、法人としての同社を起訴した[151]。 本件は近藤自身が将来の経営悪化に備えるために東京と大阪のカフェ店舗の帳簿から売上金を減額するなどの改ざんを行ったことに起因しており、2015年と2017年、2018年分の所得計約4億4600万円を隠し、法人税約1億1000万円と消費税約2900万円を脱税した[151]。 調査の結果、社の制作・運用資金には近藤自身の報酬や社内保留から捻出した資金が充てられており、疑惑の出たチャリティー募金等の資金も含め運用は適正であり、脱税した資金には一切手を付けられていなかったことが認められる。しかし、2012年度より2021年現在まで同社が大幅な黒字経営であったこと、会計担当の妻への帳簿改竄の強要や自ら店舗レジの資金回収を行い売上金を減算するなどの悪質さにより、「経営者として強い非難を免れない」として、2021年12月10日、近藤に有罪判決が言い渡された。一方、脱税した金額分をufotable社が全額納付していた点や専門家による税務処理等の助言・支援を得られる経営体制を整えるなど今後の対策を講じたため近藤には執行猶予が付けられ、同社に対する罰金も3000万円に減額された[151]。
2019年3月末、社の脱税疑惑が週刊誌のウェブサイトで報じられ[152]、その後の調査で、代表取締役社長の近藤光が東京や大阪のカフェ店舗の売上金から3割ほどを定期的に抜き、帳簿から売上金を減額するなどの改ざんを行っていたことが発覚。2015年と2017年、2018年分の所得計約4億4600万円を隠し、法人税約1億1000万円と消費税約2900万円を脱税したとされる。抜かれた売上金は近藤の自宅金庫に保管されていたという。そのことから、2020年6月3日、東京国税局が法人税法違反などの疑いで同社と近藤を東京地検に告発した。脱税は主に近藤本人が直接売上資金を回収していた東京・大阪のカフェ店舗で行われており、その他の地域店舗、およびアニメーション制作関連の資金には手を付けてはいなかった[153][154]。 ufotableは告発が行われた同日に声明を発表。ファンや関係者への謝罪と共に、同社としては国税当局の指導に従って告発の時点で既に修正申告を行い、正しい税額の全額を納付したと発表した[153][154][155]。 2021年7月9日、東京地検特捜部は上記の法人税法違反などの罪で近藤光を在宅起訴とし、法人としての同社を起訴した[156]。
ufotableは2000年の設立以降、2020年現在まで代表取締役社長で創設者の近藤によるワンマン経営で成り立っていた。近藤は同社唯一のプロデューサーとして、アニメ制作の予算管理を一手に引き受けていただけでなく、同社唯一の経営者として物販関連や東京・大阪のカフェ店舗に関しては売上金を近藤自らが回収に回っていたという。回収した売上金は全て近藤の自宅金庫に保管されていた[157][158]。 店舗運営や物販も含めた経営方針は全て近藤の意向で決定されていた。近藤の推し進める店舗や物販関連の経営方針に関しては社内でも疑問視するスタッフが多かったが、同社唯一の経営者兼プロデューサーの近藤の決定に反対意見を出せるスタッフはいなかったという[157][158]。 会社の経理は本社スタジオと徳島スタジオにおけるアニメーション制作費や関連店舗の売上金を含め、全てを近藤の妻が一人で担当していた。しかし、近藤の妻は税理士や会計士の資格を取得していなかった。更に、会計作業を行うことに消極的だった妻に対し、近藤は帳簿の改竄を執拗に指示していた。同社は有限会社であり、決算公告が義務付けられていなかった。また、当初、各関連店舗ではPOSレジにて売上金額を確認できる状態であったが、近藤が全店舗でロックをかけたため店舗従業員が売上金の確認をとれない状態になっていた。これに関して近藤は従業員たちに「情報漏洩防止のため」と話していた。これは実際に当時のアルバイトがカフェに関する情報漏洩をSNSでしていたことも影響している。そのため、代表の近藤以外は各店舗の売上金を確認できなかった[31][157][158]。
2021年9月17日、東京地方裁判所で開かれた初公判にて近藤は起訴内容を認め謝罪。カフェの売上金から脱税をしていたことを認めた。検察は冒頭陳述で「将来の経営悪化に備えてできる限り資金を手元に残しておくために、被告が東京・大阪のカフェ店舗の売上金から一部を抜いていた」と主張した[159]。
同年11月1日、第2回公判で検察は近藤に対しに懲役1年8か月、法人である会社に対し罰金4000万円を求刑した。近藤は最終意見陳述で社員を含む関係者全員に対し謝罪の言葉を述べている[160]。 本人尋問で近藤は「弊社で利益が出ていたのはカフェ事業のほか、Blu-ray Discや自社商品等のグッズ販売であり、現在までアニメ制作が黒字で続いているのはこの2つの収益があったため。アニメーション制作費のみでは赤字になる」「作品がヒットせず集客の見込みが立たなくなった場合、スタッフの給与が払えなくなる」という理由から資金を残すためにカフェの売上金から脱税に手を染めたと話した[31]。 また、「クライアントから提示される制作費が安価のため、その制作費だけでクライアントから求められたクオリティの作品を作ると赤字になる。それではスタッフを養えない。クライアントから求められるクオリティだけが上がる中、なんで毎回赤字になる額で作品制作を引き受けているのかと考えていて苦しかった」とアニメ業界全体の実情を語り、「弊社はたまたま出資した作品のヒットが続いていたが、そうでなければ既に倒産している」と話した。一方で脱税した資金には手を付けておらず、制作費や土地購入などの費用は全て適正な資金から支払われていると主張した[31]。
2021年12月10日14時、東京地裁・田中昭行裁判官は近藤に対し懲役1年8か月執行猶予3年の有罪判決を言い渡した。東京地裁は近藤の供述した「将来の経営悪化に備えてできる限り資金を手元に残しておきたかった」という主張に関して、調査の結果、社の運用などに使用していた資金は近藤自身の報酬や社内保留から捻出したものであり、実際に東京と大阪のカフェの売上金から脱税した資金には一切手を付けていなかったこと、疑惑の出ていたチャリティー募金等の資金運用も適正であったことが認められる。しかし、2012年度以降の同社の利益が2021年現在まで大幅な黒字経営であった点から脱税を続けていたことは悪質と判断。さらに、会計担当の妻は帳簿の改竄等に消極的であったことに対し、執拗に改竄を指示していた点も指摘され、「経営悪化という将来の不安を踏まえても、経営者として強い非難を免れない」とし、有罪判決が言い渡された。一方、脱税した金額分をufotableがすでに全額納付していた点や専門家による税務処理等の助言・支援を得られる経営体制を整える対策を講じたため近藤には執行猶予が付けられ、同社に対する罰金も3000万円に減額された[151][161][162]。 判決直後の14時24分、同社は公式HPにて謝罪文を掲載。ファンや関係者に対し謝罪し、法令を遵守し、経営の適正化に一層努めることを記載した[163]。
事件後、ufotableでは希望者全員を正社員雇用することになり、2021年12月時点で正社員は200名を超える形になった。また、事件前より「あれだけのクオリティを作っているのに給与が満足に払えないのでは拙い」という判断から所属スタッフは月給制となっていたが、今回の事件を契機にスタッフに対しボーナスを2倍程度支給した。スタッフ全員を正社員雇用にしたことに対し近藤は「全員を正社員とすると経営が厳しくなるのは分かっている。しかし、スタッフは全員、良いアニメを作りたいと思って残ってくれている。その環境を変えないように今後について検討していく」と話した[31]。 また、働き方改革への対応のために社会保険労務士を顧問とし、経理面では国税局OBの税理士を顧問に迎え、帳簿記載から確定申告までの全てを依頼する形に変更した。事件の発端となった関連店舗の売上金の回収方法については、各店舗の店長が直接口座に入金するやり方に変更し、経理面に関して近藤と妻は今後一切関与しないことになった[31]。 一方で、今後、近藤本人が主張していた経営への懸念に対してどう対応していくのかという田中昭行裁判官の問いに対し近藤は、「オファーは多くいただいているが、最初から制作費が赤字と分かっている仕事は請けることを止めた」と話し、「アニメ業界の制作費のベースが変わらないのなら、自分たちで何かやっていくしかない。現在はこちらからビジネスを提案する形で仕事にならないか模索中です」と語った[31]。
ufotable元請作品の企画・販売を務める株式会社アニプレックスは告発が行われた2020年6月3日に声明を発表。同社の担当するufotable制作作品の扱いについては、ufotableが修正申告を行い全額納税済であること等を鑑み、対応は行わないことを表明した。そのため、告発後もufotable制作作品は作品の放送・公開及びグッズ販売等の自粛・延期・制限などは行われず、通常通りの形態での展開となる[164]。 一方で、脱税事件の当事者である代表取締役社長・プロデューサーの近藤光の作品内クレジット表記に関しては、10月10日地上波放送の『鬼滅の刃 総集編 兄妹の絆』及び、10月16日公開の劇場作品『劇場版 鬼滅の刃 無限列車編』以降は「企画」「プロデューサー」などの一部表記から名前を削除する対応がとられている[165]。
2019年3月末に報道された脱税疑惑の時点で、当時の徳島県知事である飯泉嘉門は、徳島県がマチ★アソビに協力事業者の一員として関わっていることから「公金を出すイベントに関わる人物に脱税の容疑がかけられたのは当然好ましくない。しっかり対応していただきたい。」とコメントし、4月15日時点でufotableとはイベントに関するやり取りはしているが近藤とは連絡がつかないこと、今後に関しては運営体制を変えてイベントを開催していく可能性から、県としては実行委の対応を見て今後における協力の可非を判断する旨を発表した[152]。2019年4月中旬に近藤は実行委員会の会長を辞任した[166]。後任の会長はNPO法人阿波文化サロン代表の富永純子[167]。 なお、この報道の直後に開催予定であったVol.22は、ufotableがプロデュースを辞退して施設提供やポップ制作などの運営協力という形での参加に変更されるも日程は予定通りの開催となった。この回のプロデュースはVol.1より参加し、ufotable元請作品の音響制作も務めるスタジオマウスが担当。次回開催の予告はされなかったが、来場者や宿泊業者、飲食店などから継続してほしいという声があることを踏まえ、飯泉嘉門知事は「今後への影響はなく、秋以降の開催も前向きに考えている」と発言[166]。2019年7月23日にマチ★アソビvol.23が通常通りの日程で開催されることが正式に発表され、同年9月に開催された[168]。vol.23からはufotableの企画・プロデュースの辞退により、プロデュースを行う委託事業者を公募することになり、Vol.22に引き続きスタジオマウスが今後のプロデュースを担当。ufotableはこの回以降は施設提供などの協力企業・イベント出展企業としての参加となる[149][167]。 脚注注釈
出典
関連項目外部リンク
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