マカリアーマカリアー(古希: Μακαρία, Makariā)は、ギリシア神話の女性である。長母音を省略してマカリアとも表記される。英雄ヘーラクレースとデーイアネイラの娘[1]。ヘーラクレースの死後、英雄の子供たち(ヘーラクレイダイ)はミュケーナイ王エウリュステウスから迫害を受けた。そのときマカリアーは自ら命を絶つことによって一族を救ったと伝えられている[2][1]。 神話エウリーピデースエウリーピデースの悲劇『ヘーラクレースの子供たち』によると、ヘーラクレイダイはエウリュステウスの迫害から逃れるため、アッティカ地方のマラトーンに身を寄せた。アテーナイ王のデーモポーンは彼らを保護し、エウリュステウス率いるアルゴス軍と戦うべく兵を起こしたが、アテーナイに古くから伝わる神託を調べた結果、勝利するためにはハーデースの妃神ペルセポネーに良家の娘を生贄として捧げる必要があることが判明した[3]。それを知ったマカリアーは一族のために自ら進んでその身を差し出す決意をした。ヘーラクレースの甥イオラーオスは全ての姉妹で籤を引き、公平に決めるべきだと主張したが、マカリアーはむしろ偶然引いた籤で死ぬのは嫌だと言ってこれを退けた。こうして、マカリアーはデーモポーンの立会いの下でペルセポネーの生贄となり、彼女の望み通りに女性の腕の中で息絶えた[2]。 パウサニアスパウサニアスによると、ヘーラクレイダイがエウリュステウスの迫害を受けたのは、アテーナイ王デーモポーンの父テーセウスの時代とされている。テーセウスはトラーキース王ケーユクスに保護されていた彼らを受け入れ、エウリュステウスからの引き渡しの要求にも応じなかったが、ヘーラクレースの子供たちの中から自ら犠牲になる者が現れらなければアテーナイは戦いに勝つことが出来ないと神託で告げられた。そこでマカリアーは自ら喉をかき切って命を絶った。この犠牲によってアテーナイは勝利し、ヘーラクレイダイは救われた。マラトーンにあるマカリアーの泉は彼女の名前に由来するという[1]。 系図
その他のマカリアー
脚注参考文献 |
Portal di Ensiklopedia Dunia