海老沢一男
海老沢 一男(えびざわ かずお、1953年 - )は、日本のアニメーション美術監督である。アニメ制作会社・ufotableに所属。ufotable美術部チーフ。 人物・経歴日本のアニメーション黎明期より背景美術を手掛けており、業界歴は50年以上。2019年現在、日本のアニメ業界で背景美術としてのキャリアが最も長い人物の一人となっている[1]。 近年、アニメーションの背景美術はデジタルペイントによるものが主流となっているが、海老沢はデジタルが扱えないため、現在でも紙と筆、ポスターカラーを使用した手描きの背景を描いている[2]。 1969年に放送された『ひみつのアッコちゃん』第1話「ふしぎな鏡でルル…」の背景で美術スタッフとしてデビュー。その後はフリーの美術スタッフとして東映動画、東京ムービーなどで活動。『ルパン三世 ルパンVS複製人間』のピラミッドのシーン、『超時空要塞マクロス 愛・おぼえていますか』の火星、『風の谷のナウシカ』の腐海、『魔女の宅急便』のキキが魔法を失くす夜のシーン、『AKIRA』のメイン美術など、多くのヒット作品で美術スタッフとして活躍した[3]。 1980年上映の劇場作品『サイボーグ009 超銀河伝説』にて初の美術監督を務め、その後もいくつかの劇場作品・OVA作品で美術監督を務める。しかし、海老沢は美術監督をあまりやりたがらない性格であり、1997年発売のOVA『マスターモスキートン』以降、劇場作品・OVA作品の美術監督の役職から離れ、フリーの背景スタッフとして活動していた。しかし、2008年公開の『劇場版 空の境界 第四章 伽藍の洞』にて11年ぶりに美術監督を担当。以降はufotable作品の多くで美術監督を務めている。『劇場版 空の境界 第四章 伽藍の洞』では手描き背景にて、ほぼ全てのカット一人で担当した[1]。美術監督として参加した作品は劇場作品やOVA作品が中心であったが、65歳となった2018年、『衛宮さんちの今日のごはん』にて初のアニメシリーズの美術監督を務めた[3]。 ufotableには、同社結成後、初の受注作品であるバラエティー番組『うたばん』のジングルで放送された「うたまるくん」の美術監督を担当。以降、ufotable作品を中心に背景美術を手掛けている[2]。 現在はufotable美術部のチーフとして新人育成を担当しているほか、背景美術の勝負カットを担当することが多い[2]。新人教育の一環として、美術部のスタッフは入社後の一定期間は海老沢と同様にポスターカラーによる手描きの背景美術のみを手掛けることを義務付けている。これは、美術スタッフの画力向上を目的としている。そのため、ufotable元請作品の背景美術には手描き背景も多く採用されている[4]。 作品リスト美術監督作品劇場アニメ
Webアニメ
OVA
ゲームアニメーション
その他
参加作品テレビアニメ
劇場アニメ
OVA
美術集
出典
関連項目外部リンク |
Portal di Ensiklopedia Dunia